著者
夏目 泰忠 古積 博 坂本 尚史
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The university bulletin of Chiba Institute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.9, pp.161-171, 2016-02

1983年に英国ミルフォードヘブン市アモコ社製油所で発生した、ボイルオーバーを伴った原油タンク火災は、詳細な記録が残る貴重な事例である。このたび、記録を詳細に考察し、他の事例や日本の状況と比較することにより、ボイルオーバー発生時の油飛散範囲、放射熱強度の影響、現場での的確な指揮の難しさ等、原油タンク火災独特の消火活動の困難さについて改めて知見を整理した。これらを提言としてまとめるとともに、危機的状況の中で指揮者を支援する「防災支援システム」を提案した。
著者
島根 大輔 古川 茂樹 山崎 博司
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会大会講演要旨集 (ISSN:24238317)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.294-295, 2010

Experimental study has been conducted on the occurrence of boilover processes in the pool fire. The flame and water temperatures and optical energy were measured during the pool burning of hydrocarbon with high boiling point. n-Hexadacane layer with emulsion layer were composed on the water sublayer in the cylindrical container. Attention was mainly paid for temperature conditions at the occurrences of boilover in the pool burning processes. It is concluded that the time for extinguishment become to shorten by existing of emulsion layer, in which boilover processes were largely changes. Occurrence conditions of boilover were also discussed by time histories of flame, emulsion layer and water sublayer with optical energy from pool fire.
著者
古積 博 坂本 尚史
出版者
総合危機管理学会
雑誌
総合危機管理
巻号頁・発行日
vol.2, pp.49-56, 2018

巨大地震が発生した場合、石油コンビナートは大きな被害を受ける。他方、公設消防は、コンビナート災害に対応できない可能性が大きい。そのため、石油タンクや石油施設が被害を受けた場合、長時間にわたって火災が続く可能性がある。そこで、著者は、石油類に不溶な浮遊ビーズをタンクへ投入して、火災発生の防止、抑制、ボイルオーバー防止策を検討した。直径0.3mまでの大きさの容器にヘプタン、軽油等を入れて液体の蒸発速度、燃焼時の燃焼速度及びボイルオーバーの起こり易さ、激しさ等を測定した。その結果、以下のことが明らかにできた。1) 液体の蒸発速度はビーズの投入で減少し、その引火点が上昇した。その結果、石油類の漏えい、タンク浮屋根の沈下の際でも、火災発生の危険が低下する。2) ビーズ投入で火災発生後の燃焼速度は減少し、周囲への放射熱が減少した。3) 軽油では、ビーズ投入によってボイルオーバーの発生が抑制できた。
著者
古積 博
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.282-290, 2001-10-15
参考文献数
52
被引用文献数
1
著者
荻原 博和 河原井 武人 古川 壮一 宮尾 茂雄 山崎 眞狩
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.98-106, 2009
被引用文献数
5

京都で製造されているすぐきの製造工程における微生物叢および化学的成分の変遷を検討した.製造工程における菌数の推移は,工程が進むにつれてグラム陰性菌や大腸菌群数が減少するのに対して,乳酸菌数が増加する傾向を示し,室発酵終了時には10<sup>8</sup> CFU/gに増加した.製造工程における微生物叢の推移は,原料からは多種多様な菌が検出され,なかでも<i>Pseudomonas</i> 属菌が多く検出された.荒漬および本漬工程後では<i>Microbacterium</i> 属菌の占める割合が高く,<i>M. testaceum</i> が多く検出された.追漬工程では<i>Lactobacillus</i> 属菌が優占種となり,なかでも<i>L. sakei</i> と<i>L. curvatus</i> が多く検出された.室工程後では<i>L. plantarum</i> と<i> L. brevis</i> が優占種であった.塩濃度は原料および面取り工程では低く,荒漬工程では6.3%を示し,その後の工程では塩濃度は3%程度の数値で推移した.pHについては製造工程が進むにつれて低下する傾向が認められ,室工程後では4.2を示した.酸度ならびに乳酸値は原料から荒漬工程までは大きな変化は認められなかったものの,室工程から数値が増加し,熟成後が最も高い数値を示した.
著者
古賀 康正
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.1-7, 1989

収穫後処理技術は社会的諸条件に強く関連しており, その技術協力には総合的な視点と柔軟な対応とを要する。技術的改善の実現は社会的前提を要するが, 公的援助においては外交的配慮によって明示されないことも多い。また資金的援助の実施が自己目的化されることもあるが, 現実の改善はその国の人々自身の活動によってのみ達成される。日本の貢献が期待されるが現状は不十分である。民間による技術協力も推進する必要がある。農業機械技術者はその活動が社会的福利を実現するような方向を判断して活動すべきである。
著者
市古 太郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.910-917, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
16

本研究は豊島区を対象に,東日本大震災を挟んで10年間,8地区の復興まちづくり訓練で導出された<事前>復興まちづくり計画について,豊島区の事前復興まちづくりの経緯を事前予防型の防災まちづくり経緯と合わせて整理した上で,アクションリサーチとして進めてきた復興まちづくり訓練の一連の成果を,(1)区が提案した復興まちづくり方針,(2)時限的市街地に関する提案内容,(3)地域主体のくらしとまちの再建に向けた営みアイディア,の3つの視点から分析し,復興訓練地域参加者の意識調査結果も交えて分析考察を行ったものである.
著者
向 ありさ 谷口 博志 藤本 英樹 松浦 悠人 貝嶋 弘恒 貝嶋 美哉子 辻内 敬子 古賀 義久 安野 富美子 坂井 友実
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.2-13, 2020 (Released:2020-07-13)
参考文献数
22

【目的】身体的・精神的疲労感を自覚する就労者に対して鍼灸治療と円皮鍼治療を介入し、 疲労感への効果を比較した。 【方法】[研究デザイン] ランダム化比較試験とした。 ランダムに鍼灸治療群 (ACP群)、 円皮鍼治療群 (PTN群) の2群に割付けた。 [セッティング] 関東大都市圏Aクリニック院内鍼灸治療室。 [対象] Aクリニックの就労者。 組入れ基準は、 20歳以上45歳未満、 身体的・精神的疲労感を自覚する者。 除外基準は、 疲労に関わる疾患や症状、 医学的異常、 既往歴を有する者など。 [介入方法] 1か月間週2回。 ACP群、 PTN群とも疲労症状に対する全例共通の基本治療 (心兪、 腎兪、 合谷、 関元、 内関、 足三里、 太渓) に加え、 個々の身体所見に応じた個別治療を行った。 [評価項目] 主要評価項目は4週後の身体的・精神的疲労感Visual Analogue Scale (VAS) の変化、 副次評価項目は身体的・精神的疲労感VASの群内比較と介入直後の変化、 身体症状VAS、 Health and Work Performance Questionnaire 、 GHQ精神健康調査票12項目版、 MOS 36-Item Short-Form Health Survey スタンダード版、 唾液アミラーゼ値。 [試験ID] UMIN000034181 【主な結果】ACP群14例中13例、 PTN群15例中13例が解析対象となった。 主要評価項目の2群の身体的・精神的疲労感VASに有意差はみられなかった。 副次的評価項目の介入前後比較では、 身体的疲労感VASで2群とも有意な減少がみられ、 ACP群でより大きな効果量を示した。 群内比較ではPTN群の精神的疲労感VAS が8回目に有意に減少した。 【考察・結論】鍼灸治療と円皮鍼治療の効果の差は見出せなかった。 しかし、 鍼灸治療では直後効果、 円皮鍼治療では経時的な効果とそれぞれの有用性が示された。
著者
古川 竹二
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.324-340, 1931-08-13 (Released:2010-11-19)
著者
安岡 良訓 梅本 安則 児嶋 大介 木下 利喜生 星合 敬介 大古 拓史 坪井 宏幸 谷名 英章 橋崎 孝賢 森木 貴司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Aa0126, 2012

【はじめに】 運動負荷が糖代謝,脂質代謝へ影響を与える機序として,骨格筋の収縮により産生されるインターロイキン-6(IL-6)が重要な役割を果たしていると報告されている.IL-6はこれまで炎症性サイトカインとして知られていたが,運動によるIL-6上昇は,TNF-αなどの炎症性サイトカインの上昇なしに,IL-1raやIL-10等の抗炎症サイトカインの上昇を導くことが報告されている. これまで,健常者ではランニング,自転車エルゴメーターや膝伸展運動で血中IL-6濃度が上昇したと報告され,IL-6の骨格筋からの分泌には,ある程度の運動時間と強度が必要とされている. 運動を連続して行うためにはスポーツへの関与が望ましく,その中でもゴルフは長時間の運動が可能であり,歩行を中心とした中等度の活動量が得られることが報告されている.この事からゴルフによる運動でIL-6上昇が予測されるが,これまでゴルフラウンドによるIL-6動態に関する報告はない.そこで我々は,18ホールのゴルフラウンドが血中IL-6濃度に変化を与えるがどうかを検証する目的で実験を行った.【方法】 被検者は健常者9名(平均年齢31.1±4歳,平均±SD)とし,除外基準は糖尿病の既往,心疾患,進行性の疾患,骨関節疾患を有する者とした.被検者は実験室に到着した後,心拍数をモニターする為の無線測定器を装着し,30分の安静座位をとった.その後,血中IL-6濃度,血中TNF-α濃度,hsCRP,ミオグロビン,CK,アドレナリン,白血球分画,HCTを測定するため採血を行った.採血後,被検者はこちらで用意した朝食を摂取した. その後,被検者は18ホールのゴルフラウンドを行った.ラウンド中,被検者は歩いて移動し,ゴルフバック,クラブ等は電動カートを使用し搬送した.ラウンド中の飲食はこちらで用意したスポーツドリンクのみとした.ラウンド終了後,直ちに採血を行った.その後,安静座位をとり,1時間後に再び採血を行い実験を終了した.統計学的検討には,ANOVAを行い,post hocテストとしてSheffe's testを用い,有意水準5%未満を有意差ありとした.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は倫理委員会の承認を得た上で行った.被験者には実験の目的,方法および危険性を書面と口頭で十分に説明し,実験参加の同意を得て実験を行った.【結果】 全被検者は18ホールのゴルフラウンドを終了し,所要時間は303±4.3分であった.ラウンド中の平均心拍数は安静時と比較して有意な上昇を認め,回復1時間後で安静レベルへ戻った.血中IL-6濃度は安静時と比較し,ラウンド終了後で有意に上昇し,回復1時間後でもその上昇は維持した.ミオグロビン,CK濃度もラウンド終了後に有意な上昇を認め,回復1時間後で上昇を維持した.血中TNF-α濃度,hsCRP濃度に変化はなかった.白血球,単球数はラウンド終了後に有意な上昇を認め,ラウンド1時間後もその上昇は維持された.アドレナリンは実験を通して変化はなかった.HCTはラウンド終了後に変化はなく,回復1時間後で低下した.【考察】 IL-6濃度が上昇した要因に関して,本実験ではミオグロビン,CK濃度に上昇が認められるものの,TNF-α,CRP濃度に変化を認めなかった.この事から炎症性カスケードによるIL-6上昇の可能性は低いと考えられる.またアドレナリン濃度が変化しなかった事から,骨格筋のアドレナリン刺激によるIL-6mRNA転写促進の可能性も低いと考えられた.さらに,単球数の上昇を認めているが,先行研究において運動による末梢血単球数の上昇はIL-6濃度に関与しないことが報告されており,IL-6濃度の上昇が単球由来である可能性も否定的である.よって,本実験のIL-6濃度の上昇は,骨格筋の収縮によって誘発されるといった過去の報告を支持する. 筋収縮に由来する血中IL-6濃度の上昇は,運動強度と時間,活動筋肉量に関連があると言われている.ゴルフは18ホールのラウンドで約7km歩き,その歩数は10,000歩以上になると報告されている.我々の知る限り,歩行を運動方法としたIL-6濃度の上昇は,運動後変化しないか上昇しても約1.5倍程度である.今回,ラウンド終了後の血中IL-6濃度は安静時の約7倍の濃度を認めた.これは18ホールのゴルフラウンドが,骨格筋からIL-6を誘発するには十分な時間と強度であった事が考えられる. 本実験により,18ホールのゴルフラウンドを行うことで,TNF-αの上昇なしに血中IL-6濃度が上昇することが証明された.ゴルフラウンドはIL-6上昇の観点から,炎症を誘発せずに行うことが出来る有益な運動方法であることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】 運動が身体に及ぼす影響を科学的に調査し,新たな知見を得ることは,健康の維持・増進に関して、リハビリテーション医学の貢献に寄与するもだと考える.
著者
古在 由重
出版者
毎日新聞社
雑誌
エコノミスト (ISSN:00130621)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.76-79, 1967-03
著者
小池 伸介 羽澄 俊裕 古林 賢恒
出版者
「野生生物と社会」学会
雑誌
野生生物保護 (ISSN:13418777)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.19-30, 2003
参考文献数
44
被引用文献数
9

The authors studied the likelihood that seeds were being dispersed by the Japanese black bear (<i>Ursus thibetanus japonicus</i>) in a deciduous forest near Ashikawa Village, Yamanashi Prefecture. The forest was composed of 113 tree species. Japanese black bear ate fruits and seeds belonging to 37 species (including 7 unidentified). About 86.7 to 99.7% of seeds identified in 360 samples of bear feces were in good condition for 17 species (10 drupes, 5 berries, 1 multiple fruit of droplets and 1 pome). However, no intact seeds were found for 5 nut species. The germination rate of Yamasakura (<i>Prunus jamasakura</i>) seeds taken from feces was the same as for uneaten seeds. The results of this investigation suggest a high likelihood of seed dispersal by the Japanese black bear.
著者
草野 寛 伊藤 恵康 古島 弘三 船越 忠直 伊藤 雄也 岡田 恭彰 高橋 啓 宮本 梓 宇良田 大悟 堀内 行雄
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.242-246, 2020

一般的な術式で治療困難なOCD6例を調査した.Joint impaction type 1例は橈骨短縮術,Radial head subluxation type 2例は尺骨矯正骨切り延長術,Joint destruction type 3例にはAnconeus Fascia Interposition Arthroplasty(以下AFIA)を行った.橈骨短縮術では屈伸可動域は65度から90度,JOA-JES scoreは42点から74点,尺骨矯正骨切り延長術では平均70度から82.5度,平均38点から76.5点,AFIAでは平均51.7度から93.3度 ,平均32点から77点へ改善した.
著者
佐藤 壮 久米 慧嗣 古崎 晃司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.SWO-055, pp.06, 2021-11-26 (Released:2022-01-12)

Ontology development for a specific domain is a task to take a large cost. To reduce the costs, ontology development methods are needed. In this study, we investigate a semi-automatically method to extract concepts for domain ontologies from Wikidata, a large-scale public Linked Open Data (LOD) to develop a preliminary ontology. Our previous work extracted domain concepts with their conceptual hierarchies from Wikidata. In this study, we use these extracted concepts as input to extract conceptual relationships among domain concepts from Wikidata This paper discusses a method to extract relationships as triples related to domain concepts, and examines how extracted relationships could be used as conceptual relationships for the domain ontology.