著者
上野 将司
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.529, pp.68-72, 2011-10-10

山腹斜面に位置する道路の上方斜面が集中豪雨で崩壊し、道路を通行中のバス1台と乗用車3台が土砂に押し流された。車両は道路下の畑に転落し、3人が死亡した。 事故のあった場所は、年間雨量の少ない地域だが、当時は梅雨末期の集中豪雨によって昼すぎから午後6時まで連続雨量200mm、最大時間雨量76.5mmを記録した。
著者
上野 由希子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100263, 2016 (Released:2016-04-08)

はじめに 本研究の目的は、鯨と地域との関わり方の変容を文化地理学的な視点により明らかにする事である。本発表では、産業的には衰退しているが、文化的には現在も利用が続いている鯨を取り上げ、山口県の長門市と下関市の鯨に関する文化の利用の違いを比較考察する。長門市通地区の事例 鯨に関する文化を観光に利用している事例が山口県長門市の通(かよい)地区である。ここは江戸時代古式捕鯨を行っていた島の漁村である。捕獲した鯨に戒名を与え、解体の際に母鯨から出てきた胎児には墓を設けて供養した事が通地区の特徴としてあげられる。さらに鯨を供養するための法要が現在も続けられている。鯨墓建立300年を記念して1992年から通くじら祭りが行われるようになった。この祭りでは海で鯨の模型を捕獲する古式捕鯨の再現が行われている。翌年には、水産庁の沿岸漁業改善事業の一環でくじら資料館という博物館が設置され、旧鯨組主の早川家に伝わる捕鯨具などを収蔵展示している。通地区の小学生は古式捕鯨時代から伝わる鯨唄を習う時間がある。このように通地区では鯨に関する文化を地域文化資源として利用しているが、捕鯨自体すでに廃絶しているためその文化を継承することが目的となっている。下関市の事例 下関は交通要衝の都市に位置し、大洋漁業(現マルハニチロ)の捕鯨部門とともに発展してきた町である。下関市は現在調査捕鯨のキャッチャーボートの母港となっているが、今後規模を拡大することを目指し、それに向けて行政主導で鯨を利用した地域づくりが進められている。鯨に関する研究機関として水族館の海響館、下関市立大学には鯨資料室があり、鯨に関する情報を収集している。そして食を通した住民への普及活動を実施している。大きなイベントでは鯨を食べられる場を設け、「鯨を食べる習慣がある地域」であることを舌で覚えてもらう。特に鯨料理教室や、学校給食に鯨を使ったメニューを復活させるなど日常的に鯨を食べる機会を増やし、下関の人々に対して、鯨に愛着を持ってもらう事を期待していると考察した。これらの鯨に対して親しみを持つよう働きかける活動は、調査捕鯨船団を受け入れやすい地域を形成することを目的としていると考えた。調査捕鯨母船の新船建造誘致を目指し、捕鯨がもたらす経済効果を狙って下関市は行政主導で鯨に関する文化を地域づくりに利用している。考察 両地域の共通点は3点ある。時代が異なるが捕鯨基地として栄えたこと、鯨を食べる習慣があること、鯨に関する博物館施設が設置されていることである。しかし両地域には地域資源としての鯨の利用の仕方に違いがある。通地区では鯨墓や鯨唄などの鯨に関する文化の伝承を目的としている。一方下関では調査捕鯨船団を受け入れやすい地域を形成するため、行政主導で鯨に関する文化を地域づくりに利用しているという違いがある。つまり、通地区の鯨に関する文化の基盤は生業的な古式捕鯨で、捕鯨が廃絶した島嶼の村落に立地している。それに対し、下関の鯨に関する文化の基盤は企業的な近代捕鯨で、現在も調査捕鯨の基地である交通要衝の都市に立地している。これが両地域の違いが表れる原因であると考える。
著者
上野 薫 前濱 良太 国正 陽子 牧野 晃宗 佐野 加奈絵 貴嶋 孝太 Komi Paavo V 石川 昌紀
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.383-391, 2018-12-01 (Released:2018-11-21)
参考文献数
38

The purpose of the present study was to examine characteristics of muscle anatomical cross-sectional area (CSA) for different regions from proximal to distal parts of each muscle of the hamstring muscles in high-level sprinters, and to examine the relationship with those and the sprint performance. The CSA of the semitendinosus (ST), semimembranosus (SM), biceps femoris long head (BFL) and biceps femoris short head (BFS) at the four different region of hamstring muscles for twenty sprinters (SPRINT) and twenty healthy male control subjects (CTRL) were measured by using B-mode ultrasonography. The measured regions were divided into four parts from proximal to distal parts (PRO1, PRO2, DIS2, DIS1). The results clearly showed that absolute CSA values in distal parts for all muscles together with PRO2 in ST were greater in SPRINT than in CTRL. When relative CSA values to the entire hamstrings muscles in each region were compared, only relative CSA at PRO1 in ST was greater in SPRINT than in CTRL, conversely, that at proximal regions in BFL and distal regions in BFS were smaller in SPRINT. In the relationships with sprint performance, the CSAs at PRO1 and PRO2 in ST and at PRO1 in SM were only related negatively. These results suggest that distal parts of hamstring muscles for SPRINT may be characteristics for sprint runners. However, the movements related to the specific hypertrophy (PRO1 and PRO2 in ST, PRO1in SM) may play important roles of the improvement of their sprint performance.
著者
北原 博幸 上野 剛 宮永 俊之
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成27年度大会(大阪)学術講演論文集 第3巻 空調システム 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.277-280, 2015 (Released:2017-11-15)

著者らはこれまでに、シミュレーションによって、住宅の断熱性能や外気温が異なる複数ケースを対象として連続・間欠運転を行うことによる消費電力、室温への影響の評価を行い、その結果、等級・外気温によらず、間欠運転(こまめな停止)よりも連続運転の方が好ましいという結果が得られた。本報では、断熱性能の異なる模擬住宅を用いて、冷房運転時におけるエアコンの間欠運転の挙動について実験による検討を行う。
著者
久保田 正 上野 輝弥
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.125-128, 1972-09-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
18

1971~2年に駿河湾で9尾のダルマハダカが採集された.体長は78.7~90.5mmであって, これまでに報告されている最大のものよりさらに大きい。ダルマハダカは東および中部大西洋, 地中海, インド洋, 北および南太平洋東部海域に分布することがわかっていたが, 今回の日本の個体により北太平洋西部にも分布していることが判明した.
著者
上野 勝代 國嶋 道子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.270-275, 1978

以上のことより, 下宿学生の住生活 (物的・経済的側面) の実態として以下のことが明らかとなった.<BR>1) 住戸形式としては, 間借とアパート形式が各4割で, アパート形式の中でも学生アパートが昭和30年代後半より増加してきた.<BR>今後, 学生アパートは学生層の住要求に対応した住戸形式として漸次増加していくものと考えられる.<BR>2) 下宿の紹介ルートとしては〈学生部〉〈友人・先輩〉がもっとも多く各12.2%, ついで〈学生向不動産屋〉〈親・親戚〉の各25.2%である.紹介ルートによって住戸形式はかなり異なり, 〈学生部〉〈親・親戚〉は間借が, 〈学生向不動産屋〉は学生アパートが, 〈一般不動産屋〉は一般アパートの割合が高い.<BR>3) 下宿学生の半数は礼金・敷金を支払っている.部屋代は半数が月額6,000~7,000円で, 1万円未満が75%を占め, 一般的に, 〈学生部〉紹介のものは安く, 〈学生向不動産屋〉〈一般不動産屋〉紹介のものは高い.また, 部屋代は, 市場的には合理的な価格形成がなされておらず, 相対的に決められているようである.<BR>4) 居室の広さは4.5畳がもっとも多いが, 収納スペースを含めて6畳あれば満足度も高くなる.<BR>5) 自炊設備のある下宿は69.5%, 浴室のある下宿は30.3%で, 洗濯機は76.1%の人が使用している.<BR>学生の自炊設備, 洗濯機使用の要求は高い.
著者
上野 友稔
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.55-59, 2015-02-27

The University of Electro-Communications, by using the discovery service "Summon" of ProQuest, started to provide "Global Material Search (Beta)" from April 2014. By using the "Global Material Search (Beta)", users can search academic materials including books, journals, electric journals, databases, and so on at our university. In this paper, we introduce the history and features of the "Global Material Search (Beta)". In addition, we discuss a development to be able to search by integrating the paper materials and electronic materials, such as books and journals, and two suggestions about the academic search system, such as the service improvement by visualization of subscription information of the electronic resources and the search improvement of the introduction of personalized search.
著者
河邉 憲太郎 越智 麻里奈 松本 美希 近藤 静香 伊藤 瑠里子 芳野 歩美 妹尾 香苗 堀内 史枝 上野 修一
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.545-557, 2018-05-15

抄録 本研究は愛媛大学病院精神科外来において,成人期発達障害における発達障害の特徴を,診療パスの内容により検討することを目的とした。対象は2013〜16年に当院を初診し,発達障害の精査を希望した18歳以上の患者104名(男性57,女性47)である。診療パスは生育歴の聴取や主訴の問診票と,AQ-J,ASRS,CAARS,BDI-Ⅱ,SFS,SRSなどの質問紙とWAIS-Ⅲで構成されている。対象者のうちASD29例,ADHD18例,精神疾患に該当しない18例の3群を比較した。結果,ASD群はADHD群と比較して有意に男性,精神症状の主訴が多く,SFSが低値,WAIS-ⅢのVIQが高値であった。ADHD群は不注意の主訴,既婚者の割合,ASRSが有意に高かった。診療パスは精神症状や社会機能の把握に一定の有用性があった。本研究は予備的研究であり,診療パスにはさらなる検討が必要である。
著者
上野 勝次郎 岡田 清三郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.532-535, 1962-04-25 (Released:2010-02-19)
参考文献数
10

Dornow and others synthesized 2-aminonicotinic acid derivatives by the condensation of β-diketone and amidine or imino ethers. Pyridine cyclization by the condensation of β-diketones with non-symmetrical structure and malonamideamidine or ethyl 3-amino-3-ethoxyacrylate was examined and a new derivative of 2-aminonicotinic acid derivatives, which may serve as intermediate for synthesis of pyridoxine, were obtained. The compounds synthesized were ethyl 2-amino-4-ethoxymethyl-6-methylnicotinate, diethyl 2-amino-6-methyl-3, 4-pyridinedicarboxylate, and ethyl 2-amino-4-carbamoyl-6-methylnicotinate, and their structures were determined.
著者
葛西 リサ 上野 勝代
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.35-46, 2014 (Released:2017-08-10)

本調査では,地域生活移行後のDV 被害者の生活課題を明らかにし,被害者向けアフターケアの先駆事例を取り上げ,その内容,運営課題やその可能性について整理した。具体的には,1)被害者の多くは貧困問題,暴力の後遺症による精神問題を抱えながらも,人的ネットワークを喪失し,地域から孤立する傾向が高いこと,2)多くの民間団体が経済的な保障がない中で被害者のアフターケアを実施している実態があること,3)被害者へのアフターケア構築の可能性として,県独自で被害者のアフターケアを展開する長崎県の事例及び障害者総合支援法の枠組みを使った被害者のアフターフォローの実践について提示した。
著者
古川 祐輔 藤本 絢女 上野 あかね 小木曽 基樹 藤田 和弘
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.223-227, 2018-10-25 (Released:2018-11-14)
参考文献数
8
被引用文献数
1

フェオホルバイド等クロロフィル分解物の通知試験法の検証と改良を行った.フェオホルバイド等クロロフィル分解物は,環食第九九号(昭和56年5月8日)「フェオホルバイド等クロロフィル分解物を含有するクロレラによる衛生上の危害防止について」において通知試験法が示されているが,複数の問題点が見受けられた.まず,乳鉢を用いた抽出は,長時間均一な力を加え続けることが必要であり,操作性の向上が課題であった.次に,飽和硫酸ナトリウム溶液の調製に用いる試薬により,吸収極大波長が測定波長である667 nmより高波長側にシフトして吸光度が減少し,729 nm付近に新たな吸収を生じることが確認された.この現象により,フェオホルバイド等クロロフィル分解物を過小評価することが確認された.最後に,吸光度測定前の含水ジエチルエーテルを20 mLに定容することが困難であった.上記3点を改良した試験法を検討し,妥当性確認を実施した結果,平均添加回収率82.7%,室内精度5.8%,と良好な結果が得られた.
著者
上野 輝彌 坂本 一男 坂本 治
出版者
国立科学博物館
雑誌
Bulletin of the National Science Museum. Series C, Geology & paleontology (ISSN:0385244X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.149-155, 1994-12

A fossil scombrid fish from the Middle Miocene Nagura Formation, Chi-chibumachi Group, Saitama Prefecture, Japan, previously reported as Scomberomorus sp. is now described as a new species S. chichibu. This was determined based on the following characters : the temporal ridge reaching to the level of the posterior end of the ethmoid; a wide, short fenestra between the frontals (the ratio of its width to length is about 1 : 3); and the moderately forked anterior portion of the ethmoid.