著者
大田 久美子 足立 章子 松木 智美 長谷川 敬
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.4-11, 1995-02-01
被引用文献数
4

ファンデーションの主観的評価において, 他者評価(他人の化粧状態に対する評価)における要因分析と肌色の影響を調べるために実験を行った。実験は, 色白タイプ2名, 色黒タイプ2名の合計4名のモデルが16種のファンデーションで化粧した顔を, 色白タイプ11名, 色黒タイプ10名, 合計21名の評価者が45組の形容詞語対を用いて5段階評定尺度によって評価するもので, 以下の結果を得た。(1)他者評価において最も重要な要因は「自然な美しさ」である。(2)他人の化粧を評価するときは外見的な基準を重視していた。但し, 評価者の肌色タイプによって評価構造が違うことも判った。(3)色黒タイプと自認している人は自分でした化粧を評価するときと, 他人から評価されることを意識するときとでは, 評価の基準が大きく違う。(4)色白タイプの人の場合,自己評価における基準には「目立ち」という外見的な要因が含まれるが, 他者を評価するときは, より具体的な「なめらかさ」「透明感」という肌特性を重視している。これらの知見を総合的に考察した結果, 他人の化粧状態を評価する場合でも, 自分の肌色に対する意識が評価に大きく影響していることが明らかとなった。
著者
武者 宗一郎 高橋 芳久
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.365-370, 1975-06-10
被引用文献数
1 7

大豆たんぱく質がカルシウムやマグネシウムなどの塩類もしくは、酸類などの添加により凝固すること、及び一般にたんぱく質が重金属イオンと錯体形成する性質を利用し、水中の微量金属を捕集濃縮することを目的として発光分光分析の技法を用いて検討した。試料水に捕集剤として一定量の豆乳及び凝固剤として所定量の δ-グルコノラクトンを加えて加熱したんぱく質を凝固させた。この凝固物 (豆腐) に捕集濃縮された金属を発光分光分析した。その結果、用いた大豆中に検出されない金属元素のうち、金、銀、水銀、白金、ベリリウム、バリウム、カドミウム、ガリウム、セリウム、イットリウム、ランタン、インジウム、パラジウム、アンチモン、トリウム、ジルコニウムなどの捕集濃縮に応用しうることを明らかにした。
著者
武者 宗一郎 高橋 芳久
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.395-399, 1975
被引用文献数
1

大豆たんぱく質が酸などの添加により凝固する性質及び重金属イオンと錯体形成する性質を利用して,水中の微量の金を捕集濃縮することを検討した.試料水に一定量{(10~30)ml}の豆乳(6.34%)及び凝固剤δ-グルコノラクトン(δ-GLと略記)の所定量を加えて加熱し,たんぱく質を凝固させ金を捕集する.凝固物(豆腐)を低温灰化後,原子吸光又は発光分光分析法により金を定量した.金の捕集率はたんぱく質の凝固が最もよく起こるpH4.4~5.0付近になるように適量のδ-GLを加えた場合,99%以上の最大値を示した.本法を水,人工海水,食塩水及び食塩中の超微量の金の定量に応用し満足すべき結果を得るとともに,分析の実行に伴う環境汚染問題に関し,写真操作を除いて全く問題がない点を確認した.
著者
山口 清
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-6, 1959-12-30

Lo scrittore siciliano dava sottotitolo "miti" alle sue ultime opere, "La nuova colonia" (1928), "Lazzaro" (1928)e "I Giganti della montagna" (1933, incompiuto). L'Autore da brevemente notizia del utimo mito incompiuto, "Giganti della montagna". Dopo aver definito cosidetto "mitico" pirandelliano, mette in rilievo la somiglianza tra queste opere e altre opere gia scritte nei suoi ultimi decenni dell' attivita letteraria, in cui non mancano i fremiti di tono crepuscolare ed ermetico. Il mondo mitico, secondo l'autore, non e un semplice sfogo del vecchio scrittore, bensi un completamento o superamento poetico del relativismo metafisico, che esiste al centro della poesia pirandelliana, in quanto era con assiduita cercata dal lungo tormento di contemplazione del artisa. Aggiunge alla fine che la liricita nei "miti" si ricordi dei suoi primi versi del 1889-90.
著者
水野 毅 神谷 哲朗
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2005, no.5, pp.481-482, 2005-09-18

The amplitude of negative stiffness of zero-power magnetic suspension depends on the gap between the electromagnet and the suspended object. It is a problem when such suspension is used in an active vibration isolation system because its stiffness against direct disturbance becomes lower when load is applied to the isolation table. This paper presents a nonlinear feedback control scheme for keeping the amplitude of negative stiffness constant. The efficacy of the derived control scheme is demonstrated experimentally.
著者
水田 拓
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research
巻号頁・発行日
vol.3, pp.T21-T28, 2007

マダガスカル共和国アンカラファンツィカ国立公園において,2004年と2005年に温度データロガーを用いてマダガスカルサンコウチョウの巣の捕食者と捕食時間帯の特定を試みた.温度データロガーの設置と並行してビデオカメラによる捕食現場の撮影を行なった結果,ブラウンキツネザル,シロハラハイタカ,ゴノメアリノハハヘビの 3種の捕食者が特定された.ブラウンキツネザルとシロハラハイタカは夕方に,ゴノメアリノハハヘビは夜間に巣の卵やヒナを補食していた.巣の内部の測定温度は,これらの種による捕食の後急激に低下していた.ブラウンキツネザルによる捕食では,親が捕食の40分以上前から巣外に出ていたため温度変化は他と少し異なっていたが,温度変化から捕食者の種を特定することはできなかった.巣の捕食は夜間,早朝,夕方に多かったが,抱卵期と育雛期で捕食時間帯に違いは見られなかった.本研究により,捕食時間帯を特定するための温度データロガーを使用することは有効であることが示唆された.
著者
鶴見知生 小澤 陽平 岡本 鉄兵 小泉寿男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.29, pp.97-104, 2005-03-18

主としてリアルタイムソフトウェアの機能量測定法としてCOSMIC-FFPが近年ISOにおいて規格化された。しかしながら、測定法の原理/原則は述べられているが、ソフトウェア工学手法と連携していないため、メトリックスの原単位として採用する場合に致命的な測定者によるバラツキが避けられない。また、要求仕様の変更は機能量にも影響を与えるため、機能量はプロジェクト開始時だけではなく、開発プロセスのマイルストーンで継続的に測定することが必要となる。このためには測定手法が開発手法とリンクしていないと測定のためのプロセスが発生することになり、継続的な測定が難しくなる。本論文はこれらの問題を解消し、機能量を原単位とするメトリックス管理を可能にするために、UMLのいくつかのダイアグラムを利用した機能量測定と連携したオブジェクト指向アプローチの要件分析手法を提案するものである。In recent years, a method of FSM (stands for Functional Size Measurement) methods named COSMIC-FFP has been standardized in ISO for measurement of functional size, mainly of a real-time software. The definition, principles and rules of terms are stated in the method, but those are not associated with any software engineering method. Hence, there is no way to avoid scattering of measured value by measurers, and this will result in the fact that it is unavailable to apply this method for the software metrics.In addition, the measurement of functional size should be performed not only once at the beginning of the project, but also at many times whenever a functional user requirement is changed. Therefore, if not associated with any software engineering method, the measurement of the functional size of the software to be developed imposes an additional work on developers, which makes it difficult to measure the functional size continuously in the progress of project.
著者
石川 剛
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1309, pp.507-510, 2004-09-01
被引用文献数
2 3

The hydroxapatite coloring phenomenon after high-temperature firing was caused by the kinds of atmosphere gasses and the pressure. Especially the influence of oxygen on the coloring was strong. X-ray diffraction measurement showed that the hydroxapatite coloring phenomenon corresponded to the crystal phase transition of hydroxapatite. The crystal system of white and red hydroxapatite was monoclinic and reddish-brown hydroxapatite was hexagonal. From the measurement of the spectrophotometer, red hydroxapatite had an absorption band near 537 nm. This absorption band was considered to be due to the color center.
著者
安田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, no.2, pp."SS-1"-"SS-2", 2006-09-07

2001年にスタートした「e-Japan戦略」が2004年に「u-Japan戦略:ユビキタスジャパン戦略」へと変貌し、コンテンツ創製・流通、コンテンツ・ディストリビューション・ネットワーク(CDN)について、今盛んに議論されている。さらに2006年2月には首相官邸知的財産戦略本部より、コンテンツに関し、ユーザ大国・クリエータ大国・ビジネス大国の3本柱を実現すべきとの戦略が出され、我が国のコンテンツ立国戦略は本格化している。ユビキタスIP環境がコンテンツ創製・流通に与えたインパクト、新ビジネスモデルについて考察し、IP放送の重要性を示すとともに、IP放送における著作権問題の動向について述べる。
著者
井上 創造 野原 康伸 安浦 寛人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.390-394, 2006-05-01
被引用文献数
3

本稿では,自動認識技術の中でもRFIDを用いたシステムについて,プライバシーと個人情報保護に関する問題を,技術的に明確化することを試みる.近年,RFIDを初めとした自動認識技術が注目されているが,ここで必ずといっていいほどプライバシーが問題にされる.しかし,利用者やRFIDタグベンダやRFIDにかかわる情報システム技術者にとって共通の理解がされているわけではない.本稿ではプライバシーと個人情報保護を区別した上で,匿名性とリンク不能性という性質の異なる概念を導入する.更に既存の技術をこれらの観点及び,システムやRFIDタグのコストの観点から比較する.
著者
石崎 達 宮本 昭正 信太 隆夫 村松 行雄 水野 勝之 都丸 昌明 斉藤 恒子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.20, no.7, pp.504-513,550-55, 1971
被引用文献数
1

栃木県鹿沼市の木工業者を対象に米杉喘息の疫学調査を行なった.木工団地組合の米杉喘息発生率は6%で, 患者の4割が米杉材輸入後発病した.米杉喘息の主要症状は鼻炎, 喘息, 眼結膜炎, 皮膚炎で, 発作は午後から夜にかけて起こる.職種からみて, 製材で眼結膜炎, 加工で鼻炎と喘息が起こりやすい.症状発現には米杉作業, アレルギー素質の関与が大きく, 喘息患者の半数近くに慢性気管支炎の合併があった.
著者
飯塚 成彦
出版者
白鴎大学
雑誌
白鴎大学論集 (ISSN:09137661)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.149-164, 1990-03