著者
只野 真 佐藤 政裕 日下 和夫 佐藤 正喜 熊川 彰長 長谷川 恵一 高橋 秀明 今野 彰 青木 宏 名村 栄次郎 Tadano Makoto Sato Masahiro Kusaka Kazuo Sato Masaki Kumakawa Akinaga Hasegawa Keiichi Takahashi Hideaki Konno Akira Aoki Hiroshi Namura Eijiro
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:13474588)
巻号頁・発行日
vol.1464, 2003-06

近い将来の再使用型ロケットエンジンの性能向上の一案として、伸展ノズルやデュアルベルノズルが有望であると考えられている。そこで、これらのノズルの基本特性を把握するために、4種のノズル(標準ベルノズル、伸展途中の過渡状態を模擬したステップノズル、デュアルベルノズルおよび可動伸展ノズル)を用いて、高空燃焼試験を実施した。試験で計測したノズル性能、圧力分布および熱伝達率などのデータをCFD解析の結果と比較検討した。その結果、デュアルベルノズルの性能は標準ノズルやステップノズルよりも低く、現状のノズルコンターはさらに改善の余地があることが判明した。また、可動伸展ノズルの伸展時には、固定ノズルと伸展ノズル隙間からの燃焼ガスバックフローは認められず、ノズル壁面の熱伝達率は過渡的に約20%増加することが判明した。これらの現象はCFD解析結果とも一致し、CFD解析によってノズルのステップ流れやバックフローが予測できる目処を得た。
著者
岸本 華果 佐藤 赳 鈴木 宣弘
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.201-207, 2021 (Released:2021-03-25)
参考文献数
18

This research examines how providing Japanese consumers with fair trade information affects their willingness to pay (WTP) for fair trade bananas. We estimated the WTP before and after providing information with 86 young consumers in their 20s through an online survey by a conjoint analysis. The results show that providing information increased WTP by those who have understood fair trade or have been interested in the poor without information. Especially, the information about the benefits of fair trade is more effective than the information about the disadvantages of non-fair trade.
著者
佐藤 善輝 藤原 治 小野 映介 海津 正倫
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.258-273, 2011-05-01 (Released:2015-09-28)
参考文献数
29
被引用文献数
9 8

浜名湖沿岸の六間川低地および都田川低地で掘削調査と既存ボーリングデータの収集を行い,沖積層の層相・貝化石・珪藻化石分析・電気伝導度測定の結果や14C年代測定値に基づいて,完新世中期から後期にかけての堆積環境の変遷を明らかにした.その結果,両低地に共通した環境変化が認められた.すなわち,6,000~7,000 calBP以降は低地の発達に伴って海水の影響が減少する傾向が見られるが,3,500~3,800 calBP頃に汽水~海水環境の再形成や内湾での水位上昇が認められた.このことは,一時的に浜名湖内へ海水が流入しやすくなったことを示す.その後,3,400~3,500 calBP頃に淡水池沼へと急速に変化した.この時期には浜名湖の湖心部でも急速な淡水化が知られており,浜名湖全体で淡水化が進んだことが示唆される.この環境変化は,浜名湖の湖口部を塞ぐように砂州が形成されたために引き起こされた可能性が高い.
著者
佐藤 伸子 石濱 直樹 川崎 朋実 片平 真史
雑誌
組込みシステムシンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.25-1-25-7, 2011-10-12

ロケットや人工衛星などの宇宙機に搭載するリアルタイム OS(RTOS) を高信頼化するためには,その RTOS をどのように検証しているかを明らかにする必要がある.このため,民間航空機や原子力など信頼性が重視される分野で適用されている技術標準や,過去に宇宙機の搭載計算機で発生した不具合事例を参考に,RTOS に特化した検証要求を整備した.この検証要求を,TOPPERS/HRP カーネルの検証作業で繰り返し適用し,必要な解説を追加するなどの改良を重ね,「リアルタイム OS 高信頼化ハンドブック」 として編集したので紹介する.これは,宇宙機だけでなく,信頼性が重視されるシステムの RTOS に広く適用できるものである.
著者
佐藤 至 河本 光祐 西川 裕夫 齋藤 憲光 大網 一則 金 一和 津田 修治
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第33回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.101, 2006 (Released:2006-06-23)

【目的】パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)ならびにパーフルオロオクタン酸(PFOA)は界面活性剤の一種であり,合成樹脂原料,撥水・撥油剤,コーティング剤など,様々な用途に使用されている。これらは極めて安定性が高いために環境中に長期間残留し,人や多くの野生動物においても蓄積が確認されていることから残留性有機汚染物質に区分される。これらの物質の毒性については肝障害や発癌性などが指摘されているが,未だ十分な情報が得られていない。このため本研究ではPFOSおよびPFOAの神経毒性について検討した。【方法】Wistar系雄ラットまたはICR系雄マウスにPFOSまたはPFOAを経口投与し,一般症状を観察するとともに超音波刺激に対する反応を観察した。また,PFOSを50-200 mg/kg経口投与したラットの大脳皮質,海馬および小脳にニッスル染色を施し,病理組織学的検索を行った。【結 果】PFOSおよびPFOAのマウスおよびラットに対する致死量は約500 mg/kgであった。これ以下の投与量では一時的な体重の減少または増加の抑制が認められたが,その他の一般症状に著変は見られなかった。しかし,PFOSを投与した動物では超音波刺激によって強直性痙攣が誘発された。この痙攣は超音波刺激前にジアゼパムを投与しても抑制されなかった。一方ゾウリムシにおいてPFOSと同じ後退遊泳作用を有したSodium Dodecyl Sulfate(SDS)ならびにSodium Dodecanoylsalcosinateは痙攣を引き起こさなかった。PFOS投与24時間後の脳組織(大脳皮質,海馬,小脳)において,神経突起の短縮または消失,ニッスル小体の減少などの変化が用量依存性に認められた。これらの結果からPFOSは神経毒性を有すると結論される。
著者
佐藤 諒 西村 夏夫 保木 邦仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-6, 2014-03-10

本研究では,シャンテン数が下がるような牌を有効牌とし,数手先の有効牌を数え上げることによって牌効率を向上させた麻雀 AI の性能を評価することを目的とした.簡単のために副露や降りをしない面前全ツッパに麻雀AIの戦略を制限した.性能評価は,インターネット雀荘 「東風荘」 で人間のプレイヤーと対局させ,安定レートや他の統計情報を利用して行った.In this work, we analyze the performance of Mahjong AI programs that count the number of effective legal moves. Here, an effective legal move decreases Shanten numbers (the number of tiles away from tempai). For the sake of simplicity, we limit the strategy of AI programs to Menzen-Zentsupa strategy (no open melds by calling and no defense by discarding safe tiles). The performance is measured in the internet Mahjong server, Tonpu-So, with human players and it is analyzed in terms of rating and other statistic information.
著者
大附 辰夫 佐藤政生 橘 昌良 鳥居 司郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.647-653, 1983-09-15
被引用文献数
1

複合長方形領域を重複なく最小個の長方形に分割する問題を扱う.ここでは 複合長方形領域が中空部分(窓)を含んだり 複数個の連結成分から成っているような一般的な場合を考察する.分割手順は二つのアルゴリズムから成っている.1番目のアルゴリズムは 縮退していない複合長方形領域を最小個の長方形に分割するものである.同じXまたはY座標上の二つの凹点間が領域内であるとき 複合長方形領域は縮退しているといい そうでない場合には縮退していないという.2番目のアルゴリズムは 与えられた(縮退している)複合長方形領域を最適にいくつかの縮退していない複合長方形領域に分解するものである.複合長方形領域の頂点の数をnとすると 1番目のアルゴリズムの計算複雑度はO(n log n)となり 2番目のアルゴリズムはO(n^5/2)となることを報告する.ここで扱う問題は LSI のアートワーク処理 画像処理 図形データベースなどにおける基本的問題の一つである.
著者
佐藤 宗子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
no.67, pp.410-402, 2019-03-01

[要約] 第二次世界大戦後に刊行された少年少女向文学叢書は、新制中学発足に伴う十代前半の「少年少女」読者の出現をうけて、この新しい読者層に対する「教養形成」の役割を担った。これらの叢書のうち日本近代文学を対象とする叢書は、1950年代以降、当初はカノン形成が図られつつ国語教育の補完的意義も比較的強く有していたが、60年代に入り、偕成社「ジュニア版 日本文学名作選」において、また対抗するポプラ社「アイドル・ブックス」においては、作品主体の叢書となり、書目の編成にも特定作家や特定作品の定着が見られるようになってきた。また、それらの叢書は、資料館に残された読書の痕跡等から、家庭における読書を念頭に置いたものであり、近しい年長者から年少の読者に向けて、「教養形成」を図る趣旨で手渡されていたことが容易に想像される。こうした叢書が1980年代まで20年近く読み継がれていた事実を、児童文学全体の中でどのように評価すべきかは、今しばらく時間をかけて検討していく必要があるだろう。
著者
親松 隆浩 佐藤 透 赤瀬 朋秀
出版者
一般社団法人 日本医療経営学会
雑誌
日本医療経営学会誌 (ISSN:18837905)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.19-27, 2019 (Released:2019-09-13)
参考文献数
16

In hospital management, it is no secret that pharmaceuticals are second only to personnel costs when it comes to the highest expense items among medical costs and that the streamlining of pharmaceutical expenses is one of the major issues in hospital management. However, price negotiation for pharmaceutical supplies is generally made on the basis of the purchasing manager's experience and past purchase data, and there has been little by way of established, standard methods of calculating the prices of pharmaceutical supplies. In this study, we proposed to the pharmaceutical wholesalers trading with our hospital to review the delivery frequency and delivery method with a view to reducing their selling, general, and administrative costs (SG&A) and verified the reduction effect. The results showed a reduction effect of approximately 30 percent in their SG&A, and by negotiating the prices on the basis of these figures, we were able to establish supply prices beneficial to both parties. It is considered that there is a good chance of realizing higher efficiency of overall distribution and supply price optimization in other regions as well by applying the same method.
著者
三輪 哲 佐藤 香
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.489-494, 2018-10-01 (Released:2018-10-01)

欧米諸国では多くの社会科学データアーカイブが1960年代に設立されたが,日本ではその設立が20年近く遅れた。日本の最初の組織的なデータアーカイブであるSSJデータアーカイブは,現在,2,000を超えるデータを公開・提供しており,社会調査データの散逸を防ぐとともに二次分析の普及を図り,社会科学教育にも貢献している。ただしSSJDAは,現在,いくつかの課題に直面している。寄託され公開するデータをより増加させることや,セルフアーカイブを実現すること,調査時点でのインフォームドコンセントに二次利用まで含めるよう啓発すること,多様化する利用者へと対応すること,などである。
著者
村井 源 松本 斉子 佐藤 知恵 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.6-17, 2011-02-23 (Released:2011-04-13)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

本論文では,計量的な物語構造の分析を実現するために,人文的な物語分析の古典的手法であるプロット分析を援用し,分析結果に対する計量的解析を行った.プロット分析は人文学的手法であるが,一致度の計算を実施することでプロット分割と分類の正当性の数値的評価を行った.プロット分類の結果に対してn-gram分析を行うことで物語構造の連続的パターンを抽出した.また同様にχ二乗検定を用いて頻出プロットの時代的変化を抽出した.さらに,テーマとプロットの関係を分析するために計量的手法で物語のテーマ語を抽出し,作品をテーマごとに分類した.このテーマの分類結果を用いて,各テーマのプロット的な特徴を抽出した.本論文での分析はプロットへの分割と分類を計量的指標を用いつつも人手で行うという点で,完全な自動化の実現ではないが,本論文の成果は将来的な物語分析の完全な自動化の基礎になると期待される.