著者
安藤 美紀夫
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.4, pp.95-98, 1955-12-30
著者
小林 稔弘 坂根 純奈 平松 昌子 川口 佳奈子 恒松 一郎 渡邉 千尋
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.838-843, 2022 (Released:2022-11-30)
参考文献数
13

被包型乳頭癌(EPC)は2012年WHO分類で新規に分類されたpapillary lesions IBのまれな悪性病変である.当院で経験したEPC8例を報告する.年齢中央値66.5歳.主訴は腫瘤4例,腫瘤観察中3例,他疾患検査中1例.マンモグラフィーは全例カテゴリー3以上.超音波で混合性6例,充実性2例.腫瘤径は平均5.1cm.7例の針生検は全例悪性.乳房切除術4例,部分切除術4例.病理で浸潤あり4例.ホルモン陽性6例,HER2は浸潤例全て陰性.Ki-67は浸潤例3例で14%以上であった.部分切除例に放射線,ホルモン陽性5例に内分泌,1例に化学療法を行った.EPCは高齢傾向で,浸潤例でも浸潤癌に分類されるものよりは予後良好とされるが,自験例では40歳台も3人おり必ずしも高齢傾向とは言えず,急速増大例が目立つことや,増殖活性も浸潤例での高値も見られ,予後に留意すべき症例があることも示唆された.
著者
吉澤 誠 杉田 典大 湯田 恵美 山家 智之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J106-C, no.3, pp.90-98, 2023-03-01

筆者らは,家庭や職場における簡単な健康管理を目指し,何のセンサも身に着けずに遠隔・非接触的に生体情報を得るための言わば「ウェアレス」なセンシングを実現するための「魔法の鏡」プロジェクトを進めてきた.本論文では,このプロジェクトで開発した,血行状態,自律神経系指標,血圧相関値などの健康関連情報を測定・蓄積・解析するクラウド版「魔法の鏡」と,それをプラットホームとする,体動や照明変動の影響を受けない掌映像脈波計測システム「魔法の球」,及び複数顔同時検出機能のある映像脈波計測システム「魔法の眼」について報告し,その有効性と限界について考察する.
著者
布施 理美 長谷川 崇 清水 民子 廣岡 大吾 坂 慎弥 布施 明 横堀 將司 小山 博史 猪口 正孝
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.672-678, 2022-08-31 (Released:2022-08-31)
参考文献数
13

目的:首都直下地震で未治療死が生じないために発生傷病者数をどの程度に抑制しなければならないかを明らかにすること。方法:災害医療シミュレーション・システムを用いて内閣府の首都直下地震東京湾北部地震想定を用いて,想定から1割ずつ発生負傷者数を減じた場合の未治療死数やその内訳を検討した。災害医療の動きは東京都の災害時医療救護活動ガイドラインに準じた。結果:内閣府想定では発災後初回トリアージが赤タグの傷病者(4,296人)のうち1,507人(35.1%),黄タグの傷病者(17,224人)のうち4,775人(27.7%)が未治療死となった。未治療死は災害拠点病院よりも連携病院で多く発生していた。負傷者数を想定の4割まで減らすことができれば未治療死は30人(負傷者数の0.4%)に減じた。結論:首都直下地震発生直後に未治療死が多数発生するという“医療崩壊”を起こさないためには発生負傷者数を内閣府想定の4割程度に減らす防災・減災対策が必要である。
著者
佐藤 恵実子 今山 修平 佐藤 裕
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.613-621, 1985-08-01 (Released:2012-03-15)
参考文献数
24

71才男子。多彩な皮膚症状を呈し, 心不全で急死した原発性全身性アミロイドーシスの1例を報告した。剖検により, 全身の諸臓器にアミロイドの沈着が認められた。皮疹部の光顕所見では, ダイロン, コンゴ·レツド染色で, アミロイドの沈着を真皮に認め, 血管周囲にもアミロイドの沈着が認められた。電顕所見では, 表皮基底膜直下から, 真皮にかけてアミロイド塊が認められ, その間を線維芽細胞が突起を伸ばしていた。一部, 線維芽細胞の突起の間に, 正常なコラーゲン線維が残存しているのが観察された。また, 血管内皮細胞の基底膜の間質側に密接して, アミロイド細線維が認められており, これら光顕·電顕所見から, 血管内皮細胞を透過したアミロイドの前駆蛋白が, 何らかの機序でアミロイド細線維となり, 組織間液の流れにのつて拡散し, 線維芽細胞, 最終的には表皮基底膜にさえぎられて蓄積していつたものと考えた。
著者
宮寺 晃夫
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.96, pp.1-21, 2007-11-10 (Released:2009-09-04)
参考文献数
29

何がわれわれを規則に従って進むように、あるものを規則とみなすように、強制するのか。何がわれわれを、すでに学んだ言語の形式において語り合うように強制するのか。ウイトゲンシュタイン『数学の基礎』中村秀吉・藤田晋吾訳、大修館、二四三頁。
著者
木名瀬 高嗣
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:24240508)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.1-21, 1997-06-30 (Released:2018-03-27)

社会的レヴェルでのアイヌをめぐる問題の浮上や, 学者がそれに対して責任を果たすべきであるという気運の高まりに比して, アイヌに関する「現在」的な問題に対する文化人類学による取り組みの蓄積は依然乏しいままである。本稿は文化人類学におけるアイヌ研究の今後の可能性を模索するため, 日本におけるこの分野の言説の政治性について歴史的に考察する。そこに看取される論理への批判的視点から帝国日本の黎明期以来のアイヌを対象化する学的言説を概観したときに浮かび上がってくるのは, それらの言説が「国民」創出の過程と相関を保ちつつ, 文化的に「同化」していくアイヌの差異を永続的に対象化するレトリックを精緻なものにしていったプロセスである。本稿では, それらの言説のなかでアイヌの「現在」が捨象されることによって具体的現実のレヴェルで展開する「政治」が隠蔽されてきたことを明らかにする。
著者
吉岡 定七 長尾 彰士 苅山 四三 大西 晃二 田中 一行
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
流れの可視化 (ISSN:02873605)
巻号頁・発行日
vol.6, no.22, pp.167-172, 1986-07-05 (Released:2009-07-31)
参考文献数
3
被引用文献数
1

In order to improve combustion in a rotary engine which has a chamber recess in each rotor face and two sparkplugs on the housing, it is necessary to understand the effect of squish flow on flame propagation, because the movement of the rotor generates strong squish in the direction of rotation.To this end, the patterns of squish were visualized near TDC of compression stroke in a motordriven transparent engine, by using the spark tracing technique. The behavior of flame fronts was observed by means of high-speed camera and investigated by using a one-dimensional flame propagation model.Based on the results, the relationship between squish flow and flame propagation was clarified.
著者
高橋 史生 田淵 香苗 坪井 美奈子 加藤 勲
出版者
日本酪農科学会
雑誌
酪農科学・食品の研究 (ISSN:03850218)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.A-107-A-112, 1995 (Released:2015-10-31)
参考文献数
12

紅茶浸出液が低温に保存されるとクリームダウン,あるいはクリーミングを生じる。その要因について,本研究は,特に紅茶浸出液に及ぼすカルシウムの影響を中心に検索した。1) カルシウム添加は,明らかにクリームダウンを促進した。その促進効果は,カルシウム濃度依存の傾向を示した。VC や EDTA は,カルシウム添加で生じる紅茶の濁度上昇の抑制効果を示した。2)タンニンとカフェイン各溶液にカルシウムを添加するとある範囲内で濁度の急上昇を認めた。3)カルシウム添加で人為的に作成して得たクリームダウンの沈降成分中のカルシウム濃度は経過時間と共に増大し,しかもカルシウム添加量の増加と共に各沈降成分中のカルシウム濃度が増大する傾向を示した。4) カルシウム添加でクリームダウンを生じさせた沈降物の形態は,球形以外に小桿状,あるいはダンベル型の結晶型も認めた。市販のミルクティーの沈降物中には,紅茶浸出液にカルシウムを添加しただけでは得られない典型的なダンベル型が多数認められた。
著者
古賀 吉道 光来 健一
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21888655)
巻号頁・発行日
vol.2023-CSEC-100, no.55, pp.1-8, 2023-02-27

システムの脆弱性を完全に取り除くことは困難であるため,侵入検知システム(IDS)を用いて対象システムを監視する必要がある.しかし,システムの異常を検知するホストベース IDS は監視対象システム上で動作するため,安全に実行することが難しい.例えば,システムが改ざんされると IDS が正確なシステム情報を取得することはできなくなる.これまで,汎用 CPU の機能を用いて安全に IDS を実行する様々な手法が提案されてきたが,安全性や柔軟性などの面で問題があった.本稿では,Intel SGX とシステムマネジメントモード(SMM)を組み合わせることで,より安全かつ柔軟に IDS を実行することが可能なシステム SSdetector を提案する.SSdetectorはIDS を保護するために,SGX が提供する隔離実行環境のエンクレイヴ内で IDS を実行する.エンクレイヴ内ではシステムのメモリデータを安全に取得することができないため,SMM で動作する BIOS 内のプログラムを呼び出してメモリデータを取得する.SGX 仮想化をサポートした KVM を用いて VM 内に SSdetector を実装し,IDS が監視に用いる proc ファイルシステムに必要なシステム情報を取得する性能を調べた.
著者
濱野 晃 丸田 一郎 杉江 俊治
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.763-769, 2013 (Released:2013-08-27)
参考文献数
19

This paper proposes a new identification method for continuous-time SISO linear time-invariant models, which does not require the prior knowledge about the system order. First, an appropriately filtered input/output signal is projected onto a finite dimensional signal subspace. Then, based on the projected data, the system order is determined through a nuclear norm minimization which takes account of both model simplicity and output prediction accuracy. Numerical examples are given to demonstrate the effectiveness of the proposed method.
著者
Koichi Inoue Tomoyuki Fujita Daisuke Yoshioka Kohei Tonai Yusuke Yanagino Takashi Kakuta Naoki Tadokoro Naonori Kawamoto Kizuku Yamashita Ai Kawamura Ryohei Matsuura Takuji Kawamura Tetsuya Saito Masashi Kawamura Satoshi Kainuma Satsuki Fukushima Koichi Toda Shigeru Miyagawa
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.1961-1967, 2022-11-25 (Released:2022-11-25)
参考文献数
21
被引用文献数
2

Background: The superiority of a fully magnetically levitated centrifugal-flow left ventricular assist device (LVAD) in terms of overall survival, stroke events and pump thrombosis has been demonstrated in previous international analyses, so we evaluated a Japanese cohort for the same.Methods and Results: This retrospective observational study was conducted at Osaka University Medical Hospital and the National Cerebral and Cardiovascular Center in Japan. A total of 75 consecutive patients who underwent HeartMate3 (HM3) implantation were included. The primary endpoint was on-device survival, and the secondary endpoint was the incidence of LVAD-related complications at 2 years. All parameters were compared with those of the previously performed HeartMate II (HMII) implantation in 197 cases. The on-device survival rates were 94.7% and 92.3% in the HM3 and HMII groups, respectively, at the 2-year follow-up (P=0.62). The rehospitalization-free rate after implantation was 61.8% in the HM3 group, which was significantly higher than that in the HMII group (relative risk, 0.35; 95% confidence interval [CI], 0.23–0.55; P<0.0001). Event-free survival rates from cerebral cerebrovascular events and pump thrombosis in the HM3 group were significantly higher than those in the HMII group, at 97.2% and 100%, respectively (relative risk, 0.14; 95% CI 0.03–0.58); P=0.0015 and relative risk, not calculated; P=0.049, respectively).Conclusions: Satisfactory short-term outcomes were observed after HM3 implantation in a Japanese cohort.

2 0 0 0 OA 護法童子

著者
和多 昭夫
出版者
密教研究会
雑誌
密教文化 (ISSN:02869837)
巻号頁・発行日
vol.1973, no.104, pp.19-41, 1973-12-20 (Released:2010-03-12)
著者
西間木 彩子 三輪 陽介 鈴木 亮 桑原 彩子 横山 健一 佐藤 範英 高山 信之 坂田 好美 池田 隆徳 佐藤 徹 吉野 秀朗
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1550-1554, 2011 (Released:2013-02-21)
参考文献数
15

特発性好酸球増多症候群(idiopathic hypereosinophilic syndrome; IHES)は, 全身臓器に好酸球浸潤を伴う疾患であり, レフレル心内膜炎合併は心不全の増悪や心筋症様変化を伴い予後不良である. われわれは, 心臓MRIで治療効果を評価し得たレフレル心内膜炎合併HESの1例を経験した. 症例は33歳, 男性. 紅斑, 下痢, 末梢神経障害を主訴に来院した. 来院時, 好酸球の増加が認められた. 入院時の心電図で前胸部誘導のR波が減高していた. 心臓MRIで左室壁運動障害と心筋中層から内膜側にかけて, 遅延造影像が認められ, 心筋生検で好酸球の浸潤が確認されたため, レフレル心内膜炎と診断された. 各種検査でIHESに起因して発症したと判断され, プレドニゾロン(predonisolone; PSL)の投与が開始された. 心臓MRIで遅延造影効果が強くみられた心室中隔基部で壁運動の低下が残存し, 淡く認められた部位や造影効果のない部位は壁運動低下が改善傾向であった. レフレル心内膜炎の心臓MRIに関する報告は散見されるが, 遅延造影効果についての報告はほとんどなく, 心臓MRIの遅延造影が心機能予後予測や治療効果判定に有用である可能性が示唆された, 興味ある症例と考えられたので報告する.