著者
佐々木 健介 小林 秀幸 岩村 英志 西木 玲彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.255, pp.1-5, 2003-08-14
被引用文献数
4

位相シフトを持つファイバブラッググレーティング(FBG)の作製において、ユニフォーム位相マスクをスライドさせる方法によりFBG中に位相シフト部を形成した。そのFBGを評価した結果、FBG中の所望の位置にλ/4の位相シフト部が形成できることを確認した。また、位相マスクを振動させることで屈折率変調量を調整する方法も検討した結果、位相マスクを正弦波で振動させ、その振幅量を変えることで、シミュレーションと一致する屈折率変調量が得られた。これらの方法により、位相シフトを持ち、かつ、アポダイズが施されたFBGが作製できた。
著者
町 好雄 劉 超 藤平 光一 石崎 俊明 浜岡 勤 古田土 節夫
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.404-410, 2001-09-01

氣合氣道の氣を調べるために、折れない腕という実験を行った。これは氣が力ではないということを見せるために行われる方法であるが、この時の生理的測定を行った。その結果、氣の状態における場合でも力を利用場合に比べ交感神経系の活動を半分程度で行っていることが分かった。この報告では気で阻止する場合に息を吐いていることがわかった。これが氣の力に結びついていると考える。力の場合は息を止めて力を出しているのとは全く異なる。
著者
佐々木 健介
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

プリオン持続感染細胞ScN2aに治療薬を投与して異常プリオン蛋白の動態を解析する研究で、種類の異なる薬剤を投与して蛋白重合度変化の違いを詳細に検討した。薬剤投与によりプロテアーゼ抵抗性異常プリオン蛋白だけでなく、プリオン蛋白オリゴマーも抑制された。しかし、コンゴ・レッドおよびその誘導体化合物を投与した場合には、分子量数100kDa程度の比較的小さなオリゴマーの抑制効果が乏しいのに対して、ペントサンポリ硫酸投与では十分な抑制効果が示された。これが生体での治療効果に影響を及ぼしている可能性があり、低分子オリゴマーが神経細胞毒性に関与することが示唆された。全反射顕微鏡を用いた解析で、蛍光標識した抗プリオン蛋白抗体を培養細胞から調製したサンプルと反応させて、プリオン蛋白と結合したと考えられる輝点を検出・測定した。未反応の遊離蛍光抗体およびプリオン蛋白モノマーと結合した低輝度の輝点をガウス分布のあてはめにより除外して、重合プリオン蛋白に複数の抗体が結合したと考えられる高輝度のスポットを定量化した。異なるエピトープを認識する抗体を用いて比較解析を行ったところ、高輝度のスポットの割合は抗体ごとに異なり、オリゴマーを構成するプリオン蛋白分子の異常な重合や構造変換を示唆している可能性がある。また、ヤコブ病剖検例の検討を継続して、ヒトのプリオン病におけるペントサンポリ硫酸脳室内投与例のうち、4例の剖検データを蓄積した。治療群では、非治療コントロール群と比較してプリオン蛋白オリゴマーの割合が低下している傾向を認めた。プリオン病の病態解明にプロテアーゼ抵抗性という指標だけでなく、蛋白重合度や構造変換という指標も重要であることが示された。
著者
程 子学
出版者
会津大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本研究では、個々の学習者の状況を正確且つ全面的に把握し、その状況に応じた適切な学習支援を行うことを目的としている。ユビキタスラーニング環境においては、学習者は、実世界において実際のオブジェクトを観察・接触・操作することにより、学習することができる。また、学習支援は学習者の状況をアウェアし、リアルオブジェクトに埋め込んだ処理機能によって、適時適地に状況に適応するように行われることを目指している。今年度では、前年度の研究結果を踏まえ、学習者の状況を定義し、検出するプラットフォームとして、 SDML(Situation Description Markup Language)を提案し、室内に敷かれるユビキタスタイルというセンサーネットワークを開発し、個体(人やモノ)の位置と識別子を一括して取得することが可能になり、それに基いて、室内の学習者と周りの人やモノからなる状況を検知し、適切な支援を行う。特に、児童に対して、危険の状況を認識させ、安全意識の向上の教育に応用した。また、身体に装着するジャイロセンサーノードによって、学習者の活動の状況を把握する方法をも試みた。さらに、 U-Petというバーチャルキャラクタを設計し、センサ等で把握した学習者の実世界における学習活動の状態に基づき、ユビキタスペットの様態や支援の内容が変更し、学習者ヘフィードバックする。その特徴として、学習カーブの各フェース(順調、停滞、低下)に応じて異なる支援戦略をもって学習者に学習支援を提供できる。 U-Petは、自分の学習状態と成長率をもち、学習者の学習状態に適していきながら、一定の違いを持ち、練習しすぎた学習者に休憩を呼びかけたり、怠けた学習者に努力を喚起したりする支援を行い、学習活動を円滑に行うようにする。
著者
伊原木 大祐
出版者
同志社大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

今年度は、初年度の研究から得られた成果をもとに、本研究全体の核心をなす「受肉」概念の哲学的解明に着手する段階として位置づけられる。具体的な成果は以下のとおりである。1、後期アンリによるキリスト教論の基本的な方向性を把握すべく、レヴィナスとの違いを強く意識しながら、情感性の概念に立脚した「法」批判の意義を検討した(「生の現象学による法の批判」、雑誌『理想』に掲載予定)。アンリは、いわば「ユダヤ-カント的なもの」(リオタール)への批判的立場をヘーゲルやシェーラーと共有しているが、スピノザ哲学に想を得つつ、その立揚をいっそうラディカルな内在思想によって先鋭化している。この着眼のおかげで、レヴィナス思想との錯綜した関係もかなりはっきりと捉えられるようになった。2、アンリによる受肉概念は、エロス的関係における欲望の「挫折」という問題を踏み台にして成立している。サルトル受肉論との対比によって、逆にアンリの独自性が明確になってきた。また、前年度にレヴィナスの生殖論を「生の現象学」によって基礎づける可能性を示唆したが、レヴィナスが十分に扱いえなかった「胎児」の哲学的ステイタスという問題に関して、それを極めて特殊な「有機的抵抗」の経験として厳密に内在的な観点から再理解する方途が探求された。これは、パーソン論とは大きく異なる生命倫理学的な視野を切り開くものである。3、本年度の研究目標の一つとしていた「共同体と個体の関係」の解明からは、「種的社会の展開」および「擬態としての現象」(来年度発表予定)という二つの副産物が生まれた。いずれの論考も、現代フランス現象学に固有の考え方と深い親近性をもった分析となっている。
著者
庄子 晃子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.55-64, 1998-05-31
被引用文献数
1

ブルーノ・タウト(Bruno Taut, 1880-1938) は, 仙台の商工省工芸指導所で, 1933年11月11日から1934年3月6日まで顧問(嘱託)として指導に当たった。この間の1933年12月15日から2か月弱, タウトは, 東京や京阪地区の伝統ある工房で工芸指導所に適切な工芸品を選択するための旅に出た。その旅先の京都から, 所員斎藤信治に宛てた2通の手紙が今日に残る。それは, 1934年1月8日付の"Brief des Herrn Prof. Taut an den Herrn Saito (タウト教授氏から斎藤氏への手紙)"と, 1934年1月12日付の "Brief an den Harrn Saito (斎藤氏への手紙)" である。翻訳を試みたところ, 前者は斎藤からの手紙に対する返書であり, 工芸指導所の金工部と木工部での規範原型の研究についての助言と工房探訪の若干の報告であることがわかった。後者は, 諸工房の訪問についての詳しい報告であり, タウトが選んだ優良工芸品の数々が記されている。彼が, 伝統ある工房で優良工芸品を選択し収集したのは, 現代の新しい規範原型を創出する基礎は伝統にあることを示すためであったといえる。
著者
ミルハディ M. J. 小林 喜男
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.531-542, 1979-12-30
被引用文献数
1

1977年にH-726を供試して,土壌乾燥や萎凋がグレインソルガムの生育,窒素の吸収,収量その他の特性におよぼす影響を調査した. テンショメーターを用い4葉期から生育の全期間,土壌水分を夫々pF0〜1.5,0〜2.0,0〜2.5,0〜2.8に保つ処理をした. 6葉出葉期から4日,8日,12日と4日ずつ増加した9区の乾燥処理をし,その前後は無処理区と同様に毎日灌水した. また,9葉期,12葉期,出穂期,出穂後10日の各期に灌水を中止し,初期萎凋になった時,継続的萎凋になった時,更にその3日後,及び6日後に再び無処理区と同様に灌水して萎凋の処理をした. 得られた結果は次の通りである. 1. グレインソルガムは圃場容水量を下まわらない充分な灌水で不充分な灌水より穀実や茎葉の収量があがり,蛋白質も増加した. 2. 継続的萎凋かそれ以上の土壌乾燥は生育や穀実及び茎葉の収量,蛋白質含量を著しく減少させたが,穀実の澱粉含量には見るべき差がなかった. 3. 生育の各期によって土壌水分に対する感受性が異り,生殖生長期即ち出穂期から開花期登熟初期は危険な時期で充分な土壌水分が要求され,十分な灌漑が必要である. 従って実際の栽培では水管理をよくし,これ等の期間の土壌水分不足はさけねばならない. 4. 出穂期に水分不足になれば花柄の伸長が阻害され,登熟初期の水分不足では穂重,1穂粒数,1穂粒重,千粒重も減じたが,穂長に影響はなかった. 5. 萎凋中に伸長する諸器官の伸長は減少し,反対に再灌水後に伸長する諸器官の発達が著しく増大することは興味あることで,節間の場合に,より明瞭であった. 6. 伸長しなかった根と伸長した根の合計値は灌水量の多い区,6葉期に10日程乾燥処理をした区で無処理より大きかった. また有意差はなかったが生育の各期で軽度の萎凋処理によって伸長した根が増し総根数も増大した. これは特に9葉期の処理で明らかであった. 7. グレインソルガムが生育初期(6葉期)のおよそ10日間の乾燥で,萎凋する前に灌水したもの,そして更に生育が進んで9葉期や12葉期に初期萎凋を経過したものが無処理区より生育が盛んになり,収量が増大したことは興味深いことで,これはおそらく充分な水湿と通気のため根のよりよい伸長と分布をもたらせたためと考えられるが,更に今後の研究にまたねばならない.
著者
鈴木正司
雑誌
日本透析医会雑誌
巻号頁・発行日
vol.16, pp.33-34, 2001
被引用文献数
1
著者
峰崎 岳夫 梅田 秀之
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

近年の研究によりガンマ線バーストは大質量星の重力崩壊による極超新星に伴う現象であることが次第に明らかになってきた。したがって初期宇宙で発生したガンマ線バーストを用いて星と銀河が生まれ始めた太古の宇宙を解き明かすためには、ガンマ線バーストに付随する極超新星現象の諸性質、発生条件などを理解することが重要である。しかしながら極超新星に関する研究は始まったばかりで極超新星およびガンマ線バースト現象の理解のためには、詳細な観測が可能な近傍の極超新星やガンマ線バースト残光の研究が欠かせない。そこで本研究では近傍で発生した極超新星ないしその候補の可視〜近赤外線の多波長モニター観測を遂行し、精密な光度曲線データをもとに個々の事例について理論モデルを構築して超新星の諸性質(爆発エネルギーや親星の質量など)を求めることを目的としている。Ib型超新星SN 2008Dは2008年1月9日にSwift XRTによって偶然にもX-ray transientとして発見された大変貴重な超新星であり、そのX線放射は超新星のショックブレークアウトに伴うものともガンマ線バーストやX線フラッシュの低エネルギー版とも言われている。本研究課題に基づき、1月12日から100日以上にわたって東京大学ビッグバン宇宙国際研究センター2m望遠鏡を用いてこのSN 2008Dの可視近赤外線モニター観測を行い、精密な多波長光度曲線を得ることができた。このデータから求めた輻射光度曲線とスペクトルの情報を理論モデルで解釈することにより、SN 2008Dが爆発エネルギーや親星質量の観点から極超新星と通常の重力崩壊型超新星の中間的な性質を持つことが示された(Tanaka et.al. 2009 ApJ, 692, 1131 ; Minezaki et.al. in preparation)。
著者
豊福 利彦
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、個体発生の過程で神経提細胞による心臓流出路形成、網膜の光受容体形成におけるセマフォリンの役割を解析した。クラス6セマフォリンは心臓流出路形成の細胞移動を制御すること、クラス4セマフォリンは網膜の光受容体形成を膜輸送制御を介して制御することを明らかにした。
著者
大池 洋史 呉 海元 和田 俊和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.9, pp.2418-2421, 2008-09-01

本論文では,K-means trackerにて,より安定かつ高速に対象を追跡するために,背景に応じた非ターゲットクラスタ中心の数とそれらの配置を適応的に求める方法について述べる.提案手法では,K-means trackerにより求められたサーチエリア楕円の輪郭上の画素を走査し,ターゲット,非ターゲットクラスタ中心までの距離をもとに,追跡に都合のよい非ターゲットクラスタ中心の個数,配置を決定する.これにより,従来のK-means trackerの非ターゲットクラスタ中心の配置方法における問題である,似た特徴をもつ画素の多重選択問題と,ターゲットに近い特徴をもつ背景画素の選択もれの問題を同時に解決できる.従来のK-means trackerとの比較実験により,本手法は追跡を安定かつ,効率的に処理できることを確認した.
著者
加藤 聡 堀内 匡 伊藤 良生
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.452-460, 2009-08-15
被引用文献数
5

自己組織化マップ(SOM)を用いたクラスタリングは,k-means法などと比較して,任意形状のクラスタ抽出を比較的容易に行えることが特長の「距離ベース」の手法である.一方,個々のデータ同士の距離に注目するのではなく,データ集合の分布の状態に注目した「分布ベース」のクラスタ抽出法があり,具体的にはベイズ型情報量基準(BIC)をk-means法のアルゴリズムに適用するx-means法などを挙げることができる.この情報量規準を用いたクラスタ抽出のアプローチは,SOMを用いたクラスタリング手法にも比較的容易に適用可能であると考えられる.そこで本論文では,SOMによって初期のクラスタ候補群を生成し,これらを情報量規準に基づく判定手法によって徐々に併合するクラスタリング手法を提案する.提案手法に対して,人工的に作成したデータセットおよびUCI Machine Learning Repositoryのデータセットを用いた評価実験を行い,SOMのみを用いたクラスタリングと比較して,より本来のクラスタ分割に近いクラスタリング結果が安定的に得られること,情報量規準としてはBICよりも赤池情報量規準(AIC)が提案手法には適していること,クラスタ数の自動推定が可能であることなどの知見を得た.
著者
敷田 麻実
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.11, pp.35-60, 2010-11-15

Community development movements, which emerged in Japan in the 1980, are believed to have contributed to regional rejuvenation through the restructuring of communities as well as through economic development. The movements originally developed under administrative leadership, however the nature of regional development has changed drastically due to the decentralization of Japan's political system and socio-economic changes in Japan's rural society. Changes were further accelerated by the rise of nonprofit activities in the late 1990s. This article tries to analyze the types of experts involved in these movements. Three typical types of experts are found in community development, and their development stages are described. To prevent over-involvement by such experts, the author proposes the idea of flexible expertise and limited liability experts based on an intensive review of literature and an analysis of cases.
著者
鍋倉 賢治
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.74-77, 2000-11

昼休みや夕刻の学内ループに、ジョギングやウォーキングをする人を多く見かけます。健康・体力を維持するため?仕事の息抜き?気晴らし?ダイエット?それともマラソンで記録を更新するため? 学内関係者にとって、ループは手頃なジョギング(ジョグ)コースといえるでしょう。 ...
著者
竹内 純一 高橋 規一 實松 豊 川端 勉 川喜田 雅則 香田 徹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

機械学習,情報理論,およびそれらの応用に関する諸課題について,記述長最小原理に基づく統一的視点のもとに研究を行った.特に,Markovモデルの幾何学的構造と確率的複雑度の関係,通信路容量と確率的複雑度の関係について考察し新たな知見を得た.また,アンサンブル学習等に関して考察し,効率的アルゴリズムや推定法を提案した.さらに,これら基礎的知見に基づき,ネットワークセキュリティにおけるインシデント検知,ポートフォリオ(分散投資戦略),超解像などについて,新たな学習手法を提案し,その有効性を示した.