著者
高田 嘉尚 高橋 浩二 中山 裕司 宇山 理紗 平野 薫 深澤 美樹 南雲 正男
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.68-74, 2006-03-31 (Released:2012-08-27)
参考文献数
11

本研究は嚥下音と呼気音の音響特性を利用して嚥下障害を客観的に鑑別することを目的として企画されたものである.対象は嚥下障害を有する頭頚部腫瘍患者26名である.VF検査中嚥下音ならびに嚥下直後に意識的に産生した呼気音をわれわれの方法によって採取し, 嚥下と呼気産生時の動態のVF画像とともにデジタルビデオレコーダーに記録した.嚥下音と呼気音の音響信号はわれわれの音響解析コンピュータシステムによって分析を行い, 嚥下音については持続時間を計測し, 呼気音については1/3オクターブバンド分析により, 中心周波数63Hzから200Hzまでの6帯域の平均補正音圧レベルを求めた.嚥下音と嚥下後に意識的に産生した呼気音92サンプルずつについて, これらの分析が行われ, VF所見との比較が行われた.その結果, 嚥下音の持続時間では, Abnorma1群 (誤嚥あるいは喉頭侵入のVF所見を示した群) はSafety群 (前記のVF所見のない群) に比べ, 持続時間が延長する傾向がみられ, 呼気音の補正音圧レベルでは, Abnorma1群はSafety群に比べ, 音圧レベルが大きい傾向を示した.次に嚥下障害を鑑別するために嚥下音の音響信号の持続時間の臨界値として0.88秒を設定し, 同様に呼気音の音響信号の補正音圧レベルの臨界値として17.2dBを設定した.嚥下音と呼気音の分析値の両者がともにこれらの臨界値を超えた場合, そのときの嚥下は障害があると評価した.これらの評価とVF所見との判定一致率は感度82.6% (38/46), 特異度100% (46/46), 陽性反応的中度100% (38/38), 陰性反応的中度85.2% (46/54), 判定-致率91.3% (84/92) となった.以上の結果より嚥下音の持続時間と呼気音の補正音圧レベルは嚥下障害を検出するために利用できることが示唆された.
著者
中山 裕則 田中 總太郎
出版者
The Remote Sensing Society of Japan
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.37-49, 1990-03-30 (Released:2009-05-29)
参考文献数
11

Lake Chad is located in the Sahelian zone along southern boundary of Sahara desert. Expansion and reduction of water area were repeated several times since the prehistoric period. The authors found that the recent Lake Chad water area observed from satellite data is far smaller than that drawn on several maps. The authors investigate a change of Lake Chad water and vegetation area in recent ten and several years using LANDSAT and NOAA data. The mosaicked LANDSAT/MSS image of 1973 and seven NOAA/AVHRR data during the period 1982-1988 are obtained to analyze the distribution change of vegetation.Water and vegetation area analyzed from the VI (Vegetation Index) and NVI (Normalized Vegetation Index) obtained from each satellite data shows the decreasing tendency year by year. The close relationship between this change and the recent climatic data, such as annual precipitation, relative humidity and atmospheric temperature was recognized. This result may contribute to a monitoring of the present desertification in Africa.Concluding remarks;1) The closed relationship was seen between the change of the area covered with water and/or vegetation and the annual precipitation change.2) The area decrease corresponds to the decrease of relative humidity in the area and also the increase of the atmospheric temperature.3) The decrement of the area reaches 40% during 10 years from 1973 to 1982. The area of water and vegetation in 1988 became 30% or less of that in 1973.4) The recent Lake Chad is in a minimum size during the past 200 years.
著者
中山 裕一郎 田島 達也 齊藤 忠彦
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,音カメラを用いて声の視覚化を試みた。声は,口や胸部を中心に放射しており,正面のみならず,側面や背面からも放射している状況を視覚的にとらえることができた。声楽熟達者の声は,初学者と比べて,胸部を中心とした声の放射範囲が広くなり,倍音成分を多く含むことを明らかにした。二人で同じ音の高さの声を出し,二人のピッチが合っている状態のときには,二人の間の空間に,音がつながって見える現象を捉えることができた。なお,音カメラは,現段階では高額な装置で,一般に普及していないことから,実際の指導場面におけるNIRSによる検証は研究途上にある。
著者
森上 雄太 中山 裕太 高木 健 石井 抱
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.80, no.819, pp.DR0322, 2014 (Released:2014-11-25)
参考文献数
15

This paper describes a monocular stereo system that can switch its viewpoint hundreds of times of more in a second using a four-pinhole viewpoint switching iris mechanism. Our system can measure the three-dimensional information of a moving object correctly using two different viewpoint images, which are selected from the four switched viewpoint images in a short interval using a four-pinhole viewpoint switching iris mechanism, corresponding to the moving direction of the object. Using a prototype of monocular stereo system that consists of the four-pinhole viewpoint switching iris mechanism and an offline high-speed video camera, we verified its effectiveness in monocular stereo measurement by performing several experiments of moving objects.
著者
藤本 大介 安達 政隆 入江 亮輔 秦 雄介 柿添 豊 桒原 孝成 井上 秀樹 實吉 拓 中山 裕史 向山 政志
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.10, pp.2206-2213, 2017-10-10 (Released:2018-10-10)
参考文献数
11

偽性副甲状腺機能低下症(pseudohypoparathyroidism:PHP)は,副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)の内分泌標的組織における不応性を原因とし,複数の病型に分類されるが,障害の部位により大きくI型,II型と分かれる.症例は,51歳の男性で,20年程前より両下肢・腹部の筋痙攣の自覚があり,血清Cr 1.30 mg/dl,Ca 6.7 mg/dlと著明な低カルシウム血症を認めたが,腎機能障害は軽度であり,尿細管障害を示唆する所見も認めなかった.PTH分泌が比較的保たれていたため,PHPを疑ってEllsworth-Howard試験を施行し,PHP II型の確定診断を得た.活性型ビタミンDの投与により臨床症状は消失し,血清Ca値は正常化した.PHP II型は非常に稀で依然不明な点も多く,今後の病態解明が待たれる.
著者
野村 幸治 中山 裕一郎
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.39-48, 1997-09-25 (Released:2018-05-08)

80年代から90年代にかけて中国の学校教育は大きな変化を遂げた。芸術教育の面でも,1986年に美育が国家の教育方針の中に正式に位置づくことにより音楽教育を含む芸術教科が教育全体の中に重要な意味を持つようになる。本論文は,80年代から現在に至る中国の音楽教育をめぐる教育全体の動向を踏まえながら,音楽教科書(小学校)の分析を中心に中国の音楽教育の現在について考察を試みたものである。資料は論文及び最新の音楽教科書そして日本の「学習指導要領」に相当する「教学大綱」などである。音楽教科書に見られる特徴としては次のような点が挙げられるだろう。(1)社会主義賛美を謳った政治的内容を持つ教材は相変わらず多い。しかし,教材自体の芸術性自体についても重視する方向性が生まれている。(2)民族音楽の学習(とくに少数民族の音楽)を基礎に,アジア圏,さらにヨーロッパなど世界各地の音楽へ同心円的に学習内容を広げ,子どもたちが多様な音楽文化に触れられるよう工夫されている。(3)遊びの要素や即興性を楽しむ教材・学習活動が増えている。(4)踊りなど,身体の動きを伴った音楽的活動がふんだんに取り入れられている。これらから,社会主義体制の堅持をはかりつつ,美的教育を重視し,音楽学習と生活的なものとの接点を足場に,包括的に音楽学習を捉えようとする中国の音楽教育に対する基本的姿勢が理解される。政治形態も異なり,「型」から入った内容のものもある。しかし,特徴中,特に(2)(3)(4)の点については,日本の音楽教育も学ぶべき内容を多分に含んでいるのではないだろうか。
著者
中山 裕則
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.117, 2005

.はじめに 大学生の学力低下などに対する懸念などの背景もあり、大学の卒業生に対する質の向上が求められつつある。日本大学文理学部では地球システム科学科において、日本技術者教育認定機構(Japan Accreditation Board for Engineering Education:以後「JABEE」と呼ぶ)による認定を目指し、準備を進め、2004年5月に認定を受けて、同年春に認定後初の卒業生を社会に送り出した。本報告では、日本大学文理学部における地球システム科学科の教育プログラムがJABEEによる認定を受けるまでの経緯、学科の体制、プログラムの特徴、認定による影響、今後の課題などについて述べる。2.地球システム科学科のJABEE認定地球システム科学科では、1999年のJABEE設立後、地質学会、応用地質学会、地下水学会などを中心に開始された地球・資源の分野におけるJABEEによる認定制度の検討に合わせて、学科内で認定を目指した準備を開始した。具体的には、2001年に学科内で本格的な議論が開始され、プログラムの見直し、体制の整備、申請準備、議論等を経て2003年に認定のための申請を行い、2004年春、学習・教育プログラム「地球システム科学科」が"地球・資源およびその関連分野"での認定を受けた。その春にはJABEE認定後初の卒業生67名を社会へ送り出すことができた。3.学科内の体制 認定へ向けて技術者学習教育プログラム「地球システム科学科」とその学習・教育目標を設定し、技術者教育委員会を組織して体制を整備した。技術者教育委員会は2004年末現在、委員長、幹事長、幹事をはじめとし、学習・教育の目標、教育方法、達成度評価、教育改善、アドバイザーをはじめとする10部会で構成されている。4.プログラムの特徴 学習・教育プログラム「地球システム科学科」の構成は、講義科目とトレーニング科目の2つを柱とし、それぞれが導入、専門、応用プログラムへと順に進む流れとなっている。1年次は導入プログラムとして地球科学やその他の理学に関する基礎的なことがらを、2年次は専門プログラムとして専門的な知識を学習・トレーニングし、3年次では科学調査と研究法の具体的な科目と技術者としての倫理観に関する科目、およびより専門性の高い講義科目で構成される応用プログラムを経験する。この後,4年次で個々のテーマによる研究により、実践的な研究指導を受けて、様々な課題に対応可能で柔軟な知識と技術を身につけることを目指す内容とした。特徴としては、第1に、地球科学を理解するためには講義による知見や野外で修得した観測結果をとりまとめる能力を必要とする観点より、野外および室内における実験・実習科目を通じた実践的なトレーニング教育の重視を掲げる点と、第2として、講義などで得た自然現象に関する知識を野外において実際に体験・確認することで理解を深めるために、1年次から野外での実習科目を設けてフィールドワーク教育に重きを置いている点をあげることができる。5.認定による影響 JABEEの認定により、教育科目に対し4年間を通した具体的な学科の教育・学習の目標が示され、これに沿った教育の実施と評価により、学生および教員の双方に緊張感が生まれたことは認定による影響として指摘できる。また、卒業生の中にはすでに技術士として社会の第1戦で活躍している技術者も多く、その人たちからの期待が寄せられ始めていることも事実である。 一方、認定により教育の質的保証と向上が強く求められるため、各教員の自覚、卒業生に対する責任がさらに必要となった。また、研究だけでなく教育に対する寄与、教育の継続的な改善も求められているため、各教員へのプログラムの維持と改善ための責任と分担が増し、以前に比べて教育に費やす時間が増加したことも事実である。そのため教員を含めるスタッフの強化が必要になっている。6.今後の課題 JABEE認定を受けた学習・教育プログラム「地球システム科学科」は、実績がまだ浅く、体制、内容、目標など今後、いっそうの充実が必要であり、実際に改善を続けている。この更なる充実には、学生の要望の取り込み、外部アドバイザーや卒業同窓会との連携による社会的要望の取り込みなどが必要であり、特に認定後の卒業生の社会での技術者としての活躍とその効果のフィードバックも必要と考えられる。さらは、JABEEのプログラム内容の社会や学内に対する紹介と共に、取組みによる成果の公表も必要と思われる。
著者
起橋 雅浩 小阪田 正和 内田 耕太郎 永吉 晴奈 山口 貴弘 柿本 健作 中山 裕紀子 尾花 裕孝
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.253-257, 2010
被引用文献数
1

加工食品中の農薬分析を対象とした,技能試験の試料調製方法を検討した.検討用試料としてレトルトカレーとパンケーキを用い,農薬を添加した試料の均一性を評価した.レトルトカレーは調製時と採取時に加温して均一化することが必要であった.有機リン系農薬およびカーバメート系農薬を中心に,15種類の農薬を添加したところ,14種類の農薬濃度で試料の均一性が確認された.パンケーキは生地に10種類の農薬を添加した.生地は農薬添加後に加熱調理したが,調製したパンケーキ中の農薬濃度はほとんど影響を受けず,添加したすべての農薬濃度で試料の均一性が確認された.また,-20℃ で保存した場合,約2 か月間は農薬濃度の大きな変化はなかった.以上の結果よりこれらの調製試料は,技能試験用試料として使用可能と考えられた.
著者
中山 裕美子
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.36-39, 2003-02-15

システム開発のプロジェクトを成功に導くには,早い段階でスコープを明確にし,システムへの要求仕様を確定することが鍵となる.本稿は,この目的を効率的に達成する方法として,DFD(Data Flow Diagram)を活用した要件定義を解説し,構造化手法型のDOA(Data Oriented Approach)を取り入れたシステム開発の特徴と留意点を述べる.
著者
高柳 栄子 中山 裕樹 石川 剛志 永石 一弥 井龍 康文
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.116, no.4, pp.237-240, 2010 (Released:2010-10-13)
参考文献数
14
被引用文献数
3

We present strontium (Sr) isotope data for island-surface dolomites at Kita-daito-jima, northern Philippine Sea. The 87Sr/86Sr ratios of 50 samples fall within a wide range from 0.709037 to 0.709079, corresponding to 4.9-2.1 Ma. This wide range in Sr ages reflects the fact that the island-surface dolomites comprise variable mixtures of geochemically distinct, diachronous, dolomite crystal phases. Our results indicate that the Sr isotope ages of multi-generational dolomites on carbonate islands such as Niue and Little Bahama Bank, as well as Kita-daito-jima, should be re-examined employing a new method that determines the Sr isotope ratio of individual crystal phases.
著者
中山 裕子 國友 和善 磯野 忠大 熊本 浩志 木村 貴彦 橘 充弘
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.1695-1699, 2011 (Released:2012-01-25)
参考文献数
22
被引用文献数
1

症例は37歳,女性.2009年3月末より右乳房CD領域に圧痛・熱感を伴う径7cm大の硬結を自覚し,4月,自潰し排膿を認めたことから当科外来初診となった.38℃の発熱を認め,血液検査でも炎症反応が高値であった.乳房超音波検査で右乳房全体に低エコー領域を認めた.針生検では,乳管周囲に類上皮細胞・組織球・リンパ球・形質細胞の浸潤と多核巨細胞を認め,悪性所見は認めなかった.外来で切開排膿した.5月より全身関節痛が出現した.血液検査上,自己免疫性関連抗体は陰性であり,肉芽腫性乳腺炎に伴う全身関節痛と診断し,7月よりステロイドの内服を開始した.関節症状・乳房所見ともに軽快し,2010年1月に投与を中止した.投与中止から1年経過し,症状の再燃なく当科外来通院中である.
著者
遠藤 邦彦 宮地 直道 高橋 正樹 山川 修治 中山 裕則 大野 希一
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

火山防災上,防災担当者や住民にとって真に役立つ活動的火山の次世代型ハザードマップの構築を目指し,7項目の目標に対してそれぞれ以下の成果を得た.主に富士山,比較で浅間山,箱根山を対象とした.1.漏れのない噴火履歴の解明:重点的な現地調査により,データの充実化を進めた.2.噴火発生確率のより正確な見積りとデータベース:噴火発生娘串の重要判断材料である富士山の階段ダイアグラムを新しいデータに基づいて改定した.また,データベースを充実させた.3.噴火のさまざまな癖:火口の位置やタイプ,火砕流の発生など,新資料を得た.4.発生確率は低いが影響の大きなイベント:富士山の代表事例として御殿場岩屑なだれ,滝沢火砕流を詳細に解明した.5.多様な噴火シナリオから災害リスクの検討へ:爆発的噴火のタイプ,溶岩流出のタイプの典型として宝永噴火,貞観噴火の詳細な検討を行い,前者について災害リスタの検討を進めた.6.大気や地表の熱情報から:富士山監視カメラシステムを継続的に運用し,雲や降雪状況の変化をホームページに公開した.地表面温度分布の分析成果を公表した.以上のa-fについてその成果を単行本「富士山のなぞを探る」として公表した.7.役に立つハザードマップヘ:噴火が近づき,あるいは始まった時に機器観測,監視カメラ,目視情報をはじめ,大気情報や地表の熱などを含め,多様な情報がリアルタイムに捉えられ,またハザードマップ上に迅速に示されるGISを利用したシステムを,防災担当者および研究者間で運用するDGI-RTSシステムとして構築し,一部を「富士山観測プロジェクト」としてウエブページに公開した[http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/quart/fuji-p/].これは公開済みの「富士山監視ネットワーク」と,さまざまな災害情報に関する「自然災害と環境間題」のページにリンクしている,
著者
坪井 俊 足助 太郎 河澄 響矢 林 修平 金井 雅彦 浅岡 正幸 大鹿 健一 中山 裕道 野田 健夫 藤原 耕二 皆川 宏之 森吉 仁志
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

空間の多様体構造の自己同型の群である微分同相群を様々な面から研究した。研究代表者は、実解析的微分同相群の単位元成分の完全性、微分同相群の単位元成分の一様完全性、一様単純性などについて、結果を得て出版した。研究分担者は、曲面の写像類群、横断的複素正則葉層、力学系における連結補題などについて、結果を得て出版した。また、毎年研究集会を開催し、共同研究と研究情報の交流を行った。
著者
竹内 由則 大西 ゆみ 松永 悟 中山 裕之 上塚 浩司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.529-532, 2008-05-25

11歳8ケ月齢,雄のチワワにおいて,顆粒細胞の増殖を伴う髄膜腫が認められた.大脳右半球のクモ膜下において,微細顆粒状〜泡沫状の好酸性細胞質を有する小型〜大型の多角形細胞が充実性無構造に増殖していた.また,一部の腫瘍細胞の細胞質がPAS陽性を呈した.また,この腫瘍細胞は免疫染色においてVimentinおよびS-100に強陽性であった.電顕観察下では,腫瘍細胞は細胞質に小胞および小型円形の構造物を有していた.我々は,本症例を「顆粒細胞様変化を有する髄膜腫」と診断した.