著者
山本 元
出版者
山脇学園短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:03898814)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.51-71, 2007

国際関係における不確実性は,国際社会の無政府構造に起因する不可避的な現象と考えられてきた。しかし,この仮定は「自明」なのであろうか。このような大きな問題意識の下,本研究は以下の二点を明らかにする事によって,その自明性を相対化する。その一つは,国家が敢えて不確実性を作り出す(曖昧戦略を選択する,コミットメント問題を発生させる)ことが政治的に合理的となる局面が存在し,それが現在進行中の在韓米軍撤退事業にも表れていること。もう一つは,敢えて不確実性を作り出すことが,米国の帝国化の手段となりうること,(しかしながら)それが同盟国間においては「不適切な手段」であるため,その実施には同盟国の「同意」を要すること。その上で,その不適切性が無人化技術によって政治的に正当化されうる政治力学を説明する。以上の考察を通じて,米国の「帝国化」が,植民地時代のような明示的な「強制」に頼ることなく,(自覚的あるいは意図的に)不確実性を作り出すことによって,同盟国が積極的に「帝国」に協力(服従)するようになるメカニズムを指摘する。
著者
山本 晴彦 岩谷 潔 鈴木 賢士 早川 誠而 鈴木 義則
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.424-430, 2000
被引用文献数
3

1999年9月24日早朝, 九州西岸に上陸した台風18号は, 九州を縦断し周防灘から山口県に再上陸し西中国地方を通過した後, 日本海に抜けた.台風の経路上および経路の東側に位置した気象官署では最大瞬間風速40m/s以上の強風が吹き, 最大風速も九州中南部を中心に20m/s以上を観測した.九州や西中国地方では台風の通過と満潮が重なり, 有明海沿岸や周防灘では高潮により堤防が決壊し, 農作物に塩害が発生した.台風に伴う九州7県の農作物および農業用施設の被害総額は914億円, 被害面積20万haにも及んだ.また, 山口県の小野田市や宇部市の消防本部では最大瞬間風速が52.0m/s, 58.9m/sの強風を観測した.宇部港では最高潮位が560cmを観測し, 推算満潮位351cmを209cmも上回る著しい高潮であった.このため, 周防灘に面した山口県内の市町では高潮災害が相次いで発生し, 農林水産被害は高潮に伴う農耕地の冠水と塩害, 強風に伴う農作物の倒伏, ビニールハウスや畜舎の損壊, 林地の倒木など約100億円に及んだ.山口市秋穂二島でも堤防の決壊により収穫直前の水稲や移植直後の野菜苗に約100haにわたり塩害が発生し, 収量が皆無となった.
著者
山本峻岳 編
出版者
光融館
巻号頁・発行日
1920
著者
森脇 義弘 伊達 康一郎 長谷川 聡 内田 敬二 山本 俊郎 杉山 貢
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1701-1705, 2001

キックスケート(車輪付きデッキ,シャフト,ハンドルバーから構成される遊戯具)による肝損傷で病院前心肺停止状態(CPA-OA)となり救命しえなかった症例を経験した.症例は, 9歳,男児,同遊戯具で走行中転倒しハンドルバーで右側胸部を強打.救急隊現場到着時,不穏状態で呼名に反応せず,血圧測定不能,搬送途中呼吸状態,意識レベル悪化,受傷後約30分で当センター到着, CPA-OAであった.腹部は軽度膨隆,右肋弓に6mmの圧挫痕を認めた.急速輸液,開胸心臓マッサージにより蘇生に成功した.肝破裂と腹腔内出血の増加,血液凝固異常,著しいアシドーシスを認めた.胸部下行大動脈遮断し,救急通報後78分,搬送後46分で緊急手術を施行した.肝右葉の深在性の複雑な破裂損傷に対しperihepatic packing,右肝動脈,門脈右枝結紮術を施行,集中治療室へ入室したが受傷後約15時間で死亡した.
著者
河添 房江 山本 登朗 リーブズ クリストファー 福井 辰彦 神作 研一 藤島 綾 西村 慎太郎 斎藤 真麻理 宮間 純一 入口 敦志
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.45, pp.1-16, 2016-10-14

●メッセージ人文学の危機と異分野融合研究●研究ノート鉄心斎文庫――伊勢物語コレクションの魅力『唐土訓蒙図彙』への誘い『和訓三体詩』読解の試み(付)特定研究「日本の近世における中国漢詩文の受容」公開研究会の開催報告●トピックス鉄心斎文庫感謝状贈呈式について国文学研究資料館公式Twitterがはじまりました第28回人文機構シンポジウム「妖怪空間――でそうな場所」パネル展示「アーカイブズ・レスキューの活動記録」のご案内2016年度 子ども霞が関見学デー第2回日本語の歴史的典籍国際研究集会 日本古典籍への挑戦~知の創造に向けて~第40回国際日本文学研究集会プログラム総合研究大学院大学の近況
著者
村田 正秋 山本 富嘉 浜田 康弘
出版者
The Geodetic Society of Japan
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.31-42, 1991

GPS(全世界測位システム)衛星の軌道決定システム(MSOP)を開発した.MSOPは多衛星同時軌道決定プログラムで,疑似距離データからGPSの宇宙部分を構成する衛星群の軌道を同時に決定することを目的としている.ここでは,太陽輻射圧とyバイアスのモデリングを中心に,GPS衛星の精密軌道決定のための手法を検討し,実際にCIGNETデータによって軌道決定実験を行ない,GPSの測地利用に望まれるサブppmの衛星位置精度が達成されていることを示す.軌道精度の評価は,CIGNETのPコード疑似距離データからMSOPによって決定された軌道を,米海軍兵器センター(NSWC)の精密暦と直接比較することによって行なう.その結果,疑似距離によるGPS衛星の軌道決定精度はa全衛星平均で10mすなわち0.5ppmより良好であることが示された.
著者
山本 淳二 花岡 誠之 矢野 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.146, pp.19-24, 2007-07-12
被引用文献数
1

移動通信システムにとって使い勝手の良い6GHz以下の帯域については,第3世代携帯電話や無線LANを始めとして稠密に利用されており,深刻な電波の逼迫状況が生じている.電波の利用状況は時間や場所に応じて異なっており,逼迫している電波をより有効かつ効率的に活用するため,複数の電波利用システム間における電波の高度な共同利用の実現が求められている.報告者はこれまでに複数の無線システムを統合するコグニティブ無線システムについて無線環境認識技術やコグニティブ無線を実現するためのシステム構成について検討してきた.本報告では,基礎実験システムにIP-TV電話を接続し,コグニティブ無線システムの基礎通信システムの通信特性の測定結果を示す.測定の結果,無線LANは通信悪化時に各種測定値の変動が大きいが,通信状態の復帰時に測定値の復帰が早く,WiMAXは802.16-2004と802.16eのどちらも通信悪化時の変動が小さい代わりに測定値の復帰に時間が掛かることが判った.
著者
佐藤 周平 土橋 宜典 山本 強 安生 健一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.15, pp.1-6, 2009-10-29

近年,流体シミュレーションに基づいた自然現象のシミュレーション手法が多く提案されている.その一つとして,爆発のシミュレーション手法が提案されているが,その形状は多くのパラメータに依存しており,ユーザの意図した形状を得ることは困難である.我々は,これまで,ユーザの指定した単一の目標形状に一致するよう爆発のシミュレーションを制御する手法の開発を行っている.本稿では,この手法を拡張し,複数の目標形状をキーフレームとして指定することで複数回の爆発の制御を可能とする手法の開発を目指す.提案手法により,異なる目標形状に制御された複数の爆発のシミュレーションを連続して行うアニメーションの生成が可能である.Recently, many simulation methods for natural phenomena based on fluids simulation have been proposed. A method for explosion is also proposed, but the shapes of the simulated explosions depend on many simulation parameters. Therefore, it is difficult to create a shape of explosion that users specified. In this paper, we propose a method for controlling explosion simulations to form shapes that users specified. The user specifies the multiple shapes of the explosion at several key frames. Using the proposed method, the animation of explosions controlled into specified shapes can be generated.
著者
岡 真理 林佳 世子 藤元 優子 勝田 茂 石川 清子 山本 薫 浜崎 桂子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本における、中東の三大言語文化圏であるアラブ世界、イラン、トルコの現代文学研究者を結集し、中東現代文学のさまざまな時代、作品・作家における「ワタン(祖国)」表象の分析・考察をおこない、それを通して、歴史的には近代初頭から植民地時代を経て2011年の一連のアラブ革命に至る、西アジアから北アフリカに及ぶ中東諸諸社会における、「祖国」なるものをめぐる文化的ダイナミズムを明らかにするとともに、中東に生きる人々の生と精神性の諸相の一端を探究した。
著者
坪田 将吾 山本 聡史 手島 司 林 茂彦
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.152-161, 2015-09-01 (Released:2015-09-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

イチゴの循環式移動栽培における果実計数を目指し,栽培ベッドの横移送中に取得した画像を基に,赤色果実および未熟果実の計数を行うベッド移動型果実撮影装置を試作した.また,計数処理を行うアルゴリズムとしてRGB + TOF処理を開発し,RGB処理による果実計数との比較を行った結果,以下の知見が得られた.1)RGBカメラおよびTOFセンサの光軸を栽培ベッドの移動方向と平行に配置し,ラインスキャンによって画像を取得したことで光軸がほぼ重なり,カメラごとの内部パラメータの違いを補正することなく,RGB画像と距離画像をアフィン変換のみにより高精度に対応付けすることができた.2)模型果実を用いた果実の重なり分離試験において,果頂部の高さの差が20 mm以上のとき,果実の重なりが大きく粒子解析手法では果実の分離が困難な果実の中心軸間距離が30 mm以上の場合でも,距離情報を用いることにより分離可能であった.3)赤色果実を計数する性能を検証した結果,「あまおとめ」に対するRGB + TOF処理で96.8 %,RGB処理で90.3 %であった.「紅ほっぺ」でも,RGB + TOF処理で94.7 %,RGB処理で74.3 %となり,距離情報により重なった果実を分離することで,高精度な果実の計数が可能となった.しかし,距離情報による果実分離では,TOFセンサからの距離が近い果頂部周辺を一つの果実として認識し,1つの果実を分割してしまうことがあり,誤検出数が増加した.4)未熟果実を計数する性能を検証した結果,「あまおとめ」に対する計数成功率は,RGB + TOF処理で69.6 %,RGB処理で70.9 %であった.また,「紅ほっぺ」でも,RGB + TOF処理で71.2 %,RGB処理で72.6 %となり,距離情報を組み合わせることによる精度向上は見られなかった.しかし,高い位置に着花する花等を距離情報を用いて除去することができ,誤検出数が削減できることが明らかになった.
著者
田村 直子 黒川 直樹 武田 士郎 山本 美和 横内 亜紀 金指 巌
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ed0829-Ed0829, 2012

【はじめに、目的】 本市では、介護保険制度の開始と並行して一次予防事業対象者に対する介護予防事業を地域で実施しながら、事業内容や展開方法等の検討を行ってきた。そして平成18年の地域支援事業創設に伴い高齢者運動支援事業(以下健康教室)を企画し、市内全域での事業展開を図ってきた。今回本市で実施するこれらの介護予防事業について紹介すると共に、行政機関の理学療法士が限られたマンパワーの中で地域においてどのような役割を果たすべきか、課題や今後の方向性について報告する。【方法】 健康教室は65歳以上の要介護認定を受けていない高齢者を対象に市内の公民館等で実施しており、血圧測定等の健康チェック、理学療法士による体幹・下肢を中心としたストレッチや筋力強化等の運動プログラムを地域の会場で継続的に実施している。当初は月2回の開催(隔週)であったが、参加者からの要望を受け週1回の開催に変更し、その際にマンパワーを増加しないまま実施回数を増やすために、参加者の運動グループ(以下自主グループA)を育成するとともに、音声媒体(CD等)と音響機器を準備し、理学療法士なしでも同様の運動が行えるように運動プログラムを作成した。さらに、参加者の増加で受け入れが困難になってきた会場は、開催時間を分けて二部制とし、より多くの希望者が継続的に参加できる状況を整備した。健康教室は参加者の大半を女性が占め、男性が参加し難い状況であったため、男性の要望を調査した上で、男性限定での会場を新たに設置した。事業を継続して実施する中で、公民館等よりもっと身近な、団地の自治会や町内会等の単位で運動を継続して行いたいとの要望を受けるようになってきたため、参加者自身が会場を確保し、そこに行政が側面から技術的な支援を行うというグループ(以下自主グループB)が誕生した。なお、本事業に従事している理学療法士の数は8名(常勤5名、雇い上げ3名)で、開始された平成18年度から現在まで増員はしていない。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究については参加者に目的等について口頭で説明し同意を得た。【結果】 健康教室の実績は、平成20年度:35会場、実人数1,609人、延人数31,236人、自主グループA数32、自主グループB数4、平成21年度:39会場、実人数1,877人、延人数33,788人、自主グループA数33、自主グループB数6、平成22年度:41会場、実人数1,945人、延人数36,664人、自主グループA数37、自主グループB数6であった。健康教室が開始された平成18年度は、25会場、実人数1,405人、延人数12,207人、自主グループA数10、自主グループB数1であった。【考察】 介護予防を目的として理学療法士が介入する最大のメリットは、高齢者の運動機能の維持・向上に対して専門的にアプローチできることであると思われる。そのためには、継続的に運動を実施する機会と場所を保障することと、具体的な運動方法を提供することが重要なポイントであると考えられる。健康教室は当初、行政主体で事業展開を図ってきたが、参加者の中から自主グループAが発生し、その育成支援を図るとともに、市内全域での事業展開へと拡大していった。自主グループBが誕生した要因は、住民が健康教室に参加することで運動の効果や介護予防の重要性を認識し、さらに自主グループAで培われた運営のノウハウを得たことで、会場まで来られない近隣の人にも運動を提供したいという意識が住民に芽生えたものと考えられる。このように自ら希望し教室を運営するグループが増加することは、移動能力の低い虚弱な高齢者への運動機会の提供にもつながり、本市の介護予防事業が地域社会の中に根差していく上で効果的な活動であると認識している。行政主体で開始した事業をきっかけに、住民のニーズに応じて理学療法士がその専門性を発揮しながら、事業形態を変化させ、住民と協働して事業を実施することによって、様々な形の自主的な活動が誕生している。さらにこのような活動を広げることで限られたマンパワーでも多くの高齢者に介護予防サービスを提供することが可能となり、医療費削減や介護給付費の抑制にもつながると考えられる。今後も、介護予防に対する住民の意識の向上を図るとともに、住民の声を事業に積極的に反映させることによって、行政と地域住民がそれぞれの役割を認識し、より効果的な介護予防事業が展開できると考えられる。【理学療法学研究としての意義】 理学療法士が従来の対患者という個々に対する関わりから、行政の実施する住民サービスの中で専門性をどのように発揮し、かつ効果をあげることができるか。介護予防に資する運動の定期的な実践や住民の意識啓発等の取り組みを通して、集団に対する具体的なアプローチを考える上で有用であると思われる。
著者
山本 卓
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.1-22, 1999-03-01

アラゴン後期の代表作『死刑執行』には、作者自身の自我の投影である「二重人間」が登場する。同一人物の公的な面と私的な面とを代表するアントワーヌとアルフレッドの二人がその二重人間だ。彼らはそれぞれに、作者の内面の対立する両極を具現化した存在である。この二人の対立を通して、後期のアラゴンの内的な葛藤が明らかにされていく。実はしかし、この、二重人間という認識のための仮説は、ロマネスクな世界に入り込むための出発点にしか過ぎないのだ。アラゴンはこうした対話の装置を媒介としつつ、より高度の多声的な構造を持った作品空間を構築していくからである。二つの声による対話は、副次的なさまざまの声を呼び寄せつつ、やがては数多くの声が語り合う多声的な空間を創造していく。本稿では、そうした多声的空間生成のプロセスを、パフチンなどの理論と対照しつつ考察する。
著者
山本 康正 永金 義成
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.75-82, 2015 (Released:2015-03-26)
参考文献数
41

要旨:横断的調査では,血圧高値が認知機能障害(CI)に関連するという報告から,逆の関係,さらに,U カーブの関連にあるとするものなどがある.縦断的には,中年期の高血圧は高齢期におけるCI と一貫して関連しているが,高齢者では,血圧低値がCI を増悪させ,血圧高値は保護的に働いているとの指摘もある.これらを仲裁するような,高齢者ではSBP 高値とDBP 低値がCI を増悪させるとする報告もある.また,認知症が発症進展すると,経年的に血圧が下降することを考慮に入れる必要がある.高血圧は脳血管性認知症(VD)との関連が強いが,アルツハイマー型認知症(AD)についてもより緩やかであるが関連ありとする報告が多い.特に脳血管性CI は,夜間血圧上昇型(non-dipper,riser)に強く関連しており,夜間血圧上昇型は食塩感受性高血圧が多いことから,レニン・アンギオテンシン系抑制薬と利尿薬の使用がCI 予防に役立つ可能性がある.
著者
山本 一成
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.305-317, 2013-03-28

Understanding children's experience is an essential task for preschool teachers. It is also an important mission for research on early childhood education. This paper reconsiders research on the practice of early childhood education, to describe the experience of children and teachers, as part of the process of education. Experience cannot be described completely from a single perspective. Theories of description, such as phenomenology and ecological psychology, sometimes provide opposite views with regard to the theme of early childhood educational practices. Research on the practice, from a pragmatic view, cannot define the truth of experience. Truth and goodness are found by teachers as a practical consequence of utilizing the research. The contents of the research should be reconsidered in the process of utilization through dialogue among the text, practitioners, and other researchers. Research on the practice can contribute to the development of practices of teachers by working within their experience and produce continuous dialogue on the meanings and values of children's experience. Research on the practice of early childhood education is an endless inquiry to understand children's experience, and requires a respectful attitude toward a diversity of experience.