著者
佐藤 和枝 相原 憲一
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
国際プロジェクト・プログラムマネジメント学会誌
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.117-127, 2010-09-28

地域活性化は不確実性を伴うオープンイノベーションの土俵で如何に地域価値を活かすのかという議論が中心である。地域自身の扱いが、行政区画でなく、本来の文化・生活・産業的な範疇とすることが今日では自然の認識であり、そこに存在する産業構造と地域価値創出の人間力が注目される。そこでは、地域活性化に関してP2M V2コンセプトは大いに参考になる。地域価値を創出するにはプロデューサ(いわゆるプロジェクトのオーナー)とコーディネータ(いわゆるプロジェクトマネージャ)の存在は当然として、実は多様化、オープン化時代には、ある接の業務遂行能力を備えたブリッジパーソン(いわゆるプログラムマネージャ)の存在が不可欠になることを本論文は提唱する。
著者
佐藤 和
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.1-21, 1993-10-25

本論文では組織文化を「あるグループのメンバーに共有された基本的価値観と,そこから生じる行動パターンのことである」と定義し,企業におけるその外部適応機能,内部統合機能の検討を通じて,組織文化がその組織の広義の情報処理特性を特徴付けていることを示した。そして情報システムを企業におけるコミュニケーション・メディアの一つであるとし,組織文化に応じて異なった特性や異なった発展度を持つ情報システムが必要とされると考えた。そこで組織文化の直接的,間接的な分類項目によって企業の分類を行ない,これと組織の情報処理特性や情報システムの発展度との関係について実証分析を行なった。3つの組織文化の分類軸が抽出され,これを用いて企業を6つのグループに分類した。また情報システムを含む広義の情報処理特性の発展度を表す5つの評価軸を抽出し,組織文化による企業分類との関係を分析した。こうした結果から,組織文化は組織の広義の情報処理特性と強い関連を持つと同時に情報システムの発展度に影響を与えていることがわかった。有効な情報システムの構築を通じて企業全体の総合的な情報処理特性を向上させてゆく為には,組織の個性としての組織文化に応じた対応策が必要なのである。
著者
安仁屋 政武 青木 賢人 榎本 浩之 安間 了 佐藤 和秀 中野 孝教 澤柿 教伸
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

エクスプロラドーレス氷河の前面にある大きなモレインの形成年代を推定すべく周辺で合計15点の^<14>Cによる年代測定試料を採取した。大きなモレインの6つの試料の年代は9250BPから820BPである。このデータからは形成年代に関して確定的なことは言えないが、モレインの堆積構造、試料の産出状況、植生、年輪などから14-17世紀頃の小氷期に形成されたと解釈した。氷河観測では、D-GPS静的測位を用いた氷河流動測定、 D-GPS動的測位を用いた氷河表面形態の測量、5MHzアイスレイダーによる氷厚測定を行った。流動は各期に氷河上の巨礫を反復測定し、末端部付近では50m、アイスフォール下部では140m程度の水平流動を得た。また、末端部付近では著しい上方向の流動があることが観測された。レイダーによる氷河末端付近の氷厚は260〜300mと推定された。氷河流域の年間水収支を算出し、それにより氷河の質量収支を推定した。2004年12月から末端付近に自動気象・水文観測ステーションを設置し、観測を継続している。また、夏季(2004年12月)、冬季(2005年8月)の双方で、氷河上の気象要素分布・表面熱収支・融解量分布などの観測を実施して、氷河融解の特性を明らかにした。2004年12月から2005年12月までの1年間における末端付近の平均気温は7.4℃、降水量は約3300mm、さらに氷河流出河川の比流出量は約6600mmであった。ペリート・モレーノ氷河において、中流部の表面高度測量および歪速度観測、カービングフロント付近の氷河流動の短期変動観測および写真測量、融解観測、氷河湖水位観測、中流部におけるGPS記録計による年間流動の観測、氷河脇山腹における長期写真記録および温度計測を行なった。近年上昇していた中流部の表面高度が2004年〜2005年で減少していた。この地域に2004-2005年の期間にストレイングリッドを設置してひずみや上昇速度を観測したが、大きな下降速度が計算された。また移動速度は0.8〜1.2m/dayの値が観測された。氷河末端部の測量からは、1.5m/dayを超える速度が多くの地点で観測された。
著者
佐藤 和秀 亀田 貴雄 石井 吉之 的場 澄人 高橋 一義 石坂 雅昭 竹内 由香 横山 宏太郎 小南 靖弘 川田 邦夫 渡辺 幸 飯田 俊彰 五十嵐 誠 竹内 望
出版者
長岡工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

北海道から本州の山形県,新潟県,富山県にいたる冬期の降積雪試料を採取し,主に酸性雪に関する化学特性の解析を行い,その実態の調査研究を実施した。報告例が少ない降積雪の過酸化水素濃度に関する多くの知見が得られた。より明確な因果関係の把握にはさらなる観測調査が必要であるが,大気汚染物質あるいは積雪の主要イオン濃度,過酸化水素濃度,pH,黄砂,雪氷藻類などの間にはいくつかの相関関係が見られ,融雪水のイオンの選択的溶出も観測された。
著者
安田 加代子 古賀 明美 佐藤 和子 檜垣 靖樹 山地 洋子 黒木 智子 川上 千普美
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

虚血性心疾患患者の自己管理行動の継続支援として、携帯型の測定機器(ライフコーダEX)を用いた身体活動に伴う心負荷の程度等を調査した。対象者の多くが軽度の運動(Mets≦3)であり、1日あたりの歩数の平均は6764.5±3521.0歩、運動量の平均は161.5±100.9kcalであった。息苦しさや動悸などの自覚症状のあった人ほど軽い運動であることが多く、基礎疾患に虚血性心疾患がない人よりも、虚血性心疾患を有する患者のほうが1日あたりの歩数が多かった(P<0.05)。自覚症状の出現頻度とQOLには有意な関連性を認めなかった。
著者
佐藤 和信
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

分子スピン量子コンピュータの実現を目指し、分子内の電子スピンを利用する量子情報制御をパルス電子-核多重共鳴技術を用いて行った。分子スピン系における量子絡み合い状態の実験的な検出と状態変換を行い、電子スピン(半整数スピン)が持つ固有の量子機能としてのスピノール性を顕な形で初めて実験的に成功した。これにより、電子-核スピン混在スピン系において、量子高密度符号化などの初等量子アルゴリズムを実行することが可能であることを実験的に検証することができた。
著者
佐藤 和哉 平井 重行 丸山 一貴 寺田 実
雑誌
研究報告 音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MUS-89, no.14, pp.1-6, 2011-02-04

プログラム動作を理解させるための,実行時における関数呼び出しの構造を音楽的な表現手法を導入して可聴化するシステムを提案する.ここでは,音楽のリズム表現を導入することで,可聴化した結果がエンタテインメントとして楽しみながら,かつプログラム動作の理解を支援できるようにすることを目指している.今回は,関数呼び出し構造に対し,異なる観点でリズムパターンの適用ができるようにし,その効果や利点を確認できるようにした.
著者
佐藤 和哉 平井 重行 丸山 一貴 寺田 実
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 音楽情報科学(MUS) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.14, pp.1-6, 2011-02-04
被引用文献数
1

プログラム動作を理解させるための,実行時における関数呼び出しの構造を音楽的な表現手法を導入して可聴化するシステムを提案する.ここでは,音楽のリズム表現を導入することで,可聴化した結果がエンタテインメントとして楽しみながら,かつプログラム動作の理解を支援できるようにすることを目指している.今回は,関数呼び出し構造に対し,異なる観点でリズムパターンの適用ができるようにし,その効果や利点を確認できるようにした.We propose a program sonification system focused on the nesting structure of function calls at the runtime. In this paper, we apply several sonification methods to various programs, and compare their results. We use musical expression, especially rhythm patterns for the sonification. This enables the user to enjoy listening to the sound as an entertainment in addition to understanding the processing flow of the program.
著者
佐藤 和人 宮坂 信之 谷口 敦夫 西岡 久寿樹
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.659-659, 1988-07-25

第6回学内病理談話会 昭和63年4月16日 東京女子医科大学中央校舎1階会議室
著者
佐藤 和秀 孔 幼眉 王 喜栄 ぱん 国良 趙 玉友 李 山 荒木 信夫 佐藤 國雄 山口 肇 KONG Youmei WANG Xirong PANG Guoliang ZHAO Yuyou JI Shan 季 山 〓 国良 北村 直樹
出版者
長岡工業高等専門学校
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

中国大陸東北部は水循環、大気循環の立場からも日本への大きな影響を有している。中国内においては経済発展に伴う種々の雪氷災害が問題となっている。このような状況の下に日本と中国の共同研究を企画し、中国東北部の雪氷災害に関しての本研究を実施した。本研究による成果の概要は以下の通りである。1.黒龍江省の地勢と気候特性黒龍江省の西北部と北部および東南部に山地があり、広大な松嫩平原と三江平原を有している。黒龍江省は季節凍土と多年凍土が存在し、冬は長くて寒く夏は短い。1月の平均気温は省内の北西から南東にかけて-30℃から-18℃で、7月の平均気温は+18℃から+22℃である。降水時期は夏期に集中し、冬期の降水量は少ない。三江平原北西部の宝泉嶺国営農場に無人気象観測装置を設置し、気温、地温、日射量、風向、風速等の測定を行った。1992年冬期の気温はかなり規則正しい日変化を示し、最低気温-36℃を記録した。そのスペクトル解析は1日と1〜2週間の卓越周期を示した。1〜2週間の卓越周期は日本でもみられた、シベリア高気圧の勢力に影響した季節風の変動に対応するものと考えられる。総距離2000km以上のルートで測定した積雪深分布の単純平均値は約17cmであった(1994年2月の例)。雪質は新雪、クラストで汚れた堅いしもざらめ層、発達した骸晶上のしもざらめ層に区分できた。調査ルート上の積雪は概ね似た構造であったことから黒龍江省の降雪時期と冬期の気象-積雪環境を推定できた。日本と比べ、著しい寡雪で寒冷気候が特徴である。2.雪氷、低温災害特性(1)涎流氷:山地部で湧水が冬期の寒期によって凍結し、氷丘となって発達する。この現象を中国では涎流氷と呼んでいる。これが道路上まで発達して各地で交通障害をもたらしている。本研究でも黒龍江に近い山地部に観測され、幾つかの涎流氷について調査を行った。崖際に発達するもの、平坦地であるが泉や河川などに関連して発達するものなど、場所と発達条件によって幾つかの種類に分類できた。防止対策については、大がかりな対策工法でほとんど解決できると思われるが、中国における雇用等の問題を考えると同時に安価な対策方法をとる必要性を提案した。また防壁などの素材として日本のトンネルなどに使用されている新素材の利用も提案した。(2)地ふぶきと吹きだまり:日本に比べ積雪量は非常に少なく、地ふぶきによる吹きだまりから生じる道路交通障害、及び吹きだまりによる春の畑の耕作の遅れなどが問題となっている。道路地形や並木と吹きだまりの形態の関係を調査した。並木と道路間の距離、道路の高さ、風向を考えた並木の位置などを考慮すれば、かなりの対策となる。また農場地における防風林と風速分布および吹きだまりの関係を測定調査した。本研究の期間では短かすぎ、防風林の構造と適正配置の結論を出せなかった。今後、観測例をふやし継続する必要がある。(3)道路および構造物の凍結特性:哈尓濱から中国国境に至る数カ所で道路および構造物の凍結調査を実施し、橋脚の凍上や建築物のクラック、ダム取水塔コンクリートの劣化が観測された。しかし寒冷地における凍害対策はかなり進んでおり、財政的問題を除けば、基礎の設計や地盤改良技術、コンクリートの配合設計などの技術的問題はかなりクリアされている。(4)酸性雪(雨):黒龍江省の各地で採取した降積雪の化学分析を行った。1994年の例では総サンプル数44のpH単純平均値は61、同時期の長岡のそれは4.7であった。またCa^<2+>とMg^<2+>の含有率が非常に高かった。この地域のアルカリ性の土壌が強風で舞い上がり降積雪中に取り込まれたこと、冬期暖房の主役の石炭の燃焼による灰などの比重の重い煤煙が発生源近くに落下し、アルカリ性を強めたことが推定された。同時に石炭の燃焼によって発生する揮発性の硫黄酸化物などの微粒子は大気中に拡散し長距離輸送され日本にも飛来するものと推定される。今後も国境を越えた共同研究が必要である。その他、凍土地帯のメタン濃度、融雪水の地中浸透と水質変動などに関して多くの知見が得られた。3年間の最後の年である本年度は、共同観測研究結果について日本でシンポジウムを開催し、成果報告書を刊行した。
著者
佐藤 和夫 井谷 惠子 橋本 紀子 木村 涼子 小山 静子 片岡 洋子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究では、日本が男女共同参画社会をめざすためには、男女共学、共修がどのように実施されるべきかについて、高校を対象に分析検討を行った。男女共学、共修は男女平等教育にとって必要な基礎的条件ではあるが、隠れたカリキュラムにおけるジェンダーに無自覚なまま共学、共修を実施しても、共学、共修がただちに男女平等教育には結びつかない。そのため、男女共学や共修の現状を明らかにしながら、男女平等をつくるための共学、共修とはどうあるべきなのかについて、以下の3つの調査領域における研究において析出した。1,福島県の男女共学化および共修の現状調査福島県は、男女共同参画社会の実現のための施策の一環として、長らく残っていた別学高校をすべて共学化した。その共学化実現過程や高校の現状について、聞き取りと観察および質問紙調査を組み合わせて分析、考察した。2,関西(大阪)の私立高校の共学化戦略と共学、別学の現状調査福島県とは対照的に公立高校はすべて共学だった大阪府では、私立高校が別学校を提供してきた。近年、共学化が進んでいる大阪の私立学校での別学、共学の経営戦略および生徒への質問紙調査によって、共学、別学の比較検討を行った。3,高校での体育共習の指導場面の観察調査男女共修の高校の体育の授業場面において、教師の声かけが生徒が男子か女子かで異なること、そこに教師のジェンダー観があらわれ、ジェンダーの利用と再生産が行われていることなどについて、授業観察の分析を行った。
著者
佐藤 和彦
出版者
東京学芸大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

1987年度から、1989年度にかけて、日本中世の民衆運動に関する史料の蒐集と研究をおこなった。日本中世の民衆生活・思想などに関する研究は、西岡虎之助、林屋長三郎氏らの段階を経て、近年、横井清・三浦圭一、網野善彦らの仕事によって多くの成果を生みだしている。本研究は、これらの成果に学びつつ、日本中世における民衆の生活、生産、思想、芸能、宗教、闘争などを民衆運動として総合的に把握し、その特質を解明しようとした。作業の第一歩は、民衆運動に関する史料を調査し、それを蒐集することからはじめられた。東京大学史料編纂所、京都府立総合資料館などにおいて史料を調査した。ついで、民衆運動の展開した地域におもむき、文献史料の残存状況、伝承などの残存状況を調査した。1987年度は若狭国太良荘(現福井県小浜市)、備中岡上原郷(現岡山県総社市)などの調査をおこない、1988年度は、若狭国太良荘、1989年度には、京都府、および、近紀岡葛川(現滋賀県大津市)などの調査をおこなった。その結果、太良荘地域において3点の新史料を発見した。なお、各年度ともに、中世民衆運動についての関連文献リストを作成し、1989年度において研究報告書を作成した。なお、今後、このような研究を深めるためには、つぎのようなアプロ-チが必要となろう。すなわち、中世民衆の武装の問題、対領主意識の変化、闘争参加のさいの「いでたち」(服装)、当該段階の権力の本質などを追究することである。さらに、アジア諸国やヨ-ロッパ諸国の封建社会における階級闘争と対比させつつ、日本中世の農民闘争のもつ階級闘争としての成果と現限とを明らかにすることが必要である。このことは、日本中世の民衆運動の本質を解明するための基礎作業となるであろう。
著者
佐藤 和夫
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.226-237, 2007-12-17
被引用文献数
1

生命保険の告知書では生理不順,無月経,不妊症に関するものがしばしばみられる。これらの中にはプロラクチン(PRL)産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)が隠れている。プロラクチノーマは下垂体ホルモン産生腫瘍のなかでは最も多く,PRL分泌過剰症(高PRL血症)の主な原因の一つでもある。下垂体腫瘍の中で,プロラクチノーマだけが薬物療法(ドパミン作動薬)が有効かつ治療の第一とされることが注目に値する。一方,経蝶形骨洞手術は,通常,薬物を受け付けない,あるいは薬物効果が不十分な患者の場合に実施される。本稿では平成17年改訂プロラクチン分泌過剰症の治療の手引きをはじめ,その関連文献を参考にし,告知書にみるプロラクチノーマの危険選択について検討を加えた。プロラクチノーマの危険選択では,腺腫の大きさ-すなわち,ミクロ腺腫かマクロ腺腫か-を確認することがきわめて重要であり,手術死亡リスクや下垂体卒中などの生命リスク関連事項に十分注意する必要がある。
著者
佐藤 和代
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.11-16, 2010-01-01

企業におけるライブラリーサービスは,電子ジャーナルに代表されるインターネットを通じた情報流通の拡大に伴い変化し,従来の資料の保管・管理から情報の流通をマネジメントする機能へと変化している。このライブラリー部門にもとめられる機能の変化について,アサヒビール(株)研究開発センターにおける運営の事例とともに,2008年に実施したライブラリー設計のコンセプトを紹介する。新ライブラリーは建物の吹き抜け部分への移動であったため,書架の配置などデザイン的に制約が多かったが,「オープンな図書室」をコンセプトに,調査研究とコミュニケーションを両立できるスペースを提案した。また,これからのライブラリー機能に必要とされる機能について,現在進行形の取り組みについても述べる。