著者
網岡 尚史 渡邊 敦之 大塚 寛昭 赤木 達 麻植 浩樹 中川 晃志 中村 一文 森田 宏 小谷 恭弘 新井 禎彦 笠原 真悟 佐野 俊二 伊藤 浩
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.49, no.SUPPL.1, pp.S1_110, 2017-08-28 (Released:2018-08-28)

症例は17歳男性.4年前より運動時に胸痛,失神を認め,症状は増悪傾向であった.他院にて電気生理学的検査まで含めた諸検査を施行するも原因不明であり当院に紹介,入院精査となった.入院時に施行したトレッドミル負荷試験にて心電図上,aVRにST上昇が出現,補充調律に移行,また著明な血圧低下,胸部絞扼感,前失神症状を呈した.冠動脈の器質的異常を疑い冠動脈CTおよびCAGを施行したところ左冠動脈は右冠尖起始であり,主幹部は大動脈と肺動脈に挟まれ圧迫,変形していた.失神の原因は左冠動脈圧排による虚血と診断し心臓血管外科に紹介,手術加療の方針となった.冠動脈起始異常は臨床上,しばしば認められる先天的異常であるが,若年者の突然死の原因ともなり得る.若年者における繰り返す失神の一因として冠動脈起始異常は考慮すべきと考えられ,啓蒙的に報告する.
著者
中村 一基 NAKAMURA Kazumoto
出版者
岩手大学語文学会
雑誌
岩大語文 (ISSN:09191127)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-7, 1994-01-01

菅原道真(菅相公)の左遷が何故起こったのか。『北野天神縁起』では宇多上皇と醍醐天皇とが政を道真一人に任せる事を密議、道真はその事を左大臣時平への憚りから辞退したが、時平はその事を漏れ聞いて無実の事を讒奏、その結果の左遷であるという。宇多上皇の道真への信任の厚さが、時平に危機感を感じさせ讒奏という行為に及ばせ、その讒奏に醍醐天皇が惑わされた結果の道真の不幸であるという。道真は『北野天神縁起』においては全くの犠牲者として描かれている。このような左遷をめぐる理解は、中世においては、北畠親房の「或時上皇の御在所朱雀院に行幸、猶右相にまかせらるべしと云さだめありて、すでに召仰たまひけるを、右相かたくのがれ申されてやみぬ。其事世にもれけるにや、左相いきどをりをふくみ、さまざま讒をまうけて、つゐにかたぶけたてまつりしことこそあさましけれ。し(『神皇正統記』醍醐天皇条)と同じ視点である。そして、讒奏に惑わされ道真を左遷した醍醐天皇について「此君の御一失と申伝はべり」(同前)とその過ちを認める。ただ、親房は「此君ぞ十四にてうけつぎ給て、摂政もなく御みづから政をしらせましましける。猶御幼年の故にや、左相の讒にもまよはせ拾けむ。聖も賢も一失はあるべきにこそ。」(同前)と幼さ故の醍醐天皇の未熟さを擁護することで、道真左遷の罪を首謀者時平に限定する。近世に入って、林鷺峰が「天皇ノ弟ヲ齊世親王卜云。菅丞相ノ婿ナリ。故ニサキニ宇多ノ譲位ヲヲサへトドメラレケルハ。齊世ヲ太子二立ントタクミナリト。時平奏聞セラレケルトナン。天皇今年十七ナレバ。其実否ノ沙汰モナカリケルカ。時平代々ノ執政ニテ。威強テ専二執行ヒケルトキコへシ。」(『日本王代一覧』醍醐天皇条)と、その讒奏の内容が皇位継承に関わった事を明確にした。この事を裏付けるのが、醍醐天皇の道真左連の宣命である。そこには、道真が「欲行廃立。離間父子之慈。淑皮兄弟之愛。」(『政事要略』巻廿二 年中行事八月上〈北野天神会〉)と、醍醐天皇を廃して齊世親王を立てようとしたとあり、その事が罪状の中心となっている。新井白石の『読史余諭』に『神皇正統記』『日本王代一覧』が引用され、伊藤梅宇の「左大臣時平おもへらく、われ摂家の身として微賤の凡人と相ならんで国政をとり、却っておされたる事を恨みて光卿定国などと謀りて、当今の齊世親王は菅丞相の聟となればこれを帝位につけ申さんと謀れる由を讒奏し給ふ。」(『見聞談叢』巻之一、四 菅原道真)、また安積澹泊の「讒を信じて姦を容れ、大いに主徳を累はせしは、啻に道真の不幸なるのみならず、抑々亦、帝の不幸なり。」(原漠文。『大日本史列伝賛藪』巻三上、菅原道真伝の賛)と時平(及びその一派)の讒奏が道真の不幸を招いたという認識に変化はない。その認識は、秋成が愛読した禅僧日初の『日本春秋』の「貶右大臣菅原道真為太宰権帥〈二十五日〉、先是上朝覲朱雀院、法皇謂上日、道真年高才賢挙国之所望也、宜任用、乃召道真宣其旨、時平聞之大忌、於是竊與源光、藤原菅根等屢讃之、方是時、時平妹穏子為皇妃、上皇落飾之後嬖於本朝、又菅根淵子入内承寵、是以内外讒行、道真為其女婿齊世親王謀廃立云、上不察虚実卒黜道真。」(延喜元年正月条)においても同じである。秋成以前、道真左遷に関わる歴史認識に大きな差異は見えない。しかし、『春雨物語』「海賊」に現れた「菅相公論」【注(1)】は、道真の寵臣性を際立たせ、左遷の原因を道真自身に求めるなど、宣命の「右大臣菅原朝臣寒門与利俄尓大臣上収拾利。而不知止足之分。有専権之心。以佞諂之情欺惑前上皇之御意。」(『政事要略』巻廿二)に通じ合う視点を持ち、それまでの道真諭とは異なる。本稿では、その意味を、秋成の不遇薄命説との関わりから論じてみたい。
著者
荒井 正行 佐久間 俊雄 岩田 宇一 山田 隆之 中村 一義 岸本 喜久雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.66, no.641, pp.144-150, 2000-01-25
被引用文献数
1 3

The surfaces of many industrial products, such as a holl drill, gas turbine engine and so on, are coated with diamond and ceramic material for improving the material properties.On the other hand, the surface may accumulate an oxidation layer by reaction of oxygen with inceasing time.These Common damage, in service, is "delamination".It is known that the delamiation will be caused by compressive stress in these coating layer which is generated by vibration and fatigue loading for industrial coating, and volume expansion for oxidation.The actual coating delamination process as follow had been clarified by many studies.The coating layer is buckled locally by compressive loadingand is then delaminated along the substrate.The aim of this study is to clarify the coating delamination mechanism under compressive stress by observing continuously buckling and delaminating process in the coating layer, which is modelled by engineering plastic in this study. The delamination evaluation method is proposed based on an interface mechanics, and an accuracy of the evaluation is examined using finite element analysis.Finally, the proposed evaluation are applied to the experimental results obtained by this study.
著者
中村 一樹 竹内 明男 山田 正
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.59-68, 2004
被引用文献数
2

短い期間に急速に発展を遂げた鉄道網に存在するトンネル群が, 斉に補修を必要とする時期が近づいている. 限りある財源の下に効果的な維持管理を行うために, 管理者はさまざまな方法を模索している.<BR>京浜急行電鉄株式会社 (京急電鉄) においても同様で, 多くのトンネルを所有しているため, 特に効果的かつ経済的な維持管理方法の策定が必要とされている.<BR>そこで, トンネルマネジメントシステム (TMS) の導入を決定し, 構築を開始した.<BR>TMSは, 現在のトンネルの変状状態を「健全度」という定量指標で評価し, 将来の劣化を予測すると共に, 変状原因を推定し, 適切な対策工を適切な時期に適用することができるように管理者の意思決定を支援するシステムで, 健全度評価システム, 変状原因推定システム.劣化予測システム, 対策工選定システムおよび維持管理最適化システムの5つのサブシステムから構成される.<BR>今回は, 管理者が予算配置の意思決定に必要な情報を提供することのみを目的としたバージョン1として, 健全度評価システムに点検を組み入れた「点検および健全度評価システム」と維持管理最適化システムのうちライフサイクルコスト (LCC) を計算する「LCC積算システム」を構築し, TMSの暫定運用を開始した.
著者
今西 裕一郎 伊藤 鉄也 野本 忠司 江戸 英雄 相田 満 海野 圭介 加藤 洋介 斎藤 達哉 田坂 憲二 田村 隆 中村 一夫 村上 征勝 横井 孝 上野 英子 吉野 諒三 後藤 康文 坂本 信道
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究課題は、『源氏物語』における写本の単語表記という問題から、さらに大きな日本語日本文化の表記の問題を浮かび上がらせることとなった。当初の平仮名や漢字表記の違いというミクロの視点が、テキストにおける漢字表記の増加現象、またその逆の、漢字主体テキストの平仮名テキスト化という現象へと展開する過程で、テキストにおける漢字使用の変貌も「表記情報学」のテーマとなることが明らかになった。「文字の表記」は「文化の表記」「思想の表記」へとつながっている。「何が書かれているか」という始発点から「如何に書かれているか」に至る「表記情報学」は、今後も持続させるべき「如何に」の研究なのである。
著者
中村 一平 奥田 昌之 鹿毛 治子 國次 一郎 杉山 真一 藤井 昭宏 松原 麻子 丹 信介 芳原 達也
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.279-289, 2004-12-31
被引用文献数
1 1

【目的】現在まで高齢者の介護予防や体力増進に関する多くの研究が行われているが,コントロール群との比較を行っているものは数少ない.今回,運動介入の効果を検証するため,同一町内に居住し,同じ介護老人福祉施設で同じサービスを受けている高齢者を居住地区と通所曜日により2群に分け,対照群をおき非介入期間を設け運動介入時期をずらしてクロスオーバー研究を行った.【方法】ある介護老人福祉施設の「生きがい活動支援通所事業」の参加者に,研究調査に関して文書で説明を行い,書面で同意を得た女性25名(80.3±3.4歳)を対象とした.2003年6月〜2004年1月に,介入先行群10名に3ヵ月間に5回の運動介入を行い,3ヵ月後に介入する群を入替え,介入後行群15名に同様の運動介入を行った.また,介入期間中はホームプログラムを促した.運動は特別な道具が要らず簡単なものとし,ウォーミングアップ5分,ストレッチング15分,筋力増強15分,クールダウン5分の計40分間で,デイサービスの時間に行った.測定項目は,握力,背筋力,10m歩行速度・歩数,40・30・20cm台からの立ち上がり,40cm台昇降,開眼・閉眼片足立ち,タンデム歩行安定性,Danielsらの徒手筋力検査法,老研式活動能力指標とした.【結果と結論】クロスオーバー研究でコントロールとなる非介入期間と比べて介入期間のトレーニング実施により背筋力(p=0.032)が増強した.介入期間の前後では背筋力の他に,股関節屈曲力,膝関節屈曲力・伸展力,足関節底屈力が増加したが,これらも非介入期間と比較すると有意差はなかった.クロスオーバー研究の制限はあるが,地域高齢者のデイサービス利用者で平均80歳の高年齢の場合には,月2回の運動指導のみで自宅でのトレーニングを促しても身体能力の向上という効果はでにくいと考えられる.
著者
中村 一創
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2022-04-22

「文」という概念がなぜ人間に備わっているのか、「文」は我々の言語能力においてどのように定義されているのか、これら二つの問題に科学的解答を与えるのが本研究の課題である。「文」は「句」とは異なる概念であり、人間が思考したり意思を伝達したりするには「句」さえ存在していれば十分である。しかし我々が文と文でないものを見分ける能力を持っているのは事実であり、そうした余分な能力がなぜ存在するのかが生物言語学の重要な問題となるのである。本研究では、文概念の存在を主語・助動詞倒置をはじめとする様々な文法現象と結びつけて明らかにし、さらに哲学・生物学等の知見も活かしつつ、文概念の発生を生物言語学的に説明していく。
著者
中村 一文 三浦 大志 松原 広己 伊藤 浩
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.140, no.6, pp.265-269, 2012 (Released:2012-12-10)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

心不全患者においては交感神経の緊張(カテコラミンの上昇),レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)の亢進,TNF-α増加,頻脈や虚血が心筋において活性酸素(ROS)を発生させている.ROSは脂質過酸化の過程でHNEという有害アルデヒドを発生させる.このアルデヒドはさらにROS発生を亢進させる.このようにして発生したROSはCa2+制御タンパク質に異常を導き,細胞内カルシウム動態の異常や細胞内カルシウム濃度の上昇をもたらし,大量のカルシウムによる負荷(カルシウム過負荷)では心筋細胞死も誘導する.β遮断薬はカテコラミンによるROSの発生を抑制し,さらにカルベジロールはフリーラジカルスカベンジャーとして直接の抗酸化作用を有して,Ca2+動態を正常に保つよう働くことができる.
著者
中村 一雄
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.16-26, 1958

1) オイカワ卵の発育と水温との関係について実験をおこなつた。<br>2) オイカワ卵のふ化は15.3℃と18.9℃の間から28.7℃と31.7℃の間が適温で, その範囲は相当広く, なかんずく18.9-27.4℃が最適温度である。<br>3) オイカワ卵のふ化可能の低温の限界は11.0-15.3℃の間であり, 高温の限界は33.5℃前後である。<br>4) オイカワ卵のふ化適温範囲内において水温 (θ) とふ化日数 (T) との関係はTe<sup><i>a</i>θ</sup>=Kの公式に適合し, これより<i>a</i>loge=0.5103, <i>a</i>=0.1175, K=1,705, Q<sub>10</sub>=3.24の値を得た。<br>5) オイカワ卵のふ化日数と水温との関係は次のごとくである。 平均水温 (℃) 11.0 15.3 18.9 21.4 23.1 25.8 27.4 28.7 31.7 33.3平均ふ化日数 - 8.56 5.52 4.10 3.40 2.19 2.16 1.89 1.73 1.57<br>6) オイカワ卵のふ化日数と水温の相乗積はふ化適温範囲内においては水温の上昇するにしたがい減少する傾向がある。<br>7) 千曲川におけるオイカワの産卵期の水温とオイカワのふ化適温とは一致する。<br>8) オイカワのふ化稚魚の浮上水温は31.8-20.1℃までは適温範囲内にあつたが, 20℃以下は明らかになし得なかつた。 また33.6℃は適温外であつた。<br>9) オイカワのふ化稚魚の浮上日数と水温との関係は適温範囲内においてはTe<sup><i>a</i>θ</sup>=Kなる公式が適用できて<i>a</i>loge=0.032, <i>a</i>=0.0742, K=1.472, Q<sub>10</sub>=2.12の値を得た。<br>10) オイカワのふ化稚魚の浮上日数と水温との関係は概略次のごとし。 平均水温 (℃) 20.1 22.0 25.9 27.5 28.8 31.8 33.6 平均浮上日数 6.8 6.3 4.6 4.1 3.4 2.8 2.4<br>11) オイカワのふ化稚魚の浮上日数と水温の相乗積は水温の上昇するにしたがい減少する。<br>12) オイカワのふ化適温範囲はコイ, フナ, ワカサギと同じく広く, しかもメダカとともに最も高水温に適する種類である。<br>13) オイカワは自然水域において16.7℃の低温まで繁殖する可能性があると考えられる。
著者
中村 一基
出版者
岩手大学語文学会
雑誌
岩大語文 (ISSN:09191127)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-9, 2000-11-25

死後、肉体は腐る。しかし骨は朽ちず。ただ、その骨もいづれの日か朽ちる。それが、自然の摂理である。この自然の摂理の過程のなかに、人間は火葬という葬法をもちこみ、骨化を早める。骨化が白骨を目指したとしても、はたして白骨は遺骨の意識と結びつくのか。古代から中世にかけての葬送史を俯瞰した時、〔納骨/散骨〕という遺骨処理に注目せざるを得なかった。それは、どの程度の浸透力をもって人々の葬送習俗の規範となったのか。〔納骨/散骨〕という遺骨処理の方法は、〔遺骨尊重/遺骨軽視〕の意識とパラフレーズするのか。さらに、霊魂の依代としての骨という観念と、祖霊信仰の成立との関連は霊肉二元論の次元では把握しきれない問題を孕んでいる。その意味で、山折哲雄の次のような方法論は示唆的であった。「死」の問題を「霊と肉」の二元的構図のなかでとらえようとする方法にたいして、もう一つ、「霊と肉と骨」という三元的な立体構成のなかで考察する方法が、わが国の場合とりわけ有効でもあり、かつ必要でもあるのではないか。(『死の民俗学-日本人の死生観と.葬送儀礼-』第1章「死と民俗-遺骨崇拝の源流-」)白骨という強力な磁場が遺骨崇拝に働いているのではないか。山折が「遺骨崇拝の源流」を考える上で、重要なモメントとしてあげる「十一-十二世紀における納骨信仰の形成」(同)の背後に、白骨という強力な磁場の存在を思い描く。さらに、磁場の形成に民俗としての〔〈白〉のシンボリズム〕が強く働いているのではないか。
著者
松村 宏 桝本 和義 吉田 剛 豊田 晃弘 中村 一 三浦 太一
出版者
日本加速器学会
雑誌
加速器 (ISSN:13493833)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.63-71, 2021-07-31 (Released:2021-08-04)
参考文献数
16

Measurement of activated materials and evaluation of activated areas of several types of accelerator facilities were studied for decommissioning planning from FY2017 to FY2020 under the contract of the Nuclear Regulation Authority. The research results were summarized in “Manual of Measurement and Evaluation of Activation for Decommissioning of Accelerator Facilities.” This manual consists of the classification of the activation area of accelerator facilities and the measurement and evaluation of the activation of concrete structures and metallic accelerator components in the decommissioning of accelerator facilities. This manual will be used for the decommissioning of accelerator facilities in Japan.
著者
松河 秀哉 井上 聡一郎 中村 一彦 下山 富男 吉田 雅巳 重田 勝介 吉田 健 前迫 孝憲 景平 義文 関 嘉寛 内海 成治 中村 安秀 下條 真司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.189-192, 2004
参考文献数
4
被引用文献数
3

大阪大学人間科学研究科はアフガニスタンとの間で遠隔講義を実施し,その内容を他機関と連携して広く一般に公開した.アフガニスタン側は衛星携帯電話(ISDN64Kbpsの通信機器を接続可能),大阪大学側は衛星携帯電話と相互通信可能なISDN公衆回線を用いて接続し.ISDN回線に対応するテレビ電話で映像・音声を伝送した.その内容は大阪大学内でリアルタイムに編集され,多くの機関の協力を得て,インターネットと通信衛星を使って国際配信された.配信された講義は,少なくとも海外8カ国で受信された.アフガニスタンからの講義は,現地にいる様々な分野の専門家の協力を得て進められ,学生が積極的に質問する姿が認められた.
著者
國枝 千嘉子 金澤 丈治 駒澤 大吾 李 庸学 印藤 加奈子 赤木 祐介 中村 一博 松島 康二 鈴木 猛司 渡邊 雄介
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.10, pp.1212-1219, 2015
被引用文献数
6

声帯ポリープや声帯結節の診断・治療方針の決定には大きさなどの形態的特徴が関与することが多い. 初診時から音声治療を行った声帯ポリープ36例, 声帯結節35例について, 手術の効果および手術の際に測定した病変の大きさと術前音声検査値との相関, 病変の大きさとその術後改善率との相関を検討した. 手術後の音声機能は, 声帯ポリープ・声帯結節の両群で最長発声持続時間・声域・平均呼気流率・Jitter%値 (基本周期の変動性の相対的評価)・Shimmer%値 (ピーク振幅の変動性の相対的評価) のすべての項目で術前に比べ有意な改善を認めた. 病変の大きさとの相関では, ポリープ症例は術前の声域・Jitter%で相関を認め, 術後改善率では, 声域・平均呼気流率・Jitter%・Shimmer%で相関を認めた. 一方, 結節症例では術前の声域のみ相関を認めた. Elite vocal performer(EVP) (職業歌手や舞台俳優など自身の「声」が芸術的, 商業的価値を持ち, わずかな声の障害が職業に影響を与える) 群と EVP 以外群で検討を行い, 声帯ポリープ症例の EVP 群では EVP 以外群と比較して病変の大きさと音声検査値との相関は低かった. 結節では両群とも病変の大きさと音声検査値との相関は低かった. 両疾患において手術治療は有効で, 形態的評価は治療方針決定のために必要であり, 音声治療も両疾患の治療に不可欠であると思われた.
著者
中村 一樹 大矢 周平 木野村 遼 藤井 翔太
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.769-776, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
15

リニア新幹線整備は,広域な観光ネットワーク形成に貢献することが期待されるが,沿線の大都市から周辺地方都市への周遊観光のような波及効果を生み出すかは疑問である.これは,地域交通の交通利便性の問題だけでなく,地域観光の拠点整備や情報提供の問題にも起因すると考えられる.そこで本研究は,リニア駅の近隣県となる三重県を対象に,都市別の余暇活動の特徴をSNSから整理し,リニア開通を想定した周遊観光の潜在的な選好を調査から把握する.まず,位置情報付きのSNS投稿データを用いて,三重県における観光資源の空間特性を把握する.そして,これらを含めた観光地情報を用いて,関東圏の住民を対象とした周遊観光の選好をWEBアンケートで調査する.最後に,周遊観光による各観光地の来訪意欲を,リニア整備の有無を考慮して明らかにする.
著者
中村 一明
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山.第2集 (ISSN:24330590)
巻号頁・発行日
vol.20, no.TOKUBE, pp.229-240, 1975-12-25 (Released:2018-01-15)

Volcanoes are generally classified into monogenetic and polygenetic types. Monogenetic volcanoes erupt only once to form smaller volcanoes, such as maars, pyroclastic cones and lava domes. Polygenetic volcanoes erupt repeatedly from the same general vents (summit or main crater) for up to 105 years to form larger volcanoes such as strato-volcanoes (composite volcanoes of Macdonald, 1972) and shield volcanoes of Hawaiian type. Monogenetic volcanoes tend to occur in clusters as flank and post-caldera cones. Some of the clusters are however, independent of polygenetic volcanoes and appear to be equivalent to them. The essential part of the conduit of a monogenetic volcano is inferred to be a simple dike, intruded into a newly formed crack, whereas a long endured pipe-shaped conduit may exist under a polygenetic volcano. The common occurrence of xenoliths in the eruptive products of monogenetic volcanoes may be related to this difference. Various lines of evidence, indicating the existence, depth, shape, volume and internal structure, of magma reservoirs are tabulated. A shallow magma reservoir appears to exist beneath polygenetic volcanoes with one to one correspondence, which is not the case for monogenetic volcanoes. Most flank volcanoes are monogenetic, thus indicating dikes within the polygenetic volcanic edifice. Dike formation is understood as a magma version of hydraulic fracturing. For the dike to intrude and propagate, would require either the increase of differential stress due to a decrease of minimum compression or increase of pore pressure over the sum of the minimum compression and the tensile strength of the rocks. Earthquakes are understood as the generation of elastic waves associated with an acute release of tectonic stress due to faulting. Accumulation of tectonic stress and strain prior to earthquakes is, then, a necessary part of earthquake phenomena in a broad sense, as well as their release after the event. Based on the above-stated understanding, possible mechanical correlations between volcanic eruptions and earthquake occurrences have been studied. Contractional strain around the magma reservoir can cause the squeezing up of magma within an open conduit causing a summit eruption on the one hand, and dike formation resulting in a flank eruption through the increase of pore pressure, on the other. Second boiling triggered by both the magmatic pressure decrease caused by dilatational strain and the dynamic excitation due to seismic waves might have the same effect as contraction. Decrease of minimum compression causing the increase of differential stress leading to dike formation will also contribute to the liklihood of flank eruptions. Both volcanic eruptions and earthquake occurrences can precede each other depending on geographical location in terms of faulting-related stress-strain changes which are calculated by the fault model of earthquakes. Actual possible examples of volcanic eruptions and earthquakes which are allegedly mechanically related are given. In order to demonstrate which mechanism is responsible for the correlation of the two phenomena, continuous strain measurement on and around volcanoes is necessary together with the observation of changes in the level of magma in crater bottoms.
著者
中村 一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.43-47, 1983-03-31
被引用文献数
1 1

イエローストーン国立公園の成立については,いままで主として探検隊による発見を主要な契機として説明されてきた。しかし,なぜ1870年代初頭に国立公園が制定されねばならなかったのかという問題についての追究はほとんどなかった。本研究では金融資本家ジェイ・クックの置かれた経済史的条件に注目して,ふたつの契機,ナショナリズムと「自然」がかれをして公園化運動を推進せしめたという仮説を提出する。
著者
中村 一穂 高岸 太一
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.29-34, 2018-01-20 (Released:2018-01-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

結晶のゼータ電位は,結晶表面にどのイオンが優先的に吸着しているか反映する値であり,晶析における結晶の成長過程を理解するうえで有用な情報をもたらす.しかし,測定者や測定方法により値が大きく異なるため,結果の理解が困難となっている.本研究では,水酸化カルシウム水溶液と炭酸ガスを用いた炭酸カルシウムの反応晶析において,反応中の炭酸カルシウム結晶のゼータ電位の変化を溶液のイオン組成の点から考察した.また,高分子電解質ポリアクリル酸(PAA: Polyacrylate acid)を母液に加えた場合の添加の影響についても検討した.PAA無添加の場合は,生成した炭酸カルシウムのゼータ電位は正の値を示し反応中大きな変化を示した.このプラスの電荷は結晶表面へのCa2+の吸着を反映したものと考えられえる.反応中のゼータ電位は,反応初期は約+70 mVの値を示し中和反応の進行にともない減少し,中和点付近で約+15 mVの極少を示した後,緩やかに上昇する変化を示した.この変化を反応中の母液のイオン組成の変化と比較した結果,ゼータ電位の変化は母液中のCa2+の濃度変化を反映して変化することが明らかになり,結晶表面の電位決定イオンはCa2+でありその吸着平衡の変化はゼータ電位の変化により把握できることが示された.同様のゼータ電位の測定をPAAの存在下の反応晶析で行った結果,結晶のゼータ電位はマイナスの値を示し,結晶表面へのPAAもしくはPAAとCa2+の錯体の吸着が示唆された.これらの結果より,ゼータ電位が,結晶表面のイオンの吸着状態の状態を反映し,その反応晶析中の変化のモニタリングに有効な指標であることが明らかになった.