著者
水谷 敦史 中山 禎司 森 弘樹 澤下 光二 加藤 俊哉 小澤 享史
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.124-128, 2017 (Released:2017-03-24)
参考文献数
8
被引用文献数
2

脳空気塞栓症は比較的稀な病態であり,特に空気の流入経路が静脈逆行性である例は特に稀である.今回我々は画像所見・剖検所見から静脈逆行性の脳空気塞栓症と診断しえた症例を経験したので報告する.症例は80 歳代の男性で意識障害を主訴に救急搬送された.来院時から重度の意識障害,瞳孔不同が認められた.頭部CT にて右側頭葉・後頭葉および両側前頭頭頂葉の傍矢状洞部の脳実質内,横静脈洞・上矢状静脈洞に極めて多量の異所性ガス像が認められ,脳ヘルニアを呈していた.生命予後,機能予後の観点から積極的治療は断念して保存的に治療したが短時間で死亡した.病理解剖所見では,出血性壊死の範囲が静脈灌流域に一致しており,脳静脈内腔に多量の気泡が認められたことから静脈逆行性の脳空気塞栓症と診断した.空気の流入経路としては慢性肺疾患・気管支肺炎に伴い縦隔気腫を来し,ここから上大静脈に空気が流入して静脈内を逆流したと考えられた.
著者
屋葺 素子
出版者
The Japanese Association for the Study of Popular Music
雑誌
ポピュラー音楽研究 (ISSN:13439251)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.17-34, 2004-12-28 (Released:2009-10-29)
参考文献数
34

本稿では、台湾で日本のポピュラー音楽が広まっている背景の一端を明らかにするために、カバー曲を取り上げ考察を行う。日本のメロディに中国語の歌詞がつけられたカバー曲は戦後より現在まで存在し続けている。しかし、時代時代に応じてカバー曲が持つ意味は変容しており、その特徴は次のようにまとめることができる。1)戦後から1960年代では、言語の政策などによって台湾語の楽曲が不足している代わりとしてカバー曲が制作された。2)1970年代から80年代ではとにかく楽曲を大量に必要としたため、「穴埋め」としてのカバー曲が求められた。日本のメロディであることを隠すということも行っていた。3)1990年代以降においては、日本・台湾の歌手の互いのプロモーションに使用されるなど、カバー曲が積極的な意味をもち、再び日本を意識したカバー曲が増加した。
著者
高久 雅生 谷藤 幹子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.29-41, 2012 (Released:2012-04-01)
参考文献数
35
被引用文献数
3 1 2

物質・材料研究機構(NIMS)では,2008年よりデジタルライブラリー構想に基づく機関リポジトリNIMS eSciDocの開発と運用を始めた。eSciDocは柔軟な拡張可能性と豊富なWeb APIを併せ持つドイツ製のオープンソースのリポジトリソフトウェアであり,単に文献リポジトリにとどまらず,eサイエンスのための汎用ツールとしての機能を持ち合わせている。このような利点を活かして開発,運用してきた機関リポジトリNIMS eSciDocの現状と課題を報告する。あわせて,機関リポジトリと対をなして取り組んでいる研究者総覧SAMURAIについても報告する。SAMURAIは,NIMS研究者約500人を対象に,その連絡先や業績文献,研究内容などをわかりやすく伝えるサービスとして,機関リポジトリや外部データベースと密に連携しながら,2010年より運用を開始した。本報告では,これらのサービス内容と利用動向とともに,今後の展開について述べる。
著者
小島 浩之
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.106, pp.1-11, 2017-05-31 (Released:2017-09-22)

本稿は,図書館職員が中国の古典籍を整理する際に必要な情報を得るための手引きとして,基礎知識や基本情報をまとめたものである。漢籍の定義からはじめて,漢籍を読み解くための基本参考書,辞書・辞典類について解説を加えたのち,分類,目録,書誌学・古文書学の順に,それぞれの伝統や学術背景に則して論じ,最後に敬意表現や避諱を例に,内容から年代などを推定する実例を附している。
著者
大津 透
出版者
法制史学会
雑誌
法制史研究 (ISSN:04412508)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.48, pp.119-152, 1999-03-30 (Released:2009-11-16)
著者
葛良 忠彦
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.273-280, 2010 (Released:2014-12-19)
参考文献数
21

現在,包装材料として,プラスチックが主要な材料となっている。プラスチックが適用されている包装材料の形態は,フィルム包装,シート成形容器,射出成形容器,ブロー成形容器など,その種類は多様である。包装材料としてのプラスチックは,ガラス,金属,紙に比べて,その歴史は比較的新しい。フレキシブル包装としては,セロファンの単層フィルム包装から始まり,現在バリア包装として,多層フィルムが多用されている。シート成形容器は,スーパーマーケットでのプリパックに適用されるようになり,普及した。ブロー成形容器は,食用油,液体調味料の容器として適用されるようになり,現在では,飲料容器として地位を確立した。包装材料には,多くの機能が要求されるが,ガスバリア性は特に重要である。現在,種々のバリアー材料やバリア化の技術が開発されている。包装材料はその使命を終えると廃棄される。このため,3R (リデュース,リユース,リサイクル) を基本とする包装設計が行われている。
著者
岡田 栄造 寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.9-16, 2001-03-31 (Released:2017-07-21)
参考文献数
17
被引用文献数
3

本稿の目的は、明治時代半ばに学校用腰掛けの改善案のなかで提案された座面の昇降機構が、その後どのように展開し、結果、事務用椅子として普及したFK式回転昇降椅子が誕生した過程を明らかにすることにある。そのために、明治時代半ば以降昭和初期までに公示された椅子の昇降機構に関する工業所有権を調査し、FK式が生み出された詳しい経緯を考察した。最初にFK式の原案となった岩岡式以前の昇降機構の展開を調査し、次いで岩岡式の開発過程を、最後に寿商店によるFK式の開発経過を調査した。調査の結果、岩岡式が、それ以前に開発されていた7種類の昇降方式のうち「滑動式-単脚」の方式を参考に改善を進めたなかで生み出されたことが明らかとなった。そして、岩岡式において椅子の構造部材として鋳物が採用されたことが、金属加工業を椅子製造プロセスに介在させる必要を生じさせた点で、重要なポイントとなっていたことを指摘した。さらに、寿商店によるFK式の開発が、実際に金属加工業者の協力を得て進められたことを確認した。
著者
小川 束
出版者
四日市大学
雑誌
四日市大学環境情報論集 (ISSN:13444883)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1_2, pp.171-176, 1998-03-20 (Released:2019-12-01)

In 1996,H.Sasaki discovered a Sandgaku, mathematical plate, in Hirohata shrine (Komono 2700,Komono-cho, Mie, Japan). No one was aware of the existence of this mathematical plate until then. In this brief note, I investigate the plate and make clear the structure of the solution given by Murai Chouei, its author.
著者
宮崎 泰広 種村 純 伊藤 絵里子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.20-27, 2013-03-31 (Released:2014-04-02)
参考文献数
20

新造語を呈した失語症者の呼称課題における反応を分析し, 新造語の出現機序について検討した。初回評価時の呼称課題にて, 新造語がその他の発話症状に比べもっとも多く出現した失語症 10 例を対象とした。初回評価時と発症1 ヵ月後の再評価時における呼称課題の反応を継時的に分析した。その結果は, 新造語の減少に伴い, 音韻性錯語の出現が増加した者は3 例, 無関連性錯語の出現が増加した者は3 例, 意味性錯語の出現が増加した者は2 例, 音韻性錯語と語性錯語の出現がともに増加した者は2 例であった。新造語の減少に伴い他の錯語が増加し, 症例により経過的に種々の錯語タイプに分かれた。これは言語処理の障害過程を反映している可能性を示し, 新造語は音韻レベル, 意味・語彙レベル, その複合的な障害により生じることが示唆された。
著者
阪口 和滋 大村 稔 堀内 晋
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.104, no.1, pp.6-11, 2013-01-20 (Released:2014-02-21)
参考文献数
15

(目的) 透析患者は一般人と比較して,腎癌発生率が高いため,腹部超音波検査,CTによる定期的スクリーニングが有益とされている.また,透析腎癌は高率に後天性嚢胞性腎疾患(ACDK)を合併し,その関連性が示唆されている.当院におけるスクリーニングの有用性,およびACDKとの関連性に関して検討した. (対象・方法) 2005年8月より2011年6月までに,当院で慢性腎不全に対し血液透析療法を施行された624症例と,そのうち腎癌症例12例を対象に解析を行った.スクリーニングは年に1回の腹部超音波検査で行った.透析腎癌の罹患率,発生率,発見契機とその予後,およびACDKの合併率を用いて考察した. (結果) 透析腎癌の罹患率は2.08%,年間発生率は0.33%と高率であった.発見の契機はスクリーニング超音波検査7例(A群),他疾患精査目的の腹部超音波もしくは腹部CT検査2例(B群),有症状精査3例(C群)であった.A群およびB群は1例の他因死を除き,全例癌なし生存であった.それに対してC群は,診断後全例6カ月以内に癌死した.C群3例のうち,スクリーニング検査を施行された症例は1例のみであった.また,ACDKの合併率は91.7%であった(p=0.0026). (結論) 透析患者の腎癌スクリーニング検査が予後に関し有用であると考えられた.透析腎癌にACDKは高率に合併し,その関連性が示唆された.
著者
加地 留美
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.182-187, 2012-03-01 (Released:2013-03-01)
参考文献数
29
被引用文献数
2 1

乳酸菌の摂取が生体に与える様々な保健効果の中で,免疫調節作用に強い関心と期待が集まっている.乳酸菌が免疫系に及ぼす効果は,腸内フローラの制御を介した間接的な作用だけでなく,乳酸菌と免疫担当細胞との直接的な相互作用を介して発揮されることが明らかになってきた.ここでは,乳酸菌の免疫調節作用に関する最新の知見を,受容体による認識に引き続いて起こる細胞内シグナル伝達系の活性化に焦点を当てて概説する.
著者
林 憲二
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.F13-F26, 1992-03-20 (Released:2017-10-02)

日本におけるネーターの変分原理の本格的な受容は伏見康治先生に始まり、その弟子内山龍雄先生においてゲージ原理として提唱され、また中野董夫先生において別種のゲージ原理が開発されたのを回顧し、ある提言をしたい。残りの部分は最近の発展の大筋を追う。
著者
横山 海青 髙倉 礼 志築 文太郎 川口 一画
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.383-396, 2021-11-25 (Released:2021-11-25)
参考文献数
21

A Japanese software keyboard for game consoles has a problem with the entry speed and widget size. In this article, we show JoyFlick that is a text entry method for an improved Japanese software keyboard. We evaluated the text entry speed and accuracy of JoyFlick. Also, we conducted an analysis of the user’s operations to study the tendency of the operations and verify the design of JoyFlick. The results showed the following tendencies: the user tends to tilt the stick to select the keys on the outer edge;the user tends to restore the stick to the neutral position between selections; the user tends to restore both sticks to the neutral position at the same time (M = 15.5 × 10−2s) at the entry of a character. Also, the results showed that the design of JoyFlick, which restricts the order of consonant and vowel selection prevents a part of mistaken entries. Moreover, we show the outlook of the application and the necessity of study in actual and several environments.
著者
植木 博子 吉村 英哉 日山 鐘浩 望月 智之 二村 昭元 秋田 恵一
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.369-371, 2014 (Released:2014-10-01)
参考文献数
7

小胸筋腱の停止が烏口突起をこえて延長する解剖学的破格は以前から知られている.過去に我々が調査した屍体解剖実習体では小胸筋延長腱の発現率は34.6%(81肩中21肩)であり,延長腱は烏口突起を越えて関節包の方に広がっていた.今回,肩腱板断裂症例において鏡視下修復術時に小胸筋延長腱の有無を確認し形態について観察した. 対象は2012年6月から12月までに当院で鏡視下腱板修復術を施行した腱板断裂症例25例(男性13例,女性12例)であった.術中にまず烏口突起基部を同定し小胸筋延長腱の存在を確認した. 延長腱は25例中10例(40%)に認められた.烏口突起に停止せずに上面を滑動し棘上筋の方向に向かい,烏口上腕靭帯とは明瞭に区別がついた. 臨床でも延長腱の発現頻度は比較的高く,その走行および付着の形態より肩甲上腕関節機能に影響を与えることが示唆された.鏡視下手術では延長腱の存在を留意する必要があると考えられた.
著者
永澤 済
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.159, pp.37-68, 2021 (Released:2021-03-30)
参考文献数
28

中国漢文において助動詞「令」は〈使役〉を表すが,日本中世の和化漢文では,本来の〈使役〉用法から派生したとみられる独自の非〈使役〉用法が非常に広範囲に使用されている。この「令」の機能について,従来,取り除いても文意に影響しないとの見方や,〈謙譲〉〈再帰〉〈意志動詞化〉等の意を表すとの見方が示されてきたが,統一的な結論は出ていない。本稿では,従来の意味中心の分析ではなく,構文機能に目を向けることで次のように結論した。非使役「令」の機能は動詞マーカー/動詞化である。助詞や接辞を表し得ない和化漢文で,和語の軽動詞「する」を代替した。その起源は,本来使役を表す「S令V」構文が(他)動詞文と意味的に隣接するケースにおいて,「令」の表す使役の意が後退して単なる動詞マーカーと解釈されたものと推定される。Vの位置には,意志行為,非意志現象,無生物主体の事象,形容詞まで幅広く立つ。先行研究で「令」は「致」との類似性が指摘されたが,「致」の後続語は意志行為に限られかつ「令」の場合のような動詞化はせず名詞的性格にとどまる点で,両者の機能は異なる。
著者
柴田 昌平
出版者
全国大学国語教育学会
雑誌
国語科教育 (ISSN:02870479)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.54-61, 2015-03-31 (Released:2017-07-10)

I tried an approach to learning WAKA Japanese poetry that applied a WAKA interpretation theory in a clear framework for interpretation on the basis of the following Japanese basic recognition vocabulary categories : "KATA, KATACHI" and "MONO, KOTO". For rational and simple learning, I planned a learning unit of 10 hours with a material of 42 poems from the first half of the spring part of "Kokin Wakashu", and practiced it with 26 high school freshmen. This is intended as a suggestion on the present conditions to learn excellent poems of "Manyoshu", "Kokin Wakashu", and "Shinkokin Wakashu" in the introduction period to learn WAKA Japanese poetry at high school. As a result, a certain level of analysis and interpretation of the poems were attained, based on the framework and the concept described above. This approach is also significant as a way of systematization of poetry learning of elementary, junior high, and high schools.
著者
合場 敬子
出版者
日本スポーツとジェンダー学会
雑誌
スポーツとジェンダー研究 (ISSN:13482157)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.82-92, 2014 (Released:2017-04-28)
参考文献数
49

Through research on women professional wrestlers, I found that several wrestlers reinforce their confidence to counter male violence and/or attain physical and/or mental strength by participating sports in schools and engaging professional wrestling. Once they attain physical strength, they do experience “physical empowerment.” On the other hand, many women in contemporary Japan are not physically empowered because girls and women in Japan are not encouraged to develop physical strength and athletic abilities. In addition, they fear male violence. Some wrestlers I interviewed actually rescued some women who were frozen by groping inside trains. Therefore, physical empowerment means a process that women in current Japan, who do not exercise their physical strengths thoroughly, take it back. To realize physical empowerment for women in contemporary Japan, I argue that theories and practices of “physical feminism” should be widely disseminated. What is physical feminism? I define it as practices and movements underpinned by thoughts of feminism that facilitate women to attain physical strength. Physical feminism has two goals at this time. One is encouraging girls and women to participate in physical activities from which girls and women attain various benefits. The other is encouraging girls and women to participate in self-defense programs, which let girls and women acknowledge their power to defend themselves from male violence and feel their own physical strength.
著者
横山 芳春 安藤 寿男 大井 信三 山田 美隆
出版者
The Sedimentological Society of Japan
雑誌
堆積学研究 (ISSN:1342310X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.54, pp.9-20, 2001-12-25 (Released:2010-05-27)
参考文献数
25
被引用文献数
2

茨城県石岡-鉾田地域における下総層群“見和層”を対象に詳細な堆積相解析, 侵食面・火山灰鍵層の追跡を行った結果, 2回の堆積サイクルの存在が確認できた. 下位のサイクル1は西部の大規模な谷地形を充填する開析谷埋積システムと, これを覆って調査地域全域に分布する外浜-海浜システムの堆積物からなる. サイクル2ではバリアー島・潟システムの堆積物が特徴的に発達し西部で厚く保存されているが, 東部では外浜-海浜システムの堆積物がこれを覆って分布している. 常総層は主に河川システムの堆積物からなるが, 調査地域東部では下部に海成層が認められた. シーケンス層序学的解釈を行った結果, サイクル1にはシーケンス境界 (SB1), 内湾ラビンメント面 (BRS1), 波浪ラビンメント面 (WRS1) の3枚の侵食面が認められ, サイクル2にはSB2, BRS2, WRS2, SB3の4枚の侵食面が認められた. それぞれの堆積サイクルにはTST, HSTが認められ, 2回の相対海水準変動に伴う堆積シーケンスを構成していることが判明した.