著者
中村 洋介 香内 彩夏
出版者
一般社団法人 国際ICT利用研究機構
雑誌
国際ICT利用研究学会論文誌 (ISSN:24330205)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.3-9, 2020 (Released:2021-11-06)
参考文献数
8

本研究では,ANA 全139 路線,JAL 全145 路線のうち,運行本数が多いANA30 路線,JAL 25 路線(計147,000 便)の欠航率を調査した。調査期間は2019 年9 月1 日
著者
中村 浩志
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-18, 1990-08-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
40
被引用文献数
44 45

文献調査および野外調査により,日本でカッコウに托卵された記録のある宿主,本州中部におけるカッコウの托卵率,および新しい宿主オナガとの托卵関係成立過程についての調査を行った.1)日本ではこれまでにカッコウの宿主は計28種記録されている.宿主の数は,本州中部が20種と最も多かった.2)本州中部の長野県では,主要宿主6種の托卵率はいずれも10%以上であった.最も高い托卵率は,新しい宿主オナガの79.6%であった.3)カッコウ宿主との托卵関係は,過去60年間に大きな変化がみられた.本州中部ではカッコウは約15年前からオナガに托卵を開始したが,托卵率は急速に高まり,現在ではオナガの繁殖分布域のほぼ全域にカッコウの托卵が広がった.逆に,今から60年前の主要宿主であったホオジロは,現在ではまれな宿主に変った.4)新しい宿主オナガへのカッコウの托卵は,最近両者が分布を拡大し,分布が重った結果開始された.カッコウの托卵は,分布が重なってすぐに開始されたのではなく,多くの地域では本格的に開始されるまでには10年から15年かかっていた.5)長野県におけるカッコウの托卵にみられる特徴と新しい宿主オナガとの托卵関係成立過程についての論議を行った.
著者
中村 重穂
出版者
北海道大学留学生センター
雑誌
北海道大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
no.6, pp.106-114, 2002-12

In this paper, the author points out some methodological problems in historical studies of Japanese language teaching, namely, a tendency towards studies focused on particular individuals and on the Euro-American origins of teaching methods as well as hasty generalizations of research in this field. Finally, the author advocates the necessity for a joint study between scholars of history and teachers of Japanese language towards further investigations in this field and suggests some new perspectives.
著者
中村 一創
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2022-04-22

「文」という概念がなぜ人間に備わっているのか、「文」は我々の言語能力においてどのように定義されているのか、これら二つの問題に科学的解答を与えるのが本研究の課題である。「文」は「句」とは異なる概念であり、人間が思考したり意思を伝達したりするには「句」さえ存在していれば十分である。しかし我々が文と文でないものを見分ける能力を持っているのは事実であり、そうした余分な能力がなぜ存在するのかが生物言語学の重要な問題となるのである。本研究では、文概念の存在を主語・助動詞倒置をはじめとする様々な文法現象と結びつけて明らかにし、さらに哲学・生物学等の知見も活かしつつ、文概念の発生を生物言語学的に説明していく。
著者
永江 大右 中村 太一 紀伊 雅敦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_505-I_512, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
23
被引用文献数
1

都心は都市活動が集中する場所であり,都市構造や交通需要を分析する上で把握するうえで重要なエリアである.しかし,都心の把握方法は必ずしも確立しておらず,多くの場合大規模な交通調査を基に経験的に設定されている.しかし,大規模交通調査の高頻度な実施は困難であり,特に都市構造の変化が著しい途上国では,簡便な都心の把握方法が必要である.本研究では,人工衛星により観測される夜間光に基づく都心抽出の可能性を検討する.具体的には,日本の3大都市圏を対象に,集中交通量に基づき都心ゾーンを定義し,夜間光データによる判別を行った.その結果,夜間光データに一定の都心判別性能があることが示された.また郊外核を抽出できる可能性が示された.
著者
福嶋 真志 來村 徳信 溝口 理一郎 山本 瀬奈 間城 絵里奈 淺野 耕太 田墨 惠子 青木 美和 中村 成美 荒尾 晴惠
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-058, pp.05, 2022-11-22 (Released:2022-12-03)

本研究の目的は,がん治療の副作用による生活上の問題点を感じているがんサバイバーの生活改善を支援するために,問題を解決する生活の知恵を知識モデルとして記述し,患者同士が生活の知恵を共有・活用できるシステムを開発することである.文献や患者インタビューの分析結果に基づいて,行為分解木というオントロジカルな枠組みを援用して,投薬から症状の発現,症状から日常生活における問題点と,それに対する対処方法を,原因—結果の因果連鎖として構造化し,対処方法を分類して,知識モデルとして記述した.記述した知識モデルに基づいて,患者がWebブラウザ上で生活上の問題点から対処方法を閲覧・共有できる知識共有システムのプロトタイプを開発した.本稿では設計思想,プロトタイプの機能と動作などについて報告する.
著者
中村 千景
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.392-397, 2019-11-30 (Released:2019-11-30)
参考文献数
2

目的:著者らが所属する「National Network of Yogo teachers in Japan」は,IUHPE世界会議に1995年の第15回大会から継続して参加し,養護教諭の実践をポスター報告している.IUHPE世界会議に継続参加してきた経緯と,2019年第23回ニュージーランド大会の発表での状況ならびに今後の課題を紹介する.内容:2019年第23回IUHPE世界会議において,著者らが発表した7演題のポスターの内,「自殺」「メンタルヘルス」「性」をテーマにした3演題がポスターを利用した口頭発表に選出された.著者らのポスター発表の聴衆者にアンケートをとった結果,子どもの健康問題として「メンタルヘルス」が多く,「性」や「肥満」「むし歯」「虐待」「不登校」「アレルギー」「喫煙・飲酒・薬物」といった問題があげられ,子どもの健康問題は世界で共通している部分もあることがうかがわれた.まとめと今後の課題:子どもの健康問題は世界共通の部分がうかがえることから,養護教諭の仕事のあり方が世界の子どもたちの健康問題解決のために活用できるということを,国際学会の発表を通して伝え続けていくことが今後の課題である.
著者
李 相太 野口 延由 龍見 重信 潮崎 裕也 中村 彰宏
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.624-632, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
14

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより,核酸増幅検査(NAAT)は多くの施設に普及した。NAATの結果は社会全体に大きな影響を与えるため,高い正確性および精確性が求められる。このため奈良県臨床検査技師会は,2021年7月にSARS-CoV-2 RNAのNAATの外部品質評価(EQA)を行った。EQA試料は,3つの陽性試料と1つの陰性試料で構成した。陽性試料は患者検体を用いて作成した低コピー試料(Sample 1)と高コピー試料(Sample 3)および市販の陽性コントロール(Sample 4)を,陰性試料は核酸分解酵素を含まない精製水(Sample 2)を用いた.評価は定性結果に基づいて行い,一部の試薬は,販売メーカーに依頼した測定結果を参考データとした。本EQAには,26施設が参加し,12種類の試薬,40テスト数が含まれた。各試料の正解率は,Sample 1が62.5%(25/40),Sample 2が100%(40/40),Sample 3が95.0%(38/40),Sample 4が67.5%(27/40)であった.不正解例は販売メーカーの参考データと一致していたため,試薬の検出感度や試料との相性などが要因と考えられた。参加施設の結果は試料や試薬の特性を反映しており,本事業の妥当性が示された。本EQAは,参加施設における継続的な検査品質の維持管理に貢献できるものと考える。
著者
田中 成典 山本 雄平 姜 文渊 中村 健二 清尾 直輝 田中 ちひろ
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.821-830, 2020-08-15 (Released:2020-08-15)
参考文献数
14
被引用文献数
1

スポーツにおけるICTの活用として,選手をトラッキングする画像処理の研究が行われている.しかし,アメリカンフットボールなどのフィールド上での選手のオクルージョンが頻発する競技では,選手位置が正確に取得できない.そのため,選手の移動軌跡が分断され,正確なトラッキングが難しいことが課題となっている.そこで,本研究では,複数地点から撮影した映像から得られた移動軌跡を用いて,それらを相互に補完することでオクルージョンに頑強な選手のトラッキング手法を提案する.これにより,GNSSセンサなどのデバイスを相手選手へ装着ができない課題を解決する.
著者
守屋 貴司 橋場 俊展 中村 艶子 岡田 行正
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

2016年度には、研究代表者と研究分担者によって、当該研究テーマ関連の研究論文・文献・資料を網羅的に収集すると同時に、それ以降の調査研究設計をおこなった。そして2016年度中に、研究協力者を募り、共同研究会を組織した。2017年度中に、調査・分析をおこない、二回にわたり共同研究会を開催し、報告・討議をおこなうことができた。そして2018年度には、本共同研究の最終研究報告を研究書の一つとして編集し、ミネルヴァ書房より守屋貴司・中村艶子・橋場俊展編著『価値創発(EVP)時代の人的資源管理 Indstry4.0の「働き方」「働かせ方」』と題して、2018年 10月に刊行することができた。
著者
中村 大輝 松浦 拓也
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 44 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.539-542, 2020 (Released:2020-11-27)
参考文献数
7

本研究では,教育分野における授業実践の効果量分布がどのような分布に従うのかを検討した.過去のメタ分析における効果量を対象に,正規分布,指数正規分布,混合正規分布のフィッティングを試みた結果,正規分布の予測力が相対的に低いことが示された.また,指数正規分布によるモデリングを事例的に示した.本研究の結果は,効果量分布に正規分布以外の分布を仮定したモデリングを行うことで,将来の授業実践の効果量分布に関する予測力を高められる可能性を示唆している.
著者
藤原 優花 中村 聡史
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.120-128, 2022-08-25

オンラインゲームにおいて,聴覚や視覚のハンディキャップにより,自身の実力と関係ないところで不利になる人がいる.特定の色が見えづらい色覚多様性者は,色の情報の読み取りに時間がかかるため,色による判断が迫られるゲームにおいてハンディキャップを背負っている.色覚多様性者のゲームプレイを支援するために,色覚タイプに合わせた配色を使用する色覚サポートのような配慮も行われているが,全ての色覚タイプに対応しておらず,サポートする部分にも限界がある.我々はこれまでの研究において,D型模擬フィルタを実現し,選択肢の中で異なる1色を選択してもらう実験や背景色を考慮した実験を行い,一般色覚者とD型色覚者両者にとって識別しやすい色や両者にとって識別する時間が近い色を明らかにした.しかし,実際のゲームにおいて有効かどうかを明らかにしていなかった.そこで本研究では,これまでの我々の研究で得られた結果から仮説をたて,Among Usを用いた実験を実施し,色のハンディキャップにおける制御が可能かに関する検討を行った.その結果,配色次第では一般色覚者も色覚多様性者もゲームの有利不利制御が可能であることがわかった.
著者
中村 泰朗
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.727, pp.2021-2030, 2016 (Released:2016-09-30)

Azuchi castle was constructed by Oda Nobunaga in 1579. There were many buildings in the castle, such as Tenshu (castle main tower), towers, gates and palaces. However, the plans of these buildings are not known. This paper examines the Honmaru palace in Azuchi castle. This castle became the standard form of the early modern castles. Therefore it is important to study the Honmaru palace in order to elucidate some unclear points on the residences in those days. As a result of excavation in the Honmaru area, a lot of foundation stones were detected. Izumi Fujimura as an archaeologist studied on these stones and made a diagram of the restored buildings of the Honmaru palace which is very similar to Seiryo-den (one of the buildings of the Japanese emperor's palace). In contrast, I review these stones and traces withdrawn the stones and point out that the Fujimura's proposal is quite different from the correct arrangement of these stones and traces. In his proposal, a lot of posts stand on the spot without stones and a lot of large stones which should have been used for the foundation are disregarded. For this reason, his proposal may not be correct at all. In the original Honmaru palace, there were two large buildings which formed a line to the east and west across the inner court and a corridor which connected the two buildings. In the south side of the west building there were three rooms: one was a 2 spans east-west by 3 spans north-south room of the size, the other were 2 spans east-west by 2 spans north-south rooms. Besides, a veranda (4 spans east-west by 1 span north-south) was placed in front of the two rooms, and these rooms and the veranda were enclosed by another 1 span wide veranda. The plan of the Honmaru palace was similar to tsune-no-gosho of Higashiyama-dono (Shogun Yoshimasa Ashikaga's palace). According to “Shincho-ko-ki” (the biography of Nobunaga Oda written by Gyuichi Ota) we can know several names of palaces and buildings such as Zashiki and Miyukino-mima (emperor's guest room), Nan-den (south palace) and Kounji-goten (Kounji temple palace). Masafumi Kato examined “Shincho-ko-ki” and pointed out that Miyukino-mima was in Ninomaru, Nan-den was in Honmaru and Kounji-goten was in Sannomaru. If these palaces and buildings may be defined those of in Shogun's palace, Zashiki and Miyukino-mima were taimensho (a building for meeting of official ceremony), Nanden was tsune-no-gosho (a building for living) and Kounji-goten was kaisho (a building for private meeting and entertainment).
著者
佐藤 郁代 涌井 忠昭 辻下 聡馬 齋藤 英夫 中村 真理子
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.10-18, 2021 (Released:2021-10-08)
参考文献数
57

有訴率女性一位、男性二位の肩こりは、慢性疼痛へ移行し、さらなる症状を生み出す。その原因の1つにスマートフォンの利用によるストレートネックがある。Z世代はスマホ世代と呼ばれるように、その使用率は高い。本研究ではZ世代を対象に、経穴刺激を組み合わせたセルフハンドマッサージを実施することによる肩こり感およびストレスの変化を明らかにすることを目的とした。その結果、肩こり感の緩和、左右僧帽筋上部筋硬度の低下および左右項部肩甲上部皮膚温の低下を認め、肩こりを緩和することが明らかとなった。さらに、血圧値および脈拍値の低下、POMS下位尺度の「怒り-敵意」「疲労-無気力」「緊張-不安」および「活気-活力」の低下を認め、ストレス緩和の一助になることが確認された。また、1日当たりのスマホ使用時間が長い者の場合、セルフハンドマッサージでは肩こりが改善されないこと、マッサージ前の左項部皮膚表面温度が高い者ほど、ハンドマッサージの効果が表れることが示唆された。
著者
油谷 伊佐央 中村 翔大 中田 明夫 廣田 悟志
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.722-726, 2020-07-15 (Released:2021-07-16)
参考文献数
7

症例1は70歳代後半男性.僧帽弁閉鎖不全症に対して僧帽弁置換術を施行された.約3カ月後に心膜摩擦音を伴う胸痛あり.心エコーにて心嚢水の増悪を認めた.心嚢穿刺にて血性心嚢水を認め,ADA高値であった.細胞診では悪性細胞は検出されず.結核性心膜炎として抗結核薬による加療を開始し,速やかに心嚢水は改善した. 症例2は70歳代前半男性.虚血性心疾患,心房細動に対して冠動脈バイパス術・肺静脈隔離術・左心耳切除術を施行された.約5カ月後に左胸水の増悪あり,心不全増悪として入院加療を行った.左胸水は漸減したが,経過で右胸水の増悪を認めた.右胸膜生検にて抗酸菌が検出され,結核性胸膜炎と診断した. 開心術後の肺外結核発症は稀であるが,人工心肺使用は細胞性免疫低下を生じ,結核の発症要因になり得る.術後慢性期に増悪する心嚢水・胸水貯留を認めた場合,結核を念頭に置いて精査することが望ましい.