著者
伊藤 伍郎
出版者
一般社団法人 軽金属学会
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.1953, no.7, pp.55-58, 1953-05-31 (Released:2008-10-30)
参考文献数
12

The NaCl single electrode potential of aluminium refered to IN calomel cell in NaCl aquores solution as affected by its surface condition was studied by specially made vacume tube potentio meter (fig. 1). Potential of aluminium varies largely by its surface treatment. The potential of aluminium with its natural oxide film is nobler then the case when its film was removed by special treatment as electrolytic polishing in acetic unhydrat and perchloric acid bath. The specimen with no oxide film show special corrosion behavior in acid and alkali solution as shown in fig. 4. But its oxide film groth rapidly when the specimen was dried or immersed in mater which contains oxygen.
著者
成瀬 光栄 黒田 昌志 伊藤 剛 奥野 博 島津 章 田辺 晶代 難波 多挙 立木 美香 中尾 佳奈子 玉那覇 民子 革嶋 幸子 臼井 健 田上 哲也 広川 侑奨
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.94-100, 2012

原発性アルドステロン症(PA)は治療抵抗性高血圧や標的臓器障害の合併頻度が高い一方,適切な治療により治癒可能であることから,高血圧の日常診療で常に考慮すべき内分泌疾患である。2009年の米国内分泌学会に続き,わが国でも日本高血圧学会,日本内分泌学会から診療ガイドラインが発表された。スクリーニング(case detection),機能確認検査(confirmatory testing),病型・局在診断(subtype testing),治療選択が診療の基本ステップで,PA診断の啓発と医療の標準化の点で大きく貢献したといえる。しかしながら,同時に,診断に用いる指標,検査方法,判定基準などの詳細は十分には標準化されておらず,専門医,施設,国ごとで異なっているのが実情で,治療法選択の観点から,PAの診断,特に非典型例での診断の精度は今後,十分に検証される必要がある。また,実施が必要な機能確認検査の数や局在に必須とされる副腎静脈サンプリングは,common diseaseの診療水準向上における障壁となっており,今後,簡素化と非侵襲化が必須である。PA診療においては,ガイドラインの特色と課題を十分に認識し,個々の患者で適切な診断,治療を選択する必要がある。
著者
三木 千壽 町田 文孝 伊藤 博章
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.283-293, 2011
被引用文献数
3

こガセット継手に生じる疲労き裂の応急補修対策および疲労き裂の発生を抑制するための応力改善対策について,大型の梁試験体を用いて検討した.ストップホール,ストップホールの高力ボルトによる締め付けおよび添接板補修をそれぞれ対策方 法とし,疲労き裂が発生した箇所に用いて,その効果を確認した.また,ガセット継手の疲労き裂の発生の抑制を目的として,当て板補強による応力改善についても検討した.疲労き裂の補修対策としては,疲労き裂先端にストップホールを明け,その孔を用いて添接板補修を行う対策が最も効果があること,ガセット継手部の当て板による応力改善では,応力集中部に高力ボルトが配置されることにより,応力の低減効果が上がることが確認された.
著者
宇津 貴志 伊藤 弥生
出版者
九州産業大学 人間科学会
雑誌
人間科学 (ISSN:24344753)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.15-26, 2019 (Released:2019-03-29)
参考文献数
16

自閉症児の母親の長期的心理過程の探索的理解を試みた。先行研究を精査し,①子の発達や将来への不安,②情緒的混乱,③とらわれ,④否認/気にしない,⑤努力/あがき,⑥障害の認知/あきらめ,⑦手ごたえ,⑧安堵,⑨受容という心理変数を用意し,それぞれ三つずつを否定,中間,肯定的心理とした。仮説Ⅰ:①~⑨の流れで展開する。仮説Ⅱ-A:常に肯定・中間・否定の多層的心理が存在する。Ⅱ-B:徐々に肯定的心理が多い状態へ移行する。Ⅱ-C:肯定的感情が多い状態に移行後は発達の節目に否定的感情が強まる。自閉症児の母親8名に半構造化面接を実施した。その結果,仮説Ⅰ:概ね支持されたが,誕生直後から障害が強く疑われる場合には障害告知が『安堵』をもたらし『障害の認知』を速やかに生じさせたことが想定外であった。仮説Ⅱ-A,C:概ね支持されたが,自閉症児とその母親に適したサポートを必ずしも専門家が提供しなかったことがⅡ-Cの特筆点であった。仮説Ⅱ-B:安心できない状態は続き,肯定的心理が多い状態へ移行する時期は定め難かった。
著者
伊藤 拓 竹中 晃二 上里 一郎
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.162-171, 2005-06
被引用文献数
1

多くの抑うつの心理的要因が提唱される中, 抑うつの心理的要因の共通点や抑うつを引き起こす共通要素についての検討はほとんどなされていない。本研究では, この点に着目し, 従来の代表的な抑うつの心理的要因である完全主義, 執着性格, 非機能的態度とネガティブな反すうの関連を明らかにするとともに, 完全主義, 執着性格, 非機能的態度からうつ状態が引き起こされる上で, ネガティブな反すうが重要な共通要素として機能しているかを検討した。大学生(N=191)を対象とした8ヶ月間の予測的研究を行った。その結果, (1)完全主義, 執着性格, 非機能的態度という異なる抑うつの心理的要因は, 共通してネガティブな反すう傾向と正の相関があること, (2)これらの心理的要因が高くても, うつ状態が直接的に引き起こされるわけではなく, ネガティブな反すう傾向が高い場合にうつ状態が引き起こされることなどが示された。以上のことから, 完全主義, 執着性格, 非機能的態度という異なる抑うつの心理的要因からうつ状態が引き起こされるメカニズムには, ネガティブな反すう傾向が共通要素として介在していることが示唆された。
著者
原田 勇彦 加我 君孝 水野 正浩 奥野 妙子 飯沼 寿孝 堀口 利之 船井 洋光 井上 憲文 安倍 治彦 大西 信治郎 牛嶋 達次郎 宮川 晃一 伊藤 修 佐久間 信行 北原 伸郎 土田 みね子 飯塚 啓介 小林 武夫 杉本 正弘 佐藤 恒正 岩村 忍 矢野 純 山岨 達也 広田 佳治 仙波 哲雄 横小路 雅文 鈴木 光也
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.380-387, 1994-06-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15

鼓膜炎, 慢性化膿性中耳炎, 真珠腫性中耳炎の感染時, 中耳術後の再感染症例を対象として, オフロキサシン (OFLX) 耳用液の有用性と耳浴時間に関する臨床的研究を行った。研究参加施設を無作為に2群に分け, 1群では1回6-10滴, 1日2回, 7日間以上の点耳を行い, 毎回点耳後約10分間の耳浴を行うよう, II群では同様の点耳後に2-3分間の耳浴を行うよう患者に指示した。総投与症例は258例で, 全体では83.3%の改善率, 86.7%の菌消失率 (143例中) が得られた。副作用は1例もなく, 全体としては82.9%の有用率であった。統計学的検定により1群とII群の比較を行ったところ, すべての項目で両群間に有意の差はみられなかった。以上の結果から, OFLX耳用液は鼓膜, 中耳の炎症性疾患に対して極めて有用かつ安全なものであり, その点耳後の耳浴時間は2-3分でも十分な効果が得られるものと考えられる。
著者
伊藤 元己
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

花の形態形成遺伝子を解析した成果として、ABCモデルと呼ばれる花の形態形成モデルが提唱され、広く受け入れられている。その後の研究で、特殊な花の形態をしているイネ科の植物にもABCモデルが成り立つことが示され、今では、ほとんどの被子植物にほぼ当てはめることができると言われている。ドクダミの花は3本の雄しべと3枚の合成心皮からなり花被をもたない。しかし、総苞片と呼ばれる花序の基部に白く大きな花弁状の形態をもつ器官がある。これは、花序の最下部につく苞葉が変化したものといわれている。今回、特にこの総苞片の形態形成にABCモデルで示されるような花弁形成のメカニズムが関与しているのか、それとも独自の進化の過程で獲得した異なるメカニズムで形態形成がなされているのかを調べることに焦点を当てた。そこで、ドクダミより花器官の形態形成に関与すると思われるMADS-box遺伝子を単離し、遺伝子系統樹を構築し各遺伝子の相同性の検討を行なった。また、定量的RT-PCRやin site hybridizationにより各遺伝子の発現を調べた。その結果、ドクダミの総苞片でAP1グループ、PIグループ、AP3グループ、SEPグループに属する遺伝子の発現が確認された。これらの遺伝子発現の組み合わせは、シロイヌナズナにおいて花弁の器官決定を行なうのに必要十分なものであることが明らかになっている。ドクダミの花弁状の器官でこれと同様の発現様式を示したことは、形態学上、花弁とは異なる総苞片の形態形成において、花弁形成同様のメカニズムが働いている可能性を示唆するものである。
著者
伊藤 春樹
出版者
東北大学文学会
雑誌
文化 (ISSN:03854841)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.p169-188, 1984-02
著者
小林 政広 吉永 秀一郎 伊藤 優子 篠宮 佳樹 相澤 州平 岡本 透 釣田 竜也
出版者
森林総合研究所
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.333-373, 2018

茨城県城里町に位置する桂不動谷津流域における2001年から2014年の降水および渓流水の主要溶存成分濃度および流入量についてまとめ、各年の平均値の変化傾向を解析した。降水中の非海塩性硫酸イオンおよび無機態窒素イオンの流入量はともに変動しながら減少する傾向が認められた。渓流水中の硫酸イオン濃度は2011年までほぼ一定であったが2012年および2013年の間伐施業時に上昇した。硝酸イオンは間伐前減少傾向にあったが間伐以降上昇に転じた。間伐時の濃度上昇はカリウムイオンおよびカルシウムイオンでも認められた。ケイ素濃度は年平均値の変動が小さく、緩やかに上昇する傾向が認められた。
著者
村尾 愛美 伊藤 友彦
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.177-184, 2017

<p>日本語を母語とする特異的言語発達障害児(以下SLI児)が格助詞の使用に困難を示すことが明らかになっている.このことから,格助詞の誤用が日本語のSLI児の臨床的指標の一つとなる可能性が示唆される.しかし,格助詞の自然発話および実験課題における誤用率は明らかになっていない.本研究では,SLI児の自然発話における格助詞の誤用率と実験課題における格助詞の誤用率を明らかにすることを目的とした.対象児は小学2~5年生のSLI児9例であった.本研究の結果,SLI児の自然発話の誤用率は1.5%であった.これに対して,実験課題の誤用率は53.1%であり,自然発話よりも著しく高かった.この結果から,日本語を母語とするSLI児を同定するためには,自然発話のみならず,実験課題も必要であることが示唆された.</p>
著者
田中 一義 大澤 映二 千々和 一豊 吉田 孝紀 横尾 俊信 伊藤 彰浩
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は海外調査研究として、現地・ロシア連邦カレリア共和国のオネガ湖北西部付近の下部原生界Karelian Super Group中のシュンガイト鉱石産出地Shungaほかにおいて採取した鉱石試料の分析を行うものである。一般にこの鉱石群は黒色、細粒かつ緻密な岩石で、最大98wt%もの炭質物を含む。平成16年度は前年度に引き続いて、約20億年前(先カンブリア時代)に堆積した炭素富裕鉱物層中でフラーレン分子が存在していることを確認したType Iシュンガイト(75-98wt%C)に加えて、上記オネガ北岸地域および西北地域Shunga, Zazhogino, Maksovoで産出される、Ludicovian Groupでの低炭素含有鉱石(タイプII-V;10-75wt%C)の産状と周辺の岩石層の研究の纏めを行った。Karelian Super Groupは層序的下位より、Jatulian, Ludicovian, Kalevian, Vepsianの各グループに区分されている。Ludicovian Groupの玄武岩のSm-Nd年代は1.98Gaである。16年度に得られた結論として、低炭素含有シュンガイトは初生的に有機物に富む硅質な堆積岩を起原とすると考えられ、Type IIIシュンガイト(20-35wt%C)などの中程度の炭素含有量を示すものは、初生的に炭素質な堆積岩と火山岩類の反応によって富化された結果による可能性がある。Type I-II(35-98wt%C)シュンガイトは何らかの状況で濃集した炭質物が流体として再移動した結果の産物と考えることができる。しかしながら、堆積物中に本来存在した炭質物の起源や、火山岩類を伴わない大量のType III-IV (10-35wt%C)シュンガイトの起原は現時点では不明であり、なお調査を要すると考えている。さらに12月3日京都大学において、海外共同研究者のナタリアN.ロシュコワ博士を招いて西側諸国としては初のシュンガイトシンポジウムを開催し、化学的・鉱物的・地質学的な各視点からの活発な討論を行った。