出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.556, pp.40-41, 2012-11-26

今年9月に京浜急行線の脱線事故を引き起こした斜面崩壊。モルタルを吹き付けて金網で覆うなど、安全対策は実施していた。昨年の外部機関による調査でも、緊急対策は不要と判定。しかし、対策済み斜面の上部から土砂が崩壊してきた。 京浜急行電鉄は11月7日、列車を脱線させた9月24日の土砂崩れは、表層よりも深い層から崩れる「深層崩壊」だったと推察されると発表した。
著者
金子 恵美 和田 智之 南川 洋子 井上 優
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.140, no.4, pp.177-182, 2012 (Released:2012-10-10)
参考文献数
34
被引用文献数
3 4

アイファガン®点眼液0.1%(AIPHAGAN®)は,アドレナリンα2受容体作動薬であるブリモニジン酒石酸塩を主成分とした新規の緑内障・高眼圧症治療薬である.その眼圧下降効果は,房水産生の抑制およびぶどう膜強膜流出路を介した房水流出の促進という2つの機序に基づくと考えられている.このことからアイファガン®点眼液0.1%は,房水産生を抑制するアドレナリンβ受容体遮断薬(β遮断薬)や房水流出を促進するプロスタグランジン関連薬(PG関連薬)等との併用効果も期待できる.第III相臨床試験では,原発開放隅角緑内障(広義)および高眼圧症患者でPG関連薬の併用におけるさらなる眼圧下降効果が,また52週間の長期投与試験でも安定した眼圧下降効果が示されている.承認時までに実施した臨床試験における副作用は,総症例444例中122例(27.5%)であった.主な副作用は結膜炎(アレルギー性結膜炎を含む)38例(8.6%),点状角膜炎30例(6.8%),眼瞼炎(アレルギー性眼瞼炎を含む)20例(4.5%)および結膜充血17例(3.8%)であった.なお,本剤では点眼剤の保存剤として本邦で初めて亜塩素酸ナトリウムを使用している.
著者
高橋 労太 梅村 雅之
出版者
苫小牧工業高等専門学校
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ブラックホール時空などの湾曲時空中の動的な輻射流体において,任意の光学的厚みを持った光子に対し,一般相対論的光子ボルツマン方程式(輻射輸送方程式)を数値的に正確に解く手法は存在しない.本研究では,湾曲時空の動的流体中において,光子の放射・吸収・散乱過程をともなった一般相対論的光子ボルツマン方程式を解く手法を新たに提案し,一般相対論的輻射輸送方程式ソルバーARTISTを開発した(Takahashi, Umemura, 2017, MNRAS, 464, 4567).ARTISTにより,一般相対論的レイトレーシングの結果を高精度に再現する輻射輸送シミュレーションが可能となった.
著者
清永 敬次
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1996

博士論文
著者
堀田正敦 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[8],
著者
前川 昌子 梁 善美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.387-392, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
15

3種の市販ブリーチ剤を用いて毛髪の脱色処理を行ったところ,酸化剤,アルカリ,過炭酸ナトリウムなどブリーチ剤の含有成分の違いにより脱色効果に大きな差があることがわかった.そこで, 主要な酸化剤成分である過酸化水素を用いて処理液のpHを変化させて漂白実験を行い,脱色効果と強伸度, 表面形状の変化に対するpHの影響を検討した.その結果,pHが9以上で大きくなるにつれて脱色効果は大きくなるが,一方で高いpHでは毛髪の強度低下と表面の損傷が起こることがわかった.また,過炭酸ナトリウムは過酸化水素にアルカリを加えて行った結果よりすぐれた脱色効果を示し,毛髪の損傷も幾分抑えられることが示唆された.
著者
須摩 靖彦
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.25-56, 2009-03-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1

トゲトビムシ科の形態的な特徴と,分類指標になる上唇毛式,転節器官,茎節棘式と端節を中心に特徴を述べた.日本産トゲトビムシ科は5属3亜属29種2亜種を数える.これらを検索図,識別形質表,そして属・種の各論に分けて解説した.
著者
赤石(喜多) 記子 五月女 まりえ 小林 愛美 山下 美恵 長尾 慶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.153-162, 2011-04-05
被引用文献数
2

スペルト小麦粉にレーズン,麹,ヨーグルトより得た発酵液を添加したドウ及びパンを作り,物性面,機能面,嗜好面から検討した。・麹発酵液添加ドウは[ストレート法]よりも[中種法]で調製した方が,グルテンの伸展性が低下し,パンの膨化性が悪く,破断エネルギーが高値を示した。・ヨーグルト発酵液添加ドウは[ストレート法]よりも[中種法]で調製した方がパンの比容積は上昇し,破断エネルギーは低値を示した。・走査型電子顕微鏡観察よりパン内部の気泡状態は物性に影響を及ぼすことが明らかとなった。・ドライイーストパンよりもこれら発酵液添加パンの抗酸化性は高く,官能評価でもレーズン,ヨーグルト発酵液添加パンの嗜好性は高かったことより,パンに食品素材由来の発酵液を添加することの有用性が認められた。
著者
梅島 彩奈 宮部 真衣 荒牧 英治 灘本 明代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.361, pp.59-64, 2011-12-16

FacebookやTwitter等,マイクロブログの普及により,ユーザはインターネット上でリアルタイムなコミュニケーションを容易に行う事が可能になっている.特にTwitterは2008年に国内でのサービスを開始して以降,急速にユーザ数を伸ばしている.Twitterは多くの人々と様々な情報を共有できる半面,デマの拡散を助長することもある.実際に2011年3月11日に起こった東日本大震災において,Twitter上の様々なデマがユーザを混乱に陥れたのは記憶に新しいが,平常時においてもデマを確認することができる.そこで本論文では,災害時におけるツイートのデマとデマの訂正に注目し,デマとデマ訂正ツイートの傾向と,災害時と平常時のツイートの傾向を分析することで,デマの拡散を防止することを目指す.
著者
斉藤 一哉 野村 周平 丸山 宗利 山本 周平 舘 知宏
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

甲虫目を初めとする折りたたみ型の後翅を有する昆虫の翅の展開・収納行動をハイスピードカメラ,3次元計測技術を用いて詳細に観察する手法を構築し,ハネカクシ,テントウムシの収納・展開メカニズムの解明に成功した.折紙の幾何学を用いて翅のデザインを弾性力学的観点から説明する新しい折りたたみモデルを提案すると共に,人工の展開翼に応用するための折線パターンの一般化を行った.昆虫の翅は,人工物とは比較にならないほどの高い収納率,展開再現性,信頼性,軽量性を併せ持っている.本研究成果はこれらの優れた特性を工学応用する道を開くものである.
著者
比嘉 理麻
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第48回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.64, 2014 (Released:2014-05-11)

いわゆる「工場畜産」と呼ばれる環境下で、飼育される家畜たちは、エージェンシーなき客体、あるいは肉を生み出す単なる機械なのだろうか。この問いを出発点に、本発表では、産業化の進んだ沖縄の養豚場の事例から、人とブタの個別具体的なかかわりを明らかにすることで、産業家畜と人間の関係について別の見方を提示することを目指す。
著者
伊藤 敏雄 安部 聡一郎 川合 安 窪添 慶文 佐川 英治 佐藤 智水 關尾 史郎 中村 圭爾 福原 啓郎 葭森 健介
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

魏晋南北朝史に関する石刻史料の主要な出土地である洛陽・南京・西安・太原・大同・安陽などで現地調査を実施し、基本的石刻史料のデータ・ベースを作成した。基本問題のうち、貴族制については、貴族制形成期の史料が後世の貴族制の影響を受けていることを強調し、北朝・南朝の貴族制の実態を明らかにした。官僚制については、北魏後期の官僚の昇進がシステム的であったことなどを明らかにした。民族問題については、民族問題に関連する新出石刻史料を紹介するとともに、六鎮の乱の民族的背景などを明らかにした。