著者
上野 善道 Zendo UWANO
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.139-161, 2017-01

五十嵐陽介(2016)が提案した「日琉語類別語彙リスト」にある2拍名詞641語について,アクセント比較研究の推進を目的として,奄美徳之島浅間方言のアクセント資料を提示する。With a view to promoting comparative study of Japanese and Ryukyuan, this paper presents the accent data from the Asama dialect in Ryukyuan Tokunoshima with particular reference to 641 two-mora nouns in the accent-class list of Proto-Japanese-Ryukyuan proposed by Igarashi (2016).
著者
奥田 稔 高坂 知節 三宅 浩郷 原田 康夫 石川 哮 犬山 征夫 間口 四郎 新川 秀一 池野 敬一 松原 篤 稲村 直樹 中林 成一郎 後藤 了 小野寺 亮 遠藤 里見 亀井 民雄 室井 昌彦 馬場 廣太郎 島田 均 舩坂 宗太郎 大橋 伸也 鄭 正舟 小澤 実佳 八木 聰明 大久保 公裕 後藤 穣 服部 康夫 上野 則之 柏戸 泉 大塚 博邦 山口 潤 佃 守 池間 陽子 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 藤井 一省 福里 博 寺田 多恵 小川 裕 加賀 達美 渡辺 行雄 中川 肇 島 岳彦 齋藤 等 森 繁人 村上 嘉彦 久松 建一 岩田 重信 井畑 克朗 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 竹内 万彦 増田 佐和子 村上 泰 竹中 洋 松永 喬 上田 隆志 天津 睦郎 石田 春彦 生駒 尚秋 鈴木 健男 涌谷 忠雄 宮國 泰明 夜陣 紘治 森 直樹 田頭 宣治 宮脇 浩紀 青木 正則 小林 優子 高橋 正紘 沖中 芳彦 遠藤 史郎 池田 卓生 関谷 透 奥園 達也 進 武幹 前山 忠嗣 恒冨 今日子 増山 敬祐 浅井 栄敏 土生 健二郎 中崎 孝志 吹上 忠祐 角田 憲昭 渡辺 隆 野口 聡 隈上 秀伯 吉見 龍一郎 茂木 五郎 鈴木 正志 大橋 和史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.633-658, 1996-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
21

通年性アレルギー性鼻炎患者211例を対象に, KW-467910mg/日 (KW群) の有効性, 安全性および有用性をoxatomide 60mg/日 (OX群) を対照薬として多施設二重盲検群間比較試験により検討した.最終全般改善度の「改善」以上は, KW群61-6%, OX群57.6%で, 両群間に有意差は認められなかつたが, 同等性の検証を行った結果, KW群はOX群と比較して同等ないしそれ以上と考えられた. 概括安全度の「安全性に問題なし」と評価された症例は, KW群68.0%, OX群61.4%で, 両群間に有意差は認められなかった. 主な副作用症状は両群とも眠気であった. 有用度の「有用」以上は, KW群54.9%, OX群50.5%であり両群間に有意差はなかったが, KW群の方がやや有用率が高かった.以上の成績より, KW-4679は通年性アレルギー性鼻炎に対して, 臨床的に有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
今里 雅之 林 恒男 田中 精一 上田 哲哉 竹田 秀一 山本 清孝 武藤 康悦 磯部 義憲 上野 恵子 山本 雅一 小林 誠一郎 羽生 富士夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.80-84, 1990-01-01
被引用文献数
5

症例は50歳男性で,主訴は心窩部痛である.胃潰瘍の診断とともに,超音波検査で肝右葉に蜂巣状内部構造を有する比較的境界鮮明な直径7cmの腫瘤を認めた.Computed tomography(CT)では腫瘤は低吸収域で造影後には菊花状で各花弁にあたる部位の辺縁が濃染される特異な像を呈した.腹部血管造影では,腫瘍血管や圧排所見はないが毛細管相で腫瘍濃染像を認めた.腫瘍マーカーは正常であった.腫瘍の穿刺吸収細胞診では,白色の濃汁の中に線維性組織が吸引されたが炎症性変化のみで悪性所見は認めないため厳重な経過観察とした.2年後,画像的に腫瘤の増大が認められ,悪性腫瘍が否定できないために拡大肝右葉切除術を施行した.病理学的にinflammatory pseudotumorと診断された.肝原発の本疾患は文献上17例の報告しかなく,経過を追い増大を認めた症例はいまだ報告されていない.ここに文献的考察を加え報告する.
著者
上野 加代子
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.62-78, 2016

本稿では,「虐待する親から子どもを守る」と称する実践が,どのような形でリスク言説と結びつき, 「ネオリベラル体制」の一翼を担っているかを示す.本稿で言う「リスク」とは,「新しい統治様式」 である.社会福祉の分野において,リスク概念の導入は,児童福祉の実践を根本的に転換させるもの であった.従来の児童福祉では,子どもや子どものいる家族のニーズに対して必要なサービスを提供 することが主要な目的だったが,近年,「虐待のリスク」という考え方の台頭によって,リスクアセス メントを用いて親をリスクの程度で分類し,「ハイリスク」と判定された親をモニターすることが児童 福祉の主要な目的になってしまった.つまり,児童福祉は「子どもの福祉」ではなく,「親を統治する 手段」に変容したのだ.本稿では,先行研究を整理しつつ,日本における児童虐待リスクアセスメン トの実態を,児童虐待事例に即して検討する.それによって,虐待のリスクとは「疑う余地のない事 実」や「統計的事実」ではなく,複数の解釈の余地がある事象に,「虐待のリスク」という単一の解釈 枠組を押し付ける営みであることを示す.
著者
加藤 はる 加藤 直樹 渡辺 邦友 上野 一惠 坂田 葉子 藤田 晃三
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.12-17, 1995-10-20
参考文献数
14

3回の再発が認められた11歳の<I>Clostridium difficile</I>性腸炎例の計4回のエピソードにおける<I>C.difficile</I>分離株について, ウェスタンプロッティング (WB), パルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE), およびpolymerase chain reaction (PCR) によるタイピングを用いて検討した.エピソード2の際の分離株はどの3つのタイピング法を用いてもエピソード1の際の分離株と同じタイプであり, エピソード2はエピソード1と同じ株による再燃と考えられた.しかし, エピソード3の際の分離株は3つのタイピング法でエピソード1および2の分離株と異なるタイプを示したことから, 新しい菌株による再感染であると考えられた.エピソード4の際に分離された菌株はWBタイピングではエピソード1と2の際に分離された菌株と異なり, さらにエピソード3からの分離株とも異なるタイプであった.しかし, エピソード4からの菌株はPFGEタイピングでは細菌のDNAが抽出過程で破壊されタイピングができず, PCRタイピングではエピソード1および2からの分離株とはminor bandに違いが認められたのみで, エピソード1と2の分離株と同じタイプに分類された.これらのことからエピソード4はさらに新しい菌株による感染と考えられた.Cd顔ae起因性腸炎では治療にいったん反応しても, 再発が多いことが治療上大きな問題となっている.タイピング法は, このような再発が同じ菌株による再燃なのか, 新しい菌株による再感染なのかの検討を可能にし, <I>C.difficile</I>感染の治療や予防を行ううえで非常に有用であると考えられた.
著者
上野 浩晶 中里 雅光
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.3, pp.753-759, 2014-03-10 (Released:2015-03-10)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

日本を含めた世界中で肥満者が増加しており,その結果として2型糖尿病,脂質異常症,高血圧,脂肪肝,脳卒中,虚血性心疾患などを合併した肥満症患者が増加している.肥満症患者では3%の体重減少でも糖脂質代謝や血圧などの改善がみられるため減量が重要であるが,現実的には食事運動療法のみでは減量できない場合が多く,抗肥満薬の必要性が出てくる.現在,日本ではマジンドールのみが抗肥満薬として認可されているが,リパーゼ阻害薬であるセチリスタットが最近製造承認を受けた.欧米ではリパーゼ阻害薬のオルリスタット,中枢性食欲抑制薬であるロルカセリンやtopiramateとphentermineの合剤などが使用されおり一定の減量効果を認めている.他にも多数の抗肥満薬が開発または治験中であるが,本稿では世界での抗肥満薬の現状と開発状況について概説する.
著者
上野 尚美 バスキン ローリー スティーブンス パトリック Naomi Ueno Rory Baskin Patrick Stephens
出版者
茨城キリスト教大学
雑誌
茨城キリスト教大学紀要. I, 人文科学 = Journal of Ibaraki Christian University. I, Humanities (ISSN:13426362)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.65-91, 2004-12-25

本稿は2つの目的を持って書かれている。第1の目的は、2004年4月にスタートした茨城キリスト教大学文学部新学科(現代英語学科)における新科目(Activities)と、小学校における『総合的な学習の時間』(2004年4月スタート)内に実施される"英語活動"の効果的な方法について、本学学生にとっての教育的効果と小学校における教育的効果とを併せて考察することである。
著者
上野 茂昭 髙橋 玲 劉 修銘 島田 玲子 都 甲洙
出版者
公益社団法人 日本冷凍空調学会
雑誌
日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
巻号頁・発行日
pp.18-18FB_OA, (Released:2018-07-15)
参考文献数
8

サバ類は冷凍によって肉質が著しく劣化することから,貯蔵中の肉質劣化を防止する高品質な冷解凍技術を開発する必要がある.本研究では脂質含量の異なるサバを-20℃,-40℃および-80℃の冷凍庫または-196℃の液体窒素で凍結し,K 値,pH,氷結晶サイズ等の品質項目について分析した.サバの品質を決定する重要な評価指標の一つである脂質含量は,魚肉のK 値,ドリップ率および氷結晶サイズに影響を及ぼすことが示唆された.脂質含量の異なる魚介類に対して適した凍結条件を選択することで, 鮮度低下抑制やドリップ抑制,氷結晶サイズの制御が可能となることが期待される.
著者
竹田 美知 李 璟媛 上野 顕子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.317-328, 2011-05-15 (Released:2013-08-12)
参考文献数
13
被引用文献数
1

The number of one-parent families has been growing in Japan. One-parent families occur for different reasons. Some people are unmarried and are raising a family on their own, or they are separated or widowed.Many of these people suffer from social prejudice. The purpose of this research was focused on what variables are affecting university students’ opinions of one-parent families and to find out what their image is of single, separated or widowed parents with children.There are a number of variables: society’s opinion of single-parents; opinions on people with children who remarry; opinions on gender roles; experience of taking classes on gender studies; one-parent families as reflected by the mass media; opinions on the students’ future with regard to marriage and having children and how these affected students’ opinions of single-parents and opinions on gender roles.There are four images of single parents with children. They are as follows: that children in one –parent families might be more independent; that the parents and children might be less dependent on each other; that there might be less communication between parents and children; that parents and children might be more co-dependent. In Japan, the most positive image is represented by the latter.
著者
上野 千鶴子
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.2-17, 1975-11-30

レヴイ=ストロースの構造主義は、一九五八年『構造人類学』に見る公認の教義から、その客観的な構造を剔抉されなくてはならない。私見では、彼のアプローチは、階梯モデル、同型説、システム論的思考を特徴とする、合理主義的理解の方法の一典型であり、この観点からは「メタ=ストラクチャー」は、当該の事象を、より一般的・整合的な構造のうちに置換する上位モデルと解される。だとすれば、メタ=ストラクチャーを無意識の実在に等置する先験主義からも、これに発達を拒否する無時間モデルからも、私たちは免れることができる。彼自身及び彼の祖述家達の、方法をめぐる様々な錯綜した議論よりも、彼自身の構造分析の実際が、何よりも雄弁にそれを実証している<BR>すなわち、メタ=ストラクチャーは、文字通り「系の系」として上位構造なのであり、理解とは、この構造を構成する手続きそのものなのである。これが、認識の発達モデルを提供するピアジェの構造主義が主張することであり、同時に、構造主義的思潮を、西欧合理主義の伝統の最も多産な果実とする方途である。
著者
長澤 和也 上野 大輔
出版者
日本生物地理学会
雑誌
日本生物地理學會會報 = Bulletin of the Bio-geographical Society of Japan (ISSN:00678716)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.17-25, 2011-12-20
参考文献数
50

1898-2011年に出版された文献に基づき,日本産魚類から記録された以下のヒトガタムシ科カイアシ類11種および未同定種2種に関する情報(異名リスト,宿主,寄生部位,地理的分布,文献)を種ごとに整理した:ツバサヒトガタムシ(新称) Lernanthropinus sauridae, マルツバサヒトガタムシ(新称) Lernanthropinus sphyraenae, タイノヒトガタムシLernanthropus atrox, サガミヒトガタムシ(新称) Lernanthropus belones, クロダイノヒトガタムシ(改称) Lernanthropus chrysophyrs, ダツノヒトガタムシ(新称) Lernanthropus cornutus, ニベノヒトガタムシ(新称) Lernanthropus gisleri, ブリノヒトガタムシ(改称) Lernanthropus seriolae, シシドヒトガタムシLernanthropsis mugilii, アシナガヒトガタムシ(新称) Mitrapus heteropodus, ヨロイヒトガタムシ(新称) Sagum epinepheliおよび未同定種Lernanthropus sp. 1とLernanthropus sp. 2. また,Lernanthropinus,Lernanthropsis,Mitrapus,Sagumの各属にツバサヒトガタムシ,シンヒトガタムシ,アシナガヒトガタムシ,ヨロイヒトガタムシの新標準和名を提唱した.今後の研究課題として,亜熱帯海域におけるヒトガタムシ類相に関する研究のほか,各種の生態や生活史研究の必要性を述べた.Based on the literature published between 1898 and 2011, a checklist is compiled for the following 11 nominal species and two unidentified species of the copepod family Lernanthropidae from Japanese fishes: Lernanthropinus sauridae, Lernanthropinus sphyraenae, Lernanthropus atrox, Lernanthropus belones, Lernanthropus chrysophyrs, Lernanthropus cornutus, Lernanthropus gisleri, Lernanthropus seriolae, Lernanthropsis mugilii, Mitrapus heteropodus, Sagum epinepheli, Lernanthropus sp. 1, and Lernanthropus sp. 2. This checklist contains information for each lernanthropid species regarding its host(s), attachment site, known geographical distribution in Japanese waters, and references.
著者
渡辺 一尊 鈴木 悠人 原田 裕子 齋藤 雅樹 上野 真史 森本 仁 上田 敦史
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.141-147, 2018-05-05 (Released:2018-05-05)
参考文献数
4

きぼうロボットアームは,親アーム,子アームから構成され,現在は曝露ペイロードの移設などすべてのアーム運用を地上からの遠隔操作で行っている.2015年5月のExHAM 1号機による初回ミッションでは,ExHAMをきぼうエアロックから船外へ搬出し,JEM曝露部上の電気箱Survival Power distribution Box(SPB)のハンドレールに,子アーム特有の力覚制御を使用した押し付け動作により取り付けた.この半年後の2015年11月には,ExHAM 2号機を同様のシーケンスで船外搬出し,JEM曝露部上Exposed Facility System Controller a(ESC a)のハンドレールへの初の取り付けに成功している.本稿では,Ex-HAM 1, 2号機のJEM曝露部への設置,船内回収を定期的に行ってきたきぼうロボットアームの運用実績について述べる.