著者
東京商科大学 編
出版者
東京商科大学
巻号頁・発行日
vol.自大正14年至15年, 1926
著者
福間 彰 駅田 省吾
出版者
島根大学教育学部
雑誌
島根大学教育学部紀要. 自然科学 (ISSN:05869943)
巻号頁・発行日
no.14, pp.17-28, 1980-12-25

1971年末に現れた最初のマイクロコンピュータMCS・4以後約10年,各界に与えたマイクロコンピュータの衝撃は大きく,研究室を含む各職域へのパーソナルコンピュータの進出が著しい昨今である。計算機を利用する立場からいえぱ,べ一シックのような言語を理解し,ソフトウエアを学習するだけでも十分に広い分野での活用が期待できる。しかしながら,ひとたび自らの手でマイコンシステムの拡充や新しい周辺機器の接続等を考えた場合,インタフェースなどハードに関する基本的知識が必要となってくる。 一方,電子計算機の教科書には,基本的計算機の機能が記述されてはいるが,初心者が計算機の基本を真に理解するには机上の学習のみでなく体験学習が大切であり,理論と実際を結び付ける装置が必要となってくる。 また,マイクロプロセッサから出発したマイコン学習装置は種々市販もされているが,CPUの中身にまで踏込んだより基本的な学習教材は少ないようである。 ここでは後者の立場に立ち,現在,国民一般のものとなってきたコンピュータのしくみを,ハードの面からも理解できるよう,富崎新氏のATOM−8を起点とし,より広い用途に供しうるよう拡張した基本的計算機を設計製作したのでこれについて報告する。
著者
渡辺 富夫 大久保 雅史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.670-676, 1999-02-15
参考文献数
20
被引用文献数
13

身体的コミュニケーション解析のためのバーチャルコミュニケーションシステムのコンセプトを提案し そのプロトタイプを開発してシステムの有効性を示している. 本システムは 対話者のノンバーバル情報と生体情報に基づいて対話者の化身であるバーチャルアクター(VA)のノンバーバル行動を生成し 仮想の対話場面で自己を含めた対話者相互のVAのインタラクションを観察しながら コミュニケーションできるシステムである. 対話者に対応したVAの音声やノンバーバル行動を加工してコミュニケーションを解析することができる. 12組24人の対話者を対象に VAの身体動作として頭部の動きのみに限定したコミュニケーション実験の結果 対話での自己と他者のインクラクションが分かる場面が好まれるとともに 対話者の呼吸の引き込み現象の存在が確認され 本システムによる新たなコミュニケーション場の伝達の可能性が示されている. 本システムを用いれば 対話者は対話の観察者であると同時に対話情報の操作者にもなり 自己中心的に場所をとらえ また場所から自己を位置づける内的観点に立った実験系を組むことが可能である.A new concept of a virtual communication system for human interaction analysis is proposed, and the prototype of the system is developed where two avatars corresponding to their talkers, referred to as "virtual actors (VAs)", act on the basis of the talkers' nonverbal behavior and physiological measurements. Two remote talkers can communicate by observing their VAs including his or her own VA in a virtual face-to-face environment from any view point. At the same time, the human interaction is analyzed and synthesized by the data of the nonverbal behavior of the VAs and the talker's physiological measurements. As the results of the experiment in 12 pairs of 24 male talkers under condition that only the head movements of the VAs are communicated together with the talkers' voices, the effectiveness of the system is demonstrated. In particular, the existence of respiratory entrainment between talkers, which is biologically essential to human interaction, is confirmed in the virtual communication which includes both his own VA and the other. The possibility of a new transmission of interaction awareness in communication is also disussed.
著者
梶原 良道
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.299-315, 1994

グリンタフ地域の黒鉱鉱床と石油鉱床の形成には西黒沢階来の環境異変に伴って背弧海盆に異常濃集したPUMOS(含重金属有機堆積物の愛称)が共通起源物質として関与した可能性がある,とする著者の一昔前の仮説を,その後蓄積された地球化学データに徹して再吟味し,以下の考察を行った.1)黒鉱硫化物と原油有機硫黄は互いに酷似した硫黄同位体化を有しており,両者はともに無酸素海盆での海水硫酸イオンのバクテリア還元によって生じた生起源硫黄に由来したとみなせる.2)原油の炭素同位体比は黒鉱層準近傍の地層に含まれているケロジェンのそれと類似しており,黒鉱生成期付近においてこれらに共通の有機物の集積があったことが示唆される.3)黒鉱硫化物鉱石および石膏鉱石の初生的なストロンチウム同位体比はそれぞれ近傍油田産の原油および当時の海水の値に比較でき,黒鉱鉱化作用の初期過程に有機堆積物源および海水源のストロンチウムが本質的に関わった可能性が示唆される.4)黒鉱鉱床の鉛同位体については,広域的な均質性を示唆する情報と,鉱床間および鉱種間の有意な不均一性を示唆する情報が得られている.仮に後者を重視しても,鉛の海洋平均滞留時間が極めて短いことおよび後熱水作用による母岩との同位体交換の可能性を考慮するかぎり,PUMOS仮設を否定する材料とはならない.5)黒鉱鉱石の重金属元素組成と大洋底マンガン団塊のそれとは,PUMOSのモデル組成(定常海洋等のフラックス比)に対して補完的な関係にあり,両者が共通の海洋システムコントロールを受けていること,つまり,PUMOSの共役的な酸化還元分化産物である可能性を強く示唆している.黒鉱鉱床の形成は,局地的なマグマ熱水活動の一部ではなく,地球表層圏における生物地球化学過程によって本質的に規制されている現象であることに注意を喚起したい.
著者
近藤 正義
出版者
日本水処理生物学会
雑誌
日本水処理生物学会誌 (ISSN:09106758)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.3-12,19, 1964-06-15 (Released:2010-02-26)
著者
Supap Monkolprasit Tyson R. Roberts
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.203-208, 1990-11-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
7

アカエイ科の新種, Himantura chaophraya, をタイのチャオプラヤ川から採集した標本に基づいて記載した.本種は500kg以上になるといわれ, 主に淡水域に分布する種グループに属して, 大型になること, 吻端が著しく突出すること, 幅広くて薄い円型の体盤をもっこと, 眼が小さいこと, 体盤の腹面が黒くふちどられること, 尾部基底部が非常に狭いこと, 胸鰭条数が158-164であること, 腸のらせん弁の回転数が21であることにより特徴づけられる.この種グループはインド, ボルネオ, ニューギニアから知られ, またメコン川にも出現するようであるが, 博物館収蔵標本としてはチャオプラヤ川と東ボルネオ (インドネシアのカリマンタン) にあるマハカム川流域からのものが現存するだけである.
著者
阿部 靖彦 佐々木 悠 上野 義之
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.225-242, 2019 (Released:2019-03-20)
参考文献数
104
被引用文献数
1

好酸球性食道炎は主に食物抗原に対するIgE非依存型(遅延型)アレルギー反応によって好酸球浸潤を主体とする炎症が食道上皮を中心に発生,慢性的に持続し,食道運動障害や食道狭窄をきたす疾患である.元々は小児領域の疾患と考えられていたが,近年,とくに欧米において成人のつかえ感,food impactionの主な原因として注目されている.好酸球浸潤は食道に限局し,好酸球性胃腸炎とは独立した疾患単位として取扱われる.診断は自覚症状と組織学的に有意な好酸球浸潤を証明することが基本となり,内視鏡検査で縦走溝,白色滲出物,輪状溝などの特徴的な所見を認識しつつ,生検を行うことが必要となる.治療においては,原因食物の特定と除去食の有用性が確認されているが,その実施には極めて高度な医学的管理を要するため適応は限定され,薬物治療が主体となる.第一選択はPPI投与,無効な場合はステロイド食道局所(嚥下)治療が推奨されている.本邦では欧米と比較し症状や所見が強い典型例は少ないが,近年のアレルギー疾患の増加とともに今後増加してくる可能性がある.厚生労働省の指定難病としても告示されており,その病態や診断,治療について理解しておく必要がある.
著者
木村 晟
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤國文 (ISSN:04523652)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.97-154, 1984-02
著者
鈴木 亨 園田 茂 才藤 栄一 村田 元徳 清水 康裕 三沢 佳代
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.180-185, 2006 (Released:2006-05-01)
参考文献数
22
被引用文献数
8 5

回復期リハビリテーション目的で88床のリハビリテーション病棟に入院した脳卒中患者の転倒の現状とADLの変化について検討した.脳卒中患者256名を対象に,転倒の有無,回数,場所,転倒までの期間,時間帯,ADL状況を調査した.ADLはFIMにて入退院時に評価した.256名のうち121名で延べ273回の転倒事故があった.病室とトイレで229件の転倒があり,入院から4週以内の転倒は147件,朝6時から10時までと夕方4時から8時までで129件であった.入院時のFIM車椅子移乗の自立割合は転倒なし群で58.5%,転倒1回群で30.5%,複数転倒群で15.9%であった.入院時に運動合計が38点以下でかつ認知合計が19点以下の36例中,24名が2回以上の転倒を経験したが,運動合計65点以上,認知合計20点以上の者94名中73例が転倒しなかった.運動,認知とも低下している脳卒中患者では転倒を繰り返す危険性が高かった.このような患者では朝夕を中心とした注意深い観察が必要であろう.
著者
河上 正秀
出版者
筑波大学
雑誌
哲学・思想論集 (ISSN:02867648)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1-17, 2001

一 著書『おそれとおののき』を基本テキストとしながらキルケゴール思想を現代的解釈に付す、さらにはこのテキストを通して現代における倫理学的基礎理念を構築しようとする思想動向がある。その動向は、かつてハイデガーの実存思想の発展的解消として ...
著者
大槻 敦巳 竹内 稔朗
出版者
日本ばね学会
雑誌
ばね論文集 (ISSN:03856917)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.64, pp.15-21, 2019-03-31 (Released:2019-10-01)
参考文献数
30
被引用文献数
1

In recent years, leisure activities, such as tennis, golf, skiing, fishing, etc. are very popular. The performance of various instruments used in such leisure activities is also greatly improved. Scientific analysis on the function of such instruments is essential in order to develop practical instruments in the field of sports-leisure. Various experiential studies that clarify the characteristics of fishing rods have been published. However, there are very few scientific studies about fishing rods in the field of the so-called sports-leisure. This study deals with large deformation of fishing rods that would be useful in the development of the characteristic design of fishing rods. In this report, based on the nonlinear large deformation theory, new fundamental equations are introduced for thin, straight tapered fishing rods with a circular cross-section under concentrated loads at the free end. As a result, it is found that the large deformations of fishing rods can be described by nondimensional load parameters, the ratio of rod diameter at end and bottom, and supporting angles. Furthermore, the experimental verification of this analysis is carried out using a flexible rod acquired in the market. The theoretically predicted results are in fairly good agreement with the experimental data. Consequently, the new deformation theory is proved to be of practical use.
著者
中村 愛美 吉田 智 西郊 靖子 林 静子 鈴木 靖志
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.59-70, 2012 (Released:2012-02-27)
参考文献数
22
被引用文献数
8 8

【目的】デンプン系,グアーガム系,キサンタンガム系およびその他の各種市販とろみ調整食品が緑茶,牛乳,オレンジジュースおよび味噌汁に与える影響を物性面から解析し,性能に基づくとろみ調整食品の分類を行うことを目的とした。【方法】15種類のとろみ調整食品を4種類の食材に溶解して調製した各種とろみ液の粘度およびテクスチャーを測定し,とろみ調整食品の機能性を反映する指標として,粘度力価,添加時および安定時粘度ばらつき,初期粘度発現率および付着性を算出した。さらにこれら5つの指標を用いて主成分分析およびクラスター分析を行った。【結果】粘度力価は4種の食材すべてについてグアーガム系が大きかった。添加時および安定時の粘度のばらつきはとろみ調整食品の種類と食材の組合せによって傾向が異なった。初期粘度発現率は食材によって特徴があり,緑茶ではキサンタンガム系が,オレンジジュースではデンプン系が高い値を示した。付着性は4種の食材すべてについてデンプン系が大きかった。5つの指標を用いて食材別に主成分分析を行なうと,とろみ成分による分類とは異なる分布を示した。一方,全食材の5つの指標を説明変数にとり,クラスター分析を行った結果,とろみ成分に応じたクラスターが形成された。【結論】市販とろみ調整食品が食材の物性に及ぼす影響をもとに分類を行なうと,各とろみ剤の特徴が食材の種類によって異なることが明らかとなった。したがって,とろみを付与する食材や目的に応じて適切な製品を選択することが重要である。