著者
水谷 信泰 藤田 桂英 伊藤 孝行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

マルチエージェントシステムの分野において,各論点が相互依存関係にある複雑な交渉問題が注目されている.しかし,既存の手法では論点数やエージェント数の増加に対するスケーラビリティが不十分であった.本論文では,論点の依存関係に基づくグループ分けを行い、グループごとに遺伝的アルゴリズムを用いて合意形成を行う手法を提案する.さらに,シミュレーション実験により提案手法が,既存手法より優れていることを示す.
著者
尾崎 まみこ 高野 敏行 伊藤 雅信 伊藤 雅信
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

食環境への適応と、摂食調節は、生物の生命維持に必要不可欠である。私達は、キイロショウジョウバエを用いたショ糖に対する吻伸展反射実験から、24時間絶食により対照区のMe16G59系統(Me16)に比べ100倍もの吻伸展反射感度の上昇を、さらに実際の摂食量測定からも顕著な食欲亢進を示すTaiwanG23系統(TW1)を見出した。味覚器の糖受容細胞の電気生理学的実験から、このTW1系統においては、飢餓が進むにつれ糖受容細胞のショ糖感度が約10倍上昇することを証明した。
著者
伊藤 由樹子
出版者
二松學舎大学
雑誌
二松學舍大學論集 (ISSN:02867206)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.A109-A123, 2008

日々新しい言葉は生まれる。その多くには外来語、特に英語が用いられている。現代の日本人がどのようにして新しい言葉を生み出すのか、そしてその新語の中に英語はどれぐらい含まれているのか。この論文では、著者が実地した新語作りの研究結果を初めに紹介する。次に英語が多く用いられるようになった背景と、現代の日本人が外来語を用いることに対してどのような意識を持っているのかを紹介する。まず新語を生み出す研究には、32人の日本語第一言語話者に二つの商品を見せ、それぞれに名称を与えてもらうという実験を実地した。その結果、生み出された名前は複合語(Compounding)、借用語(Borrowing)、俗化語(Commonization)、擬音語(Echoic-Family Formation)、挿入辞語(Affixing)、混合語(Blending)、ルート創造語(Root Creating)の7つに分類された。商品1、2供に一番多かったのは複合語で、二番目は借用語であった。商品1では41%、商品2では34%の人が英語を用いた借用語を名称にした。借用語の用い方も多様で、その例として日本語の動詞に英語の接尾辞をあわせたものや(ツッツキーナ=「つっつく」+"-ena")、英語と日本語の混合語(うなづきバード=「うなづき」+"bird")などがあった。日本は長い歴史の中で他国の言葉を借用してきている。4世紀頃より中国から漢字を借用し、6世紀にはそれを原型として平仮名、片仮名という日本独自のアルファベットを生み出した。明治時代に入り、政治、経済、文学、芸術など西洋文化の影響を受けることになり、多くの英語が日本に紹介され始めた。中国から入った漢字同様、英語も日本独自の音に変わり、意味も変わり、和製英語として定着するようになる。この和製英語にたいして、現代の日本人はどのような印象を持っているのだろうか。国立国語研究所が2005年に実地した外来語の意識調査によると17.3%の人のみが外来語を使用することに抵抗あると回答した。つまり、日本語第一言語話者の多くが抵抗なく外来語を使用しているようだ。新語を生み出す研究結果でも分かるように、現代の日本人は外来語を用いることによって更に言葉の幅を広げ、豊かにし、活性化し、発展させていこうとしているのである。
著者
伊藤 直紀 野澤 智 和南城 伸也
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は,相対論的Sunyaev-Zeldovich効果に関して,十分な成果を上げることができた。相対論的Sunyaev-Zeldovich効果は,銀河団内部の高温電子の熱運動による熱的効果と,銀河団全体が宇宙背景放射に対して運動することによる,運動学的効果の二つの効果がある。本研究において,われわれは,この両方の効果に関して,非常に精度の高い結果を導出することに成功した。われわれの理論的研究の成果は,すでに,世界各国で始まっているSunyaev-Zeldovich効果の精密観測の結果の解析に取り入れられている。本研究の過程で,研究代表者は,各国のこの分野の研究者を訪問し,非常に有意義な討論を行うことができた。2004年には,5ケ月にわたって,Cambridge大学Cavendish研究所に滞在し,同研究所の多くの研究者たちとSunyaev-Zeldovich効果に関して詳細な討論を行うことができた。その後,同研究所の定期的な訪問者として,2005年,2006年,2007年の夏に同研究所を訪問して,討論を継続している。また2005年9月と2007年4月に,ドイツ国GarchingのMax-Planck-Institut fuer Astrophysikを訪問し,所長のSunyaev教授と,懇談する機会をもつことができた。Sunyaev教授は,言うまでもなく,Sunyaev-Zeldovich効果の研究の創始者であり,同教授と2回にわたって懇談できたことの意義は,計り知れないほど大きい。これ以外にも,本科研費により,Princeton大学,Roma大学,CERN研究所を始めとする,多くの研究機関を訪問し,招待講演を行った。このことにより,本研究は国際的に非常に高い評価を受けるにいたった。
著者
小山 智幸 小山田 英弘 陶山 裕樹 孫 玉平 伊藤 是清 船本 憲治 田中 利光
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

フライアッシュ、砕石粉、各種非反応性スラグ、焼却灰など、発生量が増大している種々の副産粉体を、コンクリートの性能を向上させながら大量に有効利用する方法を確立することを目的とし、既に得られた実験室レベルの成果をもとに、構造部材レベルにおける構造性能と設計方法ならびに耐久性能を総合的に検証した。結果、本コンクリートは構造体コンクリートとして使用できること,及びその調合設計,構造設計ならびに耐久設計の方法を明らかにした。
著者
篠藤 明徳 日詰 一幸 伊藤 雅春 佐藤 徹 前田 洋枝
出版者
別府大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

市民討議会の全国事例(2006年から2010年)調査を通し、身近なテーマ、青年会議所と行政の共催、プログラムの類型等が明らかになり、高崎市、豊山町の事例調査では、参加動機等を分析できた。ドイツでの変形型プラーヌンクスツェレの状況やアメリカでのアメリカスピークス、ケッタリング財団など全国組織の支援体制を調査できた。その結果、参加者の多様性の担保や情報提供の公正等、市民討議会の質保証の基準を明確化すると共に、データバンクの構築・公開、表彰・認証制度の創設などを提案できた。
著者
伊藤 秀三郎 高部 哲
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, 1978-12-01

体重約30gのD.D系雄マウス18匹を,10日間のトレッドミル上での走行持続時間の変動により次の如く3群に分けた。A.走行持続時間が全期間を通して増加する傾向ある群,B.これとは反対に減少の傾向にある群,C.日々の変動が激しく上述の二つの群は該当しないと思われる群 持久力短期トレーニングには動物用トレッドミルを,回避学習こはMourer-Miller型のShuttle-boxを用いた。かくて,学習の成立にようした平均日数においてほ,A群が5日と他のグループより早く,順次B群(6.2日),C群(6.8日)と遅くなる傾向をしめしている。消去の成立においては,B群が4.3日と他のグループより早く順次C群(6.0日),A群(6.8日)と遅くなる傾向をしめし,持久力が上昇の傾向にあることは学科の成果においてもすぐれていると思われた。
著者
尾形 雅君 伊藤 恒敏 松谷 隆治
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

抗CD3抗体を生体マウス腹腔に投与するin vivo実験系を用いて、小腸絨毛上皮細胞にDNA断片化が誘導され、さらにその後核内の損傷部位にDNA修復関連分子が集積・動員されること我々は免疫組織化学的に観察した。DNA断片化を検出するTUNEL 法では、一旦断片化したDNAが抗体投与後60分以内に迅速に修復されることを確認した。DNA断片化それ自体だけでは細胞死を意味せず、DNA 断片化後にも絨毛上皮細胞は生きてDNAを修復することが判明した。DNA断片化はそれのみでは細胞死の徴候ではないことが明らかとなった。
著者
田中 崇之 菅本 裕介 宮崎 郁美 伊藤 裕太 浜口 昌巳 野田 泰一 小林 達明
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 = / the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.193-198, 2004-08-31
被引用文献数
1 1

東京湾の人工渚におけるアサリの個体群動態と生残規定要因について2002年から2003年にかけ調査した。春に産卵された浮遊幼生は秋には生殖が可能になり,翌年の春には産卵を行っていると見られた。葛西海浜公園では2002年, 2003年ともに着底後のアサリの個体数減少が見られ,大雨時の河川水の流入に伴う塩分濃度の低下が主な生残規定要因として考えられた。また,幕張の浜では浮遊幼生は供給されているにもかかわらず,稚貝が見られなかったことから,波浪の影響, 青潮の影響が考えられた。これに対し,金沢海の公園,小櫃川河口干潟はアサリの個体数は安定していた。これらのことから,東京湾におけるアサリの生息条件は多様であり,生息地を再生するためには,その場に応じた対処が必要と考えられた。
著者
小澤 真佐也 エリック チェン 伊藤 光恭 羽鳥 光俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.397, pp.115-121, 2007-12-12

近年利用者が増加してきているVoIPネットワークに対する脅威として,いろいろな攻撃手法が存在する.その中にSIPプロトコルスタックが実装されたネットワーク機器を標的としたFuzzing攻撃という手法がある.Fuzzing攻撃とは,標的の例外処理の脆弱性を狙い,標準仕様で定義されていない値などが含まれたSIPメッセージを送信することによって標的をクラッシュさせる攻撃である.本論文では,様々なFuzzing攻撃の手法を網羅的に想定し,その想定した手法に基づいた検知ルールを策定する.また,様々なFuzzing攻撃に対しこれらのルールでの検知率を調べ,その有効性を確認した.
著者
荒川 良 福田 達哉 伊藤 桂
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

1995年頃に日本に侵入したオオミノガに特異的に寄生するオオミノガヤドリバエは日本各地でオオミノガをほとんど確認できないほどに個体群を絶滅状態に追い込んだ。高知県においてもオオミノガはかつてほど見られなくなったが,絶滅にまでは至らないまま今日に至っている。オオミノガヤドリバエの侵入から15 年経過した段階で,高知県におけるオオミノガの生息状況を10年前の研究と比較し,オオミノガが絶滅しない要因を検討した。
著者
伊藤 武廣 宮崎 樹夫
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の成果は,直観幾何の学習と論証幾何の学習の間にある不整合の特定と,直観幾何の学習と論証幾何の学習を接続するためのカリキュラムの開発である。前者については,命題の全称性の認識における不整合と,中学校数学の論証幾何カリキュラムにおける「証明」の定義における不整合を特定した。後者については,内容知での接続のために,中学第1学年図形領域「空間図形」カリキュラムを開発するとともに,方法知「証明・説明」での接続のために,証明の学習の諸相を整理するための枠組みを開発した。
著者
岡田 守人 伊藤 彰彦
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

がん浸潤部において高発現が確認されたNotch2とSix1について機能解析を行い、Notch2-Six1転写カスケードとして2分子が協調的に一連の遺伝子群の発現を活性化し、肺上皮細胞においてepithelial-mesenchymal transition, EMTや核の腫大を促進させることにより肺腺癌の悪性化が進展する可能性を明らかにした。新たにGGO/ Solid混在の肺腺癌症例において2分子の免疫組織染色による発現パターンと臨床データとの関連性の検討を行い、2分子が浸潤部で高発現を認める肺腺癌症例は浸潤部で高発現を認めない症例よりも悪性度が高い可能性が示唆された
著者
伊藤 啓史
出版者
鳥取大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究の主な目的は、家禽で増殖できない野生水禽由来のインフルエンザウイルスがどのような仕組みで家禽体内での増殖能を獲得するかを分子レベルで明らかにすることである。H16年度に実施した研究では以下の成績を得た。(1)野生の水禽から分離された弱毒トリインフルエンザウイルスA/whistling swan/Shimane/499/83株(以下499株)の鶏増殖能獲得変異株24a株のリバースジェネティクス系を確立し、人工24a株(以下RG24a株)を作出した。(2)鶏での増殖が不可能な499株と可能な24a株のリアソータントウイルス(合の子ウイルス)をリバースジェネティクスにより作出した。(3)(1)、(2)で作出したウイルスを用いて鶏雛での感染実験を行い、各ウイルスの増殖能を調べたところ、HA遺伝子は24a株に由来し、その他の遺伝子は499株に由来するRG24aHA株は鶏雛で増殖可能で、その逆のHA遺伝子は499株に由来し、その他の遺伝子は24a株に由来するRG499HA株は鶏雛で増殖不可能であった。したがって、HA遺伝子が水禽インフルエンザウイルスの家禽での増殖能に関わっていることが明らかとなった。さらに、RG24aHA株のNA遺伝子を499株から24a株に交換したRG24aHANA株の鶏増殖能はRG24aHA株に比べ増強されたことから、水禽インフルエンザウイルスの家禽での効率良い増殖には適切なHA遺伝子とNA遺伝子の組み合わせが必要なことが明らかとなった。(4)499株と24a株のHA遺伝子およびNA遺伝子翻訳産物であるHA蛋白とNA蛋白の機能を比較したところ、24a株の赤血球吸着活性(HA蛋白)およびノイラミニダーゼ活性(NA蛋白)は各々499株の約45%に低下していた。以上の結果から、野生水禽由来のインフルエンザウイルスが家禽で増殖できるようになるにはHAおよびNA遺伝子に変異が生じ、その翻訳産物であるHA蛋白およびNA蛋白の機能が変化することが重要であると考えられた。
著者
北岡 茂男 伊藤 憲作
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.208-209, 1964
被引用文献数
3

To know the comparative attractiveness of black light and white or blue ones to biting midges and mosquitoes, a light trapping was carried out during July to September, 1963, at a poultry house in the Shizuoka Prefectural Chicken Breeding Station. Black light always attracted more numbers of biting midges and mosquitoes, especially Culicoides arakawae, Culex tritaeniorhynchus, and Anopheles hyrcanus comparing with white or blue light, but the ratios of the attractiveness considerably varied with species and sex of the insects or days collected.