著者
新井 竜治
出版者
共栄学園短期大学
雑誌
共栄学園短期大学研究紀要 (ISSN:1348060X)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.11-35, 2009-03-31
被引用文献数
1

平成15年度から19年度にかけて本学住居学科に在籍してインテリアの学びを志した学生に対する、インテリア関連の資格取得支援によって、多くの学生が在学中に希望する各種公的民間資格を取得することができた。特にこの間、インテリアコーディネーター資格試験という超難関の資格試験に合格して、在学中に学生インテリアコーディネーターになって卒業した学生を5名輩出できたことは大きな成果であった。そこには、学生本人の明確なモチベーション、信頼度が高く効率的なカリキュラム、一人一人に向かい合う指導姿勢が存在していた。しかしながら、難度の高い資格を取得できずに卒業した学生も大勢いたことも事実である。そこには、学生本人が培ってきた基礎学力の差という問題があった。この基礎学力は高校時代までに培うべきものであるが、昨今は入学時の学力不足問題もあることから、短大教育における専門教育と共に、幅広い基礎教養教育も重要である。

4 0 0 0 OA 大成武鑑

出版者
出雲寺万次郎
巻号頁・発行日
vol.巻之二 分冊ノ二, 1861
著者
中村 覚
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の目的は、オンライン上で複数のユーザが共同で史料を翻刻可能なシステムを開発することである。特に、IIIFやTEI等の国際標準規格に準拠することにより、汎用的・国際的に利用可能なシステムの構築を目指す。具体的には、IIIF準拠の画像を入力データとして、IIIF準拠で公開されている様々な史料を翻刻対象として登録可能とする。また、システムに登録されたテキストデータをTEI準拠の形式でエクスポートする機能を提供し、テキストデータの長期保存およびシステムに依存しない多様な利活用を支援する。さらに、東京大学柏図書館が所蔵する『平賀譲文書』を対象とした翻刻作業を実施し、システムの利用可能性を示す。
著者
上村 幸雄 Uemura Yukio
出版者
琉球大学法文学部
雑誌
日本東洋文化論集 : 琉球大学法文学部紀要 (ISSN:13454781)
巻号頁・発行日
no.19, pp.141-147, 2013-03

①万葉仮名が成立する前の前史と、万葉仮名から音節文字としての2種類の仮名文字、すなわち片仮名と平仮名が成立する道すじとを、表によって概観した。②それらの仮名が日本漢字音の中の呉音によったのか、それとも同じく漢音によったのか、あるいは'慣用音と呼ばれる音によったのか、はたまた、漢字の訓によったのかを、個々の仮名文字ごとに示した。③万葉仮名に用いられた多数の漢字のうち、どの漢字が片仮名・平仮名に選ばれたのかは小学館の「日本国語大字典(第2版、2000)」の各50音の項目の第一ページ目に表として掲げられており、この論文に掲げてある表も、それに基づいて筆者が作成したものである。④日本語の50音図のそれぞれの片仮名・平仮名のもととなった漢字が、それが輸入されたもとの中国語においてどのような発音を表す漢字であったのかは藤堂明保編の「学研漢和大字典」(学習研究社、1980)所収の各漢字の項目に記載された'情報に依っている。同辞典は数ある漢和辞典のうち、筆者の知る限り、唯一各漢字ごとに中国語の音韻に関する詳しい'情報が記載されている辞典であるが、それは編者の藤堂明保(1915~1985)が中国語音韻史の専門家として同辞典の編集に当たったためである。筆者のこの稿では、同辞典における所載の漢字の何ページに載っているかを、算用数字で示してある。そのページを開けば、問題の漢字の中国語音韻史上の詳しい情報を知ることができる。すなわち、周漢時代の上古音から、階唐の時代の中古音、そして元の「中原音韻」、そして現代の北京の中国語に至る音韻の変遷が発音記号によって示されている。そして現代北京語については、ピンイン(併音)によるローマ字表記と四声の区別とが示されている。また、漢字ごとの日本漢字音における呉音と漢音、そしていわゆる'慣用音などの区別、また主要な訓も記載されている。さらには意味、また日本の国字としての意味・用法についての記載も見られる。ここでは煩雑を避けて、「学研漢和大字典」の所蔵ページのみを示したのである。
著者
三谷 博 深町 英夫 後藤 はる美 酒井 啓子 塩出 浩之 池田 嘉郎 平 正人
出版者
公益財団法人東洋文庫
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

この研究は近代に起きた6つの革命を公論と暴力の関係に着目しつつ比較する。取り上げるのはイギリス・フランス・日本・中国・ロシア・中東の革命で、日本と外国の専門家が互いに緊密な議論を行い、最後は英文論文集を刊行する。革命では公論と暴力が同時に誕生するが、暴力が蔓延する条件を探るのが第1の問題である。また、革命の終わりには暴力が排除されるが、その後、公論が維持されて自由な体制が生まれるのか、公論まで排除されて専制体制が生ずるのか、その分岐要因の解明が第2の課題である。さらに、諸革命がどんな連鎖関係に立っていたのか、アジアなど後発革命の側から先行革命の利用の様子を明らかにする。
著者
影山 椋 清野 淳司 藤波 美起登 五十幡 康弘 中井 浩巳
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第41回ケモインフォマティクス討論会 熊本
巻号頁・発行日
pp.2C11, 2018 (Released:2018-10-26)
参考文献数
4

Orbital-free密度汎関数理論(OF-DFT)では、原子・分子のエネルギーを軌道を用いず電子密度の汎関数で表す。我々は運動エネルギー(KE)項について、Kohn-Sham DFT(KS-DFT)計算で得た電子密度とKE密度の関係を機械学習で結び付けKE密度汎関数(KEDF)を構築する手法を開発した。機械学習により構築されたKEDF(ML-KEDF)は従来のあらゆるKEDFより小さい誤差でKS-DFTのKEを再現した。一方、ML-KEDFを用いてOF-DFT計算を行うには初期電子密度から基底状態の電子密度を決定する最適化計算が必要となる。本研究はこの計算を実装した。またこの計算で用いる、ML-KEDFの電子密度に関する微分で表される運動ポテンシャル(KP)を機械学習により構築する手法を開発した。幾つかの原子・分子に対し最適化された電子密度と全エネルギーの計算精度について検証を行った。
著者
沖 嘉訓 前川 眞一
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.57-72, 2017 (Released:2017-12-01)
参考文献数
23

Equating or linking, which calibrate the parameters of two or more tests, are critical to the application of IRT, because they allow for comparisons between test scores. Common item design or common person design is often used for equating. In Multidimensional item response theory model (MIRT), there is a case that both common item design and common person design are available. However, few studies about the equating process corresponding to such a case has not been conducted. The present study proposes the integration of common item and common person criteria and analyzes the characteristics of the method through computer simulations. The results of the simulations reveal the proposed method is effective when one must take both criterion into consideration.
著者
佐藤 伸悟 三浦 総一郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.108, no.4, pp.564-574, 2011 (Released:2011-04-05)
参考文献数
77
被引用文献数
1

Glucagon-like peptide-2(GLP-2)は33のアミノ酸で構成されるプログルカゴン由来ペプチドのひとつで,腸管内分泌細胞(L細胞)で生成される.G蛋白共役受容体に結合し,そのシグナル伝達は受容体発現細胞内のみならず,インスリン様成長因子(insulin-like growth factor;IGF-1)や迷走神経線維を介し全身に広く及ぶと想定される.小腸粘膜増殖・消化吸収の促進・粘膜バリアの維持など多彩な作用で腸管機能の恒常性に寄与し,現在,短腸症候群を中心にアナログ製剤の実用化が期待されている.本稿ではGLP-2の生理作用や臨床応用の現況,今後の課題について概説する.
著者
藤野 孝介 久保田 伊知郎 本岡 大和 池田 公英 森 毅 鈴木 実
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.670-674, 2013-09-15 (Released:2013-10-01)
参考文献数
11

肺切除後の気漏や手術を避けたい気胸患者に対して50%ブドウ糖液を使用した胸膜癒着術を施行し良好な成績を得ているので報告する.方法は,50%ブドウ糖液200 mlと1%キシロカイン10 mlを胸腔内に注入する.2012年4月から7月までに11例に施行し9例で成功し,2例は不成功でありOK-432による胸膜癒着術に変更し気漏の消失に至った.この2例は高度の肺気腫を伴い気漏の量が多い症例であった.本法はOK-432と比較すると胸膜癒着効果は弱い可能性があるが,十分に胸膜癒着効果を認め,また,胸痛や発熱などの副作用は非常に少なく,間質性肺炎の患者2例でも安全に使用できた.以上より,本法は簡便かつ安全で有効な治療法であり胸膜癒着剤として最初に試みてもよい方法であると考える.
著者
戸邉 秀明 トベ ヒデアキ Tobe Hideaki
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
社会科学 = The social sciences (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.27-47, 2013-02

論説(Article)本稿は,20世紀後半の日本における代表的な朝鮮近代史家であり,「内在的発展論」の主導者と目された梶村秀樹(1935~89年)の研究課題や方法の変遷について,同時代の日本歴史学の動向全体のなかに位置づけ,梶村の歴史研究の史学史的位置づけを検証する試みである。特に,梶村が晩年まで方法的革新を図り,国家と民衆の2つに焦点を結ぶ朝鮮近代史の全体像を追究した軌跡を,「戦後歴史学」とよばれる思想潮流との関係で位置づけている。It is required to understand the Japanese social sciences in the late 20th century, especially the academic movements that called "post-war historiography", to capture the development of the research agenda and methodical viewpoint by Kajimura Hideki(1935-89). This article aims to explore the Kajimura' s historiography on the modern Korean history in the trend of historiography in post-war Japan. Kajimura tried to innovate his own methodical viewpoint until shortly before his death, and pursued the overall picture of the modern history of Korea which links the two focuses of "state" and "people". This article traces the development of his viewpoint of "development".
著者
有田 亘 Arita Wataru アリタ ワタル
出版者
大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
no.20, pp.377-389, 1999

「対位法」という用語は今日、メディア論の分野ではよく知られたものになっている。卓抜した対位法の実践例として知られるピアニスト、グレン・グールドの演奏─だけにはとどまらない活動の全般─が、彼の傾倒していたマーシャル・マクルーハンのメディア論に結びつけて取り上げられてきたのが、その大きな理由の一つであろう。また、特に最近のカルチュラル・スタディーズの隆盛とともに、並列性、複数性、相補性などを重視するべく、「対位法的=ポリフォニック」な観点が注目されるようになってきてもいる。ただその一方で、「対位法」は頻繁に引き合いに出される音楽的比喩の域をいまだ出ていないようにも思われる。そこでこの試論では、その語をメディア論的概念として位置づける可能性を探ってみたい。第1節では、ジャンバッティスタ・ヴィーコの修辞学の内に「媒介」作用に関する先駆的議論がなされていることを確認する。第2節では、マーシャル・マクルーハンにおけるヴィーコ受容と、その際用いられた「対位法」という語のメディア論的含意について検討する。第3節では、エドワード・サイードの反復に関する議論を手がかりに、対位法の媒介的性格について論じる。第4節では、グレン・グールドを例に取り上げ、対位法をメディア論的な観点に適用する。The term of "counterpoint"has been well-known in the field of media studies today. It is probably one of the major reasons that Glenn Gould, an expert pianist noted for his contrapuntal performances, has been connected with Marshall McLuhan's media sutudy devoted himself. And besides, with the recent prosperity of cultural studies,the "contrapuntal"standpoint is getting much attention, for its emphasis on parallelism , plurality,complementality etc. But, on the other hand, "counterpoint" hasn't risen higher than the musical-figurative level yet, I think. So, this essay attempts to prove into the possibilities of the term as the concept of media studies. Part 1 confirms that the rhetoric of Giambattista Vico pioneeringly argued on the function of medium. Part 2 examines the Vico receptionin Marshall McLuhan, and the implications of the word counterpoint , from the viewpoint of media studies. Part 3 argues the nature of counterpoint as media, based on Edward Said's argument about repetition. Part 4 applys counterpoint to the viewpoint of media studies, making Glenn Gould as an example.
著者
芝崎 美和 山崎 晃
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.256-267, 2016 (Released:2016-08-08)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

本研究の目的は, 児童の謝罪が幼児と同様に罪悪感によって規定されるか否かを明らかにし, 違反発覚の有無という点で異なる約束違反場面と欺き場面での加害児の謝罪についての児童の予測が罪悪感認識の程度と関連するか否かについて明らかにすることであった。調査対象者は小学2年生87名, 4年生86名, 6年生79名であった。分析の結果, 以下の3点が明らかになった。第1に, 所有物の持ち去り場面で加害児の行動として謝罪を推測した者は罪悪感低群よりも高群で多く, 反対に自己中心的方略を推測した者は罪悪感高群よりも低群で多かった。第2に, 約束違反場面では加害児の行動予測に罪悪感認識の高低による違いはみられず, 加害児の罪悪感の程度にかかわらず謝罪が多く予測された。第3に, 欺き場面では, 罪悪感認識の高低によって謝罪を推測する程度には違いがみられなかったが, 罪悪感低群では自己中心的方略を推測した者が多く,他方,罪悪感高群では, 向社会的方略を推測した者が多かった。以上のことから, 児童の謝罪が罪悪感に規定される程度は違反の種類によって異なり, 所有物の持ち去り場面での児童の謝罪は罪悪感と関連するが, 約束違反場面での謝罪は罪悪感と関係しておらず, 違反が発覚しない欺き場面では, 罪悪感は謝罪ではなく向社会的方略を促すことが示された。
著者
坂口 貴弘
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.384-389, 2010-09-01
被引用文献数
1

アーカイブズ界では対象資料の独自性を踏まえつつ,図書館界の書誌コントロールに相当する領域を発展させるべく,各種の方法論や標準類が開発されてきた。本稿ではまず,記述に関する標準としてISAD(G)やDACS,EAD等について解説する。次に編成に関して,組織ベースの編成と機能ベースの編成を取り上げ,それぞれに関連する標準としてISAAR(CPF)とISDFに言及する。さらに電子記録のメタデータ付与に関する課題を指摘し,その標準化の取り組みのうちISO23081とMoReqについて扱う。アーカイブズの編成・記述をめぐる近年の動きには,図書館界の議論との共通点を多く見出すことができる。

4 0 0 0 OA 輿車図考 零本

著者
〔松平定信//筆〕
出版者

寛政改革で有名な松平定信(1758-1829)は、文化人としても優れ、古典への傾倒もひとかたならぬものがあった。本書は、古代以来の輿や牛車に関する文や絵を古書から写し、考察を加えたもの。塙保己一の塾生稲山行教が考証し、絵師渡部広輝が作画、定信自ら詞書を記した。公家広橋伊光や故実家橋本経亮、屋代弘賢にも、内容について意見を求めている。もと16巻であったが、文化5年(1808)火災に遭い、辛うじて焼け残った部分を、定信の側近田内親輔(月堂)が後に3軸に仕立てたもの。紙の天地の焦げ目はその時の爪あとである。
著者
田中 正
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.335-381, 1979-08-20 (Released:2017-10-02)

lepton-quarkの統一模型として,相対論的なdeformable rotator modelが検討される。結果としてlepton-quarkに対するWeinberg-Salam型の理論に実体的な解釈が与えられると同時に,いくつかの特徴的な結論が導かれる。i)lepton-quarkの固有スピンと弱アイソ・スピンとはrotatorの回転モードに起因する相互に不可分の量で,ともにSU_2構造をもつ。ii)rotatorの"変形主軸"の回転モードから,フレーバー自由度として新たにSU_2&otimes;SU_2構造,従ってそれに伴う2種のフレーバー・アイソ・スピンL^^→,M^^→が現われる。iii)"変形主軸"方向のdilatation自由度から,カラーSU_3とleptonとquarkを識別するU_1構造が導かれる。iv)この拡がり模型の斉合的記述には一般化されたKaluza-Klein型の多次元空間の導入が必要とされ,後者の計量テンソルγ_<AB>(A,B=1,2,・・・,4+n)を通じて4次元重力テンソル場g_<μν>(X),上述のlepton-quarkの内部対称性を局所化するためのYang-Mills場A^a_μ(X)(a=1,2,・・・,n),および対称性の自発的破れを誘発するHiggs場と見做されるスカラー場g_<ab>(X)(a,b=1,2,・・・,n)が自動的に理論内部に導入される。v)この理論からの予見として,(ν_τ,τ),(t,b)につづくlepton-quarkの第4のsequential doubletの存在とともに,さらに複雑な構造をもつlepton-quarkの励記状態の存在の可能性が指摘される。

4 0 0 0 OA 福岡県史資料

著者
福岡県 編
出版者
福岡県
巻号頁・発行日
vol.第3輯, 1935