著者
向井 孝志 中村 修二
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.152-155, 1999-02-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
12
被引用文献数
4

窒化インジウムガリウム系材料を用いた発光デバイスの進展により白色LEDおよび紫外LEDが最近開発,商品化された.白色LEDはInGaN青色LEDとYAG蛍光体を組み合わせて構成されている.紫外LEDは発光波長が370nmと短波長である.ここでは白色LEDと紫外LEDの構造や特性を述べ,今後の課題や可能性について議論する.
著者
日高 豊彦 日高 亨彦 中村 有伽 清水 英城
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.276-284, 2019-12-31 (Released:2020-01-30)
参考文献数
46

審美領域においてインプラント治療が患者の満足を得られるためには,歯冠修復と同様に辺縁歯肉と歯間乳頭の位置,およびその長期的安定が求められる.これらを確立するためにはインプラント埋入部位に必要な骨(硬組織)と軟組織を確保することが重要である.生体には固有差があるが,一般的にはインプラントとアバットメントが同径の場合インプラントの頰舌(唇口蓋)側2mm以上,プラットフォーム・スイッチングの場合1.5mm以上の骨を確保し,どちらのデザインのものでもインプラントと天然歯間に1.5mm以上,インプラントとインプラント間に3mm以上の骨を確保すべきであろう.インプラント周囲の軟組織の高さは4mm程度必要と思われるため,インプラント埋入の深さはインプラントとアバットメントが同径の場合辺縁歯肉より3mm程度根尖側方向,プラットフォーム・スイッチングの場合4mm程度根尖側方向に埋入すべきではないかと多くの文献から示唆される.頰舌(唇口蓋)的軟組織の厚みは2mm程度必要だと思われる.上部構造の形態は頰舌(唇口蓋)軟組織の厚みを確保するため,歯肉縁下で凹状に,隣接形態は歯の修復と同様にハーフ・ポンティック・テクニックが応用できる.組織が不足する場合はその造成を行わなければならないが,審美性の長期予後を考えると骨の造成には遅延吸収性または,非吸収性の骨補塡材を用い,軟組織に関しては自家移植による造成が長く維持される.
著者
中村 亮 伊坪 徳宏 大内 昂輔 湯 龍龍
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.140, 2006

近年、携帯電話やパソコンの普及によりリチウムイオン電池の市場も伸びてきており、二次電池のトップシェアを獲得している。しかし、リチウムイオン電池には希少金属であるコバルトが使われているため、このまま市場が拡大していくと、資源枯渇問題が懸念される。そこで、他の電池との環境有利性や資源への影響を求めるため、リチウムイオン電池の製造から、リサイクルまでにおいて、LCAを実施し、環境負荷を明らかにした。
著者
中村 卓
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.36-37, 2019

<p>食品に必要とされる要素として「安全」・「健康」・「おいしさ」・「価格」がある。私たちの研究室では「おいしさ」を食品構造から追究し,食品構造の制御によりおいしい食品をデザインする『食品構造工学』の確立を目指している。特に,食品のおいしさは咀嚼による「変化」であるという立場から,望むおいしさの実現と効率的なものづくりに貢献したいと考えている。ここでは特にオノマトペ(擬音語・擬態語)として表現されるおいしい食感(とろ~り)とスイーツ(プリン)の破壊構造との関係について述べる。</p>
著者
中村 潤 玉田 春昭
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.454-473, 2020-02-15

大量のプログラムからソフトウェアの盗用を発見するために,ソフトウェアバースマークが提案されている.バースマークは,プログラム中の特徴を抽出し比較を行い盗用を発見する技術である.従来のバースマークで想定している対象のプログラム数は数百から数千程度であり,それを超えて比較する場合,現実的な時間では比較できない場合もある.そこで本稿では,対象となるプログラムの大幅なスケールアップかつ,盗用検出に要する処理時間の短縮を目的とする.そのために,対象プログラムの比較の前に,精度は高くないが高速に比較できる手法を用いて,無関係なプログラムを除外することを考える.これを絞り込み段階として,従来の抽出段階,比較段階の間に導入する.提案手法に基づき,バースマーク絞り込みシステムMitubaを構築し,実験を行った.評価項目は所要時間,絞り込み率,誤検出,検出漏れ,精度,そして,保存性の6項目である.結果は,盗用か否かを判定するための閾値が0.2のとき,所要時間は従来の40%以下に抑えられ,80%以上のプログラムが無関係と判定された.残ったプログラムのうち,誤検出は90%程度と非常に高いものの,検出漏れは0%であり,精度も70%以上となっている.また保存性評価においても,一番強力な難読化が施された場合であっても80%以上のプログラムを見つけ出せ,良好な結果を示している.これらの結果をもとに最適な閾値を議論した結果,標準的には0.6程度の閾値が最適であるが,ユーザの問題設定によっては,閾値が0.2でも本手法は有効であることを示した.
著者
日下 隆 安田 真之 久保井 徹 小久保 謙一 小谷野 耕佑 岡田 仁 三木 崇範 岩瀬 孝志 上野 正樹 中村 信嗣 岡崎 薫 小林 弘祐
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

新生児低酸素性虚血性脳症の動物モデルとして、新生仔豚を対象に負荷時の脳血液量を指標とした低酸素負荷を行い、低体温療法、ラジカルスカベンジャー(エダラボン)と低体温併用療法の効果、および水素ガス吸入療法の安全性の検討を行った。その結果、無治療の蘇生後24時間での脳血液量増加と低振幅脳波持続時間は正の相関を示したが、低体温療法では負の相関を示した。また低体温療法と併用療法は無治療と比較し、大脳皮質および白質障害は少なかったが、低体温療法のみと併用療法は中枢組織障害の差異は認めなかった。さらに水素ガス吸入は、体・脳循環、脳波及び血液ガスへの影響がなく、その使用上の安全性が確認された。
著者
中野 拓治 中村 真也 松村 綾子 高畑 陽 崎濱 秀明 大城 秀樹 幸地 優作 平田 英次
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.I_11-I_20, 2020

<p>沖縄本島北部に分布する国頭マージ土壌を用いて油汚染土壌のバイオレメディエーションによる屋外実証試験を実施した.油汚染土壌に琉球石灰岩砕や栄養塩を加えることで, いずれも浄化促進効果が認められた.琉球石灰岩砕添加により油分(Total Petroleum Hydrocarbons(TPH))の浄化開始から分解活性が高まるまでの期間が短縮され, 強制通気が不要なランドファーミング工法により油汚染土壌の浄化を図れる可能性が示された.含水比低下やpH値の中性化により石油分解菌の浄化活性が高まったものと考えられる.実規模レベルでのパイロットスケール試験により, 油臭とTPH 濃度の関係を把握し, 浄化に必要な期間を評価するためのTPH除去速度係数が得られることが確認された.屋外実証試験結果は, 栄養塩添加や異なる浄化促進手法について, 実務に即した検討に有益な情報を与えるものと考えられる.</p>
著者
嶋田 さおり 岸田 太郎 坂田 香代子 森田 君香 平岡 祥子 改野 芙美 松本 愛 中村 紀子 渋川 祥子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.110, 2016 (Released:2016-08-28)

【目的】家庭で一般的に行われている揚げ物料理の吸油率については、すでに調べられ文献等で公表されている。しかし、大量調理機器によって測定された吸油率のデータは見られない。学校給食の場合、厨房設備や作業工程などの事情から、一般的な揚げ物料理とは、食材やその切り方が異なることもある。そこで本研究では、学校給食で提供頻度の高い揚げ物料理について、吸油率を明らかにし、児童生徒に提供している給食の栄養価を正確に把握することを目的とした。【方法】愛媛県松山市において、平成22~24年度の学校給食献立3年分をもとに、提供頻度の高い揚げ物料理を、素材別、揚げ形態別、揚げ衣別に整理した。次に、提供頻度の高い揚げ物料理について、2か所の共同調理場で、ガス回転釜とフライヤーの2種の調理機器を使用して実際に調理し、調理前後の水分率、吸油率を測定した。各試料は、20人分で調整し、揚げる前と揚げた後の試料の全量をそれぞれホモゲナイズし、その中から1gを取り出してクロロホルム・メタノール法で2分抽出して測定した。【結果】提供頻度の高い揚げ物料理に使用されている素材は、魚が最も多く次に肉、甲殻類が続いていた。揚げ方の調理形態別では天ぷらと唐揚げが多く、揚げ衣別ではでん粉を主としたものが44%、小麦粉等が39%、衣なしが17%であった。これらの結果から素材は使用頻度の高い鯛を使用しその唐揚げと天ぷらについて吸油率を測定した。170℃で3分揚げた鯛の唐揚げは、ガス回転釜の吸油率が8.6%、フライヤーの吸油率が4.6%であった。これはガス回転釜投入時の平均油温がフライヤーよりわずかに高く、そのため取り出し時の油温と試料中心温度も高くなったことから、ガス回転釜の方の水分蒸発が多くその分吸油したことが原因と考えられた。鯛の天ぷらについては差がなく両機器とも約5%であった。
著者
石川 耕平 佐藤 憲市 伊東 民雄 尾崎 義丸 浅野目 卓 山口 陽平 石田 裕樹 石塚 智明 岡村 尚泰 渕崎 智紀 谷川 聖 田中 伸哉 中村 博彦
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.9, pp.688-693, 2017 (Released:2017-09-26)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

Tumefactive multiple sclerosis (MS) は広範な浮腫や巨大な病変を形成することから, 脳腫瘍と鑑別が困難な例が多い. 本症例は66歳男性で右上下肢の単純部分痙攣発作で発症した. 左前頭葉の病変は画像上悪性グリオーマが疑われ摘出術が行われたが, 病理検査で脱髄性の所見や広範な出血および壊死像, Creutzfeldt cellを認めたことからtumefactive MSの診断に至った. 診断には病理検査が決定的となるが, 画像上病変部の血流上昇を認めないことが悪性グリオーマとの鑑別点と考えられた.
著者
岩瀬 弘明 村田 伸 日沖 義治 北尾 沙友里 中村 純子 中井 良哉 村上 貴士 窓場 勝之
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-4, 2013 (Released:2013-09-12)
参考文献数
16
被引用文献数
3 2

本研究の目的は,TMT-A が認知機能低下を識別するための有用な評価法となり得るのか否かについて検討することである。方法は,入院中の高齢患者31名を対象にTMTA を測定し,MMSE,FIM-C との関連について検討した。その結果,MMSE,FIM-C との間に有意な負の相関が認められた。また,TMT-A の所要時間が5分未満の対象者は,そのすべてがMMSE のカットオフ値である24点以上であり,認知機能低下の疑いが低かった。一方,TMT-A の所要時間が5分以上の対象者は,その多くがMMSE23点以下であり,認知機能の低下が疑われた。本研究の結果から,TMT-A の施行時間に5分以上を要する患者には,MMSE を行う必要性が示唆された。すなわち,TMT-A はMMSE を行うか否かのスクリーニングテストとして有用である可能性が示された。
著者
中村 泰男 金谷 弦 小泉 知義 牧 秀明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.127-134, 2012 (Released:2012-08-10)
参考文献数
20
被引用文献数
4 3

東京湾にある京浜運河は夏期に貧酸素水塊が卓越し,底泥中には硫化水素が発生する環境劣悪な水域である。この京浜運河に位置する大井干潟において,2010・11年の春~秋に二枚貝(アサリ,シオフキ,ホンビノスガイ,ハマグリ)のケージ飼育実験をおこない,貝の生残を調べた。これと併行し,貝の生残を左右する可能性のある環境因子(水温・塩分・底質・溶存酸素・硫化物など)についてのモニターも行なった。両年とも夏場に貝の斃死が生じたが,いずれの貝の場合もその生残とそれぞれの環境因子の変動の間に明瞭な関係を認めることは出来なかった。
著者
三枝 英人 愛野 威一郎 岩崎 智治 粉川 隆行 中村 毅
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.155-160, 2004-03-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
16

胃食道逆流症 (GERD) により咽喉頭異常感を呈した小児3例 (8歳女児、8歳男児および16歳男児) を経験した。全例とも特記すべき既往歴、家族歴を認めなかった。しつこい咳払いや異常感を訴えており、当初、心因性咽喉頭異常感症やチックとの鑑別が難しかった。しかし、喉頭内視鏡所見で披裂間部粘膜の発赤、腫脹を認め、さらに喉頭内視鏡の先端で同部位の触診を行うと、異常感を訴える部分と一致した。そこで、GERDにより咽喉頭異常感が発現している可能性を疑い、食道透視検査、上部消化管内視鏡検査を行ったが異常は認められなかった。このため、プロトンポンプ阻害剤 (lansoprazole 10-15mg/day) による診断的治療を行ったところ (8週間継続投与)、全例、喉頭内視鏡所見ともに症状の改善を認めた。小児においても、GERDにより咽喉頭異常感を呈することがあることが判明し、今後注意が必要であると思われた。
著者
中村 文隆
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.850, pp.15-17, 2020-01