著者
山本 元久 鈴木 知佐子 苗代 康可 山本 博幸 高橋 裕樹 今井 浩三 篠村 恭久
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.36, pp.129, 2008

48歳女性、元看護師。2001年9月より膝関節水腫が出現、仕事や肥満が原因と考えられていたが、2002年2月から発熱・CRP上昇を認め、当科紹介となった。膝関節腫脹と左下腿に結節性紅斑を認め、少量プレドニゾロン(PSL)を開始した。2003年3月より両下腿腫脹、皮膚潰瘍を認め、皮膚生検で血管炎を確認した。末梢神経障害による四肢のしびれ以外、臓器障害はなく、ANCA・抗リン脂質抗体は陰性であり、皮膚型結節性多発動脈炎(cPN)と診断した。PSL増量によりCRP低下や下肢腫脹の消退を認めたが、減量し復職すると、下腿腫脹・疼痛が悪化、潰瘍を形成するため、PSL減量が困難であった。2005年末に離職・自宅療養となったが、下腿腫脹の悪化、皮膚潰瘍の多発・拡大と下肢痛を認め、PSL 40 mgに増量、2006年8月からエンドキサンパルス療法を3回施行した。その後、PSL17.5mgにまで減量したが、発熱・CRP再上昇を呈し、同意を得た上で、2007年10月からエタネルセプト(ETA)の併用を開始したところ、速やかに解熱、炎症反応の陰性化をみた。現在、PSL12.5mgにまで減量しているが、潰瘍形成を含め、再燃は認めていない。ETAが奏効したcPNの一例を経験したので、考察を加えて報告する。
著者
山本 博昭
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.3-12, 1994
被引用文献数
1

不整地走行車両には多様な形態が考えられるが, ハウジング揺動型の小型クローラ4基で走行する車両の試作開発を試みた。各クローラは, 走行駆動と同時にそれ自体を回転・揺動させて車体地上高を変え, 路上の段差・障害を踏破しようとする構想である。また, 前後にある左右クローラ揺動軸を差動装置で連結し, 互いに逆方向に差動するそれらの揺動運動を利用して, 車体左右の地上高の差を修正し, 両輪の常時接地と車体の水平化を図った。本報では, 試作車両の構造・機能の特徴, 差動機構を利用した走行部の機構学的特性及び各クローラ接地反力 (接地荷重) の変動に関する解析結果について報告する。
著者
佐々木 寛幸 阿部 佳之 松浦 庄司 山本 博
出版者
日本芝草学会
雑誌
芝草研究 (ISSN:02858800)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.30-32, 2009-10-31
参考文献数
4

屋上緑化にオガクズを副資材とする牛ふん堆肥をそのまま使用することの可能性を検討した。<br>栃木県北部にある建物の屋上において, 市販の稲稚苗用育苗箱に牛ふん堆肥を充てんし, オノマンネングサ (<i>Sedum lineare</i>), メキシコマンネングサ (<i>Sedum mexicanum</i>), サカサマンネングサ (<i>Sedum reflexum</i>) を挿し芽した。その後12回にわたり上方部から写真撮影し, 画像処理により個体ごとの被覆面積の経時変化を計測した。その結果, 堆肥100%であっても, 3種のセダムは枯死することなく生育したが, オノマンネングサとメキシコマンネングサについては対照区と比較すると低い生育量となった。
著者
片岡 俊一 山本 博昭
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.110-129, 2007
被引用文献数
5

本研究では、青森県東方沖の地震を対象に、KiK-net の地中観測点の記録を回帰分析し、その値に対して、震度情報ネットワーク、K-NET、KiK-net の地表観測点の地震動指標 (最大加速度、計測震度) がどの程度増幅されているかを求めた。得られた結果に対する統計的評価を行い、さらに実測値との比較、1994 年三陸はるか沖地震の際のアンケート震度との比較を行った。これらを通して、本研究で得られた増幅度の妥当性を示した。
著者
三好 雅也 畑中 健徳 吉川 博輔 藤井 純子 馬渡 秀夫 小林 暉 内山田 朋弥 山本 博文
出版者
日本地学教育学会
雑誌
地学教育 (ISSN:00093831)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.57-69, 2019-02-28 (Released:2019-11-13)
参考文献数
19

恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークの小学校における火山教室の実践結果と効果について報告する.火山教室は,火山活動と大地の形成に関する講義および七輪マグマ実験で構成される.実験において,児童は溶岩の温度(約1,000℃)を赤外放射温度計で実測し,砂山斜面を流れる溶岩が爪楊枝を燃やす様子を観察した.授業後アンケート調査結果は,児童が溶岩の高温を実感し,勝山の大地の成因と火山活動との関係について興味・関心を持ったことを示した.
著者
山本 博之
出版者
田園調布学園大学
雑誌
田園調布学園大学紀要 = Bulletin of Den-En Chofu University (ISSN:18828205)
巻号頁・発行日
no.11, pp.23-36, 2016

1987(昭和62)年に社会福祉士及び介護福祉士法が制定され、社会福祉士の国家資格化が実現した。その流れを受けて、精神保健福祉士法が1997(平成9)年に制定され、精神保健福祉士の資格化がなされた。社会福祉士及び介護福祉士法制定から30年の年月が経過し、社会福祉士の活躍する場も当時のそれと比較しても格段に増すようになった。社会福祉士及び介護福祉士法はその後2007(平成19)年12月に改正され、その改正とともにソーシャルワーカー養成カリキュラムもその質及び量ともに大幅な見直しがなされて現在にいたっている。「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」(2015(平成27)年)や「ニッポン一億総活躍プラン」(2016(平成28)年)といった未来志向の福祉政策プランが提言されている。本稿において、わが国におけるソーシャルワーカー養成課程の歴史を踏まえつつ、北米のソーシャルワーカー養成課程を紹介しながらソーシャルワーカー養成の現状と今後の課題への提言を行う。
著者
清川 博史 清木 元治 伊東 文生 安田 宏 及川 律子 石井 俊哉 山本 博幸 月川 賢 大坪 毅人 峰岸 知子 越川 直彦
出版者
学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会
雑誌
聖マリアンナ医科大学雑誌 (ISSN:03872289)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.139-150, 2015

<b>【背景】</b>大腸癌の診断および術後管理において腫瘍マーカーの臨床的意義は大きい。ラミニン<i>γ</i>2単鎖(Ln-<i>γ</i>2)の発現は様々な腫瘍浸潤先進部において著しく亢進することが報告されており,これはLn-<i>γ</i>2が浸潤性の腫瘍マーカーとして有用である可能性を強く示唆している。我々は,Ln-<i>γ</i>2を選択的に認識するモノクローナル抗体を用いてLn-<i>γ</i>2の定量ELISA法を開発した。<br/><b>【方法】</b>定量ELISA法により78症例(健常者51例,良性疾患8例,大腸癌19例)における血清中のLn-<i>γ</i>2の定量を行った。同時に,化学発光免疫測定法 (chemiluminescent immunoassay: CLIA) を用いてCarcinoembryonic antigen (CEA) とCarbohydrate antigen 19-9 (CA19-9) を測定し診断能について比較検討を行った。<br/><b>【結果】</b>Ln-<i>γ</i>2の中央値は,健常者241.9 pg/mL,良性疾患138.8 pg/mLであり,一方大腸癌においては323.0 pg/mLと非癌症例より有意に高値であった(<i>p</i> = 0.0134)。大腸癌症例と非癌症例とを区別するLn-<i>γ</i>2のカットオフ値を315.8 pg/mLとすると大腸癌症例の57.9%に陽性であった。Ln-<i>γ</i>2とCEA併用における大腸癌陽性率は78.9%であり,CEAとCA19-9併用での陽性率57.9%よりも高率であった。大腸癌の各病期における陽性率では,いずれのマーカーにおいても進行期は高率であったが,CEA,CA19-9におけるStage I/IIの陽性率は低率であった。一方,Ln-<i>γ</i>2はStage I/IIにおいて陽性率50.0%とより高率であった。<br/><b>【結語】</b>血清Ln-<i>γ</i>2は大腸癌診断において既存の腫瘍マーカーを補助可能なバイオマーカーとなる可能性がある。
著者
山本 博徳 阿部 孝 石黒 信吾 内田 恵一 川崎 優子 熊谷 秀規 斉田 芳久 佐野 寧 竹内 洋司 田近 正洋 中島 健 阪埜 浩司 船坂 陽子 堀 伸一郎 山口 達郎 吉田 輝彦 坂本 博次 石川 秀樹 岩間 毅夫 岡﨑 康司 斎藤 豊 松浦 成昭 武藤 倫弘 冨田 尚裕 秋山 卓士 山本 敏樹 石田 秀行 中山 佳子
出版者
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
雑誌
遺伝性腫瘍 (ISSN:24356808)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.59-78, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
88

Peutz-Jeghers症候群は,食道を除く全消化管の過誤腫性ポリポーシスと皮膚・粘膜の色素斑を特徴とする希少疾患である.STK11遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とし,常染色体優性遺伝形式をとる.また,がん遺伝子パネル検査によって診断される可能性がある. 本症候群でみられる過誤腫性ポリープは小腸に好発し,ポリープが大きくなると出血,腸閉塞,腸重積の原因となる.初回の消化管サーベイランスは症状がなくても8歳頃を目安に行い,10〜15mm以上の小腸ポリープは内視鏡的ポリープ切除術を行う.消化管,乳房,膵,子宮,卵巣,肺,精巣などに悪性腫瘍の発生が認められ,適切なサーベイランスが必要である. 本診療ガイドラインでは,小児から成人にかけてシームレスに,正確な診断と適切な治療・サーベイランスが行われるよう, 基本的事項を解説し,4個のクリニカルクエスチョンと推奨を作成した.
著者
森澤 豊 川上 照彦 山本 博司 貞広 哲郎
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.117-121, 1996-10-15 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6

The pathogenesis of a rotator cuff lesion of the shoulder is still controversial.The authors investigated the mechanoreceptors in the rotator cuff, the subacromial bursa and the coracoacromial ligament in order to clarify the proprioception of the shoulderjoint.