著者
寺尾 敦
出版者
日本デジタル教科書学会
雑誌
日本デジタル教科書学会年次大会発表原稿集 日本デジタル教科書学会第5回年次大会 (ISSN:2188062X)
巻号頁・発行日
pp.79-80, 2016 (Released:2017-06-14)
参考文献数
3

教職科目「教育方法の研究(中等教育)」において,デジタル教科書の利用法を教育する2回の授業をデザインした.出版社がウェブで公開しているデジタル教科書のサンプルを体験することで,動画の埋め込みなど,紙の教科書と比較してのデジタル教科書の基本的特徴は,学生が自力で発見することができた.タブレット端末がネットワークにつなげられることを利用した教育方法と,デジタル教科書導入の問題点については,講義を行った.後日,電子黒板を使用し,デジタル教科書との連携についての実習を行った.期末試験において,デジタル教科書の導入によりどのような授業が可能になるかを記述する問題を出題した.この教職科目の授業でとりあげた内容の多くは答案に反映されており,授業デザインは適切であったことが示された.

2 0 0 0 OA 鮮斎永濯画譜

著者
小林永濯 著
出版者
錦栄堂
巻号頁・発行日
vol.初篇, 1884
著者
本間 之夫 野宮 明 西松 寛明 藤村 哲也 桝永 浩一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、難治性疾患である間質性膀胱炎の病態に上皮由来の各種伝達物質が如何に関与しているかを解明することにあり、そのために、患者の尿と膀胱組織を用いて伝達物質の測定と遺伝子発現の定量を行い、治療後の変化も検討してきた。また、併せて間質性膀胱炎の動物モデルを作成してその排尿生理学的・分子細胞学的な特徴の評価を行ってきた。臨床症例を用いた研究では、尿中マーカーの測定系の条件設定を検討してきた。尿中のNGFCXCL10,TNFSFの測定の至適条件を適宜調整し、間質性膀胱炎に対する治療前後での評価、自覚症状との相関について検討してきた。結果、症状との有意な相関を認めていないのが現状である。膀胱組織を用いた検討では、サンプルの収集と免疫組織染色を行い、データを検討してきた。その結果、間質性膀胱炎の中でも潰瘍の有無でCD11b陽性細胞、VEGF-Aなどに違いを認め、またSjogren症候群に合併した間質性膀胱炎ではCD4ならびにCD8陽性細胞の増加をみとめ、それぞれ病態解明の鍵となることが期待される。動物モデルを用いた研究では、アクロレインを用いた動物モデルの膀胱粘膜組織におけるTRPM8の発現を検討したが、現時点では投与前後でその発現に差を認めていない。また、ケタミン乱用者における間質性膀胱炎様症状を参考に、ケタミンを用いた動物モデルの作成を試みたが、頻尿や潰瘍形成を認めず、現時点では間質性膀胱炎モデルとは言いがたい。今後も、さらに研究を進め、病態解明を目指していく。
著者
豊田 修次 小林 洋子 阿彦 健吉
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.591-598, 1990-07-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
26

本研究は,国産ゴーダチーズの熟成後期に発生するガス膨張の原因を究明する目的で実施した.バクトヒュージ無処理の冬季乳を用い,硝酸塩無添加で製造したゴーダチーズを13~15°Cで4ヵ月間熟成すると,30試料中,11試料が熟成2カ月以内で膨張し,その大半はガスホール周辺に大きな亀裂を生じた.このガス膨張は酪酸菌によるものであった.DRCM培地中に生育した酪酸菌は,大きな黒色コロニーと小さな褐色コロニーを呈した.膨張チーズ中の黒色コロニー数は,チーズg当り30cfu以下で,正常チーズと差が認められなかった.105株の黒色コロニーは,Cl.sporogenesが86株,Cl. beijerinckiiが11株,Cl. butyricumが8株であった.一方,褐色コロニー数は,チーズg当り膨張チーズで102~104cfu,正常チーズで10cfu以下であった.褐色コロニーは,いずれもCl.tyrobutyricumと同定された.従って,本ゴーダチーズのガス膨張は,Cl. tyrobutyricumによるものと判断した.分離したCl. tyrobutyricum KS-222は,脱脂乳培地中ではほとんど生育しないが,S. lactis subsp. lactisとの混合培養でよく生育して多量のガスを発生した.Cl. tyrobutyricumKS-222は,DRCM培地では胞子をほとんど形成しなかったが,糖密-ソイトン培地の使用で,その胞子形成率は2.1%まで上昇した.Cl. tyrobutyricum KS-222胞子は,生育限界温度およびpHがそれぞれ7~10°C,4.5~5.0付近であった.Cl. tyrobutyricum KS-222胞子の生育を抑制する食塩濃度は,培地pHに著しく依存し,pH5.0で約2%,pH5.5で約4%,pH6.0~6.5で約6%であった.また,Cl. tyrobutyricum KS-222胞子の生育抑制に対する硝酸カリウムの効果は,上述の食塩の場合とほぼ同様であったが,亜硝酸カリウムでは0.005%以下の濃度でCl. tyrobutyricum KS-222胞子の生育を強く抑制した.
著者
坂 靖
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.211, pp.239-270, 2018-03-30

本稿の目的は,奈良盆地を中心とした近畿地方中央部の古墳や集落・生産・祭祀遺跡の動態や各遺跡の遺跡間関係から,その地域構造を解明する(=遺跡構造の解明)ことによって,ヤマト王権の生産基盤・支配拠点と,その勢力の伸張過程を明らかにすることにある。弥生時代の奈良盆地において最も高い生産力をもっていたのは「おおやまと」地域である。その上流域で,庄内式期の纒向遺跡が成立する。その後,布留式期に纒向遺跡の規模が拡大し,箸墓古墳と「おおやまと」古墳群の大型前方後円墳の造営がつづく。ヤマト王権の成立である。「おおやまと」地域において布留式期に台頭したのが,「おおやまと」地域を生産基盤とした有力地域集団(=「おおやまと」古墳集団)であり,地域一帯に分布する山辺・磯城古墳群をその墓域とした。ヤマト王権は,「おおやまと」古墳集団を出発点とし,その勢力が伸張していくことにより,徐々にその地歩を固め影響力を増大していく。布留式期には,近畿地方各地に跋扈した在地集団に加え,奈良盆地北部を中心とした佐紀古墳集団,「おおやまと」古墳集団と佐紀古墳集団を仲介する役割を担った在地集団などが存在したことが遺跡構造から明らかであり,そのなかで「おおやまと」古墳集団と佐紀古墳集団が主導的立場にあったと考えられる。5世紀には,「おおやまと」古墳集団は河内の在地集団を取り込み,さらにその勢力を伸張し,倭国の外交を展開する。そして,大和川の上・下流域一帯の広い範囲が生産基盤となり,倭国の支配拠点がおかれた。一方,近畿地方各地には,有力地域集団が跋扈しており,ヤマト王権の支配構造は,危ない均衡のうえに成り立っていたと考えられる。そうした状況が一変するのが,太田茶臼山古墳の後裔たる継体政権である。淀川北岸部の有力地域集団は,近畿地方や北陸・東海地方の在地集団や有力地域集団と協調することにより,ヤマト王権の生産基盤は,畿内地方一帯の広範な地域に及んだ。そして,6世紀後半には「おおやまと」古墳集団と一体化することにより,専制的な王権が確立し,奈良盆地の氏族層に強い影響力を及ぼしながら,倭国を統治することになるのである。
著者
鈴木 眞次
出版者
日本私法学会
雑誌
私法 (ISSN:03873315)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.54, pp.245-250, 1992-04-30 (Released:2012-02-07)
著者
青柳 憲昌
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.692, pp.2199-2205, 2013-10-30 (Released:2014-07-10)

On 5 historic reconstructions designed by Minoru Ooka, especially external appearance, such as delicate curved roof shape, was faithfully recreated based on academic investigation. The structure was basically reinforced concrete, but he attempted to keep the original proportion of wooden structural members by means of, for instance, manipulation of sectional modification of posts and beams. Among his works, Yakushiji Golden Hall (1976) is one of the most characteristic specimen that reveals his idea toward historic reconstructions. He tried to revive original architect's design concept as representation of the aesthetics of the same period, which was shown in the number of columns (6×3) on the upper floor, the gradually raised ceiling heights toward the inner sanctum, and the roof shape; high pitched gable and low pitched hip roof(shikoro-buki) that has, he thought, aesthetical importance on the ancient architecture.
著者
松岡 慧祐
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.100-113, 2008-05-24 (Released:2017-09-22)

1990年代に厚東洋輔や若林幹夫によって、地図は個人が直接的に俯瞰することのできない「社会」の全体像を可視化し、他者と共有することを可能にするメディアであるということが論じられた。だがそれ以来、こうした発想を現代社会の分析に適用するような「地図の社会学」が展開されることはなかった。現代では、グローバル化によって個人を取り巻く「社会」がますます大規模化・複雑化し、個人の生活は<ここ>ではない場所の目に見えない影響を受けやすくなっている。そこで、個人が地理的想像力を拡張し、こうした「世界社会(地球社会)」を面的・視覚的に把握するためのモデルとして、地図の役割があらためて重要になっている。また近年、コミュニティ再生が課題となっている地域社会でも、住民みずからの地理的想像力をローカルに拡張し、面的な「地域社会」を再発見するための地図がまちづくりに活用されるようになっている。だが地理的想像力は、地図の変容や電子メディアの発達などによって、危機に晒されるようにもなっている。地図は地理的想像力を拡張し、社会(学)的想像力の手がかりになりうる一方で、現代社会における地図のあり方は、地理的想像力を断片化し、「社会」を不可視化することで、個人と社会を切り離す可能性をもちはじめているのである。
著者
濱保 和治 山崎 敬人 岡田 大爾
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.467-475, 2019-03-25 (Released:2019-04-12)
参考文献数
11

近年,教科を学ぶ意義や有用性についての意識の欠如とキャリア教育の重要性が指摘されている。平成20年9月「中学校学習指導要領解説理科編」においても,「日常生活や社会との関連」について理科で学習することが示され,理科学習でも教科内容との関連において,キャリア教育との関連を意識した指導を行うようになった。しかし,生徒の「日常生活との関連」についての意識は向上しているものの,理科学習の有用性を生徒自身に理解させることはできていない。そこで,大学との連携によって研究者が単元の学習内容に直接関わる授業を行い,社会貢献や職業選択のきっかけや夢などの話題を提供するといった教科学習に組み込んだキャリア教育を行うことで,教科学習の有用性を生徒が実感し,学習内容の深化を図るとともに将来の職業選択の可能性を広げることができると考えて,授業を計画・実施し,その効果を検証した。その結果,理科学習の有用性のうち職業生活への有用性や日常生活への有用性,及び日常生活との関連,学習意欲の向上に効果があることがわかった。
著者
岡 奈理子
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.164-188, 2004-03-20 (Released:2008-11-10)
参考文献数
100
被引用文献数
23 26

The global distribution and status of colonies of the Streaked Shearwater (Calonectris leucomelas) were elucidated on the basis of a comprehensive survey of all published literature, of unpublished literature, and a specimen survey and interviews. Information on colony population size was also obtained. The species occurs or occurred on a total of 98 islands in East and South-east Asia; consisting of 86 islands where breeding occurs (breeding islands), 11 islands with a high likelihood of breeding occurring, and one island with a low likelihood of breeding occurring. The 86 breeding islands, including three on which breeding has definitely or possibly ceased, are located in the following seas from 24-42°N, 121-142°E; 30 islands (35%) in the Pacific, 20 (23%) in the Sea of Japan, 16 (19%) in the East China Sea, 9 (10%) in the Yellow Sea, 7 (8%) in Tsushima Strait, and 4 (5%) around Taiwan. Japan hosts 72 (84%) of the 86 islands, South Korea hosts 6, China hosts 4, North Korea hosts 2, and Russia and Taiwan host one each. Thus most of the breeding islands are located on the continental shelf in the seas surrounding the Japanese Archipelago, an area of high marine productivity. Information on present colony status was unavailable for 21 (24%) of the 86 breeding islands, most of which were in Japan. Streaked Shearwaters still breed on the remaining 62 (72%) islands (52 of which are in Japan) but probably no longer breed on the three other islands. Most (80%) of the 86 breeding islands are situated in temperate areas within the 5-20°C zone of average Spring (March) surface water temperatures; 42% of the islands within the 15-20°C zone, 20% within the 10-15°C zone and 19% within the 5-10°C zone. The remaining 20% are within the 20-25°C (10%) and 1-5°C (9%) zones. Streaked Shearwater populations have recently tended to increase rapidly in the higher latitudes for this species (38-40°N) within the 5-10°C zone in the subarctic boundary between the warmer and colder currents in the northwest Pacific, where about 100, 000 birds breed on the uninhabited islands.Breeding activities largely take place on those islands with a large Streaked Shearwaters population, which corresponds to about 30% of the breeding islands, while only 1-2% of the breeding population breed on the remaining 70% of islands hosting small or medium-size populations. The number of breeding birds on 36 islands (excluding Mikura Island, which has by far the largest population), was recently estimated as 816, 000 birds. As the Mikura Island total was roughly estimated to be 1, 750, 000-3, 500, 000 birds, the total number of Streaked Shearwaters breeding on the 37 islands amounted to 2, 566, 000-4, 316, 000 birds. Further population surveys of the Mikura Island population are needed, as this single estimate greatly influences the size of the estimated world population for this species. Up-to-date information on the status and distribution of Chinese and Korean populations of the Streaked Shearwater is also desired, as both countries have many offshore islands near the breeding zone for the species.

2 0 0 0 OA 性欲の心理

著者
沢田順次郎 著
出版者
林書店
巻号頁・発行日
1921