- 著者
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木嶋 利男
- 出版者
- 日本雑草学会
- 雑誌
- 雑草研究 (ISSN:0372798X)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.1, pp.14-18, 2011 (Released:2011-09-09)
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
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栃木県に伝わるユウガオの株元に長ネギを混植する伝承技術を応用し,ネギ属植物に親和性のある拮抗細菌(Burkholderia gladioli)を接種し,これを混植することで,ユウガオつる割病(Fusarium oxysporum f.sp. lagenariae),キュウリつる割病(Fusarium oxysporum f.sp. cucumerinum),トマト萎ちょう病(Fusarium oxysporum f.sp. lycopersici),などの土壌病害を防除する方法を開発した。防除効果の発現機構としてはB. gladioliの産生するピロールニトルリン,ネギ属植物が産生するアリシンがFusarium属菌を抗菌することが考えられた。また,ネギ属植物と野菜との混植が土壌微生物相を多様化し,土壌病原菌の活動を抑制したと推察した。また,ウリ類をムギ類や雑草などで草生栽培する伝承技術から,うどんこ病に重寄生する重寄生菌Ampelomyces quisqualisを雑草で増殖させ,雑草を重寄生菌のバンカープランツとして利用し,うどんこ病を防除する方法を検討した。