著者
後藤 洋三 池田 浩敬 市古 太郎 小川 雄二郎 北浦 勝 佐藤 誠一 鈴木 光 田中 努 仲村 成貴 三上 卓 村上 ひとみ 柳原 純夫 山本 一敏
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.5_97-5_117, 2015

東日本大震災の津波避難の実態を分析するため、研究者、技術者の有志が任意参加の連携組織「東日本大震災津波避難合同調査団」を結成し、重複調査を避け調査モラルを向上させるべく連絡を取り合って調査を実施した。本報告はこの調査団発足の経緯を述べたうえで調査団の中核として活動した山田町・石巻市担当チームの調査方法とその実施状況、ならびに住民の避難に関わる背景的事象の調査結果を述べる。収集した被災者の避難データの特性については別途に取り纏め報告する。山田町・石巻市担当チームの調査に対する被災住民の苦情は聞かれず、むしろ信頼関係のもとで避難の実態解明に役立つ情報を多数得ることが出来た。著者等は山田町・石巻市担当チームの調査データとその調査経験が活用されることを期待して本報告を取りまとめている。
著者
斉田 比左子 藤原 百合 山本 徹 松田 実 水田 秀子
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.230-239, 1994 (Released:2006-06-06)
参考文献数
15

電文体発話を呈した左中前頭回後部の小出血の1例を報告した。典型的な電文体発話は我が国の Broca 失語ではまれといわれている。本症例は54歳,右利き男性で,発症時はBroca失語に相当する状態を呈し,その回復過程で,自発話のみに選択的に電文体発話が明確となった。特に,発話意欲の亢進した自発話に著明であった。書字には,電文体は認められなかった。理解力や喚語力は保たれ,文法処理能力も良好であった。本症例では,迅速かつ効率よく多くの情報を伝えようとする場合には助詞が省略され,その背景には文を構成し発話する過程で助詞の使用に関する何らかの機能不全が推察された。本症例は,文の構成に関与するといわれる左中前頭回後部に限局病変を有したことから同部位が文の構成過程に関与する可能性を示唆する1症例と考えられた。
著者
田所 真之 進士 誉夫 チョン イェウン 山本 博巳 山地 憲治
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.19, pp.380-381, 2010-08-02

The objective of this study is to evaluate the potential for CO2 emission reduction of LNG life cycle by using the following technologies: concentrated solar power (CSP) plant, LNG cryogenic power generating system and gas pressure differential power recovery system. Results indicate LNG life cycle has high potential for reducing CO2 emission and it is actually more cost effective than avoiding CO2 emission from generating electricity by using some of the zero emission power sources.
著者
山本 晃
出版者
大阪教育大学教育学部障害教育講座
雑誌
障害児教育研究紀要 (ISSN:03877671)
巻号頁・発行日
no.26, pp.19-27, 2003

現場での要求から、障害のある青年、特に情緒障害や知的障害のある青年の心理的問題を解明するために、本研究が企てられた。情緒的問題、知的障害を伴なった青年の発達を、健常青年のこころの発達に対する、ある種のバリエーションとして、位置づけようと考えている。第4報に引き続き、この第5報では、Blosの青年期の発達分類における「青年期後期」、およそ18歳から20歳ころにあたる時期と青年期から成人期への移行期である「後青年期」、およそ20歳以降から30歳ころまでの時期について、健常の場合を述べた。その際、理論のみに偏らないように事例をできるだけ多くとりあげた。 第4報と同様、論述を具体的にするために、事例をたくさん引き合いに出す。しかし、差し障りのない事例以外は、特定の事例をさしているわけではなく、これまでの私の事例経験などから創作している。いくつかの事例を繋ぎ合わせ、変更も加えたりした。青年期の課題を典型的に表現するように、また本来の問題点を歪曲しないように工夫した。This study is attempted from the needs in the school of mental handicapped children. Many teachers and parents want to know about the mentality of their adolescents with mental handicap. Their Mentality should be placed as the variation of the mentality of normal adolescents. According Blos'es classification this fifth report is the development of late adolescence and post adolescence, namely, pre-adulthood illustrated. To avoid the abstract theory several cases are adopted, About the ego identity by Erikson is also discussed.
著者
山本 俊哉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.725, pp.84-89,5, 2002-08-19

住宅の防犯に対する関心が高まっている。マンションでは防犯性の高さをセールスポイントにした新築物件が続々と登場し,戸建て住宅ではいまや,居住者の最大の不満が防犯だ。住宅の防犯は,見通しの確保と防犯設備の配置がカギになる。マンションと戸建て住宅に分けて解説してもらう。(本誌) 侵入盗による被害総額は全国で年間1140億円。
著者
山本 勇次 坂野 晶司 石井 明 鈴木 千鶴子 池上 清子 溝田 勉 藤田 大輔
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学熱帯医学研究所共同研究報告集
巻号頁・発行日
vol.17, 2005

熱帯性疾患が頻発する地域は,概して経済的にも開発途上国がそのほとんどである。もっとも近年のSARSや鳥インフルエンザの流行が示すものは,ヒトやモノの移動が盛んになることにより経済先進国や地域も対象となり,例外ではないことが判明した。とりわけ,対策や予防を計画・実践する場合には,国境を越えた協力が必要であり,かつ行政や民間活動との連携が大切になる。従って,当課題の下では,途上国の現場に上記の観点から深く係わりをもった共同研究者が,それぞれ扱ったケースを紹介し合い,関係の密な社会環境要因を摘出し,検討かつ診断することを目的とした。
著者
山本 佳代子 稲木 光晴 山根 正夫
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.66-71, 2005-02-28
被引用文献数
1

人は動物から様々な恩恵を受けている。動物介在療法/活動はハンディキャップを持つ人に心理学的、身体的、社会的に望ましい効果を与える。我々の国では、動物介在療法/活動は高齢者や障害者の福祉施設において行われている。しかしながら、動物介在療法/活動が体系的に行われている施設は少なく、それ故に動物介在療法/活動の効果に関する研究も少ない。我々は動物介在療法/活動の一つである乗馬療法の効果について研究している。本稿において我々は、乗馬療法の歴史・目的・手順に加えて最近の研究で報告された乗馬療法の効果についてレビューする。
著者
野沢 健人 中岡 義貴 山本 修平 佐藤 哲司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.204, pp.41-46, 2014-09-03

近年,レシピ投稿検索サイトに大量の料理レシピが投稿されている.これらのレシピの中には,一部の食材を入れ替えた類似レシピが数多くある.本研究では,大量のレシピデータの中から,特定の食材に対する代替可能な食材を発見する手法を提案する.調理手順中に記述された食材と調理法を特徴に,ニューラルネットワークに基づく言語モデルとして知られるword2vecを用いて,特定の食材に対して他の食材の類似度を算出することにより,代替可能な食材を発見する.数十万件のレシピデータを用いて評価した結果,提案法の有効性を確認したので報告する.
著者
駒田 元希 山本 寛 中村 勝一 高橋 卓 山崎 克之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.417, pp.17-22, 2011-02-11

本研究では,超高速のインターネット衛星WINDSの通信特性を再現できるネットワークシミュレータ(NS2)のモジュールを開発することを目的とする.このために,WINDS上でTCPの基本的な通信特性の計測を行い,RTT,ジッタ,パケットロスの特性を明らかにした.これらの特性の中で,本研究ではTCPの通信性能に大きな影響を与えるパケットロスに着目した.評価結果より,パケットロスの原因である伝送路上のエラーがポアソン過程で発生することが分かった.また,WINDSの伝送フレームの構造に起因する,伝送路エラー発生時に同時にロスするパケット数は1または6となる頻度が高いことが分かった.そこで,このようなWINDSに特徴的なパケットロス特性をモデル化LNS2のモジュールとして開発した.
著者
山本 祐二
出版者
滋賀大学保健管理センター
雑誌
SHR mini
巻号頁・発行日
no.39, pp.[1]-[1], 2016-02
著者
北村 嘉恵 樋浦 郷子 山本 和行
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
no.126, pp.298-190, 2016

本稿は、中華民国台南県の市立新化国民小学および国立新化高級工業職業学校が所蔵する植民地関係史料の中から学校沿革誌を翻刻し、台湾地域史および帝国日本教育史の基礎史料として集積と共有化をはかるものである。近年台湾では学校史料への関心が高まりを見せ、学校所蔵史料の調査・整理とともに、これらを利用した学校史研究が一定の蓄積をみつつある。日本でも、アーカイブズ学的な関心から、各都道府県に現存する史料の俯瞰的な調査が進みつつある。ただし、悉皆的な調査や比較検討の重要性が指摘されながらも、個別の学校や自治体に視野が限定されがちな傾向は否みがたい。こうした状況をふまえ筆者らは、帝国日本の全域に視野を開きつつ教育史資料の所在調査・整理を段階的・体系的に進めるとともに、地域社会に視点を据えて東アジアの植民地化・脱植民地化の道筋を解明していくことをめざしている。本稿は、その初段階における報告である。This volume is reprinting of historical school documents selected from historical archives of two schools, Municipal Hsinhua elementary school and National Hsinhua industrial vocational school,both located in the present-day in Hsinhua district, Tainan city, Taiwan. In Taiwan, interests in school official documents are rising in recent years. With investigation and arrangement of these documents, studies are being deepened to some extent. In Japan, too, comprehensive investigation on historical documents in each prefecture is being developed fromarchivist standpoints. We hope that publishing these documents will contribute to allowing the histories of Taiwan and the Japanese Empire to be studied in conjunction with the historic and bird-eye view of oneanother. We are currently surveying documents from throughout the Japanese Empire related to the educational history, with the goal of elucidating the processes of colonization and decolonization in East Asia in ways that are rooted in local communities. This volume is the preliminary publication of our larger project. As said above, both schools in this volume were now located in Hsinhua district, Tainan. Hsinhua is in about fifteen kilometers to the northeast from Tainan city area. By seventeenth century, there was a village of indigenous Siraya people, and Tavokan-sha (the community of Siraya people) had also been formed in the present-day Hsinhua district. With increase of Han Chinese immigrants later on, Siraya people was obliged to leave there and emigrate to the foot of mountains. These school archives enable us to understand the multilateral meanings of the elementary and post-elementary education for Hsinhua area.
著者
石川博規 山本大介 高橋直久
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.789-795, 2014-07-02

本稿では,ユーザ生成型コンテンツ共有の概念を音声対話コンテンツに導入する手法を提案する.提案手法により,音声対話システムの利用が活発化すると考えられる.しかし,一般に音声対話コンテンツを共有するシステムがない.そこで,スマートフォンに搭載した音声インタラクションシステム構築ツールキットMMDAgentにおける音声対話コンテンツを機能ごとに分割しパッケージ化する手法と,それらの音声対話コンテンツ配信の仕組みを提案する.建物案内や天気予報などの機能単位で,パッケージ化された音声対話コンテンツを複数同時並列に実行することによって,音声対話の容易かつ自由度の高い拡張を可能にする.また,それらパッケージ化された音声対話コンテンツを配信する仕組みを提案し,その実現法について述べる.
著者
山本 真晴 Anh-TuanHoang 小出 哲士
雑誌
研究報告システムとLSIの設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-6, 2014-11-19

研究では,先進運転支援システム (ADAS) のためのコンパクトなハードウェアに実装可能で,リアルタイム (15~30fps) 処理可能な,速度標識認識処理における数字認識部分のハードウェア向けアルゴリズムと FPGA アーキテクチャの開発である.提案手法では,まず入力画像から速度標識候補領域の検出を行い,簡単な算術・論理演算で抽出可能な特徴量を用いることにより,FPGA 実装によるリアルタイムな速度標識認識を可能にした.また,認識精度については,昼間の標識で 99%以上,夜間 (雨天の夜間を含む) の難しい場合に対しても 94.2%の認識率を達成した.In this paper, we propose a hardware-oriented speed traffic-sign recognition algorithm and its FPGA architecture in which real-time processing is possible for Advanced Driving Assistant System (ADAS). The proposed algorithm performs the sign detection using binary images, which are converted from a grayscale input images. The proposed method enables real-time speed sign recognition for FPGA implementation by using run lengths of pixel within a candidate region and black and white pixel-histograms in the region which are easily calculated by simple arithmetic and logical operations. From the experimental results, the proposed method achieves the recognition accuracy up to more than a 99 % in daytimes and up to a 94.2 % at nights including rainy night situations.
著者
山本 淳二 田邊 昇 西 宏章 土屋 潤一郎 渡辺 幸之介 今城 英樹 上嶋 利明 金野 英俊 寺川 博昭 慶光院 利映 工藤 知宏 天野 英晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 計算機アーキテクチャ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.110, pp.19-24, 2000-11-29
参考文献数
7
被引用文献数
9

我々は、フロア内やビル内に設置された計算機間で低レイテンシで高バンド幅な通信を実現するネットワークRHiNETおよびMEMOnetの開発を行なっている。本報告では、RHiNETおよびMEMOnetのネットワークインタフェースのコントローラチップであるMartiniについて述べる。Martiniは、ユーザレベルのゼロコピー通信(OSをバイパスしたユーザプロセスのメモリ空間間のリモートDMA)をハードウェアによりサポートすると共に、チップ内部のコアプロセッサにより柔軟な通信を実現する。
著者
永松 礼夫 中山 泰一 山本 真司 近藤 宏樹 中野 由章
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-135, no.7, pp.1-4, 2016-06-25

情報教育について高等学校教育と大学教育の接続が関心を集めているが,大学入試においても教科 「情報」 に関連する内容や考え方を問う問題が,受験科目としては数学・英語・国語・理科・社会などの情報以外の科目で出題されるケースが多くなっている.本発表では,昨年と今年の大学入試で出題された教科 「情報」 に関連する問題の調査を行った.これらの問題は大別して,(1) 内容が教科 「情報」 に関連する―インターネット・ソーシャルメディア・モデル化・データ分析・2 進数を扱ったもの,(2) 情報を活用した問題解決の要素を含む―図表・グラフ・写真などから情報を読み取る作業が要求されるもの,(3) 情報の整理・表現・発信を行う―与えられた資料や自分の知識を統合して意見を発信するようなもの,に分類することができた.また教科 「情報」 の新しい学習指導要領案では,情報の活用や発信にも重点が置かれているため,現行の指導要領ならびに新学習指導要領案の各項目と出題内容との対応関係についても調査した.