著者
馬杉 正男 高木 国主男 佐藤 正治 井手口 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.496-505, 1994-09-25
被引用文献数
1

無線通信などに起因する電磁妨害波の多くは,放射電力,発生時間,発生位置等が必ずしも一定しない準定常的な変動特性を有し,これらに起因する電磁障害原因の特定は困難である.本論文は,電磁障害発生前後において,あらかじめ設定した周波数範囲内のレベル変動に基づいた条件により電磁妨害波を選択して検出・記録可能な測定システムの検討を通して,障害要因となる電磁妨害波を周波数領域において測定する方法の提案を目的とする.ここでは,電磁妨害波の周波数,電磁界強度,発生時刻等の把握に有効となる測定システムの構成ならびに制御方法について述べると共に,試作した測定システムの測定データの転送時間を含めた処理時間が2秒程度であるといった基本評価結果例を示している.続いて,都市部において,市民ラジオ電波帯を対象とした電磁環境測定を実施することにより,無線電波に起因する電磁妨害波の検出率は早朝から夕方にかけて増加し,その発生時間帯と人間の日常生活時間帯との間には相関関係があること等を定量的に明らかにした.以上の検討を通して,提案した測定システムが電磁障害原因の究明のみならず,今後の電磁障害対策を行っていく上で有効となることを検証した.
著者
谷川 聖明 GOTO Hirozo NAKAMURA Norio TANAKA Nobumitsu HATTORI Masao ITOH Takashi TERASAWA Katsutoshi
出版者
和漢医薬学会
雑誌
和漢医薬学雑誌 (ISSN:13406302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.45-50, 1999-07-20
被引用文献数
6

桂皮の血流改善作用については古くから知られており,これに関連した報告はあるものの,その詳細な検討はなされていない。今回我々はマグヌス法を用いて,ラット胸部大動脈輪状標本における桂皮含有クンニンの血管作動性について検討した。桂皮含有タンニンは,プロスタグランディンF_<2α>(PGF_<2α>)の血管収縮に対し,内皮保存血管において濃度依存性に血管弛緩作用が認められた。しかし,内皮除去血管及ぴN^G-nitro-l-argininemethyl ester(L-NAME)前処置内皮保存血管においては,血管弛緩作用はほぼ消失した。以上より,桂皮含有タンニンの血管弛緩作用は内皮依存性であることが明らかとなった。桂皮含有タンニンをさらに二量体から五量体までのタンニン画分に分取し検討したところ,二量体以上の重合したタンニンにおいて血管弛緩作用が認められた。また,重合度が増すに従い血管弛緩作用はより低い濃度で発揮され,作用も増強されることが明らかとなった。
著者
広谷 彰彦 畠中 克弘
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.447, pp.48-49, 2008-05-09

ひろたに・あきひこ●1945年生まれ。68年に日本大学理工学部土木工学科を卒業し、オリエンタルコンサルタンツに入社。国際事業部国際部長、国際事業部長兼社長室長、営業本部長などを経て、2001年12月から代表取締役社長。2006年8月には、オリエンタルコンサルタンツからの株式移転で設立された持ち株会社、ACKグループの代表取締役社長に就任。
著者
森賀 一惠
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.60, pp.41-49, 2014

『説文解字』に見える「亯」(五篇下亯部)は「亨」、「享」、「烹」の古字である。言い換えれば,「亨」、「享」、「烹」は同源である。「亯」字段注の「其形,薦神作亨,亦作享,飪物作亨,亦作烹,易之元亨,則皆作亨,皆今字也(その形,神に薦めるは亨に作り,亦た享字に作る。物を飪るは亨に作り,亦た烹に作る。易の元亨は則ち皆な亨に作る。皆な今字なり)」という記述によれば,「亨」は「享」、「烹」に通用するが,「享」、「烹」はそれぞれ「薦神」、「飪物」の意の專用字であるということになる。現代漢語(普通話)では「亨」はhēng 專用,「烹」はpēng 專用,「享」はxiǎng 專用と,はっきりと書き分けられているが,古くは「亨」は「享」、「烹」に通用していたようで,『廣韻』でも「亨」は脝(許庚切)小韻、磅(撫庚切)小韻、響(許兩切)小韻に見え,釋義はそれぞれ「通也」、「煑也」、「獻也,祭也,臨也,向也,歆也」となっており,「享」、「烹」は「亨」の或體字扱いである。『羣經音辨』(以下,『音辨』)の「亨」音義解釋と『經典釋文』(以下,『釋文』)の「亨」の注音状況については,概述したことがあるが,本稿では,同源の「享」「烹」も併せて『釋文』での注音状況を調査し,『音辨』の「亨」の音義解釋の妥当性を検討したい。
著者
高木 修作 村田 寿 後藤 孝信 市來 敏章 ムナシンハ マデュラ 延東 真 松本 拓也 櫻井 亜紀子 幡手 英雄 吉田 照豊 境 正 山下 浩史 宇川 正治 倉本 戴寿
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.279-290, 2005-09-20
被引用文献数
8

ブリの無魚粉飼料給与による緑肝の発症原因を、タウリン補足量の異なる無魚粉飼料で41週間飼育したブリ稚魚における、飼料タウリン含量と体内のタウリン含量、胆汁色素含量および肝臓のタウリン合成酵素活性の関連から調べた。タウリン無補足区では、飼育成績は劣り、貧血と緑肝が高率にみられ、肝臓のタウリン含量が低く、胆汁色素含量が高かった。タウリン補足区では、これら劣悪な状況は著しく改善した。肝臓のタウリン合成酵素活性は、全区で著しく低かった。ブリのタウリン合成能は著しく低く、無魚粉飼料にはタウリン補足が必要であり、無魚粉飼料給与による緑肝はタウリン欠乏に伴う胆汁色素の排泄低下と、溶血による胆汁色素の過剰産生により発生することが分かった。
著者
宮迫 隆典 一瀬 智生 市川 史子 吉田 かおり 山本 益枝 信家 弘士 長坂 信夫 川端 康司
出版者
The Japanese Society of Pediatric Dentistry
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.970-978, 1992
被引用文献数
1

我々は,小児の健全な成長発育を把握し,地域の歯科医療の推進に貢献する目的で,広島県湯来町の保育所および幼稚園の協力を得て,昭和62年より毎年,幼児の歯科検診を実施し,幼児の口腔内の縦断的観察を行っている。今回,幼児の生活環境のアンケート調査を行い,以下の結果を得た。<BR>1)自分自身の齲蝕予防に心がけている親は41.9%であった。<BR>2)幼児の食生活では,果実,菓子類が好まれ,野菜類は好まれない傾向が認められた。おやつの回数は, 通園日1 日1 回および休園日1 日2 回が約80%を占めた。また, 6歳児の買い食いは, 4歳,5歳児の15~20%と比較して, 約40% と増加しており, 6 歳と他の年齢間に統計的有意差を認めた。<BR>3)幼児の歯磨きでは,朝食後と就寝前の歯磨きが70%以上を占め,就寝前以外の歯磨きでは,幼児自身が磨くことが多く,時間も短かったが,就寝前の歯磨きでは,過半数以上の親が手伝い,3分以上磨く者の割合が多かった。<BR>4) 親子関係では, 親自身が齲蝕予防に心がけている方が心がけていない方より, 朝食後,夕食後に子供の歯磨きをよく手伝い,おやつを与える回数も少なく,統計的有意差を認めた。
著者
宮迫 隆典 一瀬 智生 市川 史子 吉田 かおり 山本 益枝 信家 弘士 長坂 信夫 川端 康司
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.970-978, 1992
被引用文献数
1

我々は,小児の健全な成長発育を把握し,地域の歯科医療の推進に貢献する目的で,広島県湯来町の保育所および幼稚園の協力を得て,昭和62年より毎年,幼児の歯科検診を実施し,幼児の口腔内の縦断的観察を行っている。今回,幼児の生活環境のアンケート調査を行い,以下の結果を得た。<BR>1)自分自身の齲蝕予防に心がけている親は41.9%であった。<BR>2)幼児の食生活では,果実,菓子類が好まれ,野菜類は好まれない傾向が認められた。おやつの回数は, 通園日1 日1 回および休園日1 日2 回が約80%を占めた。また, 6歳児の買い食いは, 4歳,5歳児の15~20%と比較して, 約40% と増加しており, 6 歳と他の年齢間に統計的有意差を認めた。<BR>3)幼児の歯磨きでは,朝食後と就寝前の歯磨きが70%以上を占め,就寝前以外の歯磨きでは,幼児自身が磨くことが多く,時間も短かったが,就寝前の歯磨きでは,過半数以上の親が手伝い,3分以上磨く者の割合が多かった。<BR>4) 親子関係では, 親自身が齲蝕予防に心がけている方が心がけていない方より, 朝食後,夕食後に子供の歯磨きをよく手伝い,おやつを与える回数も少なく,統計的有意差を認めた。
著者
外薗 幸一
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
鹿兒島経大論集 (ISSN:02880741)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.47-69, 1983-10-15
著者
田尻 尚士 松本 熊市 友松 和子
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.157-168, 1972-03-15

[Author abstract]The most important point of jelly making is a rate of combination of pectin, acid and sugar, also temperature of heating and the period of heating time. A jelly of good quality is made by the heating of 103°~105℃, and 20~30 minutes of time. The conbination of optinum condition is said to be as folows; Sugar:65~70%,total Acidj0.5~1.0% as pH 3.0-3.4.and 0.5~1.0% of Pection. The heating temperature and the heating time have influenced on the rate of conbination of sugar, acid and pectin. In case of high concentration of sugar, jelly coagulate in a short time but lack in flexibility and become opaque uneven, more over, if sugar is saturated in the solution, sugar crystal will be found in jelly. In low sugar concentration, the jelly will coagulate after long heating and as the result of the product would be caramelized. In high concentration of acid jelly is clear, transparent and elastic but it has high acid taste, if low acid concentration jellying is slow and the product is cloudy. In high concentration of pectin, the action of coaguration is promoted but product is opaque and lacking in flavour and flexibility, and some what jam like. If low concen tration of both acid and pection, jellying is difficult. A good quality of jelly is made at about pH3.4 and low as pH 2.0 and less, a jelly shows coagulation but after few month syneresis will occur. Moisture content in good jelly is about 43%.[要約]ゼリー製造において最も大切なことは、糖、酸、ペクチンの配合割合である。良質のゼリーを得るには、加熱温度:103~105℃、加熱時間:20~30分、糖:65~70%、酸:0.5~1.0、ペクチン:0.5~1.0%が最適条件である。加熱温度と時間は、糖、酸、ペクチンの配合割合とJelly-Stock中の水分含有量によって左右される。特に糖濃度によって大きく影響される。温度と時間は逆比例の関係となる。糖添加量が高いと、短時間で凝固するが、製品は弾力性に乏しく、不透明な不均質ゼリーとなる。若し、砂糖が飽和点以上に達すると、ショ糖の結晶が現出する。糖濃度が低い場合、高温、長時間をかけても凝固せず、Jelly-Stockはカラメル状となる。酸濃度が高い場合、透明で鮮明な、弾力性に富んだゼリーとなるが、やや酸味が強い。酸濃度が低い場合、ゼリー化が困難で、濃縮に長時間が必要となり、鮮明度の低い、弾力性に乏しいゼリーとなる。ペクチン濃度か高いと、ゼリー凝固は促進されるが、不透明、弾力性に乏しく、風味、芳香不良なジャム状のゼリーとなる。酸、ペクチン濃度が低い場合、特に酸濃度が低い場合、ゼリー化は困難で、長時間の加熱が必要である。糖濃度が高ければ、ペクチン、酸濃度がやや不足しても、ゼリー化は不能であるが、弾力性に乏しく、不透明なゼリーとなる。最良のゼリーを製造するには、加熱温度105℃、加熱時間25分、糖65%、酸1.0%、ペクチン1.0%位の製品となるよう、ゼリー基液を調整することが最良であると思われる。 pHは3.4前後が良質ゼリーの特長で、pH2以下では、酸味が強く感じられる。水分含有量は、34%前後が最良である。
著者
門田 和雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會誌 (ISSN:00214728)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1038, 2005-05-05