著者
永島 俊夫 小泉 幸道 山田 正敏 柳田 藤治
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.469-473, 1987

カレー製造に比較的よく用いられている香辛料9種について,120℃に加熱した場合の香気成分の変化をガスクロマトグラフィーにより比較検討した.<BR>(1) カルダモン,クローブ,クミンは加熱により主要な成分が増加し,全香気成分量も増加した.<BR>(2) オールスパイス,メースは加熱により全香気成分量が減少したが,その割合は比較的少なかった.<BR>(3) フェネル,シナモン,コリアンダー,フェネグリークは加熱により各成分が大きく減少し,特にフェネグリークはそれが著しかった.<BR>(4) 各香辛料の香気成分は,加熱により増減が見られたが,低沸点化合物量は全ての香辛料で減少が認められた.<BR>(5) 香辛料の種類により,加熱による変化に特徴が見られたことから,製造時においてもこれらの点を充分考慮する必要があると思われた.
著者
高野 正博 緒方 俊二 野崎 良一 久野 三朗 佐伯 泰愼 福永 光子 高野 正太 田中 正文 眞方 紳一郎 中村 寧 坂田 玄太郎 山田 一隆
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.201-213, 2011 (Released:2011-04-01)
参考文献数
43

陰部神経に沿って圧痛ある硬結が存在し,肛門痛,括約不全,排便障害,腹部症状,腰椎症状を訴える症例がある.これらの症候の合併率は85.1%と高く,仙骨神経と骨盤内臓神経の両者の障害が関与していることがわかり,神経因性骨盤臓器症候群(Neurogenic Intrapelvic Syndrome,NIS)と名付けた. この症候群と診断した537例に,病態に応じて,肛門痛には主としてブロック療法,括約不全にはバイオフィードバック療法,腸管の運動不全には薬物療法,神経障害には理学療法と運動療法,また症候群に附随する精神障害には心理療法を組み合わせて治療した. その結果,肛門痛74.2%,括約不全83.3%,排便障害78.1%,腹部症状81.5%,腰椎症状66.0%で症状が改善し,これらの治療法は治療効果が高率に得られる適切なものであると判断した.多症候を有する症例でもそれぞれの病態に対する治療法を組み合わせ,総合的な治療を加え行うことによって高い効果が得られた.
著者
山田 憲嗣 高橋 秀也 志水 英二
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J80-D2, no.11, pp.2986-2994, 1997-11-25

本論文では,短波長域における結像法として利用されている符号化開口法を可視光域に適用し,物体の位置と物体表面の3次元形状を検出する手法について述べる.本手法は物体から開口面までの距離により,投影面上に映る開口面の大きさが変化する特性を用い,開口面から物体までの距離を検出する.この距離検出を対象物体の表面の各画素に拡張することで物体表面の3次元形状を検出する.実際に,短波長域で用いる符号化開口法を可視光域で用いることができる条件を考察し,試作システムを構築して3次元物体の形状を検出した.提案する検出法は,両眼視法とは異なり,物体の反射光だけを利用した単眼視法であるので,簡単な測定システムで3次元形状検出を実現することができる.また,光だけでなく波動の性質をもつものであれば可視でも不可視でも本手法を利用し,3次元形状検出を行うことが可能である.
著者
戸ヶ里 泰典 山田 正己 泉 キヨ子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1_115-1_123, 2004-04-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
39

尿路カテーテル装着患者への尿路感染予防のための外尿道口周囲のケア(meatal care)は,様々な根拠に基づいた多種の方法で実施されていることが多い。そこで米国や英国のレビューやガイドライン,RCT研究等を概観し,尿路感染予防に効果的な外尿道口ケア方法を検討した。その結果,短期間(~7日)の留置に限る場合にはポビドンヨードによる消毒や石鹸洗浄の実施,抗生剤軟膏の塗布が細菌尿の出現に関連するという報告から,これらの実施を控えることが望ましいことがわかった。一方,中期間(7~30日)および長期間(1ヶ月以上)留置の場合,根拠とすべき研究は未だ報告されていない。すなわちEBNの観点より,尿路感染予防のための外尿道口ケアとは,通常の身体保清のみであるといえる。また今後,長期留置患者では感染防止に加え,顕性感染予防のためのケア方法の探究といった,視野を広げた研究が必要と考えられる。
著者
山田 利治 河原 康 佐野 大輔 渡邉 裕之 小澤 総喜 神谷 祐司
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.248-252, 2008-04-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

We report a rare case of brain abscess secondary to mandibular odontogenic infection. A 50-year-oldman developed an abscess of the infratemporal fossa, masticatory myositis, and temporal myositis caused bylower first molar marginal periodontitis. Incision and drainage were performed by an intraoral approach, andantibiotics were administered intravenously. On the 8th disease day, vomiting occurred, but responded to anantiemetic drug. On the 9th disease day, extraction of lower first molar and adrasion was performed, resulting inthe alleviation of local symptoms. However, a persistent headache occurred, CT and MRI scans revealed a brainabscess and subdural abscess in the temporal lobe, immediately above the skull internal base. The patient wasgiven a diagnosis of brain abscess caused by odontogenic infection. The abscess almost disappeared after conservativetherapy administered at the department of brain surgery, and no sequelae were noted. The abscess apparentlyexpanded directly and continuously from the skull base through the foramen ovale and foramen spinosum.This case emphasizes the need to diagnose brain abscess and subdural abscess as complications of odontogenicinfection.
著者
山田,哲哉
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, 2006-06-25

「はやぶさ」ミッションの最終フェーズでは,小惑星のサンプルを搭載した小型カプセルが地球大気への高速再突入を行う.過酷な空力加熱環境を通過し減速された後,高度約10kmでパラシュートを開傘・緩降下し,地上にて回収される予定である.約12km/sの高速で地球再突入するカプセルが曝される空力加熱環境は非常に過酷で,カプセルは内部の小惑星サンプル,搭載機器を保護しつつ地上に到達せねばならない.空力加熱環境の把握と,それから内部を保護する熱防御システムの開発は,「はやぶさ」カプセルのキーテクノロジーの1つである.本稿は,「はやぶさ」カプセルの大気圏再突入をプラズマ現象の観点から整理し,関連の話題として,空力加熱の予測技術,加熱から機体を保護する熱防御技術,およびその試験方法等を紹介するものである.
著者
松村 美代 戸部 隆雄 山田 晴彦 松村 美代
出版者
関西医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

高濃度酸素負荷によりマウス網膜の視細胞が脱落し、網膜の菲薄化がみられる事がこれまでの実験により分かった。そこで我々はこの網膜視細胞の脱落がアポトーシスによるものである事を証明し、そしてどういう経路によりアポトーシスが引き起こされているのかを研究している。マウスを酸素濃度75%に調節したBOXにいれ、高濃度酸素に1週間から3週間暴露した。各時点において眼球を摘出し網膜のみを単離した。また眼球の凍結薄切切片を作成した。単離した網膜からDNAを抽出し免疫電気泳動を行うとDNAの断片化が明かとなった。また凍結薄切切片を用いてTUNEL染色を行うと高濃度酸素負荷により網膜外層にTUNEL陽性細胞が著明に増加しているのがみられた。これらのことから網膜視細胞が高濃度酸素によりアポトーシスに陥っている事が分かった。また種々のアポトーシス関連蛋白の発現をm-RNAを抽出してRT-PCRを施行し検討してみた。Caspase3のm-RNAは高濃度酸素負荷により増加し、Baxも増加を認めた。一方Bcl-2は高濃度酸素負荷1週で増加するが、2週で減少した。これら2つは拮抗する蛋白であるのでこれらが網膜視細胞のアポトーシスの制御に関わっていると考えられる。アポトーシス関連酵素のノックアウトマウスであるFas, FasLノックアウトマウスを用いて同様に高濃度酸素暴露し同様にTUNEL染色を施行した。Fas, Fas-Lのいずれのノックアウトマウスも暴露前はコントロールと同様でアポトーシスは抑制されなかったのでFas, Fas-Lはこのアポトーシスに直接関与していないことが考えられた。これらのことから視細胞のアポトーシスはcaspase dependentでBax, Bcl-2の経路が関与している事が考えられた。
著者
吉村 孝之 種田 智成 西沢 喬 尾崎 康二 山田 勝也 池戸 康代 植木 努 曽田 直樹
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.63, 2012 (Released:2013-01-10)

【目的】 下腿の筋挫傷の疫学的調査では、腓腹筋内側頭(以下、MG)の損傷が多いと報告されている。下腿三頭筋の研究は腓腹筋とヒラメ筋を比較したものが多く、MGと腓腹筋外側頭(以下、LG)を比較した報告はあまり見られないため、MG筋挫傷の原因は明らかになっていない。我々は、形態学的特性として、超音波画像診断装置を用いて筋厚を調べた。機能的特性として、足関節底屈等尺性収縮時の筋活動を調べた。2つの実験からMG筋挫傷の原因を考察したので、報告する。【対象】 下肢に整形疾患のない男性6名6肢(平均年齢27.5±4.5歳、平均身長168.8±4.1㎝、平均体重66.0±11.3㎏)の右下腿とした。なお、対象者には研究概要の説明を文書及び口頭にて行い、実験参加への同意を得た。実験の実施に際し、平野総合病院倫理委員会の承認を受けた。【方法】 1)筋厚の評価 膝関節裂隙から踵骨隆起のアキレス腱付着部までを8等分し、近位部から、1/9, 2/9, …、9/9と表記する。超音波画像診断装置(東芝メディカルシステム社製famio8)を用い、安静時の短軸像を撮像し、筋厚を測定した。統計処理は、MGとLGの筋厚に対して、対応のないt検定を用い、検討した。2)足関節等尺性底屈運動時のMG及びLGの筋電図測定 予備実験として、腹臥位膝関節伸展位、足関節中間位にて、足関節等尺性底屈運動の最大収縮時のMG及びLGの筋活動量をNoraxon社製筋電図シリーズTelemyoG2を用いて測定し、筋力をアニマ株式会社製ミュータスF-1を用いて測定した。 足関節等尺性底屈運動の収縮強度は、最大筋力の10, 20, …、70%とし、MG及びLGの筋活動量を測定した。統計処理は、MG及びLGの正規化された筋活動量を収縮強度に対して一元配置分散分析を用い、検討した。 1)2)ともに、統計解析にはSPSS16.0を用い、有意水準を5%とした。【結果】 1)腓腹筋近位1/9~6/9までは、MGがLGよりも筋厚が有意に厚かった。それ以降遠位では、筋厚に有意差は認められなかった。2)足関節等尺性底屈運動時のMG、LGともに収縮強度と比例して、筋活動が高まり、かつ収縮強度10%を基準として、50%以上の収縮強度で筋活動に有意な差が認められた。【考察】 腓腹筋近位部では、MGがLGよりも筋厚が有意に厚く、K. AlbrachtaらのMRIを用いた研究を支持する結果となった。FTAの正常値が174°であることより、荷重は膝関節外反ストレスとなりやすいため、膝関節内反作用を持つMGがより発達しやすいのではないかと考えられる。MG、LGどちらも、50%以上の収縮強度で筋活動に有意に高まった。本研究では、MG、LGの筋活動に著明な違いは認められなかったため、どちらも、50%以上の収縮強度にて筋損傷のリスクが高まると考えられる。筋厚は筋の生理的断面積に比例することから、筋力の指標と考えられるため、MGはLGに比べ、強い筋力を発揮しやすいと考えられる。そのため、MGの筋挫傷のリスクが高くなると推察される。【まとめ】 ・腓腹筋近位部では、MGはLGより有意に筋厚が厚かった。・荷重下膝関節外反ストレスに拮抗するために膝関節内反作用を持つMGが発達しやすいと考えられる。・MG、LGともに収縮強度50%以上で、筋挫傷のリスクが高まると考えられる。
著者
山田 潤 松田 秀喜
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.11, pp.866-873, 2009 (Released:2016-02-15)
参考文献数
26
被引用文献数
1 3

かつお節は古来より使用されてきた日本の伝統的な調味料である。培乾した荒節にカビ付けした枯節は発酵食品といえる。かつお節のDPPHラジカル消去活性は,100℃,30分間の抽出時に最も強い値を示し,鰹だしの抗酸化活性成分として,クレアチニンとフェノール系の2-methoxy-4-methyl-phenol,4-ethyl-2-methoxy-phenolを同定し,さらに鰹だしにより加熱調理時のイワシの酸化が抑制されることを明らかにしたので解説していただいた。鰹だしは醤油加工品であるめんつゆやだし入り味噌などに使用されており,これらの製品においても抗酸化作用が期待される。
著者
鶴島 博和 櫻木 晋一 亀谷 学 菊池 雄太 城戸 照子 西村 道也 新井 由紀夫 徳橋 曜 安木 新一郎 図師 宣忠 阿部 俊大 西岡 健司 名城 邦夫 山田 雅彦 向井 伸哉
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1. 2018年5月20日日本西洋史学会(広島大学)でDr David Roffeを招聘してDomesday Moneyersと題する研究報告、5月24日熊本大学においてThe Domesday Text Projectという講義を行った。2. 9月2日から8日までは、熊本大学と同志社大学においてThe International and symposium workshop on Money and its Circulation in the Pre-Modern Western Eurasian World in 2018を開催した。報告者は地中海世界のイスラーム貨幣に関してはスペインの大学からProf. F. M.atima Escudero, Prof. Alberto Canto, Carolina Domenech Belda 、Prof. W. Schultz、と科研メンバーの亀谷学が、世界のキリスト教世界に関してはイギリスからDr William Day , Dr Adrian Popescuが、スペインからはProf. D.Carvajal de laと Vega Dr Albert Estrada-Riusが、そして科研メンバーの阿部俊大が行った。議論は、多岐にわたり、とくに少額銀貨の流通に関して有意義な知見をえた。スペイン貨幣史研究の指導的研究者である Prof. Alberto Cantoからはこれまで経験したシンポジウムの中で最良のものの一つであるという評価を得ている。これらの報告内容に関しては報告書(2029 for 2018)に収録する予定。3.熊本地震で出土した益城町出土の古銭を地元の協力を得て分析し報告書を出版した。研究を地域に貢献することができた。4.2019年1月23日から2月10日まで鶴島がイタリアでProf. Andrea Saccocci, Prof. Monica Baldassariと研究打ち合わせを行い本年度のシンポジムに関する意見交換を行った。オックスフォード大学でZomiaに関する研究会に招待されて貨幣史から見たイングランドの無統治地域についての報告を行った。3月28日は今年度まとめの研究集会を行い、29日にドイツとバルト海の交易と貨幣についてProf. Michael Northと研究打ち合わせを行った。
著者
川田 寿里 山田 裕道 松葉 よう子 小川 秀興
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.137-142, 2000 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1

電解酸性水の手指洗浄効果を検討した。外来診療終了時に医師・看護婦の計12名が電解酸性水 (弱酸性水, 強酸性水) の流水にて30秒間手揉み式の手洗いを行なった。対照には水道水を用いた。手洗いの前後で寒天培地に手掌を接触させて, 37℃, 48時間培養し, 手洗い後の細菌コロニー数の減少率より有効性の判定を行なった。弱酸性水は有効率79.2%, 著効率54.2%, 強酸性水は有効率79.2%, 著効率66.7%, 水道水では有効率56.3%, 著効率27.5%であった。通常の手洗い行為において電解酸性水による手指洗浄効果は水道水よりも有意に優れていることが示された。
著者
長谷川 稜太 山田 寛之 石原 千晶 和田 哲
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.19-021, (Released:2020-02-28)
参考文献数
56

Animal personality, defined as consistent individual differences in behavior across time and/or context, has been associated with individual dispersal tendencies in some species. White-spotted char (Salvelinus leucomaenis) populations, often found in above-dam watersheds in Japanese mountain streams, the dams preventing continuous distribution with lower stream reaches, were subject of a behavioral study comparing above-dam and open-stream behavior of fry. Fries were collected from an above-dam area and two open-stream areas within the Kame River system (southern Hokkaido), and personality quantified by measuring a suite of behaviors, such being repeated two-month later. Above-dam fry showed a shorter swimming duration against a novel object and mirror than open-stream fry. The latency time to catch food in above-dam fry tended to be longer than that of the latter. Swimming duration against a novel object and mirror were significantly correlated when data for both groups combined, but not so when data for each group were analyzed independently. These results suggest that personality traits in whitespotted char fry would be shaped by natural selection acting on each habitat, resulting in differing adaptive personality traits.
著者
野田 伸司 渡辺 実 山田 不二造 藤本 進
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.891-897, 1981-12-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
11

生体試料中のNDVおよびワクチニァウイルスに対するイソプロパノール (IP) の不活化作用を検討した.IPは各種の生体試料により, 強い不活化阻害作用を受けるが, 試料の状態により不活化阻害の傾向には, 大きな違いが認められた.血清, 尿および脱線維血液等の液相において, エタノールの場合と同様に, IPの濃度の低下と共セこ, 試料による不活化の阻害が強く示された.しかし, 脱線維血液と同じ水分を含む凝固血液中のウイルスに対しては, 50~80%に不活化の至適濃度が示され, いずれの試料中のウイルスに対しても, 高濃度ほど強い不活化効力を示したエタノールとは, 不活化阻害の機序を異にすることが推測される.乾燥血清中のウイルスは, エタノールの場合と同様に, 40%前後の比較的低濃度のIPにより, 最も効果的に不活化された.エンベロープウイルスに対しては, 生体試料中においても, IPは効果的な殺ウイルス剤と考えられるが, 含水, 乾燥いずれの状態にも対応できる実用的な濃度としては, 50%が適当と思われる.
著者
山北 昌毅 橋本 実 山田 毅
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.61-67, 2004-01-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
7 13

A snake robot is a typical example of robots with redundant degree of freedom. Using input-output linearization for only movement of the head of a robot, we can control the head speed as a desired one, but eventually the robot will come to a singular posture like a straight line. In order to overcome the problem, a control with dynamic manipulability was proposed. In this paper, we propose a control technique in which a physical index of horizontal constraint force is used, and a control law for head configuration. By using these, the winding pattern with which the robot can avoid the singular posture is generated automatically and head converges to the target.