著者
原田 誠也 古川 真斗 徳岡 英亮 松本 一俊 八尋 俊輔 宮坂 次郎 斉藤 守弘 鎌田 洋一 渡辺 麻衣子 入倉 大祐 松本 博 小西 良子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.198-203, 2013-06-25 (Released:2013-07-18)
参考文献数
9
被引用文献数
3 16

熊本県では,馬刺しを共通食とする原因不明の一過性嘔吐下痢症事例が最近3年間で毎年27件以上発生していた.同事例の原因はSarcocystis fayeri住肉胞子虫で,本研究では一定時間の冷凍処理で住肉胞子虫のシストがペプシンにより消化されその毒性を失うことを見いだした.同胞子虫シストを含んだ馬肉を-20℃で48時間以上冷凍したところ,シスト由来の毒性タンパク質の消失も確認された.本研究で確立した冷凍条件を用いての冷凍処理の普及により,平成23年10月以降,馬刺しが原因と考えられる食中毒の発生報告はなく,この冷凍処理基準が,馬刺しによる食中毒防止対策として有効であることが示唆された.
著者
斉藤 学 春山 洋一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

静電型リニアイオントラップを用いて準安定状態にある2価Krイオンの寿命の精密測定を行った。準安定状態の寿命は一般的にイオントラップを用いた分光測定によって決定されてきた。しかし、現状のイオントラップを用いた測定では、残留ガスとの衝突(中性化、散乱)による蓄積イオン数の減少を見積ることが難しい。この見積もりが寿命の測定精度に大きな影響を与える。本研究は、静電型リニアイオントラップを用いることで蓄積イオン数の減少を高精度でモニターし、準安定状態寿命の測定精度を向上させることに成功した。
著者
斉藤 和雄 瀬古 弘 川畑 拓矢 青梨 和正 小司 禎教 村山 泰啓 古本 淳一 岩崎 俊樹 大塚 道子 折口 征二 国井 勝 横田 祥 石元 裕史 鈴木 修 原 昌弘 荒木 健太郎 岩井 宏徳 佐藤 晋介 三好 建正 幾田 泰酵 小野 耕介
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

局地豪雨による被害軽減につながる基盤技術開発のための研究として以下を行った。・観測データを高解像度の数値モデルの初期値に取り込む手法(データ同化手法)の開発と豪雨事例への適用を行なった。衛星で観測するマイクロ波データ、GPSデータ、ライダー観測による風のデータを用いた同化実験などを行うとともに、静止衛星の高頻度観測データの利用に向けた取り組みにも着手した。・局地豪雨の発生確率を半日以上前から定量的に予測することを目標に、メソアンサンブル予報のための初期値や境界値の摂動手法の開発と雲を解像する高分解能モデルへの応用と検証を行い、局地豪雨の確率的予測の可能性を示した。
著者
武藤 伸明 斉藤 和巳 池田 哲夫 大久保 誠也 藤澤 由和 小藪 明生
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、 ソーシャルネットワークから収集可能なエゴセントリック情報より、全体ネットワーク構造を推定する手法の開発を目的とする。このネットワークの構造推定は NP-困難クラスに属する組合せ最適化問題を扱うことになり、その効率的な解法として遅延評価付き貪欲法の応用法を考案した。また、ネットワーク構造推定法の妥当性を評価するために、ネットワークの本質的構造を表す評価尺度の考案や、ネットワークデータを含む各種データの可視化法の考案を行った。
著者
橋本 明記 井上 康夫 松本 英之 方田 勲 上田 和也 市川 鋼一 佐藤 彰 柴田 豊 石原 友和 太田 陽介 野崎 秀人 北之園 展 斉藤 知弘 筋誡 久 小島 政明 鈴木 陽一 田中 祥次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.357, pp.1-6, 2008-12-11
参考文献数
8
被引用文献数
5

2011年7月のBSアナログ放送の終了により解放される3チャンネルと2000年の世界無線会議(WRC-2000)で新たに追加割り当てされた4チャンネルが新たなデジタル放送に利用可能となる。これらのチャンネルでは従来のISDB-Sに加え、2008年7,月に情報通信審議会から答申された高度衛星デジタル放送方式も利用可能となる。本方式では、LDPC符号と低ロールオフ率0.1を採用し、伝送容量をISDB-Sに比べ30%以上拡大できる。ARIBでは本方式の審議の過程で機能と性能を確認するため、擬似中継器と放送衛星を用いた実証実験を行った。本稿ではこの実証実験の詳細について報告する。
著者
山井 弥生(斉藤弥生)
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

介護サービスの準市場化が進む中で、ヨーロッパ諸国では大企業による市場の寡占化が懸念されている。介護サービスの質を保持するためには市場における適度な競争環境が必要となる。市民セクター研究の第一人者であるヴィクトール・ペストフは福祉サービス供給における理想的な福祉多元主義の実現に社会的企業の役割に期待しており、日本の協同組合医療・介護の役割に注目している。そこで本研究ではペストフとの共同研究として、JA厚生連、医療生協の9団体を対象に構造的なインタビュー調査を行い、その結果を比較検討する中で、協同組合医療・介護が副次的に生み出す社会的価値と、その創造機能を明らかにした。
著者
冨田 智彦 安成 哲三 斉藤 和之 吉兼 隆生 日下 博幸 安成 哲三 斉藤 和之 吉兼 隆生 日下 博幸 山浦 剛 橋本 哲宏 坂元 勇一
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究計画では、我が国の夏季水資源管理にとって重要な梅雨降水の年々変動特性、関連する大規模大気循環場、そして西太平洋における大気海洋相互作用の役割を議論する。主な研究成果は、(1)黒潮域の大気海洋相互作用が10 年規模の梅雨前線活動に及ぼす影響を明らかにした点、(2)エルニーニョ/南方振動現象が梅雨前線の北進中にその活動度をいかに変質させるか、を解明した点、そして(3)梅雨前線活動に2-3 年周期、3-4 年周期、そして新たに6 年周期変動の卓越を見出し、各時空間変動特性を明らかにした点、の3 点である。
著者
中澤 哲夫 別所 康太郎 坪木 和久 斉藤 和雄 榎本 剛 原 昌弘
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

2008年に行った航空機からの台風直接観測による進路予報へのインパクトについて調査を行った結果、ターゲット観測の予報改善効果が確認できたものの、台風第13号と第15号の二つの台風での限られた観測のため、有効性を十分に確認することまでは至っていない。高い感度領域でのデータ同化が、必ずしも予報精度の改善へ寄与していない事例のあることもわかった。台風周辺での観測のインパクトについては、数値予報の成績がよい気象庁やヨーロッパ中期予報モデルなどでは改善率が小さく、逆に米国のモデルなど通常の予報成績があまりよくない場合に改善率が大きいこともわかった。また、台風中心付近のデータをどのように同化システムに取込むかどうかによって予報精度が大きく影響されることが明らかになった。
著者
斉藤 寛海
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.34, pp.27-49, 1985-03-30

Le aziende postali, che hanno ottenuto il ruolo principale del servizio postale nel corso della seconda meta del Trecento, organizzano diversi modi di distribuzione, cioe regolare ("scarsella"), proprio e vantaggio. Ma nello stesso tempo, per mandare i documenti si servono dei viaggiatori, vetturali, padroni delle navi e cosi via, per i quali il servizio postale non e affare proprio o principale. Quindi, in realta, si possono trovare tanti modi di distribuzione, e se ne puo scegliere il piu adatto per caso. La sfera geografica della comunicazione postale delle citta commerciali italiane e, come la sfera geografica del commercio stesso italiano, assai larga. Il tempo necessario per distribuire e regolato dalla lunghezza, la condizione naturale e sociale del percorso, nonche il modo di distribuzione. Considerando questi elementi regolatori, si puo calcolarlo piu o meno, e il negozio fra due punti e fatto, considerando il tempo di distribuzione. Le aziende commerciali fanno la comunicazione postale abbastanza spesso, ma naturalmente corrispondendo il carattere dei loro affari. I costi del servizio postale sono svariati, da gratis a grosse somme, secondo il percorso e il modo di distribuzione. Fra loro, i costi di distribuzione del modo regolare sono bassi, e rendono possibile economicamente la comunicazione quotidiana nonche regolare. La base principale della posta commerciale si trova nel modo regolare di distribuzione.
著者
斉藤 太郎
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学研究紀要 (ISSN:13447459)
巻号頁・発行日
no.3, pp.29-40, 2000

本稿は「綜合郷土研究 香川県」(1939)所収の県民性論にかかわる記述をとりあげ,昭和戦前期郷土教育がその課題としていたとされてきた愛郷心(郷土愛)・愛国心の育成という問題を認識の面から検討しようとした。綜合郷土研究は国の郷土教育推進策の一環として進められたものであったが,それにもかかわらず,県民性にかかわる記述は,愛郷心,愛国心の問題に関する当事者の認識には,検討されるべき問題のあることを示すものであった。このことについて,調査項目となっていた「愛郷心」把握をめぐって検討した。
著者
橋本 和佳 松田 秀人 高田 和夫 吉田 真琴 高橋 健太 滝口 俊男 斉藤 滋
出版者
Japanese Society for Mastication Science and Health Promotion
雑誌
日本咀嚼学会雑誌 (ISSN:09178090)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.23-28, 2004-05-31 (Released:2010-07-21)
参考文献数
17
被引用文献数
3

C-peptideは膵臓でのインスリン生成時にプロインスリンから分離され, 新たに生成されたインスリンの量を反映する.今回, ブドウ糖摂取時のインスリン分泌の咀嚼の有無による違いを検討するため, ガム咀嚼後にブドウ糖液を摂取させた群と, ガム咀嚼を行わずにブドウ糖液を摂取させた群とでブドウ糖液摂取後の血中C-peptide値の変化を観察した.被験者は女性19名, 年齢平均20歳, Body Mass Index (BMI) は25以下である. これらの被験者に香料や甘味料を含まないガムベースを15分間咀嚼させた後に経口ブドウ糖負荷試験 (oralglucosetolerance test, 以下OGTT) を行うガム咀嚼群と, ガム咀嚼を行わずにOGTTを行うコントロール群とに分け, OGTT後15, 30, 60, 120分に採血を行い, 血糖値, 血中インスリン値, 血中C-peptide値を測定した.その結果, 血中C-peptide値は, ガム咀嚼群でOGTT30分後, コントロール群でOGTT60分後に最高値に達した. また, ガム咀嚼群はOGTT時の血糖値の上昇がコントロール群に比べて緩やかで, 血糖値の急激な上昇が抑えられることが明らかとなった. これらのことから, ブドウ糖摂取前の咀嚼の有無はインスリンの分泌に影響を与え, 過食や肥満との関連を有する可能性が明らかとなった.
著者
黒田 満 斉藤 剛 渡辺 由美子 東 正毅
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.555-562, 1997-03-15
被引用文献数
1

計算機援用の形状設計に有用な,曲率が弧長の区分2次関数となる曲率微分連続な補間曲線の導き方について述べている.弧長によってパラメトリック表現されるこの曲線は,曲率がスパン内に変曲点を持たず比較的変化が少ないという好ましい性質を持っている.汎用の数式処理システムを導入して与点通過と境界条件からなる非線形連立方程式を解いてこの曲線を導いている.記号式も数値と同様に処理できるのでアルゴリズムを簡潔に記述することができるとともに種々の境界条件をデータとして与えることができる.また,導出された曲線の各スパンをG2連続な2クロソイド弧で局所的に近似する方法を示して従来曲線との整合性をとっている.This paper presents a method for obtaining an interpolating G3 curve useful for computer aided design,whose curvature is piecewise quadratic of arclength and so does not have any inflection point in each span.The curve is derived from a system of nonlinear equations based on interpolation conditions and boundary conditions by general purpose computer algebra system.The method describes an algorithm concisely and tries various boundary conditions because it can manipulate symbolic expressions as well as numerical data.A method is also presented for approximating each span of the derived curve as a G2 bi-clothoid for consistency with the conventional curve.
著者
斉藤 博
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.432-441, 2005-03-20
被引用文献数
2

(目的)ヒポクラテス(紀元前460年頃)は古代ギリシア, コスの有名な医師で, 彼の業績は, 後世『ヒポクラテス全集』に記載されている.私は『ヒポクラテス全集』での排尿障害を検討した.(方法)『ヒポクラテス全集』での排尿障害をラーブ, 大槻, 今版で採集し, コス学派とクニドス学派とで排尿障害を比較した.(結果)排尿障害が67カ所(文, または, 節) : 排尿困難50, 尿閉15, 尿失尿2, または, 3(排尿困難との合併が1)記載されていた.術語としてストラングリエ(滴状尿)は20カ所中コス学派12(60%), クニドス学派5(25%), ドゥスリエ(排尿困難)は30カ所中コス学派13(43%), クニドス学派17(53%)であったが, 有意ではなかった(X^2検定で, p>0.05).激しい疼痛を伴う排尿困難, 尿閉はコス学派の記載で認められた.ストラングリエは慢性化するが, 合併症がなければ死ぬことはない.2種類の尿失禁があり, 多量の尿失禁と, 滴状尿失禁で, 前者は神経因性膀胱, 後者は溢流性尿失禁と考えられる.尿道カテーテル法, 利尿剤が, すでに, 『ヒポクラテス全集』に記載されていた.瀉血法, 鎮痛剤が排尿困難の治療に用いられていた.(結論)排尿障害は4種類認められる.すなわち, 排尿困難, または, ディスリア, 滴状排尿困難症, または, ストラングリ, 尿閉と尿失禁である.重症の排尿障害はコス学派の記載に多く認められる.

1 0 0 0 OA 兎の全身麻酔

著者
斉藤 久美子 中西 真紀子
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.27-32, 1998-01-31 (Released:2010-09-09)
参考文献数
12
著者
高波 鐵夫 村井 芳夫 町田 祐弥 斉藤 市輔 牧野 由美 勝俣 啓 山口 照寛 西野 実
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.291-303, 2005-02-20 (Released:2010-03-11)
参考文献数
21

Nine OBSs (Ocean Bottom Seismographs) were deployed just before the 2003 Tokachi-oki earthquake (M8.0) in the source region, off Hokkaido island, Japan for the period from 7 August to 21 September 2003. The observation area was located about 50-100km landward of the southern Kuril trench where the Pacific plate is subducted toward Hokkaido island. The main shock occurred on 26 September 2003, just several days after this 50-days observation by OBS. Until this big earthquake, the seismic activity in this area has been extremely low in contrast with the adjacent trench areas. No big earthquake has occurred since the 1952 Tokachi-oki earthquake (M8.2). From the phase-reading data, 186 micro- and ultra micro-earthquakes were located in the regular seismic active zones. The b-value of 0.82 from the earthquakes with magnitude from -0.6 to 2.9 could support the fore-shocks of the 2003 Tokachi-oki earthquake. Several interesting phenomena were found in this study as follows. (1) Many clusters of events took place simultaneously in the surrounding source region after a short quiescence period of several days. (2) An enormous number of curious burst signals, which oscillated for only a few seconds, continued to appear at almost OBSs. In particular, at two OBSs DHH and DK being the shortest distance to the Kuril trench, over 3500 bursts of events with amplitudes of 10-7m/s were counted during the observation period. On the other side, OBS DD, which was close to the epicenter of main event and far away from the trench, around the beginning of September 2003, the rate of occurrence abruptly rose to over twice of the previous rate, which has kept the low rate until then. The start time of activation was almost the same time of the appearance of many widespread clusters of earthquakes. These results will be applied to a research project of the great earthquakes occurring along the trenches.