著者
西平 崇人 鈴木 圭輔 竹川 英宏 中村 利生 岩崎 晶夫 平田 幸一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.819-823, 2014-10-01 (Released:2014-10-24)
参考文献数
17

症例は45歳男性である.後頭部痛と吐き気の後,左方向への傾きが出現した.神経学的には左へのtruncal lateropulsion以外に異常はなかった.頭部MRIでは左延髄下部外側に急性期梗塞をみとめ,臨床・画像所見から左椎骨動脈解離による機序が考えられた.第6病日に右第10胸髄以下の温痛覚障害,左顔面発汗低下,左縮瞳が出現し,頭部MRIでは梗塞巣が拡大していた.脊髄小脳路の障害によりtruncal lateropulsionが,外側脊髄視床路の最外側部の障害により胸髄以下の温痛覚障害が出現したと推察された.本症例は延髄外側の臨床症状と障害部位との関連を理解する上において貴重な症例と考えられた.
著者
平田 諭治
出版者
日本比較教育学会
雑誌
比較教育学研究 (ISSN:09166785)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.22, pp.167-179,221, 1996-06-15 (Released:2011-01-27)

Currently a growing interest in Japan is visible all over the world, owing mainly to its economic importance. In Japan herself, “Internationalization of Education” is being advocated more loudly. Among foreign scholars some misunderstandings concerning Japanese education seem to continue because of the lack of information and their failure of cognition. Japan will have to make efforts to introduce her education more positively and more correctly to other countries, in order to deepen international understanding. It goes without saying that verbal communication needs looking in.
著者
平田 昂大 小熊 祐子 真鍋 知宏 橋本 健史
出版者
日本運動疫学会
雑誌
運動疫学研究 (ISSN:13475827)
巻号頁・発行日
pp.2208, (Released:2023-03-31)

目的:栄区セーフコミュニティの活動の一環として実施されたアンケート調査から,栄区民が自主的に実施している運動・スポーツ中における有害事象(事故・けが)の現状と傾向を捉えることを目的とした。 方法:2017年に栄区が自主的に運動・スポーツを実施している者を対象に実施した「スポーツ活動時に発生した事故・けがに関するアンケート(選択式・自由記述)」から得られたデータを量的・質的に解析を行った混合研究である。回答が得られた518件のうち,解析が可能であった473件を解析対象として実施した。 結果:過去5年間の活動で有害事象があったのは94件(20%)であった。サッカー,バドミントン,バレーボールの順に報告数が多く,下肢の捻挫・靭帯損傷(26件),下肢の筋・腱損傷(20件),頭部・顔面の打撲(7件)が多く発生していた。自由記述の結果からアキレス腱断裂,膝関節前十字靭帯損傷,頭蓋骨骨折,大腿骨骨折,脳出血が発生していた。年代別では,40~50代の筋・腱損傷(16件),60~70代の転倒(11件)が特徴的であった。 結論:地域住民が自主的に実施している運動・スポーツ中において,足関節捻挫などの下肢の傷害や高齢者の転倒といった有害事象が発生していることが明らかとなった。これらに対する予防策,対策を講じる必要性が示唆された。
著者
高澤 秀人 末永 陽一 宮下 岳士 平田 耕志郎 若林 海人 高橋 裕介 永田 靖典 山田 和彦 TAKASAWA Hideto SUENAGA Yoichi MIYASHITA Takashi HIRATA Koshiro WAKABAYASHI Kaito TAKAHASHI Yusuke NAGATA Yasunori YAMADA Kazuhiko
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告: 大気球研究報告 = JAXA Research and Development Report (ISSN:24332216)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RR-22-008, pp.37-50, 2023-02-17

深宇宙探査を対象とした新しいサンプルリターンミッションに向けて薄殻エアロシェル型カプセルが提案されている.本カプセルのコンセプトにおける一番の特徴は,軽量・大面積エアロシェルを用いることで空力加熱を避けることである.本カプセルはパラシュートレスでの帰還が想定されていることから全速度域で空力的に安定に飛行することが求められている.実機は,直径0.8m,総質量10kg, 機軸周りの慣性モーメント0.58kg m2, 機軸垂直周りの慣性モーメント0.32kg m2のカプセルを想定している.薄殻エアロシェル型カプセルの低速域における動的不安定性を評価するために,2022年7月1日にゴム気球を用いた自由飛行実験RERA(Rubber balloon Experiment for Reentry capsule with thin Aeroshell) を実施した.気球実験機として,直径0.8m,総質量1.56kg,機軸周りの慣性モーメント0.033kg m2, 機軸垂直周りの慣性モーメント0.020kg m2のカプセルを使用した.カプセルは高度25kmにおいてゴム気球から切り離され,自由飛行を開始し,海上着水した.実験中のオンボードセンサーによる計測データとカメラによる撮影画像は地上局へ送信された.自由飛行においてカプセルは姿勢振動していたもののピッチ方向に縦回転することはなかった.自由飛行時のカプセル周りの流れ場はマッハ数0.15以下,レイノルズ数10(exp 5) オーダーであった.このことから再突入時と同オーダーのレイノルズ数環境下で試験を実施できた.実験機は低速域においてピッチ・ヨー方向の振動運動が発散しないことが示唆された.
著者
示野 貞夫 細川 秀毅 平田 博 竹田 正彦
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.213-217, 1977-02-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
13
被引用文献数
35 40

In order to clarify the differences in carbohydrate metabolism of yellowtail (Seriola quinqueradiata) and carp (Cyprinus carpio), activities of digestive enzymes and carbohydrate-metabolizing enzymes, digestibilities of dietary starch and protein, and the glucose tolerande were determined. In the case of yellowtail, the apparent digestibilities of dietary starch and protein became lower with the increase of starch content in the diet. However, these digestibilities were almost constant in carp regardless of the starch content. Compared with carp, yellowtail possessed hith activities of gluconeogenic enzymes and pepsin, and low activities of glycolytic enzymes, pentose cycle dehydrogenases and amylase. The blood glucose levels of both fishes increased markedly during the first 1-2 hours after oral administration of glucose, then decreased to the original level after 4-7 hours. However, more pronounced and prolonged hyperglycemia was observed in yellowtail. These results suggest that yellowtail possesses a high capacity for gluconeogenesis and a low ability to digest and utilize dietary carbohydrate.
著者
松井 宏樹 平田 弘美
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.414-422, 2023-01-30 (Released:2023-05-01)
参考文献数
19

本研究は,前期高齢者が骨粗鬆症治療を継続した要因を明らかにすることを目的とし,骨粗鬆症治療を1年以上継続している前期高齢者を対象に,「今までどのように骨粗鬆症治療を継続してきたのか」について半構造化インタビューを行い,質的記述的に分析を行った。その結果,前期高齢者が骨粗鬆症治療を継続した要因として,『骨粗鬆症に伴う問題を自分にも降りかかることとして認識する』,『骨折予防に対する意識の高まり』,『独自の方法で治療を工夫する』,『骨粗鬆症治療に対する前向きな気持ち』,『自分なりの目標を持つ』,『周囲の人による支え』が抽出された。前期高齢者が骨粗鬆症治療を継続するために看護師ができる支援として,骨粗鬆症患者が気軽に相談できるような働きかけを行うこと,骨粗鬆症による合併症や日常生活への影響を患者がイメージできるように支援すること,治療開始から半年以上経過した患者に対しては特に,治療効果を自覚できるように支援することが必要であると考えられた。
著者
平田 淳 松尾 敏実 荻野 亮吾 江口 若香子
出版者
佐賀大学大学院学校教育学研究科
雑誌
佐賀大学大学院学校教育学研究科紀要 (ISSN:24325074)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.841-901, 2023-03-10

本稿は、主に本大学院経営コース第3・4期修了生を対象とするインタビュー調査を通して、その教育効果について検討するものである。結論としては、修了生は経営コースにおける各種授業や実習、その他指導の教育効果について肯定的に評価しており、それは特に「データに基づく現状分析と課題の設定」「理論的裏付けのある改革案の実施」「協働づくりと学校組織マネジメント」「リーダーシップ」において現れていた。
著者
山本 竜市 平田 英明
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.51-53, 2011 (Released:2012-03-29)
参考文献数
9

本研究では第一に,日本の投資家が期待を形成する際,ファンダメンタル戦略・トレンドフォロイング戦略を用いていることを示す.第二に,それら戦略を時間を通じて使い分けているという意味で「戦略の切り替え」を行なっていることを実証する.第三に,この「戦略の切替え」が実証的に見て日本の株価のファンダメンタル価格からの乖離を説明する上で重要であることを示す.本研究ではデータをバイサイドとセルサイドに分けて両者の「戦略の切替え」を検証し,戦略の切替の株価への影響の大きさを分析し,その影響の度合は投資家の属性により異なることを示す.
著者
鈴木 崇 菊地 一範 若杉 貴志 千賀 雅明 味村 寛 占部 博之 平田 直
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.71-76, 2022 (Released:2021-12-24)
参考文献数
8

交通事故低減の社会的ニーズが高まりを見せる中,交通事故シーンでのドライバ操作特性・傾向を知ることは自動車開発はもちろん先進運転支援システムの基準作りを議論する際にも重要である.そこでドライビングシミュレータを用いて緊急回避場面でのドライバ操作の特徴を年齢層(高齢層・中間層・若年層)別に把握した.
著者
有家 尚志 東 裕一 中村 駿佑 池田 翔 平田 靖典
出版者
The Society of Japanese Manual Physical Therapy
雑誌
徒手理学療法 (ISSN:13469223)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.3-10, 2023 (Released:2023-04-20)
参考文献数
23

Lateral elbow tendinopathy(LET)に対する保存療法の一つに徒手療法があるが,効果について邦文で整理されたエビデンスは不十分である。本研究の目的は,LETを有する人々を対象に,徒手療法の効果を検証したシステマティックレビュー(SR)を網羅的に評価することとした。PubMed,CENTRAL,PEDroを用いて検索した(検索日2022年2月)。方法論の質評価には,A Measurement Tool to Assess Systematic Review 2を用いた。論文の選択,データ抽出,方法論の質評価は,2名の研究者が独立して実施した。最終的に3件のSRが該当し,質的に分析した。介入として検討された徒手療法は,mobilization,neural tension,deep friction massage(DFM),Mill’s manipulationが含まれた。3件ともに,研究計画の事前登録が不十分であった。エビデンスの確実性は,DFMが疼痛と機能のアウトカムに与える効果のみ検証されていたが,very lowであった。本研究の結果,LETに対する徒手療法の効果について検証するには十分なエビデンスがなかった。今後は,アウトカムを統一して検討することが重要である。
著者
肥田 光正 出口 祐子 宮口 和也 中園 雅子 平田 直希 中川 理恵 北山 淳 浜岡 克伺
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.529-533, 2018 (Released:2018-07-06)
参考文献数
26
被引用文献数
2

〔目的〕本研究の目的は,大腿骨頸部骨折を受傷し,人工骨頭置換術を施行した患者を対象に歩行動作能力の回復を予測する因子として,急性期術後痛の強度と下肢筋力を調査することである.〔対象と方法〕対象者は,外傷による大腿骨頸部骨折後に人工骨頭置換術を施行した48名のうち除外基準の該当者を除く31名とした.術後の急性痛は,Verbal Rating Scaleを用いて術後7日目に患側の最大荷重時の疼痛を測定した.下肢筋力は,術後7日目の等尺性膝伸展筋力体重比を測定した.〔結果〕早期歩行自立群と歩行自立群は,疼痛は中等度の荷重時痛で,両下肢等尺性膝関節伸展筋力は筋力体重比16.8%で一定の判別精度を示した.〔結語〕歩行動作自立に必要な日数は,急性期術後痛強度および膝伸展筋力に一定の影響を受けることが示唆された.
著者
平田 昌弘
出版者
食品資材研究会
雑誌
New Food Industry (ISSN:05470277)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.45-52, 2011

本稿では,西アジアの乳加工体系としてイランの事例を紹介する。そして,西アジアシリーズのまとめとして,西アジア全域における乳加工体系を整理してみたい。 調査地は,イラン南部のファールス州である(図1)。かつてのアケメネス朝ペルシャの首都ベルセポリスがあった地である。イランといっても多様な民族集団が牧畜を営んでいる。そこで,事例としてチュルク系牧畜民カシュガイ族(写真1),イラン系牧畜民,アラブ系牧畜民ファームール族の乳加工体系をそれぞれ紹介する。調査時期は2004年である。
著者
鮫島 宗一郎 河南 学 平田 好洋
出版者
The Ceramic Society of Japan
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (日本セラミックス協会学術論文誌) (ISSN:09145400)
巻号頁・発行日
vol.110, no.1283, pp.597-600, 2002-07-01 (Released:2010-08-06)
参考文献数
20
被引用文献数
38 51

The thermal expansion of CeO2 and rare-earth-doped ceria (Ce0.8R0.2O1.9, R: Yb, Y, Gd, Sm, Nd and La) was measured in the temperature range from 298 to 1473 K. The coefficients of thermal expansion (CTE) were determined by differentiating the thermal expansion expressed by a polynominal equation of temperature with respect to temperature. The CTE (α1) for Ce0.8R0.2O1.9 was in the range from 10×10-6 to 14×10-6K-1 and increased nonlinearly with increasing temperature. This result was explained by the asymmetric curve of potential energy based on the lattice energy theory. The kinds of dopant gave small effect on the α1 of rare-earth-doped ceria. On the other hand, the average CTE for CeO2 and rare-earth-doped ceria (12.0-12.5×10-6K-1), determined from a linear approximation of thermal expansion with respect to temperature at 298-1273 K, was lower than the α1 and close to the previously reported values.
著者
平田 祐太郎 石井 美恵子
雑誌
第46回日本集中治療医学会学術集会
巻号頁・発行日
2019-02-04

【目的】クリティカルケア領域の看護師が記録した肺音聴診結果を表す用語の実態調査と、記録された用語と看護師の背景との関連を明らかにする。【方法】実態調査では看護師の記録を対象に肺音聴診結果を表す用語について適切用語記録率を算出した。質問紙調査ではA県医療機関ICU所属看護師に対し基本属性と共に不適切用語14カテゴリーを使用する際の意識について4段階評定法で評価を行い、そのうち肺音に直接関連する6カテゴリーの平均点を合計し不適切用語合計点を算出した。また看護記録実施者に影響を与える要因についても調査を行った。適切用語記録率の関連要因を探るため、従属変数を適切用語記録率、独立変数を基本属性としt検定、一元配置分散分析を行った。また適切用語記録率と不適切用語合計点の相関についてPearsonの相関係数を算出した。【結果と考察】研究同意を得た看護師46人のうち質問用紙の回収率は100%、有効回答率は97.8%であった。実態調査では全カテゴリーの適切用語記録率は71.0%であったが、そのうち「呼吸音」カテゴリーでは適切用語記録率が16.4%と低く不適切用語の全てが「エア入り」であった。適切用語記録率との関連を認めたのは認定看護師教育課程でフィジカルセスメント学習経験をもつ群であり、十分な時間をかけたActive Learningによる学習経験が関連していると考えられた。看護記録は先輩看護師の記録や指導など周囲からの影響を受けている傾向が観察され、「エア入り」についても記録を簡素化するために作られた造語であり先輩看護師からの伝承により使用されていると推測された。適切用語記録率と不適切用語合計点は相関を認めたことから不適切用語に関して正しい知識で修正できれば適切用語記録率にも影響されることがわかった。【結論】実態調査では全カテゴリーの適切用語記録率が71.0%であった。「呼吸音」カテゴリーでの適切用語記録率は16.4%であり、そのうち不適切用語の全てが「エア入り」という用語であった。適切用語記録率はフィジカルアセスメントを認定看護師教育課程で学習した群との関連が認められ、さらに不適切用語合計点とは相関を認めた。看護記録に影響を与える要因としては先輩看護師の指導や記録などがあることが考えられた。このことから認定看護師が適切な用語による看護記録を継続し看護師へ指導することで正しい知識が伝承され、適切な用語による記録が可能となると示唆された。
著者
中島 秀之 野田 五十樹 松原 仁 平田 圭二 田柳 恵美子 白石 陽 佐野 渉二 小柴 等 金森 亮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_875-I_888, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
22
被引用文献数
4 5

バスとタクシーの区別を無くした,主として都市部を対象とした新しい公共交通システム(Smart Access Vehicle System)の概念を示す.これは,コンピューターにより全ての車輛の位置と経路を管理し,固定路線やダイヤを持たず,乗合いで,デマンドに即時対応するシステムである.これを交通サービスのクラウド化と呼ぶ.タクシーの利便性とバスの経済性を併せ持つことが可能である上に,渋滞,事故,天候変化,災害などに柔軟に対応できる.筆者らは函館市内において小規模な実験を行い,数日間の完全自動配車に成功している.
著者
平田 和暉 下川原 英理 高谷 智哉 山口 亨
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018)
巻号頁・発行日
pp.2E4NFC1b02, 2018 (Released:2018-07-30)

近年,対話システムの研究は盛んに行われている. 先行研究としてクラウドベースの音声対話システムを開発した.先行研究で開発した対話システムの課題の一つとして,ロボットが時節情報を考慮して発話することができないことが挙げあられる.この問題を解決するために,ロボットの応答文に時節情報が含まれているかどうかを自動的に判別するシステムを考える.提案手法として2つの分類手法を用いた.1つは単語パターンマッチングによるシンプルな分類である.2つ目はMLP(Multi-Layer Perceptron)を用いた分類である.結果,MLPを用いた分類手法が単語パターンマッチングよりも有用であった.
著者
恒吉 宏亮 平田 京一郎 鈴木 健一郎 髙橋 志宗 飛田 祐志 上田 篤 渡邊 慎太郎 市川 俊和 仲川 政宏 萩原 隆男 本間 正勝 岡本 勝弘
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.137-150, 2022 (Released:2022-07-31)
参考文献数
15

In the case of a fire incident such as arson, the combustion experiment that reconstructed the fire scene will be conducted to clarify the facts. However, various problems such as construction costs and securing an experimental environment must be dealt with. Therefore, the purpose of this study is to utilize fire simulation for the investigation of fire incidents. In this study, combustion experiments and FDS (Fire Dynamics Simulator) simulations assuming gasoline arson in the kitchen, which have not been reported so far, were conducted and compared. Next, the observation of fire damage using the accumulated heat-flux was evaluated by a newly developed analysis tool for visual evaluation. The simulation results such as burning behavior, temperature changes, and the burned away phenomenon of the door showed good agreement with those experimental results. Burning behavior in the kitchen, that couldn't be observed in the combustion experiment were grasped in detail in the simulation. Furthermore, the relationship between the fire source and the fire damage on the floor, which couldn't be explained only by the observation results after extinguishing the fire, could be reasonably explained by the visual evaluation of burning behavior and the accumulated heat-flux in the kitchen by using the simulation. Therefore, the fire simulation was shown to be an effective tool for analyzing fire phenomena.