著者
西村 文子 岩松 利香 大池 茜 藤原 知子
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.34, 2012

クンツァイトとはスポデュメン(リチア輝石 LiAlSi2O6)の一種で、ペグマタイト鉱床から産出される。スポデュメンのうち、特にピンク~紫色石のスポデュメンはクンツァイト、クロム着色の緑色石はヒデナイトと呼ばれている。クンツァイトは1902年にアメリカ カリフォルニア州にて発見され、近年は主にアフガニスタン、ブラジル、マダガスカルで産出される。クンツァイトは退色しやすく、また、放射線を照射すると緑色に変化すると言われている。<BR>GEMS & GEMOLOGY(2001)には米郵政公社が始めた郵便物への放射線照射により、一部の宝石が影響を受けたことが報告された。その中でクンツァイトも放射線照射の影響を受けて緑色に変化し、自然光の下で短時間のうちに元のピンク色に戻った事が言及されている。<BR>色調の変化をより詳しく調べる為に、今回複数の産地からクンツァイトを入手した。放射線照射、退色テスト、加熱処理を施してその変化を観察すると共に、FTIR、EDXRF、可視分光スペクトル測定を行いその推移を考察した。幾つかの知見を得たので報告をする。
著者
李 善愛
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.181, 2009

本研究では、韓国のワカメ漁場利用慣行の地域的広がりを比較分析してその特徴を明らかにする。<br> 漁場は捕獲、採取される漁獲物や道具によってさまざまな種類に分類される。こうした漁場の種類の中には古い時代から行われてきたものが多く、もっとも古いのは竹防簾という定置網漁場と藿岩というワカメの天然漁場である。<br> 竹防簾は移動する魚を捕獲対象とする漁具漁場で個人が私有し、売買することができる。一方、藿岩はワカメ、イワノリのような海藻類やアワビ、サザエのような貝類などの定着性動植物を捕獲対象とする漁場で、村の共同体が漁場使用権を共有し、ほとんど売買することができない。<br>ところで、竹防簾漁場は現在韓国の南海岸の南海という特定地域を中心に分布しているが、藿岩は岩礁性海岸の地域に広く分布し、さまざまな形態の利用慣行がある。このような歴史性と地域性をもつ藿岩漁場のさまざまな利用慣行に焦点をあて、人間と自然環境とのかかわりの現在を考えたい。<br> 韓国で用いられる海藻の種類や量は多いが、その中で著しく多いのはワカメである。ワカメは日常の食料としてよく利用される。一方、非日常のお歳暮や中元のような贈答品、産婦の食事や一般人の誕生日の食事にも必ず用いられている。また、近代医学が発達した今日においてもワカメはお産の神への供え物としても欠かせない。<br> さらに、藿岩漁場で採れる天然ワカメは、量産性の高い養殖ワカメとは対照的に、珍奇なものとして、天然のものは健康によいという認識のもとで高級地域ブランド品になっているものもある。このようなワカメの社会・文化的利用と位置づけが経済的価値を高め、それと相応した形で天然のワカメが採れるワカメ漁場の利用形態は村ごとに異なり、しかも複雑な形で展開していると思われる。<br> 以上からみると、ワカメ漁場の韓国の現在におけるワカメ漁場利用形態は以下の3つの特徴にまとめることができる。<br> まずは、ワカメ漁場の使用権は大きく共有型と私有型に分けられるが、共有型が多数を占めている点である。<br> 次は、ワカメ漁場の割り当て方法は、くじ引きと輪番に分類することができる。両方とも漁場を一定数の区画に分けて割り当てしているが、くじ引きで漁場を割り当てる場合、毎年のワカメ生産量を参考しながら区画に配置する人数を調節する。輪番の場合は、班などの共同体構成員グループが決まった漁場の区画を年別に一定方向で順番に利用している。両者は、漁場の割り当て方法においては異なるが、共同体構成員間の漁場利用機会の平等性と公平性を図っている点は似ている。<br> その次は、ワカメの生産・分配形態は共同と個人に分かれる。こうした生産・分配形態を決める大きな要素は、1人当たりの漁場利用面積の大きさ、ワカメの販売先が確保できる消費地の有無やそれを決める村の立地条件などである。<br> しかし、ワカメ供給先の有無、共同体構成員の年齢構成とその一定人数の確保の可否などは、これらワカメ漁場利用形態の特徴である漁場の使用権と割り当て方法、生産と分配形態を持続あるいは盛衰を左右する大きな決め手になると思われる。
著者
城岡 啓二 村山 忠重

全国の電話帳登録件数40件以上の日本の姓の姓、順位、電話帳登録件数のデータ。
著者
森川 浩史 石田 正人 岩崎 幸司 梅村 和夫
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.395-400, 1989-05-20

I.はじめに 舌骨は周囲を軟部組織に囲まれ,可動性があり,さらに下顎骨により保護されているため外力の影響を受けにくく,損傷されにくい。喉頭外傷にさいしても舌骨の損傷を合併することは少ない。われわれは最近,舌骨骨折2例を経験したので報告する。
著者
山口 恭正 三田 昌輝 山下 裕太郎
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.s2, pp.s157-s159, 2021 (Released:2021-12-10)
参考文献数
3

情報社会の発達に伴い、人々は好きな時に好きな曲を楽しめるようになった。クラシック音楽の世界では、音楽批評に代表されるような有力者の言説よりも、一人一人が主体的に多様な音楽を楽しむことができ、その様相を掴むことは難しくなりつつある。現代の世界の音楽研究はデータ分析を主軸にした「レパートリー研究」「実証研究」が台頭しつつあるが、日本は大きく遅れを取っている。本研究では演奏記録データベースの日本版として、演奏記録を構成する諸要素の関係従属性を踏襲した関係データベース構築・公開することで、実証的観点からの日本のクラシック音楽研究や議論の「ハブ」となるデータベースを作成を目指す。本発表では、最初の試みとして、仙台市市民文化事業団「多様なメディアを活用した文化芸術創造支援事業」の助成金を受けて作成中している「仙台フィル定期演奏会演奏記録アーカイブ」について報告を行う。
著者
大森 達矢 樽井 武彦 守永 広征 松田 岳人 八木橋 厳 山田 賢治 松田 剛明 山口 芳裕
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.703-707, 2015-12-28 (Released:2015-12-28)
参考文献数
18

背景:ガイドライン2010(以下,G2010と略す)施行以降,胸骨圧迫の重要性が強調されており,強い胸骨圧迫による合併症の増加や,治療成績に与える影響も懸念される。方法:平成24年に当施設に搬送された院外心停止患者のうち外傷例を除く210例を対象とし,G2010による東京消防庁救急活動基準変更の前後(105例ずつ)で,胸骨圧迫の合併症,自己心拍再開率を比較した。結果:肋骨骨折は105例(50%),気胸は26例(13%)で,救急活動基準変更の前後で有意差はなく,心拍再開率にも差はなかった(前後期とも19%)。合併症は75歳以上で有意に多く発生したが,心拍再開率には影響がなかった。また,気胸が発症した症例では心拍再開率が12%と低い傾向があった。結論:ガイドラインの変更に伴い合併症の増加が心配されたが,本研究はそれを否定するものであった。治療成績向上のためには,効果的かつ合併症を最小限に抑えるような胸骨圧迫が重要である。
著者
山本 高至 白戸 裕史 内田 大誠 北 直樹
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J104-B, no.12, pp.963-973, 2021-12-01

無線通信の大容量化に伴い,周波数資源の潤沢なミリ波帯以上の周波数活用の検討が進められている.このような高周波数帯では送受信点間が人体によって遮蔽された程度であっても,従来の移動通信等で用いられてきたUHF帯や低SHF帯に比べて大きなレベル低下を生じるために,基地局-端末間の見通しの確保が重要になる.複数の人が動き回るような環境では,複数の基地局やアンテナによって,いずれかの基地局(アンテナ)と端末間に見通しを確保するためのサイトダイバーシチやスペースダイバーシチ等を目的とした分散アンテナシステムが有効である.アンテナ間の離隔は遮蔽状態の相関に依存するが,これまで遮蔽状態の相関については経験的な検討に留まっていた.本論文では,高周波数帯を用いる通信の人体遮蔽に関して,人体を一様なポアソン点過程と仮定した確率幾何解析により,遮蔽率,ハンドオーバによる回避率,遮蔽の発生有無に関する自己相関関数を導出する.加えて,多数の分散アンテナに対する等価見通し率を示すとともに,解析結果に基づくアンテナの設置法について幾つかの例を示す.
著者
永田 えり子
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.603-616, 2000-03-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
14
被引用文献数
1

本稿はフェミニズムをはじめさまざまな角度から, 「公か私か」という言説がいまや無意味であることを見る.第1に, 公私は分離できない.何が私財で何が公共財であるかは, 実際には区別できない.「性の非公然性原則」は性の公共化を押しとどめる能力をもたず, したがって公私の境界維持機能を持たない.第2に, 公私の分離は不公正である.フェミニズムによれば, 公私の分離は女性, 性と生殖, 家庭を私的領域として分離することによって性差別を温存する.ならば今後問われるべきことは, 何が公で何が私か, という問題ではない.どのような正当性のもとで, 誰のどのような自由が認められるべきか, ということである.現在, 新たな共同性を築く鍵はこの点に存する.
著者
益山 新六 堀川 和夫 安原 諭
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.13, no.10, pp.533-537, 1964-10-20 (Released:2009-10-09)
参考文献数
21

The aqueous citric acid solution was added into the vegetable oils (cotton seed oil, soya-been oil) and heated to 180°240°C, and analysed by paper-chromatography with chloroform-acetic acid-water solvent (volume ratio 30 : 15 : 1.2).Authors confirmed that citric acid is decomposed to citraconic anhydride through aconitic and itaconic acids by heating at 180°C for 30min. At 240°C, citric acid was disappeared after 10min heating and only small quantity of citraconic anhydride was detected after 30min heating. No citric acid was detected after 30min heating at the condition of deodorization for oil purification (210°C, 23mmHg, steam blowing).The stabilities were tested by A.O.M. for the oil added with citric acid before and after the deodorization. The A.O.M. stability was higher for the oil added the acid after the deodorization, and when it is added before, it is necessary to restrict the duration time of the deodorization within 30min because citraconic anhydride formed by the decomposition has no antioxidant effect.
著者
河村 美穂
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

研究目的:家庭科の思い出として語られることの多い調理実習では多様な学びが展開されている。また、調理実習は子どもがよろこび手ごたえのある授業、生活と関連しやすい授業と多くの家庭科担当教師に捉えられている。近年、調理実習において学習者が何をどのように学んでいるのかということを、教育的な営みとしてとらえる研究が行われている。そもそも調理実習は実践的で体験的であるからこそ学びが多いとされてきた。しかし、実際に調理をやってみることについて、子どもたちがどう感じ、何を考えているのかは十分に明らかにされてはいない。具体的に調理を学ぶことによって、子どもたちはなにがわかったと感じているのであろうか。 本研究では、以上のような問題意識から、小学校2年生において電子レンジ調理に関する一連の学習を行い、その中の調理実習において児童が書いた学習記録を分析対象として、子どもたちが調理という体験を通して理解したことを明らかにすることを目的とする。 研究方法:研究対象としたのは、小学校2年生の食育の授業(10時間扱い)-1)電子レンジ加熱した食品の試食 2)電子レンジの機能に関する理解 3)キャベツのおひたしをつくる 4)ポテトサラダをつくる 5)電子レンジをもっと知る調べ学習 6)電子レンジ調理に関する研究発表-のうち 3)キャベツのおひたしをつくる 4)ポテトサラダをつくる という2回の「電子レンジを用いた調理実習」である。これらの調理実習は、電子レンジを用いるほかは、包丁やキッチンバサミを用いずすべて手作業で行うよう設定した。授業はクラス担任と埼玉大学教育学部の学生により、TTで行った。対象クラスは、埼玉県T市立小学校2年生1クラス27名(男子16、女子11)である。実施時期は、2010年9月~11月である。対象授業においては、調理実習を行った後、または翌日に調理実習をふり返って学習の記録を児童本人に記入させた。内容は、調理をしてわかったこと、気をつけること、おもったこととした。この記録をデータとして、児童自身が調理を経験して何を学んだと考えたのかを分析した。結果と考察:今回検討対象とした電子レンジの調理は、技能の学習としては電子レンジを使うことが主となるため、電子レンジのしくみを科学的に理解できるような教材を用いて授業を行ったうえで、対象の調理実習を行った。そのため「ぶんしくん(水分子のこと)とマイクロハで水じょうきが出てきて・・・」といったようにマイクロ波によって食品中の水分があたたまるという概念的知識についての記述が見られた。 一方で多く記述されたのは、やってみてわかったことである。具体的には「でんしれんじであたためるとさいしょよりすんごくこい色になりました。」「きゃべつがしなしなになってへってた。」といった見てわかることである。 また、電子レンジにより加熱した食品やその容器が体感的に「あつい」という記述も多く見られた。この「あつい」という体感的な理解は、「めちゃくちゃあつい」「大やけどするほどあつい」「あつくてびっくりした」というようにあつさの感じ方や驚き具合が多様であることを物語る記述がみられた。 さらに、「(ジャガイモが)あつあつのあいだにかわをむくこと」というように、調理の手順を概念的に理解している記述もあった。以上のことから、子どもたちは自分の言葉で調理することを理解していると言える。
著者
下司 忠大 吉野 伸哉 小塩 真司
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.84-86, 2019-07-01 (Released:2019-07-06)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

The purpose of this study was to examine the relationship between littering behavior and Dark Triad personality traits (Machiavellianism, narcissism, psychopathy). Forty-one college students (average age=19.83 years, SD=1.11; 9 males, 32 females) were assigned randomly into either a clean or a dirty laboratory condition, and participated in an experiment to assess their littering behavior. Results of Bayesian logistic regression analysis that predicted the littering index, indicated that cumulative probabilities that the odds ratio for narcissism and psychopathy exceed 1 in posterior distribution under dirty condition were 84% and 87%, respectively. The results of the present study showed that the Dark Triad personality traits may be related to littering behaviors, while previous studies focused on manipulations of condition.
著者
大瀬戸 隆 惠 京子 神田 実喜男
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.438-442, 1972-08-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
17

A 46-year-old woman noticed the muscle pain of the bilateral femur and diagnosed dermatomyosis.She was dead on July 1 1969 and diagnosed miliary tuberculosis including muscle tuberculosis by autopsy.
著者
三枝 令子
出版者
一橋大学
雑誌
一橋大学留学生センター紀要 (ISSN:1348768X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.17-28, 2005-07-27
著者
中川 和彦
出版者
成城大学
雑誌
成城法学 (ISSN:03865711)
巻号頁・発行日
no.58, pp.1-37, 1998-09