著者
大江 美佐里 内村 直尚
出版者
九州精神神経学会
雑誌
九州神経精神医学 (ISSN:00236144)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.92-96, 2014-08-15 (Released:2016-01-05)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

心的外傷後ストレス障害(PTSD)で生じる悪夢に対する非薬物療法のうち,イメージを利用した治療法として代表的なものに,Imagery Rehearsal Therapy, Imagery Rescripting, Exposure, Relaxation, and Rescripting Therapyがある。近年のメタ解析では,悪夢の頻度,睡眠の質,PTSD症状の3項目において改善が認められた。本邦での日常臨床にこの治療法を組み入れるための工夫について論じ,筆者がこの治療法を利用するために作成した心理教育用の冊子について説明を加えた。PTSDの悪夢に対する,イメージを利用した治療は海外で一定の効果が示されており,今後更なる実践により本邦での効果検証がなされることを期待する。
著者
水野 勝成
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.174, 2003 (Released:2004-04-01)

国土地理院2万5千分1地形図(以下「地形図」)を眺めると、都道府県や市区町村の行政境界線付近にいわゆる飛地と呼ばれる断片的な領域がいくつか点在していることがわかる。この飛地(とびち)とは、「同一支配下に属する行政区域が地理的に連続せず、離れて他の行政区域に囲まれて存在する」(『地理学事典 改訂版』日本地誌研究所編、二宮書店、1989年)とされている。渡部(1990)は、この地形図にて飛地を所有する地方自治体として109町村を示したが、日本全国にどのような飛地が存在し、その形成理由や消滅理由等を総括した研究は少なかった。 そこで、インターネットGISの代表格である国土地理院「地形図閲覧システム」を活用し、地形図上に記載されている「行政区+飛地」(例、弘前市飛地)の地名表記を検索する。複数の地形図に同一の飛地が認識される場合があるため、各地形図を目視しながら確認することで、全国に232カ所の飛地が地形図に表記されていることが判明した。これらの飛地は鹿児島から青森まで日本全国に広く分布しているものの、北海道や愛知県にはみられず、他方、山形県、千葉県、新潟県、大阪府、鹿児島県には多くみられ、さらに、いくつかの自治体に集中している状況を明らかにした。 この232カ所の飛地情報を本研究のプラットホームとし、まず、史実資料などをもとに、これらの飛地の形成理由を調査した。これらを大まかに分類すると、江戸時代の知行地によるもの、新田開発等の人為的なもの、寺院をはじめとする宗教的なもの、隣接しない自治体の合併によるものの、4種類に類型化できる。これらの事由は単一に作用するものばかりではなく、複数の要因によるものも多い。飛地が多くみられた山形県、千葉県、新潟県、大阪府、鹿児島県における面積の小さな飛地は知行地によるものが主流であり、面積が大きく、その飛地内に学校などの公的設備が存在する場合の多くは、隣接しない地方自治体の合併によるものであった。飛地の境界線が幾何学的(例、長方形)は新田開発等の人為的なものである可能性が高いことも分かってきた。 この飛地の類型化をさらに正確なものにするため、飛地が認識された自治体へ調査票を送付し、歴史的背景を含めて、飛地の形成理由を現在調査中である。さらに、飛地の面積、人口、主要な建物、道路などの交通路、ゴミ回収をはじめとする住民サービスの状況等をGISなどの方法も併用して調査することも計画している。現在、いわゆる平成の大合併により多くの市町村合併が進行中である。多くの飛地がこの合併により消滅し、一方で、隣接しない地方自治体の合併によりさらに飛地が生成されるのではないかと考えられている。これを良い事例とし、飛地の生成・消滅事由を現実に即して類型しつつ、明らかにしたいと考える。【参考文献】長井 政太郎(1960):「飛地の問題」『人文地理』pp.21-31、21-1、人文地理学会渡部 斎(1985):「近世における飛地」『地理誌叢』pp.58-64、26-1/2、日本大学地理学会渡部 斎(1987):「地方行政境界に見られる飛地について ―広島県大竹市の場合―」『地理誌叢』pp.78-84、28-2、日本大学地理学会渡部 斎(1990):「地方行政境界にみられる飛地の現状」「道都大学紀要―教養部―」No.9、pp.45-54、道都大学
著者
山根 律子 水戸 義明 花沢 恵子 松崎 みどり 田中 美郷
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.172-185, 1990-04-25 (Released:2010-06-22)
参考文献数
9
被引用文献数
3 5

言語障害児における随意運動機能の発達を診断する一方法として, 田中, 西山らが考案した随意運動発達検査法を改訂した.本改訂では, 手指, 顔面・口腔, 躯幹・上下肢の3領域について, 計40の検査項目を設定し, 2歳0ヵ月から6歳11ヵ月までの健常児723名に同検査項目を実施した.この検査結果から, 各検査項目ごとの加齢に伴う達成傾向を検討したが, 舌運動に関わる一項目を除き, いずれも発達に伴い獲得される行動であることが示された.さらに, 健常発達からの逸脱の有無についての指標を得るために, 各検査項目ごとに, 通過率を基にしたプロビット変換を行い, 90%のこどもが達成する月齢を算出した.そして, これらのデータを基に, 臨床診断法として, 改訂版随意運動発達検査を構成した.
著者
谷本 道哉
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.3-9, 2020 (Released:2020-07-31)
参考文献数
17

体幹トレーニングとして,体幹の剛体化を目的としたプランクが行われることが多い。体幹屈曲筋・伸展筋の筋力トレーニングとして活用されることもある。また,腹横筋の活動促通を目的としたドローインもよく行われる。しかし,プランクでは実際には体幹を剛体化させるBracingも腹圧の上昇もしていない。また,そもそも多くの競技動作では体幹は固定させるよりも,大きく動作して力学的仕事を行っており,これらから考えるとプランクの意義を見出しにくい。ただし,反証データもあるが,プランクの実施による競技パフォーマンスの向上を認める報告もある。そのメカニズムは明確ではないが,選手にとって効果を実感できるのであれば,プランクの実施はプラスとなるかもしれない。また,ドローインには腹横筋の筋活動の促通効果が腰痛患者において認められる。ただし,腹横筋の筋活動レベルは競技動作そのもののほうがドローインよりもはるかに高い。競技動作を十分に行える身体機能を有する競技選手においては,ドローインを行う意義は薄いかもしれない。プランクやドローインの意義には不明確な部分があるが,体幹の機能から考えて,体幹動作の強い筋力と大きな可動性を有することが重要であることはおよそ間違いないであろう。これらの機能改善には,体幹屈曲筋・伸展筋の筋力トレーニングと体幹の可動性獲得の動作トレーニングが有用となるだろう。
著者
山崎 志郎
出版者
土地制度史学会(現 政治経済学・経済史学会)
雑誌
土地制度史学 (ISSN:04933567)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.18-36, 1986-07-20 (Released:2017-11-30)

The purpose of this paper is to make clear the change of wartime finance policy in the end of the war against China and analyze its backgrownd of money market. The characteristic of monetary policy during the war against China was nationwide mobilization of funds for the public loan and strategic industries. This mobilization made the financial structure unstable and lead it to reorganization. In deposit market concentration trend turned. Some provincial banks, especially influential ones grew big rapidly partly owing to the amalgamation movement. The cheep money policy in local money market and the funds control policy made provincial banks change their banking operation, rush in the urban money market. The advance competition became intense. That was a result of the control policy. But large equipment funds controled by financial adjustment law was supplied by a few financial organs oligopolistically. They had organized joint financing groups excluding other banks. Influential provincial banks increased advance as rapidly as big banks, but they supplied funds for newly rising or subcontract enterprises with some risk. After the outbreak of WWII, risky advance competition was going to result in credit crisis. Ministry of finance and Bank of Japan requested financial circles to organize a council of financial association aiming at stabilization of money market. Local Banker's Association joined it positively aiming at extending finance of the strategic industries through co-operation with monetary policy, so did big banks aiming at maintaining oligopoly. Thus the organization of financial constitutions was promoted with conflict objects.
著者
Yoshiyuki Yoshikawa Terutaka Hiramatsu Masaharu Sugimoto Mikiko Uemura Yuki Mori Ryoko Ichibori
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
Progress in Rehabilitation Medicine (ISSN:24321354)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.20220045, 2022 (Released:2022-09-07)
参考文献数
37
被引用文献数
2

Objectives: This double-blind crossover-controlled trial aimed to verify the effect of electrical stimulation therapy on pressure injuries with undermining.Methods : In this trial, we compared the healing rates between a sham period and a treatment period using monophasic pulsed microcurrent therapy. The participants were randomly assigned to the sham or treatment group and received stimulation for 2 weeks. All the participants, physical therapists, and researchers were blinded to the allocation. For the main analysis, data on the effect of the intervention on changes in weekly healing and contraction rates of the wound areas, including undermining, were analyzed based on a two-period crossover study design. The intervention effect was estimated by examining the mean treatment difference for each period using Wilcoxon’s signed-rank test.Results : The reduction of the entire wound area, including the undermining area, resulted in significantly higher healing and contraction rates in the treatment group (overall wound area reduction rate: contraction rate, P=0.008; period healing rate, P=0.002).Conclusions : Electrical stimulation therapy for pressure injuries, using conditions based on the findings of an in vivo culture study, was effective in reducing the wound area.
著者
松井 大
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.43-49, 2021-09-30 (Released:2021-12-14)
参考文献数
22

Streams of operant behaviors emit not in a temporally homogeneous manner, but are arranged in bouts separated by pauses of responses between them. The temporal organization of these patterns, however, had been not successfully described. The present article introduces time-series modeling attempt for bout-pause pattern, which was presented in Matsui, Yamada, Sakagami, & Tanno (2018). Furthermore, the author argued that unsolved problems concerning bout-pause literatures, concerning quantification and modeling of bout-pause patterns. As remedies for these issues, the author discusses the utilities of reinforcement learning model and computational ethology for operant studies.
著者
清水 佑輔 ターン 有加里ジェシカ 橋本 剛明 唐沢 かおり
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.92.20208, (Released:2021-10-15)
参考文献数
49
被引用文献数
1

Handicapped people have faced discriminatory attitudes from the non-handicapped. This often deprives them of fundamental human rights and can exacerbate mental illness. Symbolic ableism is one of the key forms of discriminatory attitudes toward the handicapped, and this is regarded as a cause of disagreement with policies to support the handicapped. The propensity of symbolic ableism can be measured by the Symbolic Ableism Scale (SAS; Friedman & Awsumb, 2019), which divides symbolic ableism into four components: individualism, lack of recognition of continuing discrimination, lack of empathy for disabled people, and excessive demands. Although this scale is necessary for understanding people’s attitudes toward the handicapped, it is not available in Japanese. This study was conducted to develop a Japanese version of SAS (SAS-J) and examined its reliability and validity. The result showed that SAS-J was divided into two components (i.e., individualism and lack of recognition of current condition), which is different from the original version. We discussed possible explanations of this difference, the reliability and validity of SAS-J, and future directions of symbolic ableism.
著者
桑原 雅夫 井料 美帆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_493-I_505, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
17

本研究は,古の都である平安京について,人々の移動パターンと貴族の動きを定量的に解析し,考察を加えたものである.平安京については,道路ネットワークの構造や道幅など幾何構造に関することは,よく知られているものの,その中で人々がどこに立地し,どのように移動していたのかについては,ほとんど調査分析が行われていない.本研究では,まず平安京やその前の律令時代の文献に基づいて,平安京の土地利用,身分別の住居の分布を推定した.次に,土地利用や住居分布に基づいてOD交通量を推定して交通量配分を行い,平安京街路の交通量について考察を行った.また,特権階級であった少数の貴族については,一般の庶民や役人の動きとは異なることから,別途に藤原実資の小右記に基づいて再現した.
著者
平野 勝也 加藤 優平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.1-12, 2019 (Released:2019-02-20)
参考文献数
88

標準設計は短期間に社会基盤整備をする上で有用であるが,画一的な景観が形成されるという大きな課題がある.画一的な社会基盤整備を避けるためには,選択と集中による差別化が必要であろう.本論文はそうした社会基盤整備制度の基礎資料とするために,戦前の駅等級制度を調査した.その結果,一等駅もしくは二等駅に指定することで,特別設計を行い,重要な駅についてはコストをかけた駅建築が実現していることが明らかとなった一方,それ以外の駅においては,標準設計により迅速な整備が行われていた.
著者
齋 実沙子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.118, 2013 (Released:2013-09-04)

本研究は、結婚式場の広告において「場所イメージ」がどのように利用されているのか、また、どのような役割を果たしているのかを明らかにすることを目的としている。 「場所イメージ」とは、場所を想起する際のイメージのことであり(内田,1987)、消費社会における量産商品の広告では、商品イメージの差別化を図る手段の1つとして「場所イメージ」が利用されている。そこで本研究は、結婚情報誌として圧倒的な売り上げを誇る『ゼクシィ』を事例に、結婚式場の広告の中にある「場所イメージ」に関する表象を調べることで、結婚式場に求められる「場所イメージ」やその利用状況、またその役割を明らかにした。なお、その際に本研究では、エリア・会場形態・時間という3つの視点から「場所イメージ」の利用について検証を試みた。 まず、『ゼクシィ』の特徴として、独自に区分されたエリア別に広告が掲載されていることが挙げられる。そこで、これらのエリア区分から【横浜・川崎】エリア、【湘南】エリア、【埼玉】エリア、【東京23区】エリアの4つを選定して「場所イメージ」に関する表象の分析を行った。その結果、各エリア毎に「場所イメージ」に関する表象の使用状況が明らかに異なることが分かり、例えば、【湘南】エリアでは「海」のイメージを想起させる広告が大多数であるのに対し、【埼玉】エリアではそこが「埼玉」であることを感じさせない広告が多くなっていた。このように、結婚式場の広告において「場所イメージ」は、結婚式場のイメージに相応しいものとそうでないものとが意図的に取捨選択された上で使用されており、すなわち、「場所イメージ」を利用する、あるいは不必要なイメージであれば利用しないことで、より結婚式場らしいイメージを広告の中で作り上げていることが分かった。 次に、『ゼクシィ』にはエリア別の広告掲載の他にも、【ホテルウエディング】という会場形態別の特集があるため、これとエリア別の掲載箇所を比較した。するとその結果、「場所イメージ」の利用は会場形態によって異なり、特に一流ホテルでは「場所イメージ」が全く利用されていないことが分かった。これは、ホテルが既に結婚式場に相応しい「高級感」や「特別感」といったイメージを持っているためであり、これに対して、そのようなイメージを持っていない会場では、広告の中で「場所イメージ」を利用することでそれらのイメージを補完あるいは強化しているのである。すなわち、「場所イメージ」は、結婚式場が既存のステレオタイプのイメージを持っていない場合において、特に有効に作用することが分かった。 最後に、これに時間軸を加えると2012年現在、このように巧みに利用されている「場所イメージ」は、2001年当時はそれほど利用されておらず、つまりこの間に結婚式場の広告において「場所イメージ」の利用が発達したことでより高度化・複雑化したことが分かった。これは、『ゼクシィ』が結婚情報誌市場を独占し、各結婚式場は1つの誌面上だけで他社との競合を強いられたため、広告でのイメージによる差異化が必須となった結果でもあるが、このような差異化はあくまでも微妙な差異の戯れに過ぎず、むしろ、皮肉にもそれによって並列されてしまっている。 以上、結婚式場の広告における「場所イメージ」の利用状況は、それらの背景の違いによって様々であることが分かったが、これら全ての類型に共通することは、「場所イメージ」を利用している利用していないに関わらず、本来の場所を「隠している」ということである。なぜなら、結婚式場が広告される段階で、既に「場所イメージ」は取捨選択されているため、結婚式場の広告の中で「場所イメージ」を利用していない場合はもちろん、利用している場合も不必要なものはいったん全て広告から排除されているからである。そのため、結果的にそこで表現される「場所イメージ」は、実際に私たちが抱く「場所イメージ」とはまた少し異なるものとなっており、すなわち、それらは結婚式場の広告用に「結婚式場に相応しい場所」として新たに作られた、よりキッチュな「場所」と「場所イメージ」になっているのである。そして、それらは繰り返し利用されることで再生産され、あたかも最初から「結婚式場に相応しい場所」であったかのように定着し、受け入れられるようになっていくといえよう。 また、このように「場所イメージ」が気軽に多用されるようになったことで、「場所のステレオタイプ」化もより進行し、ステレオタイプ化され単純化された「場所イメージ」は、かえって複雑な現代社会を作り出しているようにもみえる。すなわち、結婚式場の広告における「場所イメージ」の利用とその変化は、現実とイメージとがより一層錯綜したハイパーリアルな社会になっていることの1つの現れであろう。
著者
今井 佐恵子 松田 美久子 藤本 さおり 宮谷 秀一 長谷川 剛二 福井 道明 森上 眞弓 小笹 寧子 梶山 静夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.112-115, 2010 (Released:2010-04-26)
参考文献数
9
被引用文献数
5

2型糖尿病患者を対象に,野菜を米飯の後に摂取した場合と米飯の前に摂取した場合の,摂取後の血糖値および血清インスリン値を無作為クロスオーバー法により調べた.野菜から先に摂取すると,米飯から先に摂取した場合と比較して,30分後の血糖値は217±40 mg/dlから172±31 mg/dl(p<0.01),60分後は208±56 mg/dlから187±41 mg/dlと低値を示した.インスリン値も30分後,60分後共に有意に抑制された.「食べる順番」を重視した容易な教育方法が食事指導に重要であると考える.
著者
Katsuya Masuda Makoto Tanji Hideki Mima
出版者
日本デジタル・ヒューマニティーズ学会
雑誌
Journal of the Japanese Association for Digital Humanities (ISSN:21887276)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.37-43, 2015-09-02 (Released:2015-09-02)
参考文献数
2
被引用文献数
2

This study proposes a framework to access to the modern history of Japanese philosophy using natural language processing (NLP) and visualization. In order to discover new knowledge from massive amounts of information, support of information technologies is required. For supporting knowledge discovery from vast amount of books, we developed an OCR-based automatic book-digitizing framework and the system visualizing documents with relationships among them calculated by using NLP techniques. We applied the framework to Japanese journal Shisō (“Thought”) by the Japanese publisher Iwanami Shoten. We show an example of knowledge structure extracted from Shisō by using our visualizing system.
著者
中田 晴夏 磯野 忠大 芦沢 直樹 植田 猛 木村 貴彦 上村 和康
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.1124-1128, 2014 (Released:2014-11-01)
参考文献数
34

症例は70歳,男性.胃癌(T1b(SM),N0,M0,H0,P0,cStage IA)に対し,腹腔鏡下胃全摘術を施行した.既往に慢性蕁麻疹,バリウムとニフレックによるアナフィラキシーがあった.術前の血清ラテックス抗原特異的IgE抗体は陰性だった.術中,標本摘出と再建のため小開腹を行うと,血圧の急激な低下と顔面紅潮を認めた.ラテックスによるアナフィラキシーショックを疑い,直ちに抗ショック療法と手袋の変更を行い患者の状態は改善した.手術は無事終了し,術後経過は良好だった.術後血清ラテックス抗原特異的IgE抗体は陽性となった.本病態の発症を未然に予想することは非常に困難であり,発症した際には本疾患を鑑別に挙げ,適切な対応をすることで,生命にかかわる事態は避けられると考えられた.
著者
笠原 聡子 梅原 美香 吉田 正隆
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.8-13, 2021-01-01 (Released:2021-01-01)
参考文献数
16

【目的】ニカルジピン塩酸塩の持続点滴治療を要する患者における静脈炎の発症要因を明らかにする。【方法】2017年5月から2018年12月にICUで末梢静脈からニカルジピン塩酸塩を持続点滴投与された患者118名(173カテーテル)について,後ろ向きに検討した。静脈炎の危険因子を多重ロジスティック回帰分析により特定し,ROC分析によりカットオフ値を求めた。【結果】静脈炎の発症率は19.7%であった。血清アルブミン値(オッズ比0.32,95%CI 0.14〜0.71, P=0.006)と投与速度の時間加重平均(オッズ比1.27,95%CI 1.10〜1.47,P=0.001)は静脈炎発症の有意な危険因子であり,投与時間(オッズ比1.02,95%CI 1.00〜1.04,P=0.057)の関連傾向もみられた。カットオフ値は,血清アルブミン値が3.3 g/dL,投与速度が4.1 mg/hr,投与時間が22.7 hrであった。【結論】血清アルブミン値が3.3 g/dL以下,投与速度が4.1 mg/hr以上,投与時間が22.7 hr以上の患者で静脈炎の発症リスクが高かった。
著者
川畑 昌子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.673-678, 1981-10-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
7

For the purpose of clarifying the diurnal change of the human height measurements, the stature, cervicale height and right spina iliaca anterior superior height of 10 female students (19-26 years of age) were taken twice in one and another day. The measurement was practiced at 22 o'clock and every 2 hr from 6 (just after the hour of rising) to 16 o'clock on the following day, i.e., 14 times for each subject.The Variance Analysis Method was made using 3 factors; measurement hours (6 levels), subjects (10 levels), and measurement dates (2 levels). Reduction occured on the stature, head and cervical height, and lower limb height were discussed respectively.The following conclusions were obtained : 1) The diurnal change takes place mainly on the trunk.2) Total reduction of the stature from 6 to 16 o'clock is 1.5 cm on an average. Sixty % of that occurs about 8 o'clock and 80% of that does about 10 o'clock.3) It is desirable to avoid the stature measurement within 3 hr after rising, because the physiological statural reduction during this period exceeds the measurement errors.
著者
谷口 淳一 清水 裕士
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.175-186, 2017 (Released:2017-04-27)
参考文献数
30
被引用文献数
2

本研究では,大学新入生の友人に対する自己高揚的自己呈示が,その後の友人からの評価,関係満足感,及び自尊心に与える影響を検討した。調査参加者は4度の縦断的調査(4月,5月,6月,7月)に同性の友人とペアとなり,質問紙への回答を行った。232名(116組,男性134名,女性98名)を分析対象者とした。Actor-Partner Interdependence Model(APIM)を用いて,5月に友人に対して自己高揚的自己呈示を行うことが,6月の相手からの実際の評価やその評価の推測を介して,7月の関係満足感や自尊心に与える影響を検討した。分析の結果,友人に対して有能さと親しみやすさの自己呈示を行っているほど,友人からポジティブな評価を得ていると認知し,関係満足感および自尊心が高いというActor効果がみられた。また,親しみやすさの自己呈示を行っているほど,実際に友人からポジティブな評価を得ており,その後の友人の関係満足感も高いというPartner効果もみられた。つまり,親しみやすさの自己呈示は,自己呈示を行った本人と友人の双方の関係満足感の高さに影響していた。大学新入生が友人に対して自己高揚的自己呈示を行うことの有益さについて議論を行った。