著者
駒谷 和範 上野 晋一 河原 達也 奥乃 博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.75, pp.59-64, 2003-07-18
参考文献数
12
被引用文献数
7

各ユーザに応じた協調的な応答を行うユーザモデルについて述べ,これを実装した音声対話システムの評価実験について報告する.従来のユーザモデルの研究では,ユーザの知識に重点を置いたものや典型的なユーザを想定したものがあるが,我々はより包括的なユーザモデルを提案する.具体的には,システムに対する習熟度,ドメインに関する知識レベル,性急度の3つの次元を定義する。これらのモデルは,決定木学習により自動的に得ることができる.実際の対話データを用いたユーザモデルの判別実験では,3つの次元それぞれに対して妥当な判別制度を得た.これらのユーザモデルに基づく対話戦略を,我々の研究室で開発している京都市バス運行情報案内システムに実装した.評価実験により,各ユーザに適応した協調的応答が,熟練したユーザに対する対話時間を増加させることなく,初心者に対して適切なガイダンスとなることが示された.We address appropriate user modeling in order to generate cooperative responses to each user in spoken dialogue systems. Unlike previous studies that focus on user's knowledge or typical kinds of users, the user model we propose is more comprehensive. Specifically, we set up three dimensions of user models: skill level to the system, knowledge level on the target domain and the degree of hastiness. Moreover, the models are automatically derived by decision tree learning using real dialogue data collected by the system. We obtained reasonable classification accuracy for all dimensions. Dialogue strategies based on the user modeling are implemented in Kyoto city bus information system that has been developed at our laboratory. Experimental evaluation shows that the cooperative responses adaptive to individual users serve as good guidance for novice users without increasing the dialogue duration for skilled users.
著者
上野 貢嗣 末宗 洋 佐伯 清太郎 酒井 浄
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.4021-4025, 1985-09-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
13
被引用文献数
10 15

The conversion of naturally abundant (+)-limonen-10-ol (2) into the synthetic intermediate (3) for brefeldin A is described. The cis-3, 4-disubstituted cyclopentanone (4), which was easily obtained from 2 by Rh (I)-catalyzed cyclization reaction via the 4-pentenal derivative, could be converted to the target compound 3 via the appropriate modification of substituents on the five-membered ring.
著者
末宗 洋 岩崎 源司 上野 貢嗣 酒井 浄
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.4632-4636, 1984-11-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
9
被引用文献数
2 5

The chemical conversion of (+)-limonene (1) and (-)-perillyl alcohol (10) into 9-substituted p-mentha-1, 8 (10)-diene derivatives is described. The lithiated species of 1 and 10 were easily obtained in good yields, by using sec-butyl lithium in N, N, N', N'-tetramethylethylenediamine. The reaction of the lithiated species (A and B) with various electrophiles was completed within 1-2 h to give 9-substituted p-mentha-1, 8 (10)-diene derivatives. The stereochemistry of the chiral center of the starting material was retained in the products. 9-Hydroxy-p-mentha-1, 8 (10)-diene (8) was also obtained by another short sequence of steps. Oxidation of the phenylthio derivative (7) gave the sulfoxide (9). Treatment of 9 with trimethyl phosphite afforded 8.
著者
上野 貢嗣 末宗 洋 酒井 浄
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.3768-3769, 1984-09-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
3
被引用文献数
4 12

The key intermediate (11) for the synthesis of carbacyclin (1) was synthesized by the application of a new method for stereoselective five-membered ring formation using Wilkinson complex.
著者
上野 雅由樹
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho (ISSN:03869067)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.262-268, 2006-09 (Released:2018-08-22)
著者
山西 良典 松下 光範 上野 未貴
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.33, 2018-11-01
著者
上野 敏孝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.593-598, 1997

ここ数年、鹿児島市では1840年代誕生の石橋群を守る運動が繰り広げられた。「治水」事業として、西田橋などの多連アーチが撤表され、同時代の海頭工太鼓橋が今や風前の灯火である.ことの本質は災害対策での、川の三面側溝化・直線化にある。川の直線化で水質が悪化し、人間を含む生態系が衰退しないのか。本稿ではかっての水循環システムの復活をめぐり、治水・文化・環境など、多様な側面を論じたい。
著者
上野 勝美 黒田 潤一郎 宇野 康司 鎌田 祥仁 久田 健一郎 原 英俊 荒井 章司 チャロエンティティラット タスィニ チャルシリ パンヤ カンパヴォン ケオ ヴィライカム カムセン チャンタヴォンサ ホントン 宮東 照
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

東南アジア主要部(タイ,ラオス)において,後期古生代-前期中生代のパレオテチス海洋プレートの沈み込みに伴う島弧-縁海系の発達・崩壊過程を,野外調査および層序学,地質年代学,岩石学,古地磁気学,等の手法を用いて検討した.パレオテチス海洋底の沈み込みで形成された火山弧と背弧海盆閉鎖域は,タイ南東部-北部(クレン,ランパン,チェンライ,ナン地域)からラオス北部(ウドムサイ,ルアンナムタ地域)へと連続することが初めて示された.その結果,当該時期の東南アジア主要部には,現在の日本列島と同様の,巨大海洋のプレート沈み込みとそれにより形成された島弧火山帯,その背後に発達した背弧盆という古地理が復元できた.
著者
西口 沙也加 村田 晃一 宇部 尚樹 上野 琴巳 手林 慎一 寺石 政義 奥本 裕 森 直樹 石原 亨
出版者
Pesticide Science Society of Japan
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.191-197, 2018-08-20 (Released:2018-08-20)
参考文献数
46
被引用文献数
8

イネにおいて1 mM のジャスモン酸を処理することで蓄積量が増加する化合物の探索を行った.その結果,2つの化合物1と2の蓄積量が増加することがわかった.マススペクトルとHPLCにおける保持時間を標準品と比較することで,1と2をそれぞれ13-oxooctadeca-9,11-dienoic acid(13-KODE)および9-oxooctadeca-10,12-dienoic acid(9-KODE)と同定した.これらの化合物の蓄積はイネごま葉枯病菌の感染によっても誘導された.一方で,各KODEをイネの葉に処理すると,抵抗反応に関連する二次代謝産物のサクラネチンやナリンゲニン,セロトニンの蓄積が誘導されたため,これらのKODEが病害応答に関与していることが示唆された.KODEと同じくα,β-不飽和カルボニル構造を持つ化合物について,同様の活性があるか調べたが,KODEの作用は再現されなかった.二次代謝産物の誘導には一定の長さをもった炭素鎖など他の構造因子が必要であると考えられた.
著者
麦島 剛 上野 行良 中村 晋介 本多 潤子
出版者
福岡県立大学
雑誌
福岡県立大学人間社会学部紀要 = Journal of the Faculty of Integrated Human Studies and Social Sciences, Fukuoka Prefectural University (ISSN:13490230)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.85-91, 2006-11-30

軽微な犯罪の早期解決がそれより重大な犯罪を抑止するという考え方を割れ窓理論 (broken windows theory)という。現在では、環境悪化放置の防止が地域の犯罪の抑止となる、 という観点から議論されることも多い。この理論の実践は1990年代半ばから米国において警察主導の取り組みとして始まった。最近は、日本でも地域住民主体による落書き防止などの取り組みとして盛んになっている。本研究は、地域環境悪化の放置および地域に立地する各種施設と、中学生の非行容認度との間にどのような関係があるのかを検討し、非行防止対策への手がかりとすることを目的とした。 福岡県内の中学2年生と矯正施設入所等中学生に対し、質問紙により以下の点を調査した。1)校区の悪化環境の放置に関する認識について、2)校区に立地する各種施設について、3)非行の容認について。その結果、悪化環境が放置されていると考える中学生は非行の容認度が高いことが示唆された。いっぽう少年院等の中学生は、悪化が放置された環境で暮らしていたと考える率が低かった。自らの住む環境の悪化が放置されていると感じるとき、中学生は非行を絶対悪だと考えなくなるが、放置状態に対して無頓着になると、実際に非行を犯す可能性が高まるとも考えられる。また、校区に、ギャンブル場などがあると答えた中学生において非行を許す程度が高かった。さらに、どんな施設であっても、立地する場合に環境が悪化していると認識する率が高かった。 以上の知見を踏まえると、落書きやゴミ放置などの公衆ルール違反を即急に解決することは、中学生が非行を許さないと考えることにつながる可能性がある。犯罪の低減と同様、割れ窓理論にもとづく具体的な取り組みが非行防止の一助となると考えられる。
著者
東 大輝 中川 法一 上野 隆司 濱田 太朗 加納 一則
出版者
社団法人 日本理学療法士協会近畿ブロック
雑誌
近畿理学療法学術大会 第48回近畿理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.71, 2008 (Released:2008-09-16)

【目的】 投球動作は、下肢・体幹・上肢の全身の運動連鎖が重要であるとされている。しかし、投球動作で発生する障害に関して、股関節の可動域が投球後の肩関節可動域にどの程度影響しているかという具体的な報告はない。今回の研究目的は、股関節の可動域改善が、投球後の肩関節可動域に与える影響を検討することである。 【対象と方法】 健常成人で、野球経験者男性9名(右投8名・左投1名、平均年齢20.7±1.4歳)とした。 被験者には、投球前に股関節のストレッチングを行う場合(伸張時)と投球前に何もしない場合(非伸張時)の2つの条件下で、75球の全力投球を課した。投球前・投球直後・投球後1日目から4日目までの投球側肩関節の関節可動域測定を行い、経時的変化をおった。また、運動の持続効果を考慮してストレッチングを行う場合とストレッチングを行わない場合の実施順は無作為に選択した。肩関節90°外転位での内旋(2nd IR)および外旋(2nd ER)、90°屈曲位の内旋(3rd IR)の可動域を測定し、各可動域結果を伸張時と非伸張時で比較検討した。ストレッチングの方法は、膝関節伸展位での股関節屈曲(SLR)と股関節外転とした。統計学的分析には、対応のあるt検定と二元配置分散分析を用い、有意水準を5_%_未満とした。 【結果】 伸張時は、ストレッチング前に比べるとSLR、股関節外転ともに可動域は有意に増加していた(p=0.0004)。 2ndIRの投球後1日目は、伸張時で80.5±11.5°、非伸張時では70.0±14.7°と非伸張時が有意に低下していた(p=0.02)。2ndERの投球後2日目では伸張時で132.2±10.3°、非伸張時が123.8±9.6°となり、投球後3日目では、伸張時が137.7±12.0°、非伸張時が127.7±9.3°と非伸張時が有意に低下していた(p=0.01)。可動域の経時的な変化では、2ndIRにおいて、伸張時では投球前後の可動域に有意な低下は認められなかったが、非伸張時では投球前と投球後1日目、投球直後と投球後1日目および2日目、投球後1日目と3日目および4日目、投球後2日目と4日目の間で有意に低下していた(p<0.0001)。 【考察】 今回の結果から、股関節の可動域を向上させることで、投球後の肩関節の可動域低下を抑える効果があることが示された。これは、上肢に依存した投球動作が減少し、ball release時に強いられる外旋筋の遠心性収縮が下肢・体幹などに分散されたと考えられた。過去の報告より、肩関節の可動域制限が、投球障害を誘発するということから、肩関節の可動域低下の抑制は、野球選手における投球障害肩の予防につながる可能性があると言える。そのためにも股関節の可動性向上が重要となる。
著者
上野 昭彦 池田 博
出版者
東京工業大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

シクロデキストリン(CD)は環状オリゴ糖であり水溶液中でさまざまな分子を包接することができる。本研究では、蛍光性単位(ダンシル)とタンパク質結合性単位(ビオチン)を有する修飾CDを合成し、タンパク質アビジンが結合すると修飾CDの分子認識センサーとしての能力がいかに変化するか検討した。これまでのダンシル修飾CDでは、タンシル単位がCD空孔内に自己包接され強い蛍光を発するが、ゲスト包接に伴いダンシル単位は空孔外の水環境に追い出され蛍光強度が減少する。この減少がゲストの検出に利用されてきた。本研究では、CDとしてはグルコース単位を7個有するβ-CD、ダンシルを含む単位としてはダンシルそのもの及びダンシルグリシン残基を用いた(各修飾CDを1、2とする)。ダンシル単位は1よりも2の方が、グリシン部分を介するだけ自由に動きやすくなっている。両者とも励起波長360nmで測定すると550nmに蛍光のピーク示した。そして、ゲストである1-アダマンタノール添加による最大の蛍光強度減少は1ではアビジン不在下で19.2%,アミジン存在下では10.9%であった。他方、2では、それぞれ39.2%,4.2%であった。このように両センサー系とも、タンパク質の存在によってゲスト添加による蛍光強度の減少の程度が抑制された。この事実は、タンパク質が結合することによってダンシル単位がCD空孔外に出ることが制限せれていることを示唆している。なお、結合定数は2-1-アダマンタノールの系でアビジン存在、不在下で9730M^<-1>、63700M^<-1>となり、アビジンの存在によって著しく増大した。タンパク質がCD空孔近傍の疎水的環境を増大てさせいるのもと推測される。
著者
池松 秀之 鍋島 篤子 山家 滋 山路 浩三郎 角田 恭治 上野 久美子 林 純 白井 洸 原 寛 柏木 征三郎
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.1259-1265, 1996-12-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
24
被引用文献数
5 4

高齢長期入院患者における発熱や死亡のハイリスクグループのマーカーを検索するために, 観察病院において1年以上入院した患者478名を対象として, 血清アルブミン値と発熱及び死亡との関連について検討を行なった.対象の平均血清アルブミン値は3.79g/dlで, 加齢と共に漸減傾向を示した.延べ504,189日の発熱の調査結果より得られた各患者の平均年間発熱回数と血清アルブミン値の関連は, 血清アルブミン値4.1g/dl以上の群の平均発熱回数が最も低く1.8回/年で, 血清アルブミン値の低下に従って段階的に上昇し, 3.0g/dl以下の血清アルブミン値著明低下患者では5.3回/年であった.年齢補正後の死亡率は, 血清アルブミン値3.0g/dl以下の群が40.4%で, 他の3群の13.0%~19.8%に比し著しく高率であった.血清アルブミン値3.0g/dl以下の群では死亡率はどの年齢層においても高率であったが, 他の3群においては, 80歳以上で死亡率が高かった.血清アルブミン値4.1g/dl以上の群をcontrol群として求めたrelativeriskは, 血清アルブミン値3.0g/dl以下の群では発熱で2.9, 死亡では2.0であった.以上の結果より, 血清アルブミン値は, 高齢期入院患者における, 発熱や, 1年後以降に生じる死亡の予測因子として有用であり, 特に血清アルブミン値3.0g/dl以下の患者は発熱, 死亡のハイリスクブループであると考えられた.
著者
コバチ アレクサンダー 上野 晴樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.4, pp.282, 2004

In this report we describe the architecture of our gourmet advisor and the lessons we have learned from building it. Our gourmet advisor (restaurant finder) is based on the concept of a complex adaptive information system, as proposed in [1], and is being developed as a proof of concept of this notion.[1] Alexander I. Kovács and Haruki Ueno, Towards Complex Adaptive Information Systems, 30 October 2003, Proceedings of ICITA'2004