著者
久保 良英
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理研究 (ISSN:18841066)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.57-62, 1912-01-01 (Released:2010-07-16)
著者
杉山 大樹 圓尾 拓也 信田 卓男 石川 剛司 金久保 佳代 斑目 広郎 茅沼 秀樹 菅沼 常徳
出版者
一般社団法人日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.8-13, 2010 (Released:2010-02-26)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

肺指症候群と考えられた猫5例の臨床所見について検討を行った。肺原発巣に伴う呼吸器徴候は5例中1例のみで見られ、ほかの4例では呼吸器症状は全くみられなかった。播種転移部位は、主に、指、体表部筋肉、皮膚であった。5例の中央生存期間は60日(12~125)であり、呼吸器徴候を伴い死亡したものは1例のみであった。これらの臨床所見から、本病態における治療として、肺葉切除は意義が低いことが示唆された。また、転移病変は全身に存在することから、断指をはじめとする外科的治療は残存する指や肢の負重増加により動物の生活の質をさらに低下させる可能性が示唆された。
著者
松峯 笑子 舟生 日出男 鈴木 栄幸 久保田 善彦
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.103-108, 2021-12-19 (Released:2022-01-20)
参考文献数
5
被引用文献数
1

我々の身の回りは科学に関連する情報で溢れているが,全ての科学情報が正しいとは限らない.より良い意思決定のためには,科学ニュースを正確に読み取る科学メディアリテラシーが必要であるが,未だ注目されていない.それを受けて筆者らは,「科学メディアリテラシーを俯瞰するチェックリスト」を活用した教育実践をデザインし,少人数を対象として試験的に実施した.そこで挙がった改善点から,今回より多くの学生を対象として,チェックリストが科学ニュースの評価に与える影響を確かめた.実践の結果,チェックリストが,科学ニュースを評価する際の批判的視点を持つ指標となり,科学ニュースの評価に影響を与えることが分かった.また,科学やメディアの認識が低く,事例を肯定的に捉える学生がチェックリストを使用したタイミングで批判的視点を持っていたことから,科学ニュースを正確に読み取るために必要な認識の補助的な役割を果たしていると考えられる.
著者
吉田 稔 久保 涼子 三迫 智佳子 鈴木 志乃舞 工藤 綾香 蜂谷 紀之 安武 章
出版者
一般社団法人 日本微量元素学会
雑誌
Biomedical Research on Trace Elements (ISSN:0916717X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.170-175, 2013 (Released:2013-10-29)
参考文献数
13

This survey aimed to determine the levels of mercury in the scalp hair of residents of Hachinohe City in relation to their fish/seafood consumption to assess the risk of methylmercury exposure among the population. A total of 363 individuals (73 males and 290 females) residing in Hachinohe City (Aomori, Japan) provided scalp hair samples and completed a questionnaire. The geometric mean levels of mercury in the scalp hair were 2.52 and 1.91 μg/g in males and females, respectively, and 1.36 μg/g in females aged 15-49 years (n=80). The percentage of females of this generation with a hair mercury level above 2.2 μg/g (corresponding to the WHO's provisional tolerable weekly intake for methylmercury) was 21%, which was lower than the mean of 25% for residents of 10 regions across Japan. The Hachinohe residents consumed a mean of 108 g/day of fish/seafood (which was higher than the mean of 80.2 g/day for the overall Japanese population), consisting mainly of salmon, squid, mackerel, saury, and Atka mackerel. These results demonstrated that the hair mercury level of the residents of Hachinohe City was not so high as the higher consumption of fish/seafood compared with the national average, indicating that the risk of methylmercury exposure through increased fish/seafood consumption among Hachinohe City residents is not particularly high compared with the national level.
著者
西澤 千惠子 上久保 陽子 阿部 なづき 吉村 悦郎
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.192, 2016 (Released:2016-08-28)

【目的】大分県の日田地方には、真鱈のえらと胃を干した「たらおさ」を甘辛く煮た「たらおさ」という食材と料理名が同じ、盆に食べられている郷土料理がある。しかし近年は料理を作る人も知っている人も減少してきている。今回は「たらおさ」の全容を解明する研究の一環として、「たらおさ」の現状を把握することを目的とした。【方法】別府市内にある大学の学生と大分県の北部に住んでいる人を対象に、認知度についてアンケート調査を行った。またインターネットの書き込みから、食べている地方を調べた。さらに現在「たらおさ」を製造している北海道の業者に、製造方法や歴史などの聞き取り調査を行った。【結果】大分県西部の日田地方、玖珠地方、北部の下毛地方、福岡県の博多市、大宰府市、うきは市、八女市、筑豊地方で食べられていることが判明した。「たらおさ」の他に、こんにゃく、干し竹の子や干ししいたけが入る場合もあった。北前船の積み荷に「干鱈」の記述があったり、明治時代に道南の松前地方で真鱈釣り漁業が始まったりしているので、この頃に「たらおさ」が製造され始めた可能性がある。その後道南の漁獲高が減少するに伴い、製造業者は徐々に北方に移り、現在では稚内市の3業者が、鱈の獲れる冬に棒鱈とともに製造しているに過ぎない。この大部分が北部九州に出荷されている。かつて博多や北九州の問屋に輸送された「たらおさ」は、これらの周辺に広まり、さらに日田街道を通って内陸の日田まで運ばれたので、現在もこの街道沿いで「たらおさ」が食べられているものと推測された。海産物が入手しにくかった内陸地方では最高のご馳走で、盆のもてなし料理として作られていたものと考えられる。
著者
久保田 恭行 西山 哲 矢吹 信喜 福田 知弘 手塚 仁 尾畑 洋 村上 治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_77-I_88, 2021 (Released:2021-03-15)
参考文献数
37

トンネル工事での肌落ち災害を防止するため,作業中は切羽の状態を常時継続的に監視する必要がある.切羽での大規模な崩壊の予兆として,崩壊までの時間に差はあるものの小規模な落石が見られる場合があるが,目視では落石の確認が困難であるため,大規模崩壊に巻き込まれ,重大災害に繋がる可能性がある.そこで,筆者らはAIにより切羽のみに解析範囲を制限し,背景差分法を軸に面的に落石を検出するシステムの開発を検討した.本研究では,落石検出の処理の解析範囲を切羽に制限することや,粉塵といった微小な物体や映像のノイズ除去等について検討した.次に切羽の大規模崩壊の前兆となる落石を想定した映像を用いて画像解析を行った.その結果,小規模な落石を検出でき,肌落ち災害の発生リスクを軽減する可能性を示した.
著者
寺門 淳 樋口 明奈 久保田 祐司 諸澄 孝宜 三橋 彩乃 大鳥 精司
出版者
一般社団法人 日本臨床整形外科学会
雑誌
日本臨床整形外科学会雑誌 (ISSN:18817149)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.51-56, 2022 (Released:2022-07-15)
参考文献数
9

目的:スポーツを行う中高生の腰痛をきたす疾患には腰椎分離症があり,腰椎伸展時に腰痛増強が訴えることが多い.そこで,伸展時腰痛を訴える中高生における腰椎分離症(急性期)の割合を調査することを目的とした.方法:2012年8月から2013年8月までに当院を受診し,伸展時腰痛を訴える中高生の患者は129名であった. 原則として,全員にmagnetic resonance imaging(以下MRI)を施行し,実施可能であった105名を対象とした.MRI横断像short TI inversion recovery(以下STIR)で,関節突起間部の高信号域が認められるものを腰椎分離症(急性期)と診断した.結果:105名中,59名(56.1%)が腰椎分離症(急性期)と診断された.考察:今回の報告が,高い割合で腰椎分離症(急性期)を診断できた理由として,対象患者を伸展時腰痛患者に絞った点,原則全例を対象として横断研究を行った点があげられる.中高生の伸展時腰痛おいては,腰椎分離症をまず念頭におくべきである.結語:整形外科診療所外来を受診した,伸展時腰痛を訴える中高生の患者の約60%が腰椎分離症(急性期)を有していた.
著者
中谷 一郎 久保田 孝
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.39, no.9, pp.570-575, 2000-09-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
21
被引用文献数
1
著者
大久保 紀一朗 板垣 翔大 佐藤 和紀 中川 哲 山本 朋弘 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.2, pp.60-67, 2022-06-27 (Released:2022-06-27)

本研究では,小学校第6学年を対象にAIの画像認識について理解する学習を開発し,児童のAIに対する理解や意識の変容から授業を評価した.授業は4単位時間で実施し,画像認識の仕組みについてAIについて体験的に理解する学習と,身近な問題解決にAIの活用を体験する学習を実施した.事前調査とAIについて体験的に理解する学習後の事後調査1,身近な問題解決にAIの活用を体験する学習後の事後調査2の結果の比較から,開発した学習プログラムの効果を検討した.
著者
久保田 悦郎 堀田 博 原 利男
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.69, pp.35-41, 1989-06-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

中国産ウーロン茶と,わが国で試作したウーロン茶の香気成分を分析し,次の結果を得た。(1) 中国産ウーロン茶は日本産のものより,ネロリドール,ロンギフォレン,ファルネッセン,トリエンー3―オール,シスージャスモン,ジャスミンラクトン,ベンジルシアニド,インドールなどが多く含まれていた。これに対し,日本産ウーロン茶にはトランスー2―ヘキセナール,シスー3―ヘキセンー1オール,ベンジルアルコールなどが多く含まれていた。この結果は,中国産ウーロン茶に特有の花のような香りが強く,日本産ウーロン茶は青臭いにおいが強いという官能検査の結果とよく一致していた。(2) 中国産ウーロン茶に多く含まれるセスキテルペンとして,茶から初めてロンギフォレンを同定した。(3) 日本産ウーロン茶と中国産のものの香気形成の差異を明らかにするため,ウーロン茶に多く含まれるネロリドールと,紅茶に多く含まれるリナロールおよびシスー3―ヘキセン―1オールの含量比を調べた。その結果,日本産ウーロン茶は,中国産ウーロン茶と紅茶の中間型の香気形成を示した。この研究を行うにあたり,標品のロンギフォレンを分与していただき,同定についてご教示を賜ったお茶の水女子大学教授小林彰夫博士に厚くお礼申し上げます。また,供試材料のウーロン茶を提供していただいた,三井農林株式会社三浦宣安氏,静岡県茶業試験場高橋宇生氏,三重県茶業センター木下 〓氏に深く感謝いたします。
著者
濱久保 衛 伊藤 弘
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.399-404, 2022-03-30 (Released:2022-05-13)
参考文献数
31

This study aims to understand the current status and issues of viewpoint fields in the Setonaikai National Park by clarifying the relationship between the actual condition of the view from them and the establishment and management of them, and to consider the management of the viewpoint fields from the standpoint of the appreciation of the archipelago landscape.The methodology was field survey and analyze the pictures from all viewpoint fields, and literature survey such as national park management plan and so on. As a result, Setonaikai National Park can be divided into three areas, and the actual condition of the view in each was different from each other including the artificial structures such as towns, bridges, and industries. Especially the view from each viewpoint field in the Geiyo Islands, many artificial structures were seen in visually essential areas. The establishment and management of viewpoint fields were different among each management district. All the management plan was focused on the islands. It can be said that the management plan was made not concerning the characteristics of the archipelago landscapes, so the establishment and management of the viewpoint fields are not appreciated to enjoy the archipelago landscapes.
著者
久保田 昌治
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.772-773, 1997-10-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
2
著者
久保田 暁
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.129-134, 2020 (Released:2020-08-31)
参考文献数
21

Polymyositis (PM) has been a common clinical diagnosis for inflammatory myopathies without dermatitis, since Bohan and Peter established diagnostic criteria classifying polymyositis and dermatomyositis by the presence of dermatitis. In Japan, the diagnostic criteria of polymyositis and dermatomyositis for medical subsidies are also based on the presence of dermatitis, and there are a number of patients with “polymyositis”. However, clinical, pathological, and serological studies have revealed that the inflammatory myopathies without dermatitis are a heterogenous group, including sporadic inclusion body myositis (sIBM), immune–mediated necrotizing myopathy (IMNM), collagen disease related myositis, and PM. For adequate clinical decisions as well as high–quality studies, PM should be diagnosed based on strict diagnostic criteria including pathological examination, such as the European Neuromuscular Centre (ENMC) criteria. Among 972 cases that had been diagnosed as inflammatory myopathies in our laboratory between 2000 and 2019, about 2/3 cases (550/925) lacked dermatitis, and could be diagnosed as “polymyositis” by Bohan and Peter criteria. However, based on the ENMC criteria, only 1.7% (17/972) cases were classified as PM. Even after the diagnosis of PM was made by pathological examination, some patients may be reclassified as other diseases, especially as sIBM. The improvement of pathological examination further reduced the number of misdiagnosed “PM”. In addition, infiltration of CD8 positive cells surrounding non–necrotic fibers, a hallmark of PM and sIBM, is also observed in other myopathies. Some researchers doubt the existence of PM. Thus, PM is a shrinking entity.
著者
野口 清子 生田 由美 久保田 伸枝
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.243-247, 2001-11-30
被引用文献数
2

調節痙攣は、著明な近視化とそれに伴う輻湊が起こり、学童期の小児にみられることがある。原因は諸説挙げられるが、下垂体腫瘍などの器質的疾患が合併していることもあるため、その除外診断が優先される。<br>今回我々は、視力低下と複視を主訴に来院し、初診時に行った屈折検査のためのサイプレジン<sup>®</sup>点眼により、複視が劇的に消失した1症例を経験した。当初これらの原因は、調節痙攣と考え、器質的疾患を否定した上で、各種調節検査を経時的に行った。その結果、両眼視下の調節検査と片眼での静的調節検査では、両者の結果に矛盾がみられた。また、静的調節検査で測定毎の検査結果にばらつきがみられたこと、視力検査でもトリック法に反応するなどの心因性の視覚障害と思わせるような結果が得られたこと、欲求不満や環境の変化がみられたことから、心因による一過性の調節痙攣ではないかと思われた。サイプレジン<sup>®</sup>点眼により複視が劇的に消失したことも心因が関係しているのではないかと考えた。<br>本症例のような原因不明の調節痙攣や内斜視をみた場合、今までの経過や経験を基に、安易に心因性と考え検査や治療に取り組むべきではなく、まず原因の精査と鑑別すべき疾患との鑑別診断をしっかりと行った上で、器質的に何も異常が認められない場合は現症について対処していくべきであると思われた。