著者
川畑 絹代 安田 広康 土田 秀明 伊藤 正一 菊地 正輝 常山 初江 内川 誠 大戸 斉
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 = Japanese journal of transfusion and cell therapy (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.478-483, 2011-12-15
参考文献数
12
被引用文献数
1

抗KANNOは1991年に福島医大病院で遭遇した高頻度抗原に対する抗体で,既知の抗体にはその反応性が一致するものが無かった.発端者に因み,この抗体を抗KANNO,対応抗原をKANNO抗原と名付けた.KANNO抗原発見に関わった福島医大病院2症例と山形県および宮城県赤十字血液センターで同定した抗KANNO 12例,計14例について反応性,臨床的意義を検討した.<br> 抗KANNOを保有する14例のうち13例が妊娠歴のある女性であり,輸血よりも妊娠によって産生されやすい抗体であると考えられる.抗KANNOは高力価低親和性(HTLA)抗体の特徴を示し,類似した反応性を持つ抗JMHとは,AET処理赤血球と反応する点で鑑別できる.現在まで,抗KANNOによる溶血性輸血副作用(HTR)や胎児・新生児溶血性疾患(HDFN)の報告はなく臨床的意義は低いと考えられるが,さらに症例を蓄積する必要がある.<br>
著者
三木 文雄 生野 善康 INOUE Eiji 村田 哲人 谷澤 伸一 坂元 一夫 田原 旭 斎藤 玲 富沢 磨須美 平賀 洋明 菊地 弘毅 山本 朝子 武部 和夫 中村 光男 宮沢 正 田村 豊一 遠藤 勝美 米田 政志 井戸 康夫 上原 修 岡本 勝博 相楽 衛男 滝島 任 井田 士朗 今野 淳 大泉 耕太郎 青沼 清一 渡辺 彰 佐藤 和男 林 泉 勝 正孝 奥井 津二 河合 美枝子 福井 俊夫 荒川 正昭 和田 光一 森本 隆夫 蒲沢 知子 武田 元 関根 理 薄田 芳丸 青木 信樹 宮原 正 斎藤 篤 嶋田 甚五郎 柴 孝也 池本 秀雄 渡辺 一功 小林 宏行 高村 研二 吉田 雅彦 真下 啓明 山根 至二 富 俊明 可部 順三郎 石橋 弘義 工藤 宏一郎 太田 健 谷本 普一 中谷 龍王 吉村 邦彦 中森 祥隆 蝶名林 直彦 中田 紘一郎 渡辺 健太郎 小山 優 飯島 福生 稲松 孝思 浦山 京子 東 冬彦 船津 雄三 藤森 一平 小林 芳夫 安達 正則 深谷 一太 大久保 隆男 伊藤 章 松本 裕 鈴木 淳一 吉池 保博 綿貫 裕司 小田切 繁樹 千場 純 鈴木 周雄 室橋 光宇 福田 勉 木内 充世 芦刈 靖彦 下方 薫 吉井 才司 高納 修 酒井 秀造 西脇 敬祐 竹浦 茂樹 岸本 広次 佐竹 辰夫 高木 健三 山木 健市 笹本 基秀 佐々木 智康 武内 俊彦 加藤 政仁 加藤 錠一 伊藤 剛 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 和英 足立 暁 大山 馨 鈴木 国功 大谷 信夫 早瀬 満 久世 文幸 辻野 弘之 稲葉 宣雄 池田 宣昭 松原 恒雄 牛田 伸一 網谷 良一 中西 通泰 大久保 滉 上田 良弘 成田 亘啓 澤木 政好 三笠 桂一 安永 幸二郎 米津 精文 飯田 夕 榊原 嘉彦 螺良 英郎 濱田 朝夫 福山 興一 福岡 正博 伊藤 正己 平尾 文男 小松 孝 前川 暢夫 西山 秀樹 鈴木 雄二郎 堀川 禎夫 田村 正和 副島 林造 二木 芳人 安達 倫文 中川 義久 角 優 栗村 統 佐々木 英夫 福原 弘文 森本 忠雄 澤江 義郎 岡田 薫 熊谷 幸雄 重松 信昭 相沢 久道 瀧井 昌英 大堂 孝文 品川 知明 原 耕平 斎藤 厚 広田 正毅 山口 恵三 河野 茂 古賀 宏延 渡辺 講一 藤田 紀代 植田 保子 河野 浩太 松本 慶蔵 永武 毅 力富 直人 那須 勝 後藤 純 後藤 陽一郎 重野 秀昭 田代 隆良
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.914-943, 1987
被引用文献数
2

Clavulanic acid (以下CVAと略す) とticarcillin (以下TIPCと略す) の1: 15の配合剤, BRL28500 (以下BRLと略す) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性をpiperacillin (以下PIPCと略す) を対照薬剤として, welI-controlled studyひこより比較検討した.<BR>感染症状明確な15歳以上の慢性呼吸器感染症 (慢性気管支炎, びまん性汎細気管支炎, 感染を伴った気管支拡張症・肺気腫・肺線維症・気管支喘息など) およびその急性増悪, 細菌性肺炎, 肺化膿症を対象とし, BRLは1回1.6g (TIPC1.5g+CVA0.1g) 宛, PIPCは1回2.0g宛, いずれも1日2回, 原則として14日間点滴静注により投与し, 臨床効果, 症状改善度, 細菌学的効果, 副作用・臨床検査値異常化の有無, 有用性について両薬剤投与群間で比較を行い, 以下の成績を得た.<BR>1. 薬剤投与314例 (BRL投与161例, PIPC投与153例) 中, 45例を除外した269例 (BRL投与138例, PIPC投与131例) について有効性の解析を行い, 副作用は293例 (BRL投与148例, PIPC投与145例) について, 臨床検査値異常化は286例 (BRL投与141例, PIPC投与145例) について解析を実施した.<BR>2. 小委員会判定による臨床効果は, 全症例ではBRL投与群78.8%, PIPC投与群79.4%, 肺炎・肺化膿症症例ではBRL投与群 (79例) 82.1%, PIPC投与群 (73例) 79.5%, 慢性気道感染症症例ではBRL投与群 (59例) 74.6%, PIPC投与群 (58例) 79.3%の有効率で, いずれも両薬剤投与群間に有意差を認めなかった.<BR>3. 症状改善度は, 肺炎・肺化膿症症例では赤沈値の14日後の改善度に関してPIPC投与群よりBRL投与群がすぐれ, 慢性気道感染症症例では胸部ラ音, 白血球数, CRPの3日後の改善度に関してBRL投与群よりPIPC投与群がすぐれ, それぞれ両薬剤投与群間に有意差が認められた.<BR>4. 細菌学的効果はBRL投与群68例, PIPC投与群57例について検討を実施し, 全体の除菌率はBRL投与群75.0%, PIPC投与群71.9%と両薬剤投与群間に有意差は認められないが, Klebsiella spp. 感染症においては, BRL投与群の除菌率87.5%, PIPC投与群の除菌率16.7%と両薬剤群間に有意差が認められた. また, 起炎菌のPIPCに対する感受性をMIC50μg/ml以上と50μg/ml未満に層別すると, MIC50μg/ml未満の感性菌感染例ではBRL投与群の除菌率69.6%に対してPIPC投与群の除菌率94.7%とPIPCがすぐれる傾向がみられ, 一方, MIC50μg/ml以上の耐性菌感染例ではPIPC投与群の除菌率12.5%に対して, BRL投与群の除菌率は66.7%と高く, 両薬剤間に有意差が認められた.<BR>5. 副作用解析対象293例中, 何らかの自他覚的副作用の出現例はBRL投与群5例, PIPC投与群11例で, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>6. 臨床検査値異常化解析対象286例中, 何らかの異常化が認められた症例は, BRL投与141例中45例 (31.9%), PIPC投与145例中28例 (19.3%) で, 両薬剤投与群間に有意差が認められた. 臨床検査項目別にみると, GPT上昇がBRL投与140例中26例 (18.6%), PIPC投与140例中14例 (10.0%), BUN上昇がBRL投与128例中0, PIPC投与127例中4例 (3.1%) と, それぞれ両薬剤投与群間での異常化率の差に有意傾向が認められた.<BR>7. 有効性と安全性を勘案して判定した有用性は, 全症例ではBRL投与群の有用率 (極めて有用+有用) 76.3%, PIPC投与群の有用率の74.8%, 肺炎・肺化膿症症例における有用率はBRL投与群81.0%, PIPC投与群75.3%, 慢性気道感染症症例における有用率はBRL投与群70.0%, PIPC投与群74.1%と, いずれも両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>以上の成績より, BRL1日3.2gの投与はPIPC1日4gの投与と略同等の呼吸器感染症に対する有効性と安全性を示し, とくにβ-lactamase産生菌感染症に対しても有効性を示すことが確認され, BRLが呼吸器感染症の治療上有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
伊藤 正一 柳井 佳穂里 サラ ラッセル ジム グリーンウッド 圦本 尚義
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

隕石母天体内での流体(H<sub>2</sub>O)のふるまいは,これまで全く不明瞭であった.これら流体のふるまいに制約を与えるため,近年,リン酸塩鉱物の岩石学的,同位体的研究が盛んに行われてきた(e.g., Jones et al., 2011; Yanai et al., 2012). 本講演では,系統的に,熱変成度の異なるLL4-6のリン酸塩鉱物に含まれる微量結晶水の定量及び水素同位体組成を報告する予定である.
著者
伊藤 正哉 小玉 正博
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.74-85, 2005-03
被引用文献数
1

本研究では, 自分自身に感じる本当らしさの感覚である本来感を実証的に取り上げ, 自尊感情と共に本来感がwell-beingに与える影響を検討した。自由記述調査から尺度項目が作成され, 大学生男女335名を対象とした因子分析により7項目からなる本来感尺度が構成され, その信頼性と一部の妥当性が確認された。そして, 重回帰モデルの共分散構造分析により, 本来感と自尊感情の両方が主観的幸福感と心理的well-beingというwell-beingの高次因子に対し, それぞれ同程度の促進的な影響を与えていることが示された。また, well-beingの下位因子に与える影響を検討したところ, 抑うつと人生における目的には本来感と自尊感情の両方が, 不安・人格的成長・積極的な他者関係に対しては本来感のみが, 人生に対する満足には自尊感情のみがそのwell-beingを促進させる方向で有意な影響を与えていた。さらに, 自律性に対しては本来感が正の影響を与え, 自尊感情は負の影響を与えていた。以上の結果から, 本来感と自尊感情のそれぞれが有する適応的性質が考察された。
著者
吉田 節朗 原田 忠 上坂 佳敬 浅沼 義博 鈴木 克彦 丹羽 誠 伊藤 正直 小山 研二 櫻田 徹 阿部 忠昭 宮形 滋
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.882-890, 1989

術後肝不全9例に対する血漿交換療法を検討した.血漿交換奏効例に共通する特徴としては,1) T. Bilが血漿交換開始時15mg/dl以下で7日目7mg/dl以下,2)アンモニアが血漿交換開始時200mg/dl以下で7日目正常域,3) BCAA/AAAの改善,4)プロトロンビン時間14秒以内,5)臓器不全は2臓器以下,6)昏睡度改善,7)血漿交換回数5回以内の7点が挙げられた. <BR>本法の施行にあたっては,T. Bil,昏睡度を指標とし,できるだけ早期に開始することが重要であるが,効果の判定については,T. Bil,アンモニア,BCAA/AAA, PT,不全臓器数,昏睡度,血漿交換施行回数,術前肝障害などの因子を総合的に判断する必要がある.著者は施行開始後7~10日目に上記パラメーターの改善が得られなければ血漿交換はいたずらに継続すべきではないと考える.
著者
伊藤 正子
出版者
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
雑誌
アジア・アフリカ地域研究 = Asian and African area studies (ISSN:13462466)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.258-286, 2018-03

北部山間部省の農村に住む「ガイ」と自称する人たちの身分証明書の民族名欄には, 「ホア(華人)」と記されている. 「ガイ」という民族が, 一民族として認められているにもかかわらず, である. ベトナムに移住してきて最低3世代以上がたっていたかれらの中には, ベトミンの独立運動に協力する者も珍しくなかったが, 1978-79年に中越関係が悪化した際, 中国に起源をもつ者としてベトナムの排斥政策の対象となり, 公職から追われ, 中国に帰国する者が数多く出た. その後も, さまざまな差別政策の犠牲となってきたが, 21世紀に入り, 中国広西でのさとうきび伐採のための労働力需要を満たすため, 78-79年に中国へ渡った人々との間の親族ネットワークを利用して, 密出国出稼ぎにいくルートをつくりだした. この出稼ぎネットワークは, 他の少数民族や多数派のキン(ベト)人をもまきこみ, ベトナム北部全域に及ぶようになっている. 本稿ではかれらの個人史を通じて, ベトナムの排斥政策が, 中国との関係が切れていたガイの人々に中国とのネットワークを新たにつくらせた皮肉な歴史を描く.In Vietnam, people must belong to one of the 54 ethnic groups recognized by the state. In the agricultural hilly area in the north, nearly 100, 000 people are self-proclaimed Ngai, who speak a kind of Hakka language. Though the state accommodated the new category'Ngai´ to pull them apart from China during the Chinese-Vietnamese War in 1979, the cadres in the rural area compelled the Ngai people to register themselves as Hoa, as they regard the people with Chinese-origin as Hoa. According to the Statistics Bureau of Vietnam, only around 1, 000 people are recognized as Ngai. In this study, I consider the difficulty faced by one ethnic group to live in country A, which conflicts with country B, to which they originally belong. To this end, I clarify the life histories of the self-proclaiming Ngai. They are publicly regarded as reactionary in nature, but many Ngai cooperated with the Viet Minh and did not leave Vietnam even in 1978-79. As discriminatory policies were implemented without public knowledge, the Ngai faced severe hardships in the 20th century. Recently, however, the young Ngai are pioneering their way to a better life by going to work in China, using the new network that was established during the war.
著者
湯浅 秀男 伊藤 正美
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.35, no.11, pp.1447-1453, 1999-11-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
11
被引用文献数
3 4

Some kinds of spatiotemporal pattern generator systems are expressed by evolution equations. Such evolution equations are composed of many dynamic units which behave from only its local information. This is one example to coordinate many subsystems which observe the system from inside and to generate a global order. This paper shows how to treat these evolution equations and how to apply it to network systems. First, a continuous media system which is expressed by a gradient system in function space is considered. One of the simplest potential functional derives a reaction diffusion equation which decreases the value of potential functional monotonously. The similar result is found in graph space. That is, a reaction diffusion equation on a graph decreases the value of a potential functional monotonously. This means that a network of dynamic units which observe only their connecting units' states can generate a global order in the same way of continuous media. This theory can treat some internal dynamic network system which should coordinate without some kinds of central controllers.
著者
伊藤正敏 SINGH Laxmi Narayan 山口 慶一郎 三宅 正泰 鄭 明茎 JEONG Myeong Gi
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.473-479, 2002
被引用文献数
1

ヨガにより、心と肉体の調和と癒合が果たされるとされるが、これがどのような状態なのか脳画像を介して理解することを試みた。8年以上のハタ・ヨガ経験者7人の協力を得て放射性ブドウ糖(FDG)を服用した後、1時間にわたって14の姿勢(Assannas)を順にとってもらった。ヨガ終了の後、PET装置により脳画像を採取し、形態的標準化処理を用いて脳活動の変化部位を検出した。結果は、運動野、運動連合野のふかつと前頭側頭葉、大脳辺縁系、中脳の活動の低下を観察した。前者は、ヨガ姿勢をとることに関係し、後者は、ヨガが辺縁脳と反射脳を沈静化することを意味している。MacLeanの階層脳仮説に従えば、瞑想は、辺縁脳を介して理性脳が反射脳を制御する過程と解釈できる。
著者
伊藤 正男 廣瀬 智士
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.93-97, 2009-06-05 (Released:2009-08-14)
参考文献数
16

去る2008年10月31日~11月3日に開かれた“第三回日本神経回路学会オータムスクール(ASCONE2008)”の4日目(11月3日)に伊藤正男先生(理化学研究所)の講義が行われた.本稿はこの講義の記録に執筆担当者が解説を加えたものである.
著者
伊藤 正裕
出版者
香川医科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

発育期にある各週令マウスの精巣マクロファージの分布をマウス抗マクロファージ抗体を用いて免疫組織学的に検索すると、新生マウスの精巣で既にマクロファージはその間質に認められるものの、その数は少なく直精細管周囲に集中する局在は認められなかった。このマクロファージの直精細管を取り巻く局在性は3週令マウス精巣より観察された。これは自己免疫源性抗原を持つ精子細胞の出現時期とほぼ一致していた。しかしここを中心に始まる自己免疫性精巣炎におけるリンパ球浸潤は6週令マウスからは認められたものの、それより若いマウスでは認めることはできなかった。抗精巣細胞抗体とその細胞に対する遅延型過敏反応は3週令から5週令までは成獣マウスのそれと比べて有意に低いことがわかった。これは精巣内マクロファージ集中の局在性が3週令から認められるものの、精巣を取り巻く免疫環境により、リンパ球が浸潤しにくいことを示唆している。成獣マウスの精巣炎における内分泌反応の変化は、血清テストステロンは明らかな減少を示さず中には正常よりも高値を示すものも認められた。血清LHも有意な変化を示さなかったが、血清FSHはどのマウスも高値を示した。これは精細管上皮は障害を受けるもののリンパ球浸潤の最も厳しい間質においLEYDIG細胞及びそのテストステロン分泌能は比較的保たれていることが考えられた。過去の研究でマクロファージとLEYDIG細胞のCELL-CELL INTERACTIONがテストステロンの分泌に重要であると報告が多い。実際に様々なサイトカインを分泌するリンパ球が浸潤し精巣マクロファージにも何らかの機能変化があったと推察され、これが一部のマウスにおいてLEYDIG細胞を刺激して高テストステロン状態を誘導したことも考えられる。
著者
平田 なつひ 伊藤 正江 坪内 美穂子 龍 祐吉 柵木 嘉和 三矢 誠 河合 清
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.147, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 愛知県の三河湾は、豊富な海産物が多くとれる。特に愛知県一色町は、えびせんべいの生産量が日本一といわれている。えびせんべいの歴史は古く明治中期頃から食べられるようになったといわれている。最初は、中国製のえびせんべいの原料として製造されていたのが始まりといわれており、天むすと呼ばれそれが元祖であるようだ。本研究では、地域の小学生を対象にして手焼きせんべい作りの体験学習を行った。体験を通して、地場産業であるえびせんべいの理解とその加工や流通等の食に関する理解を深めることを主な目的として行った。<BR><B>【方法】</B><BR> 愛知県一色町の小学生を対象に、平成元年から開始した。(平成14年~16年の3年間については、文部科学省の研究開発学校として生活総合学習の一貫として本企業は地域の支援として関わった。)体験学習として工場にて1.手焼き体験、2.栄養価を考えたオリジナルせんべい作り、3.地域の地場産業に関する話を行った。<BR><B>【結果考察】</B><BR> 1.手焼き体験では、手焼き調理の基本である決められた分量と手順があることを教えた。手焼きの技術である押しつける力についても体得させた。2.体得した技術や調理加工のコツをもとにオリジナルせんべいを作成した結果、しらすやねぎ入りせんべいなど栄養価を考慮したせんべいを焼こうとする動きが見られた。3.地域の地場産業に関する話を行った結果、働くことの意義ややりがいを理解することが出来た。このような地域の教材を通しての体験学習は、豊かな外部依存の日常生活を営む現代社会において、新鮮な目で地域の伝統文化や産業をみることが出来ると思われる。今後も地域の企業として食育に明確なテーマ性をもって関わっていきたい。