著者
橋爪 隆
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本年度は、本件研究の最終年度であり、倒産犯罪の保護法益、「破産手続開始決定の確定」の理論的な意義など、倒産犯罪の基礎理論的な研究(平成15年度に着手)、新破産法のもとにおける破産犯罪規定の解釈論的検討(平成16年度に着手)を引き続き実施するとともに、破産犯罪全般に関する総合的な研究作業に従事した。特に詐欺破産罪(新破産法265条)の行為類型(財産の隠匿、仮装譲渡・債務負担、価格減損行為、不利益処分など)について、その意義と限界を検討した。また、研究活動に際しては、破産犯罪にとどまらず、金融犯罪、執行妨害事案、高金利処罰、マネーロンダリングなど、経済犯罪一般に関心を広げ、経済刑法全体の文脈の中で破産犯罪を分析するように心がけた。一方、「債権回収において、いかなる場合に、また、いかなる範囲で刑事法が介入すべきなのか」という問題意識から、刑法の違法阻却の理論的研究、とりわけ自救行為(自力救済)の正当化根拠とその限界に関しても検討を加えた。その結果、現在の通説のように自救行為の成立要件をきわめて厳格に解する必要はなく、むしろ、正当防衛との連続性という観点から分析を加えるべきではないかと考えるに至った。この点についてはさらに検討を加えたうえで、近日中に成果を公表する予定である。本年度はこのように多角的な観点から研究活動を行った結果、複眼的な視点を獲得できたように思われ、それ自体はきわめて有益であった。もっとも、それらのアプローチが破産犯罪の分析に十分に収斂しているとは言い難く、今後、さらに継続的に研究を続ける必要がある。
著者
吉浦 一紀 筑井 徹 徳森 謙二 清水 真弓 後藤 多津子 河津 俊幸 岡村 和俊
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

良悪性の鑑別にMRIの造影パターンを判断材料にする事が多いが、信号強度自体は撮像法により異なり、各施設で共通した指標とはなりにくい。そのため信号強度自体を解析するのではなく、信号強度から造影剤濃度を算出し、薬物動態解析(コンパートモデル解析の一種であるTofts-Kermode model (TK model)を適応)することによって、組織固有のパラメーターを算出を試みた。その為には、造影剤投与後の造影剤濃度の把握が必要であり、算出方法の確立を行った。
著者
米山 喜晟 米山 喜晟
出版者
大阪外国語大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

本年度の研究実積はI.3年間の研究成果を中心に、従来の研究代表者の論文その他を収録した『イタリア・ノヴェッラの森』の刊行、II.論文1点と研究ノート1点、III.I.のために書き下ろした解説と要約3点である。まずII.について記し、その後I.とIII.について記す。本年度発表した論文は「G.セルミーニの心の中の障壁」と題したもので、シエナのノヴェッラ作者セルミーニのノヴェッラ集を素材として中世イタリアのコムーネの市民の心性を探究し、イタリア・ノヴェッラに頻出する悪戯のモチーフは、領域民に対する「差別と排除」のテーマを基盤としていることを論じた。研究ノートは、「ノヴェッラの起源と『ノヴェッリーノ』と題したもので、セグレやツムトルの近年の研究成果を紹介しながら、ノヴェッラというジャンルの定義と成立について論じている。同時に『ノヴェッリーノ』の新しい評価を紹介した。研究代表者が『イタリア・ノヴェッラの森』のために新しく書き下ろした解説は、1.「イタリア.ノヴェッラの森への案内」、2.「ジェンティーレ・セルミーニの人と作品」、3.「(ジラルディ・チンツィオの)『百物語』のノヴェッラの要約」で、1.はわが国で初めて試みられたイタリア中世・ルネサンス期のノヴェッラの通史であり、極めて不十分なものではあるが、これによってほぼ流れの全貌を把握することが可能となった。2.は『ロミオとジュリエット』の源流とされる作品を含んでいる作品集の全作品の要約、3.は『オセロ』や『以尺報尺』の原作を含むことで名高いが、わが国ではほとんど知られていない作品集の全作品の要約である。以上の成果を中心として、研究代表者の論文その他12点、それにイタリア口承文学研究に関してすでに定評のある気鋭の研究者鳥居正雄Gの論文3点を加えて現在刊行予定中で、すでに原稿を印刷屋に引き渡し済みの資料集が『イタリア・ノヴェッラの森』である。
著者
松田 克礼
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

プラズマフィールドを利用した害虫忌避スクリーンを開発し、害虫の侵入が問題となる栽培温室や青果物保存施設、食品工場や穀物の貯蔵倉庫などに適用した。その結果、いずれの施設においても害虫の侵入は観察されず、その有効性が確認された。また、施設の環境は大きく改善され夏場においても良好な環境が維持された。さらに、この装置は、害虫を忌避させるだけでなく、害虫を捕捉できることも明らかとなった。
著者
土佐 紀子
出版者
北海道大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

研究目的:近年、「動物福祉(animal welfare)」、という言葉を盛んに聞くようになり、実験動物に関しても動物の「幸福な暮らし(psychological well-being)」を実現するための環境エンリッチメント(environmentalenrichment)の役割が注目されている。実験動物の飼育では、飼育環境が抱える物理的または社会的な問題により、繁殖障害、発育障害、異常行動といった異常がしばしば観察される。これらの問題における環境エンリッチメントの効果に期待が高まっている。今回、環境エンリッチメントの中の一つの要素であるマウス専用玩具に注目し、マウスの異常行動である常同行動と攻撃問題における影響について解析した。研究方法と結果:実験には、給・排気型動動物飼育システム(TONETS SEOBiT)を用いた飼育室(最大収容ケージ数:432)を使用し、設置された9台のラックには前面式自動給水装置(エデステローム)が装備されていた。床敷にはペパークリーン(三協)を使用し、餌はMF(オリエンタル酵母)を給与した。この飼育室の利用者の了承を得て、飼育されているマウス全てを披見動物として使用した。マウスの種類は、ICR、C57BL/6、BDF1と、C57BL/6の遺伝的背景を持つ遺伝子組み換えマウスで、常時約800匹のマウスが飼育されていた。この飼育室で発生する常同行動を、月に1回、4ケ月間調べたところ、飼育ケージ数の平均が289.75±21.05個に対して、給水ノズルを悪戯する行動が60.5±7.85(20.75±1.28%)個のケージで観察された。これらのケージに市販されている玩具であるShepherd Shack(エルエスジー)またはMouse Igloo(アニメック)と木片を施し2週間観察したところ、78例32例(41%)で悪戯が消失した。さらに、悪戯が消失しなかったケージ5例に、新しく考案したボールタイプの玩具を施し2週観察したところ、3例(60%)で悪戯が消失した。一方、攻撃行動が観察されたケージについて、上記と同じ玩具を施したところ、10例中10例(100%)で怪我の治癒が認められた。研究成果:本研究により、マウス専用玩具が常同行動と攻撃行動に効果がある事が明らかとなった。特に攻撃問題に関しては、玩具を一つケージ入れるだけで攻撃問題が消失した事は非常に興味深く、マウスの攻撃性が低下した事によるのか、避難場所が確保できた事によるものか、今後さらに解析を進めたいと考えている。
著者
岡田 利克
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.40-60, 1980-02
著者
藤本 陽子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

まず、日本におけるカナダ現代小説の受容と消費をめぐる論文を完成させた。グローバルな出版産業と価値基準の確立がどう日本の現状に影響を与えているかを解明すると同時に、その一方で、日本独自の翻訳文学の歴史と現在の小説家たちの位置づけが、現代において「輸入もの」との文化的接合のありかたをどう規定しているかを中心に論じた。(2011年中にカナダより分担執筆として出版予定)。次にアフリカ出身のアジア系作家M.J.ヴァサンジを中心に、欧加においてどう評価がなされたかに注目した。とりあげられる文脈に応じて、アフリカ作家、アジア系作家、カナダ作家、世界文学者などと自由に定義されることの多い作家である。本研究では、特に物語の越境的な継承とストーリーテリングの力を前面に押し出す作品群の特徴が、いずれの地でもこの作家をいわゆるポストコロニアル作家として評価させる要因となっていることを考察した。しかし実際には流動する視点から自らをある特定の地点(特にカナダ)につなぎとめようとする傾向も作品の細部にはみられる。後天的に獲得されたナショナルな要素とポストコロニアルと規定されるもの交差に関する問題がここにはある。この論考の一部については、オーストラリア大学連盟の学会で報告を行った。日本では、2011年夏から秋にかけて、The New Oxford Book of Canadian Stories in Englishの翻訳を出版する(監修・訳藤本)。カナダの中短編小説に関する解説文に本研究の成果を反映させたものを、下巻に収録する予定。
著者
中信 利恵子 川西 美佐 植田 喜久子 廣川 恵子
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

ヒロシマ原爆被爆時の看護体験が、その後の人生にどのような影響を与えたのかを明らかにすることを目的とし、当時看護を行った赤十字看護婦及び看護婦生徒にライフヒストリー法による面接調査を行った。看護婦養成所での授業は中断し、悲惨な状態の人々に無我夢中で看護した。被爆後、結婚、出産、配偶者との死別、定年まで看護職として勤務するなど女性としてのライフコースを歩んだ。被爆後に病気や辛い出来事に直面した時、被爆時の看護体験を礎にして乗り越えた。生かされた自分自身は人の役に立って生きることだと意味づけていた。
著者
黒岩 眞吾 酒寄 信一 山本 誠一 藤岡 雅宣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

KDDでは海外から日本のオペレータを直接呼びだし,国際オペレータ通話が可能な「KDDジャパンダイレクト^<SM>」という国際電話サービスを提供し,多くの日本人旅行者等の利用を得ている.しかし,特定の国からの呼については,現地の子供達等によるイタズラ電話が多く様々なトラブルを引き起こしている.そこで,オペレータに呼を接続する前に音声応答装置により対応しイタズラ呼の接続を排除するシステムを開発した.
著者
山内 靖雄 田中 浄
出版者
鳥取大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1998

本研究では、強力な遺伝子転写プロモーターを植物に人為的に導入し、無作為に種々の植物ゲノム遺伝子の転写を活性化させることにより、さまざまな転写活性型突然変異体を作製し、原因となっている転写活性化された遺伝子のクローニングをするアクチベーションタギング法を用いて、環境ストレス耐性に関与する遺伝子をクローニングすることを最終目的として実験を行った。実験材料は当初はタバコとシロイヌナズナを用いて行ったが、シロイヌナズナを用いる形質転換係が芳しくなく、効率的に変異体を作製することができなかったので、当研究室で確立しているタバコを用いた形質転換系を用いて変異体植物作製を集中的に行った。本実験ではアグロバクテリウム(GV3101)とアクチベーションタギング用プラスミド(pPCVICEn4HPT)を組み合わせ、タバコ葉片に感染法によりプロモーターを導入した。プロモーター導入後のタバコカルスを抗生物質(ハイグロマイシン)を含んだ培地で選抜し、変異体植物タバコを完全体に再生した。第一世代の形質転換体タバコは種子を得るため、約6ヶ月間種子が完熟するまで栽培した。その結果、計191系統の形質転換体タバコを得ることができた。現在、得られた突然変異体タバコを播種し、塩ストレス、乾燥ストレスを負荷し、ストレスに耐性を持った個体を選抜中である。また、これらの形質転換体タバコのうちいくつかは、形態的に野生株と異なっているものがあり、今後はこのようなタバコ個体の遺伝子解析も行う予定である。
著者
松山 郁夫
出版者
佐賀大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

質問紙調査により、特別養護老人ホームの介護職員における認知症高齢者のコミュニケーション等の状態に対する認識を検討した。独自の質問項目からなる質問紙による調査の結果、346人の有効回答について俳徊の有無別に実施した因子分析の結果、「身体」「不適応」「コミュニケーション」「表現」の4因子から構成され、4因子各々の項目は同一であった。また、因子スコアを使用して各因子間の相関係数を算出すると各因子間において相関が認められた。このため、俳徊の有無に関わらず、介護職員は認知症高齢者の状態を「身体」「不適応」「コミュニケーション」「表現」の視点から捉えていると考察した。また、昨年度に引き続き、太田ステージの評価方法であるLDT-R(言語解読能力テスト改訂版)を用いて、89人の認知症高齢者の表象能力を段階別に分類できるのかを検討した。認知症高齢者の表象能力は、LDT-Rによって認知発達の低い順から段階別に分類できたため、太田ステージによる評価は認知症高齢者の表象能力を段階別に示していると推察した。認知症高齢者の表象能力を評価できれば、理解できるコミュニケーション方法を見出すことが可能になり、援助者との間にコミュニケーションが成立し、認知症高齢者の安定した生活につながると考えた。さらに、認知症の進行で表象能力や言語能力が低下し、物事への興味・関心が薄れることも考慮して、表象能力の段階が低いものには視覚的手がかりがあるパズル、高いものにはカルタを使ったレクリエーションを行った。各々集中して一定時間取り組むことができ、介護職員や利用者とのコミュニケーションをとることが増えたため、意欲的な生活につながっていると推察した。
著者
田中 弘美 平井 慎一 徐 剛
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

研究期間内において、機能(記憶容量)を拡張した現有のPCクラスタ上にAdaptive Gridアルゴリズムを実装し,アルゴリズムの並列性を評価した.今年度購入のVolumeProを用いて,高次微分特徴に基づくアダプティブグリッドのモデリングおよびボリュームレンダリングの性能を評価した。また,柔軟物体の内部計測のための埋め込み用マイクロフォースセンサを試作した.さらに、代表者及び分担者らにより以下の研究項目について検討を進めた。・Adaptive Meshに基づく幾何&力学ベース適応的モデリング:レオロジー特性をもつ柔軟物体の変形/切断のリアリティベース・シミュレーションモデルを構築することを目的とし,レオロジー物体の3次元変形特性を表すために,体積効果を用いたパーティクルベースの幾何及び力学特性に適応的な格子モデルの研究を進めた.今年度はまず,現在の幾何形状に適応的な2次元Adaptive Meshを各格子要素にかかる外力と内力に適応的なDeformable Adatptive Meshに拡張し,変形及び切断に適応的なモデリング法を検討し,さらに,手術の事前プランニングを可能にする手術シミュレーションモデルの生成法を検討した.・Adaptive Gridに基づく高速ボリュームレンダリング法の開発:対象ボリューム空間を構成する四面体集合の隣接構造をAdaptive Grid表現の二分木構造からDual Graphとして自動抽出する方法と,Dual Graphを用いて各レイ(ray)に属する四面体集合を高速に選出するレイキャスティング法を提案し,ボリュームレンダリングの高速化を図った.・ボリュームデータを用いるAdaptive Gridに基づく並列領域抽出:本年度は,肝臓の実CTボリュームデータを入力として、1)ボリュームデータに含まれるすべての領域集合と,2)その位相関係記述,を同時に並列に抽出することを検討した.・独立形状を用いたnon-rigid位置あわせ法の開発:医用画像の位置あわせには,術前撮影された画像を,何らかの変換で術中の画像に精度よく重ね合わせて表示することを目標とする.Adaptive Grid生成時に抽出された微分特徴を用いて,平行や回転を計算する大域変換と,変形を計算する局所変換の二つからなる位置あわせを検討した.・柔軟物体埋め込み用マイクロフォースセンサを用いる内部計測:本年度は柔軟指の力学モデルを確立し,2mm角サイズの6軸のマイクロフォースセンサを内蔵した柔軟指の研究を進め,柔軟指で使われるマイクロフォースセンサを用いて,物体内部の変形挙動を計測する方法を検討した.さらに,二液混合型のシリコンゴムを用いて様々な粘弾性を有するテストピースを作成し,その中の様々な位置にセンサを埋め込み、加重による内部変化をMR画像により観測し分析する方法を検討した.
著者
西川 義晃
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本年度の実績は以下の通りである。本年度は研究期間の最終年度に当たる。1.従前と同様に、明治23年商法制定以降、昭和25年商法改正前(以下、「旧商法下」とする)における会社法について、これを大規模公開企業法制と位置付ける観点から研究を進めた。まず、株式会社の設立規制および発行市場法制に関して、資料収集及びその分析を進め、成果を発表した。旧商法下においては募集設立が原則と考えられており、設立と同時に発行市場の形成が想定されていた。一方、設立時には、発起人による払込金の取込詐欺や払込の仮装などの違法行為が問題となっていた。そのため旧商法は厳格な設立規制を構築すると同時に、学説は公募に応募する公衆の保護を強く主張していた。一方、平成17年制定の新会社法は設立規制を緩和したところ、ここでは設立にまつわる弊害対策という観点が乏しいように思われ、設立規制は再検討が求められるように思われる。2.旧商法下の発行市場における相場操縦の研究を進め、その過程で現代の相場操縦規制に関し、相場操縦にかかわる民事責任について判例研究を執筆し公表した。3.新たに大規模公開企業の取締役の責任に関して、旧商法下における取締役の私財提供を研究し、成果が間もなく公表される(本年4月15日)。日興コーディアルグループにおける3億円の私財提供など、近時、私財提供は話題に上ることが多い。旧商法下において私財提供は、主に昭和2年金融恐慌の際に行われており、これと昭和13年商法改正による損害賠償請求権の査定制度との関連について考察した。査定制度は訴訟で確定すべきものを、裁判所の後見的判断により迅速に明確化するものであり、民事訴訟による責任追及と私財提供の中間的な位置づけにあったと言えるように思われる。4.昨年度、金融商品取引法の沿革について文章化したが(上村達男(編著)『金融商品取引法』中央経済社)、発行が遅延している。
著者
阪口 哲男 赤穂 義範
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会研究報告会講演論文集
巻号頁・発行日
no.9, pp.23-26, 2001-05-19

The Japanese character set consists of Hiragana, Katakana, and Kanji. Some Kanji characters have the variants that have the same meaning and pronunciations. The users of full-text retrieval systems sometimes confuse some Kanji characters with the variants and get insufficient result for their needs. The authors considered that a function that unifies Kanji variants is need for full-text retrieval systems. This paper describes a full-text retrieval system that has functions of unifying Kanji variants. The system has a thesaurus of Japanese Kanji variants and uses it for indexing and unifying Kanji characters. The authors built two example retrieval systems based on the system. They have the database of ULIS-DL (http : //lib.ulis.ac.jp/) metadata and Japan-MARC.