著者
山田 昇司
雑誌
朝日大学一般教育紀要 = Journal of Liberal Arts and Science Asahi University (ISSN:13413589)
巻号頁・発行日
no.41, pp.19-43, 2017-03-31

This article is, in a way, a record of my English teaching in which I used the story of Garshin’s The Signal . It means that I wrote here in detail how the lesson was prepared, designed, conducted and reviewed. And at the same time I also analyzed in the light of pedagogical aspect the following points : the requirements of good material for English teaching, the relation between worksheet form and the designing of 90 minutes, the important role of translation for training thinking power, etc. The description starts from how I met this story. I was then reading a couple of Russian writers that are said to have influenced DAZAI Osamu, a Japanese writer, and encountered this story. I was deeply moved by the story that I strongly wanted to use it in my English class. What I had to do first was to find out the English text. I successfully met three English versions and chose one for my teaching material, though some lines were replaced by the other one for some reasons. For this reading material I devised a new type of worksheet so that my students could learn by themselves, both in translation and pronunciation. And next I designed the 90 minutes lesson like this : the first 30 minutes for translation, the second 40 minutes for reading aloud and the last 20 minutes for copying English and Japanese in phrase unit. After the translation was over, I gave the students a reading report, a kind of an assignment in which they write their own thoughts and feelings. I picked out a few good essays and made worksheets for writing. This worksheet had two roles : one is to learn how to change word (very often phrase) order from Japanese to English, and the other is to think again the true meaning of the story. I found among the students’eaasys a very impressive one that made me change my earlier views on the theme of the story. Lastly I want to say that this lesson has contibuted to fostering global citizens in any way because Russian writers are seldom seen in English textbooks. I believe that the students have realized that people are moved in the same way even if their nationalities differ.
著者
藤井 敏嗣 吉本 充宏 石峯 康浩 山田 浩之
出版者
山梨県富士山科学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

山小屋の屋根構造の落石や噴石などの岩石の衝突に対する強度を明らかにするために、富士山の山小屋で使用されている杉の野地板を用いた屋根構造に噴石を模した飛翔体を衝突させる実験をH28年度に引き続き実施した。屋根構造の簡易的な強化策を検討することを目的に、杉板2層を重ね合わせた構造を検討することとした。衝突実験は、H28年度と同様に防衛大学校所有の圧縮空気によって飛翔体を噴射させる高速投射型衝撃破壊試験装置を使用した。飛翔体は昨年度と同様にビトリファイド砥石(2421 ㎏/m2)、直径90mm、質量2.66kgを使用した。本実験では、飛翔体の質量を固定したため、速度を変化させることで運動エネルギーを変化させた。飛翔体速度は20m/s~50m/s(衝突エネルギーは約1000J~3600J)の範囲で行った。基本構造は、杉板2層を重ね合わせた表面に、防水シート(厚さ約1mm)とガルバリウム鋼板(厚さ約0.4mm)を取り付けたものに垂木を組み合わせた。杉板の重ね合わせ方は、1枚目と2枚目を直交させるように重ね合わせるクロス型と平行に重ね合わせるスタッカード型の2種類を作成した。実験結果より杉板の貫通限界エネルギーは、板厚15mmのクロス構造において2100~2700J、板厚15mmのスタッガード構造において1200~1900J、板厚18mmのクロス構造において2500~3000J、板厚18mmのスタッガード構造に1300~2400J付近と求めることができた。すなわち、板厚に関わらず、クロス構造はスタッガード構造に比べて高い衝突エネルギーにおいて貫通の境界が現れた。そのため、杉板を2枚重ねて木造建築物屋根を作製する場合、クロス構造の方が噴石衝突に対する木造建築物の安全性が高いといえる。
著者
山田 富明
出版者
化学工学会
雑誌
化学工学 = CHEMICAL ENGINEERING OF JAPAN (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.797-803, 2007-12-05
参考文献数
13
被引用文献数
3
著者
山田 準吉
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.627-641, 1982 (Released:2007-07-09)
参考文献数
45
著者
山下 修一 YEO Jennifer 湯地 涼介 中村 祐樹 山田 実加 成松 泉 平野 祐希子 YANG Lim Tong HWEE Lim Chia 野村 純 大嶌 竜午 馬場 智子 林 英子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.96-106, 2017 (Released:2017-07-15)
参考文献数
14

The purpose of this study was to investigate how findings in science education findings play a key role in the improvement of science lessons for secondary school students. Japanese university students created a science lesson on tomography for Singapore students as part of the TWINCLE program. We investigated the change of lesson plans, PowerPoint slides, teaching materials and worksheets on the topic of tomographic visualization before and after the lesson with our Singapore counterparts. The results of this study show three key points: 1. The process of improvement of the science lesson became a form of active learning for the university students. 2. The university students’ lesson plans and teaching materials were revised according to the context so as to find the location of blood clots present in blood vessels. 3. The revised hands-on activity exposed secondary school students to a more “authentic” application of the concept of tomography.
著者
山田 悦 浅野 広樹 布施 泰朗
出版者
大学等環境安全協議会
雑誌
環境と安全 (ISSN:18844375)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.2_97-2_104, 2012 (Released:2012-10-26)
参考文献数
21

環境試料中の微量過塩素酸イオンの測定法として開発したサプレッサー型イオンクロマトグラフ装置を用い、大気環境及び水環境中における過塩素酸塩の動態解析を行い、土壌や農作物への影響についても検討した。2007年から2009年の京都市における雨水中過塩素酸イオンの濃度範囲はN.D.~3.53 μg/L、平均濃度は0.72±0.70 μg/L(n = 41)であった。大気エアロゾル中過塩素酸塩の濃度範囲は0.02~9.64 ng/m3、平均濃度は0.62±1.32 ng/m3(n = 132)で、2~4月に高いという季節変化を示し、バックトラジェクトリ解析より中国大陸からの汚染物質の長距離輸送の影響が推測できた。近畿における淀川水系河川水、水道水及び地下水中過塩素酸イオンの濃度は、いずれもアメリカマサチューセッツ州の飲料水基準(2μgg/L)より低く、人間の健康に安全なレベルであった。野菜中の過塩素酸イオン濃度は、レタス、キャベツなど可食部が葉菜の野菜中に比較的高く検出された。2009年測定の京都産牛乳中過塩素酸イオン濃度の平均値は22.6±7.61 μg/Lと2005年の値より高かった。雨や大気エアロゾルにより負荷された過塩素酸塩が農作物の葉などに濃縮し、間接的に牛乳の濃度に影響したと考えられる。
著者
渡邊 法男 細川 佐智子 山田 卓也 吉田 知佳子 鈴木 瑛子 安部 成人 伊藤 真也 丹羽 伊紀詠 山村 恵子
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.27-32, 2017-03-20 (Released:2017-03-25)
参考文献数
11

目的:フェンタニル舌下錠(Fentanyl Sublingual Tablets:FST)の有用性および安全性について調査を行い,FSTの適正使用に向けた問題点について検討した.方法:薬学的管理を行ったがん性疼痛入院患者のうち,突出痛に対してFSTを使用した18名を対象に,FST使用前後の疼痛スコアおよび副作用(嘔気・嘔吐,傾眠)の変化について調査した.結果:FST使用前後の疼痛スコアは,投与直前6.4±2.4と比較して,投与30分後3.4±2.8と有意な改善が認められた(p<0.01).傾眠は,投与直前と比較して,投与30分後および2時間後に有意な発現の増加が認められた(p<0.05).嘔気・嘔吐は,有意な変化を認めなかった.FST使用患者9名に口腔乾燥が出現し,口腔乾燥出現時には,疼痛スコアおよび副作用に有意な変化を認めなかった.結論:FSTの適応を判断する上で口腔状態の観察は必須で,十分な口腔ケアを行った上でFSTを使用すべきである.また,傾眠の副作用が高頻度に出現する可能性が示唆された.
著者
稲垣 洋三 坂本 耕二 井上 泰宏 今西 順久 冨田 俊樹 新田 清一 小澤 宏之 藤井 良一 重冨 征爾 渡部 高久 山田 浩之 小川 郁
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.114, no.12, pp.912-916, 2011 (Released:2012-01-28)
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

[背景] 甲状腺乳頭癌 (以下PTC) の頸部リンパ節転移の診断法としては画像検査や穿刺吸引細胞診 (以下FNAC) が一般的であるが, 原発巣が微細でかつ頸部リンパ節転移が単発嚢胞性の場合には診断に苦慮することがある. このような症例には穿刺液中サイログロブリン (以下FNA-Tg) 測定が有用といわれているが, PTC転移以外の嚢胞性病変も含めた検討は少ない. 今回われわれは, PTC転移およびそれ以外の頸部嚢胞性病変のFNA-Tgを測定し, PTC転移に対する補助診断としての有用性を検討した. [対象] 2006年7月~2009年2月に頸部嚢胞性病変またはPTCの嚢胞性頸部リンパ節転移を疑う病変に対し, 手術を施行し病理組織学的診断が確定した17例. [方法] 超音波ガイド下に (一部症例は術後検体より) 穿刺採取した嚢胞内容液のFNA-Tg値を測定し, FNACおよび病理診断との関係について検討した. [結果] FNA-TgはPTC転移例のみ異常高値を示したのに対し, 側頸嚢胞例では測定感度以下, 甲状舌管嚢胞例では血中基準値範囲ないし軽度高値であった. [結論] FNA-Tg高値はPTC転移を示唆する有力な所見で, 特にFNACで偽陰性を示すPTC嚢胞性リンパ節転移と側頸嚢胞との鑑別に有用であった. FNA-Tg測定の追加によりFNAC施行時に新たな侵襲を加えずに術前正診率を向上させられる可能性が示唆された.
著者
好川 真以子 中山田 真吾 久保 智史 岩田 慈 阪田 圭 宮崎 佑介 鳥越 正隆 齋藤 和義 田中 良哉
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.397a-397a, 2016 (Released:2016-09-03)

【目的】SLE末梢血ではメモリーB細胞が増加するが質的異常の詳細が不明である.今回,ケモカイン受容体発現によるB細胞の亜分類を試み,その誘導機構と病態との関連を検討した.【方法】健常人(HD)8例,関節リウマチ(RA)31例,SLE 56例の末梢血よりPBMCを分離,T・B細胞表面抗原,分化マーカー,ケモカイン受容体(CXCR3, CXCR5)を染色後,8 color FACSで解析した.また,HDから分離したB細胞を各種サイトカインで刺激し,ケモカイン受容体および転写因子発現の変化を8 color FACSで評価した.【結果】1)SLE末梢血B細胞ではHD,RAと比べ,エフェクターメモリー(EM; IgD−CD27−)B細胞が有意に増加した(p < 0.01).2)SLE末梢血B細胞ではHD,RAと比べ,CXCR5−およびCXCR3+の亜集団が有意に増加し,特にEM B細胞で顕著であった(p < 0.01).3)HDから分離したB細胞はIFNγ刺激でCXCR3発現が増強し,IFNβ刺激でCXCR5発現が減弱した(p < 0.05).4)HDから分離したB細胞はIFNγ刺激でT-bet発現が亢進した(p < 0.01).【考察】SLEではエフェクターB細胞が増加するのみならず,Type I IFNを介したCXCR5減弱,Type II IFNを介したT-bet発現誘導とCXCR3増強の両者を伴う質的異常が齎され,B細胞の病変組織への浸潤と炎症病態の形成に寄与する可能性が示唆された.
著者
有田 和徳 山田 謙慈 藤田 浩史 鎌田 達 吉田 康洋 池尻 公二
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.634-638, 1990-06-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
14

CT, MRI, SPECTで検索し得た典型的な進行性核上性麻痺の1例を報告する.症例: 68才女性, 約2年前より動作や言語が緩徐となり, 転倒しやすくなつた. その後症状は安定していたが約20ヵ月後より痴呆が認められ, 歩行が不安定となり, 自発的な発語や動作が乏しく臥床状態が多くなつた. 1987年1月の入院時, 神経学的には核上性眼球運動障害, 皮質下痴呆, 頭部を後方に反り返らせる特異なdystonia, 病的反射を伴わない四肢の腱反射亢進, 四肢の著明なrigidity, 後方への転倒傾向が認められた.1)CTでは中脳の萎縮とともに大脳のびまん性の萎縮が認められた. 大脳の萎縮は約2年間の経過で進行が認められた. 2)MRI矢状断像によつて中脳, 橋被蓋の萎縮が明瞭に描出され, 画像診断上きわめて有用であつた. 3)SPECTでは脳幹, 大脳基底核ならびに前頭葉の血流低下が認められた.
著者
佐藤 栄治 吉川 徹 山田 あすか
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.71, no.610, pp.133-139, 2006-12-30 (Released:2017-02-17)
参考文献数
18
被引用文献数
2 14

The purpose of this study is to develop a method for location planning of regional facilities. To this end, this article aims at formulating converted walking distance considering resistance of topographical features as well as changes in physical strength by age. Two types of converted distance, one based on dynamics and the other based on consumption calorie, are compared with direct distance and route distance in terms of user distribution of a regional facility in Tama New Town. The result shows that the converted distance based on consumption calorie gives the best model among the four types of distance.
著者
山田 明義
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

菌根性食用きのこが地域再生に貢献できる前提として,山林を活用した栽培技術の開発が挙げられよう.腐生性きのこの菌床栽培技術をそのまま応用しただけでは,必ずしも地域再生には結びつかない.マツタケで言うならば,経験的なマツタケ山の施業を元にしつつ,施業内容の科学的な再検証と,新たな生物工学的技術の導入が考えられる.また,野生食用きのこの資源価値を吟味することも大いに意義があろう.戦後,菌根性きのこを含む野生きのこの収穫や生産は,栽培きのこの量産化に伴ってその価値が低下した.しかし,食文化の成熟とともに,菌根性きのこにしかない風味や食感に対するニーズが,今後大きくなると予想される.また,欧米のきのこという見られ方の強いトリュフ,ポルチーニ,シャントレルも,実は国内の山林に自生する.このため,まずは,資源となる菌根性きのこが地域にはどのくらいあるのか明らかにし,その活用法や活用先について知恵を絞る手が考えられる.同時に,地域の山林でどの菌根性きのこをどのくらい収穫したいのかといった青写真をかざしながら,菌根苗の生産と植林や,菌床埋設によるきのこ山の造成などの技術面を詰めていく手が考えられる.