著者
佐野村 誠 柿本 一城
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.674, 2017-05-24

定義 顆粒状(granular,シェーマ1))とは,数mm以下の半球状に近い隆起(顆粒,granule)が集合して存在する状態を言う.十二指腸のAA型アミロイドーシス(Fig. 1)など顆粒が小さい場合,微細顆粒状粘膜と呼称される. 結節状(nodular,シェーマ1))とは,顆粒より大きく,種々の大きさの小隆起(結節,nodule)が広範にみられる状態を指す2).その結節の大きさにより,小結節,粗大結節などと呼称される.
著者
杉村 暢二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.283-296, 1972
被引用文献数
1

歩行者通行量の多少は,概して,「通り」の地価に反映し,専門店・高級文化品店・百貨店などをはじめ,その他の商業施設,娯楽施設および主要駅などに影響されるぼかりでなく,市街地内の機能地域や都市地域をとりまく後背地域などによっても規定されるところが大きい.<br> ここでは,歩行者通行量をとりあげ,まず中心商店街の歩行者数とそのパターン,歩行者数のピークとその流動状況などにふれた,その後,中心商店街の性格を歩行者通行量に対する都市人口および後背地を含めた広域都市人口,平日対休日の割合,時間帯毎の変化,男・女別の構成比などから検討し,中心商店街として,ふさわしいタイプなどを求めた.<br> さらに・中心商店街の性格の1つである時間帯毎の変化によって,18都市の中心商店街のタイプづけを行ない,それらのパターンから,ショッピング・センターの類型にまでふれた.
著者
由井 義通 杉谷 真理子 久保 倫子
出版者
日本都市地理学会
雑誌
都市地理学 (ISSN:18809499)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.69-77, 2013 (Released:2020-09-09)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本研究の目的は,郊外住宅団地における空き家の実態と空き家発生に伴う地域的課題を把握し,空き家の有効利用などによる地域活性化策を立案する基礎的資料を得ることである.大都市圏郊外地域では短期間に大量の住宅が供給され,入居者の年齢階層に著しい偏りがみられた.しかし,開発から30 ~40 年を経過した住宅団地では,世帯主夫婦は高齢化し,彼らの子どもたちが独立したことにより高齢者夫婦のみと高齢の単独世帯が卓越した地域へと変容している.そのため,郊外住宅団地ではスーパーマーケットの閉鎖や学校の閉校などがみられるようになり,衰退地域となっているところもみられる.地方都市の郊外住宅団地のなかでも公共交通機関や生活利便施設が十分ではない地域では,中古住宅として売りに出されたとしても購入者がなかなか見つからないため,長期間にわたって空き家となることが多い.空き家では,庭木の管理が不十分なために隣接世帯への迷惑となったり,不法侵入者による放火などの危険性もある.また,空き家住宅が増加するとコミュニティ維持の担い手が失われ,地域の衰退に直結するため,自治体では空き家住宅への入居促進に取り組まざるを得なくなっている.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1197, pp.8-10, 2003-06-23

「東芝製品の不買」と受け止められた発言で世間の耳目を集めた片山善博・鳥取県知事——。発言から4日後の6月13日、片山知事は一転して収束宣言したものの、「これを機に心を入れ替えていただかなければ」と、西室泰三・東芝会長への批判はその後も衰えることがない。
著者
小畠 邦江
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.230-247, 2001-06-28 (Released:2009-04-28)
参考文献数
122

By paying attention to the hitherto neglected "Map of Japanese Folk Crafts (Folding Screens)" ("Nihon Mingei Chizu Byobu"), the purpose of this paper is to consider the process of YANAGI Muneyoshi's discovery of the local handicrafts that resulted in making the Map on folding screens and writing the book "Handicrafts in Japan."The huge Folding Screen Map, which contains detailed information about 541 places of folk craft products, was completed and first exhibited in 1941. After being shown at the World Exhibition in Osaka in 1970, the Map has been on permanent exhibition at the Japan Folk Crafts Museum in Osaka. It was specially exhibited at the Japan Folk Crafts Museum in Tokyo in the jubilee years of 1989 (the first year of Heisei) and 2000. The Map is seen as the symbol of the Japanese Folk Craft Movement.For forty years, from his early twenties until five years before his death, YANAGI (1889-1961) traveled constantly throughout Japan, conducting research and collecting artistic items. "A Note on Folk Crafts in Prefectures in Japan" ("Nihon Shokoku Mingei Kenbetsu Oboegaki") has recently been found among the Yanagi materials at the Japan Folk Crafts Museum. It is argued that this comprises the basic data that were used in making the large Map. This Note is a valuable source that bridges YANAGI's original research and the resulting map and book. The Map also includes additional information supplied by YANAGI's friend JUGAKU Bunsho (1900-92), and SERIZAWA Keisuke (1895-1984), who painted the screens. A notable feature of SERIZAWA's map is that it is designed diagrammatically (like a railway map) so as to show the relative distance and position of the various places.With the development of mass production and extensive transportation networks, folk crafts were fast losing their idiosyncratic qualities. In response, the Folk Craft Movement searched for utility articles peculiar to individual localities that still survived. These local products were collected and exhibited in urban areas. The Folk Craft Movement made it a principle to avoid wordy explanations about the objects on display. Instead, maps were used as an effective way of supplying information. In folk craft exhibitions, the artisan's name is rarely supplied, and only the product place names are given. We can see here an emphasis on the importance of place with regard to Japanese folk crafts.Throughout the world during the first half of the last century, there was a tendency to extrapolate national characteristics from local arts, and YANAGI in Japan was no exception. In his "Map of Japanese Folk Crafts (Folding Screens)" and in "Handicrafts of Japan, " we can regard his gaze on various regions all over Japan as based on the geographical imagination.
著者
井上 喬
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.315-323, 2004-05-15 (Released:2011-09-20)
被引用文献数
2

古くからジアセチルは発酵飲食品の品質を左右する重要な香気成分である。筆者は長年発酵飲食品中で最も弁別閾値の低いビール中でのジアセチル生成メカニズムとその制御について研究されてきた。ここでは全般的なジアセチル問題と新しい技術を駆使した制御問題を取り上げて貰った。
著者
川口 恭子
出版者
熊本大学
雑誌
法文論叢 (ISSN:04410173)
巻号頁・発行日
no.26, pp.52-64, 1970-05
著者
植田 康孝 木内 英太 西条 昇 田畑 恒平
出版者
江戸川大学
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
no.25, pp.171-184, 2015-03

近年の大学教育において、特に学生集めに奔走する私学では、学生に分かり易い「現実」や「過去」を教育対象とする傾向がある。いわゆる「置きに行く」と呼ばれる行為である。しかし、本来「大学」とは長期的視座に立って時代や学生の一歩先、半歩先の方向性を提示する機関であるべきはずである。本稿は、このような反省に立ち、新たな時代概念として「インフォテインメント(Infotainment)」を提示して、概説するものである。「インフォテインメント(Infotainnment)=情報娯楽」とは,「エンタテインメント(Entertainment)=娯楽」と「インフォメーション(Information)=情報」を融合させた上位レイヤー概念である。アナログ文化に留まらず,「(デジタル)インフォメーション」と融合することにより,「エンタテインメント(Entertainment)」をより魅力あるものにすることが可能となる。「スマート(賢い)エンタテインメント」とも言うべき存在である。具体的には,初音ミクや末永みらい,プロジェクションマッピング,ライブ・ビューイング,AR(拡張現実)を用いた劇場演出などが挙げられる。一方でイノベーションの基に生まれる画期的な「(デジタル)インフォメーション」もスムーズに社会や市民に受け入れられる訳ではない。材料を削る切削加工,金型を用いた射出成形,板金やプレス成型などを代替する新しい製造技術として期待される「3D プリンター」も,フィギュアやキャラクターグッズ,アクセサリーなど「エンタテインメント」との融合を起点とすることにより,ユーザー・インターフェイスを格段に向上させる。「クール(カッコイイ)インフォメーション」とも呼ぶべき出発点はユーザーフレンドリーな存在である。平成27 年度カリキュラムから本学マス・コミュニケーション学科に創設される「エンタテインメント」コースは,これら「スマート・エンタテインメント」や「クール・インフォメーション」の上位レイヤーのコンセプトとして「インフォテインメント」を掲げ,これを学ぶものである。従来のアナログ中心の「エンタテインメント」教育や,効率性・利便性を中心とした工業的な「情報」教育とは,明確なる区別を目指すものであり,新たな時代の実践モデルを図る。平成26 年度においては,「プロジェクションマッピング」「3D プリンター」や「ユーストリーム中継」を用いた教育を実践し一定の教育効果を見た。平成27 年度は改組した上で,「人工知能(AI)ロボット」や「AR ウェアラブル端末」を用いた新たな「インフォテインメント教育」を導入する計画である。
著者
長谷部 和則 宮内 隆史 菅谷 誠 角野 敏子
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
鉄道技術連合シンポジウム(J-Rail)講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, no.16, pp.101-104, 2009-12-02

The Train Information Management System (hereinafter, referred to as TIMS) was first adopted for the 209-950 series that was operated on the JR Chuo-Sobu Line. Since then, further development of TIMS has been done in terms of achieving higher performance, reliability and the additional functionalities, as it is adopted for the E531 series and E233 series. The TIMS has been adopted as the information control system for the new E259 series, which are to be introduced on the Narita Express limited express services to and from Narita International Airport, replacing the conventional 253 series. As the "TIMS" is to be used in an express train, some new functions are developed for the new equipment, with the further improvement of the performance of the conventional functions of the TIMS. This paper describes these newly adopted functions, design and the enhanced performance of the TIMS.
著者
朱 春躍 波多野 博顕
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.45-56, 2010-08-30 (Released:2017-08-31)

This study employs MRI motion imaging to investigate vowel-consonant coarticulation during utterances with /t//c//d//z//k/, and /g/ in the Japanese syllabary. Image analyses were conducted for the variation in horizontal and vertical tongue position. Results show the followings. 1) Variation in tongue position and shape was larger for consonants than for vowels. 2) Articulatory positions for consonants varied depending on concentration of consonants at specific regions. 3) So-called velar consonants /k/ and /g/ in Japanese were realized as post-palatal consonants. 4) Tongue positions for vowels were higher after velar consonants, while they were lower after alveolar consonants. 5) Japanese five vowels were observed in two groups, anterior-mid (/i//e//u/) and posterior-low (/a//o/), with /u/ as a non-back vowel and /a/ as a back vowel.
著者
石 明寛 石 政道 高橋 文成 吉田 耕治 柏村 正道
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.146-151, 2004

目的:今日,経済発展の結果,日本では,物が溢れ,一部の若年者はジュースを飲む感覚で飲酒している.女性若年者の飲酒の問題は,急性アルコール中毒,内分泌障害,自律神経失調などである.しかしアルコール依存症にまでいたる例は少ないため,若年者女性アルコール依存症の内分泌学及び心理学的な分析の報告はほとんど無いのが現状である.われわれは,無月経を合併した21歳女性アルコール依存症患者を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は21歳女性で,未婚,未妊.初経11歳.月経周期28日型,月経痛は軽度.16歳の時に両親離婚が原因で高校を退学し,不良グループと付き合うようになった.飲酒,不純異性交遊などに耽溺し,一日の飲酒量が焼酎一升をこえるまでになった.この大量飲酒が数年続き,続発性無月経状態となった.平成14年2月(20歳)で黄疸が出現したため,近医受診し,禁酒により症状は改善した.しかし受診を中止すると直ぐに大量飲酒し,時々奇声を発声するようになり,家族同伴で精神科病院を受診した.アルコール依存症と診断され,別のアルコール専門病院に入院後,無月経症が合併しているため,当科を紹介され受診に至った.内分泌検査結果は,PRL63.0ng/ml,LH35miu/ml,FSH43miu/ml,E_216pg/mlでhypergonadotropic hypogonadism の状態であった.心理的検査ではCMIは65点,(深町分類ではIV),MAS36点と高く顕著な不安傾向があり,ANS-S23点で自律神経失調症も認められた.Kaufamann療法,禁酒,運動療法などの治療により症状は改善された.考察:21歳の女性アルコール依存症を経験した.この患者は性成熟期における女性アルコール依存症のような無月経,性交痛,不定愁訴などの症状を認めた.患者は情緒不安定,緊張,神経過敏などのfright反応も認めた.このfright反応から逃避するために,飲酒に依存するようになって無月経になった.治療には,患者の飲酒歴の検討,家庭背景への理解に加えて心理治療も大切と考えられる.
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
サイエンスウィンドウ (ISSN:18817807)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.1, 2021 (Released:2022-02-07)

Science Windowは、科学技術の魅力を紹介する電子雑誌です。大人も子どもも楽しんでいただけます。より良い未来社会の実現を目指して、科学技術と社会の関係について語り合えるきっかけを提供していきます。 今回の特集は[進化する科学館~日本科学未来館の挑戦~」です。 特集 科学博物館の歴史 科学博物館とは何か?その歴史と未来《科学史研究者・有賀暢迪さんインタビュー》 対話から共創へ、ともにつくる未来社会への案内人「科学コミュニケーター」 研究者・来館者が共創する展示:「ビジョナリーラボ」が目指すもの 未来館にある「研究室」:世界でも先駆的な取り組み 少し先の未来、みんなで考える《日本科学未来館 浅川智恵子館長インタビュー》
著者
名嘉山 リサ
出版者
沖縄工業高等専門学校
雑誌
独立行政法人国立高等専門学校機構沖縄工業高等専門学校紀要 (ISSN:1881722X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.85-99, 2009-03

1970年代にハリウッドで作られたブラックスプロイテーション映画には女性蔑視を助長するような作品が少なくないが、『コフィ』(1973年)や『クレオパトラ・ジョーンズ』(1973年)などの女性主人公は、それまでとは違った、美しくて強いという新しい女性像を打ち出している。その特徴はヘアスタイルや衣装で際立っているが、それらは単に映画のために作られたものではなく、当時のファッションを反映するもので、黒人社会におけるブラックパワー運動、フェミニズムの台頭、美に対する意識変革などと密接に関わっている。つまり、ブラックスプロイテーション映画における強い女性像は当時の社会的および文化的背景を反映し、またそれらに影響を及ぼした。映画のストーリーだけでなく俳優のヘアスタイル、衣装、メイクなどが黒人女性表象の歴史を辿るうえで重要な映画的表現法の一つとなっており、一見すると現実離れしているような内容の映画も歴史を映す貴重な資料となり得る。
著者
植田 康孝
出版者
江戸川大学
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
no.25, pp.185-193, 2015-03

2014 年3 月に国内上映が始まったディズニー映画「アナと雪の女王」は,興行収入で,「千と千尋の神隠し」(304億円),「タイタニック」(262 億円)に次ぐ歴代第3 位となったが,ヒット作以外は厳しいのが,日本における映画産業の現状である。2013 年の日本公開映画の1 本当たりの興行収入は1 億7,389 万円であり,1973 年以来40 年ぶりの低水準に落ち込んだ。興行収入総額は1,942 億円であり,3 年連続で2,000 億円を下回り頭打ちとなっている。このような中で,閑散期に映画館の上映室や座席を有効利用する策として考えられたのが,映画以外のコンテンツ配信である「ODS(Other Digital Stuff)」あるいは「AC(Alternative Contents)」とも呼ばれる「ライブ・ビューイング」である。「ライブ・ビューイング」は,音楽ライブ,スポーツイベントなどの中継,オペラやミュージカル,歌舞伎,落語など様々なジャンルに及ぶ。また,映画とは異なり鑑賞料金の価格を自由に設定することができることに加え,人気アーティストの生中継では満席に近い集客が期待できるため,映画上映では平均稼働率25% にしか座席が埋まらない映画館側にとってメリットがある。観客にとっても,入手困難で高額なチケットを購入しなくてもライブの臨場感を楽しむことができること,ライブ会場までの長距離移動が解消されること,ゆったりとした環境で視聴できることなどのメリットがある。
著者
工益協会 編
出版者
工益協会
巻号頁・発行日
vol.大正3年版, 1914