著者
中尾 昌善 藤枝 秀生 大高 浩
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1165-1166, 1989-10-16

計算機システムで扱うデータ量の増大に伴い。それらの管理技術が重要な課題となってきている。特に従来の小型システム(1MIPS程度の能力)では、大量データの保管媒体として有効なものがなく、イメージデータのような長大データを扱うことが困難であるという問題があった。又、小型システムの特徴として人手操作の省力化を果たせることが、その必須条件であった。一方,書替え型光DKは、ビットコストが安価で小型な割に大容量であるという利点を持ち,かつライブラリ機構による自動マウント機能を備えているため、上記目的に適している。そこで、汎用OSで光DKの本格サポートを行うことにより、従来少量データしか扱うことが出来なかった小型システムにおいて、初めて以下に示すような大量データ管理の自動化を実現した。(1)小型システムでも大容量データベースを利用可能とした。(2)媒体の自動マウントを可能とし,人手操作を不要化した。本稿では,OSにおける光DKサポートの技術的課題のいくつかを紹介する。
著者
岡本 大輔 古川 靖洋
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.31-62, 1995-10-25

エキスパート・システムとは,問題領域の専門家から獲得された専門知識を利用して推論を行ない,十分に複雑な問題を専門家(エキスパート)と同程度の能力で解決することを目標とする知的プログラムである。本論文ではそのエキスパート・システムの企業評価論への適用可能性を探った。そのため筆者らは,実際にフレーム型システムを用いた企業評価用エキスパート・システムEFSA ver.2.04を構築し,その構造を示し,どのように推論し,どの程度の問題解決能力を持つかを示した。その結果,かなり高度に専門的な問題解決能力をシステムに持たせられることがわかった。
著者
竹田 尚彦 大岩 元
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.944-954, 1992-07-15
被引用文献数
12

システム設計をおこなうことを業務とするシステム・エンジニア(いわゆるSE)の育成は 従来プログラマに対して OJT(On the Job Training)の実施によりおこなわれてきたこれはプログラミング教育とシステム設計は別のものであると考えられてきたからであるしかし 小さな練習問題のプログラムでも 独立したシステムとみなすことができるわれわれは プログラムをシステム的にとらえることにより 「よいプログラマは よいSEになる」という立場にたつこうした立場からSE育成を考慮した初級・中級のC言語カリキュラムを作成した本カリキュラムは C言語の文法を教授するだけでなく 1)プログラム書法や例外処理の扱いを徹底する 2)ミニ・プロジェクトにより漸進的なプログラム開発を学習者におこなわせることを主目的に開発した1)では プログラム書法や ユーザにとって使いやすいプログラムについて理解させる.2)では プロジェクトを通じて 実際の開発現場で生ずるようなソフトウェアの進化を体験させることにより 仕様設計 モジュール分割や部品の再利用について理解させる本カリキュラムを 約75時間の講義-演習時間で約50人の全くの初心者に実施したこの結果 ミニ・プロジェクトをうまく纏められることのできる学習者には 短時間でモジュールや仕様に対する認識が確立され 初級アプリケーションSE程度の能力が身に付くことが分ったまた本カリキュラムを教授するためには 教師が十分なシステム構築経験を持っていなければならないことも分った
著者
川本 思心 中山 実 西條 美紀
出版者
北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
no.3, pp.40-60, 2008-03
被引用文献数
3

The definition of science and technology literacy is constantly changing reflecting the relation between scienceand society. The more recent one is not only for a person to understand science and its methodology, butalso to be able to make a comprehensive judgment on the influences of science and technology on the societyand to reflect the judgment on one's activities. In this paper, the author will first make a general survey ofthe views on science and technology literacy based on earlier domestic as well as foreign studies. Next, theauthor will make a survey of the questionnaires used as means to judge the "literacy," to know how and whatthey measured. The author then describes a new questionnaire developed as a part of this study designed toevaluate the literacy in connection with the social recognition, and the result of the survey conducted usingthe questionnaire, reporting its finding that it is necessary to propose a separate educational program for eachcluster of people with different tendency.
著者
水谷 郷一 幕内 博康 町村 貴郎 島田 英雄 菅野 公司 森屋 秀樹 堀江 修 宋 吉男 杉原 隆 花上 仁 佐々木 哲二 田島 知郎 三富 利夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.82-86, 1993-01-01
被引用文献数
12

われわれは4例の特発性食道破裂を経験しその臨床的検討を加えたので報告する.年齢は40〜63歳ですべて男性であり,4例ともに飲酒後の嘔吐を契機にして発症した.初診時に診断できたものは4例中1例のみであり,他の3例は正診できなかった.治療は1例が保存的に他の3例は手術を施行した.手術を施行した1例が敗血症で死亡したが他の3例は軽快退院となった.診断に際しては本疾患の認識が最も重要であり,胸部X線写真,胸部computed tomography(以下:胸部CTと略す),ガストログラフィンを用いた食道造影を早期に行うことが大切である.また治療は,1)破裂孔が比較的小さい.2)破裂が縦隔内にとどまっている.3)縦隔内の汚染が軽度である.4.胃内容が持続的に逆流しない4つを満たすものは保存的治療とし,それ以外の症例は手術により穿孔部の閉鎖,胸腔および縦隔内の洗浄,確実なドレナージを行うことが原則と考えられた.
著者
千田 益生
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.85-91, 1987-03-18
被引用文献数
16

試作したバネ式用手力量計を用い, 仰臥位における下肢外転, 下肢伸展挙上(SLR)および両側同時SLRの最大等尺性収縮の力を足関節部で測定した.経年変化の探索は, 体重とKaup指数によって定めた標準体格者626名(11〜79歳)を対象とした.下肢3動作の最大等尺性収縮力値は, 男女とも10歳代後半あるいは20歳代にピーク値を示した.女性では14歳ですでにピーク値に近く, 40歳代までの差がわずかであることが男性と異なった.60歳代の筋力をピーク年代のそれと比較すると, 3動作とも男性では約50%, 女性では約70%であった.性差は11歳群以外にみられ, 3動作ともピーク年代の男女比が2対1で最も差があった.
著者
鄭 紹輝 綿部 隆太
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.520-524, 2000-12-05
被引用文献数
3

ダイズ20品種の無処理と老化処理種子(40℃, 相対湿度100%条件で6日放置後室内風乾)について, 20℃24時間浸水後の種子から溶出した糖(フルクトースとグルコース)の量および異なる土壌水分条件(土壌含水率:適湿区13%, 過湿区20%)における出芽率を測定し, 両者の関係を検討した.無処理種子からの糖の溶出量は種子1g当り0.4mg(もやし豆)から11.8mg(シロタエ)まで, 品種によってかなり異なったが, 老化処理種子ではほとんどの品種において増加し, 無処理種子より最高約5倍も多い糖を溶出した.種子からの糖溶出量は, 種子の大きさと有意な正の相関関係がみられ, 種子の老化処理の有無にかかわらず黄色品種で顕著に多かった.出芽率は無処理種子では土壌湿度条件の如何に関わらず良好であったが, 老化処理種子では適湿区で-部の品種, 過湿区で大多数の品種において明らかに低下した.さらに, 出芽率と種子からの糖溶出量の問には, 過湿区において有意な負の相関関係がみられ, 種子からの糖溶出は, 特に老化処理・過湿区で出芽に深く関わっていることが示唆された.なお, 本実験に供試した黒色の4品種においては, 老化処理種子からの糖溶出量が少なく, 過湿区における出芽率も他の品種より高く, 種子の活力が低下しにくい性質を持っているのではないかと考えられた.
著者
小柳津 英知
出版者
富山大学
雑誌
高岡短期大学紀要 (ISSN:09157387)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.191-205, 2005-03
被引用文献数
1

石油化学工業の生産額の大半を占めるプラスチックは基礎原料(エチレン)、中間原料(モノマー)、最終製品(ポリマー)の製造過程に分ける事ができる。このプラスチックの製造では「統合の経済」、「規模の経済」、「範囲の経済」の三つが働くため、石油化学工業の国際競争力を考える場合には、現状の経営成果のみならず、これらの要因が発揮される生産体制かどうかを検討する事が重要である。我が国の石油化学コンビナートの生産規模は、1990年以降に完成したアジアや中東の80万トン水準に比較して、50万トン以下が大半である。そのため「規模の経済」の面で競争力は劣ると考えられる。次に、原料立地の中東に比較すると「統合の経済」の面でも競争力は劣ると考えられる。これまではナフサを原料としたプラントはエタンを原料としたプラントに比較して「範囲の経済」の面で競争力を持ってきたが、そのメリッ.トは失われつつある。さらに我が国の石油化学コンビナートは米国のような近接立地によるネットワーク化がなされておらず全国に分散・孤立立地というデメリットを持つ。さらに貿易政策の面では我が国の汎用樹脂には従量税が課せられ、国内メーカー保護の色彩が強かったが、2004年以降は低い従価税に移行し、輸入拡大が予想される。このような中、我が国の石油化学コンビナート内の企業間関係は、事業の統廃合、合併の進展で大きく変わりつつある。以上から、単純な企業集積のメリット.を説く産業クラスター論を我が国の石油化学コンビナートに適用しようとするのは無理がある。我が国の石油化学コンビナート再編の望ましい方向は、国内の生産規模を縮小し、「規模の経済」で有利な海外プラントへの投資を進め、輸入拡大を進めることが、国民経済の観点から望ましいと考えられる。
著者
鈴木 省三
出版者
仙台大学
雑誌
仙台大学紀要 (ISSN:03893073)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.51-62, 1993-03

To investigate the influence of carefully defined increase in total training volume on performance, CPK and plasma hormone concentrations in experienced Bobsleighers during 6-weeks of training. Six subjects (four Bobsleighers and two control groups) participated in this study. During 6-weeks of training, Bobsleighers plasma testosterone, cortisol, serum SHBG, CPK and control test were monitored and results obtained in each case. The following results were obtained to design training program for Bobsleighers. 1) CRS was good index for control of training intensity, volume and frequency. 2) Serum CPK was changed to react to training volume rather than training intensity. 3) Secretion of plasma testosterone, cortisol and serum free testosterone varied with amount of physiological and/or psychological stress. 4) Practical experience with the plasma testosterone/SHBG ratio revealed that the tests are very useful not only to monitor training program but also to monitor the volume of training. 5) During the Reduced training periods, repeated and selected plasma hormone analyses seem to be needed to evaluate more thoroughly the actual trainability status of an individual athlete. The practical results obtained with these tests suggest that training monitored in this way can lead to better training program and results.
著者
岩城 正和 千葉 晋一 盛田 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.97, no.515, pp.1-7, 1998-01-29

1998年の長野冬季五輪のスケート競技の国際信号制作で使用することを目的に、氷中マイクロホンシステムを開発した。このマイクロホンはスケートリンクの氷の中に埋めて使用するため、観客の声援などの空気中の音を拾うことなく、氷の中から選手が滑る音だけをはっきりととらえることができる。スピードスケートのリンクには10m間隔に40個を使用し、選手の動きを追尾して自動的にミキシングするシステムも合わせて開発した。スピードスケート、アイスホッケー、ショートトラック 、ボブスレー/リュージュの各競技に使用する予定である。

1 0 0 0 OA 『挑戦』

著者
井上 昭一
出版者
関西大学
雑誌
關西大學商學論集 (ISSN:04513401)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.113-121, 2005-04-25

アルフレッド・P・スローン・ジュニア(1875〜1966)に関しては,経歴や経営哲学を含めあらゆる側面・角度から追求され分析され尽くした感があり,今更,私が仰々しく紹介するまでもないだろう。ただ一言でいいあらわすとすれば,私は,単に卓越したプロフェッショナル・マネジャー以上の存在であったとの敬意を込めて,彼のことを「インダストリアル・ステーツマン」と称したい。本稿は,当時ジェネラル・モーターズ社(以下GM)の会長(1937〜56年まで会長に在位)であったスローンが第2次大戦中の1943年12月に,「アメリカ産業戦時評議会」(Second War Congress of American Industry)で『挑戦』(The Challenge)と題して行った講演の記録を抄訳したものである。講演はきわめて広範多岐にわたっており,終戦後に企業,政府,個人を含めアメリカ合衆国全体が国際社会の中で歩むべき道や,それに向って努力することの重要性が,適切かつ具体的に表明されている。彼の講演録を読んだとき,私は古来よりわが国日本において語り継がれてきた名言,すなわち「夢なき者に目標なし。目標なきものに努力なし。努力なきものに成果なし。」を想起した。それほど明快な,資料的価値にとんだ内容であり,紹介する所似である。