著者
國枝 洋太 三木 啓嗣 今井 智也 新田 收 星野 晴彦
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11036, (Released:2015-12-03)
参考文献数
36

【目的】急性期脳梗塞患者の転帰先をより早期かつ正確に予測するために,自宅退院可否に関連する因子を抽出しその影響度を検討した。【方法】急性期脳梗塞患者58名を自宅退院群と転院群に割りつけた。検討因子は診療録より後方視的に調査し,2群間にて比較検討した。また2群間比較にて有意差を認めた項目で多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】自宅退院可否と関連を認めたのは,性別,入院時血清アルブミン(以下,Alb)値,入院時血清総蛋白(TP)値,入院時NIHSS,入院から1週後の藤島式嚥下グレード(嚥下Gr),高次脳機能障害であり,多重ロジスティック回帰分析では,高次脳機能障害とAlb値が選択された。ROC曲線の結果から,転帰を判別する入院時Alb値のカットオフ値は3.95 g/dl であった。【結論】急性期病院搬送直後の高次脳機能障害の有無とAlb値は,転帰予測因子としての可能性が示唆された。
著者
新田 克己 長谷川 修 秋葉 友良 神嶌 敏弘 栗田 多喜夫 速水 悟 伊藤 克亘 石塚 満 土肥 浩 奥村 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.2081-2087, 1997-08-25
被引用文献数
17

論争支援マルチモーダル実験システムMrBengoは, 法廷における論争をシミュレートする知識ペースシステムに, 顔認識, 表情合成, 音声認識, 音声合成, WWWブラウザなどのモジュールを結合したマルチモーダル実験システムである. このシステムは, 原告(検察官), 被告側弁護士, 裁判官という仮想的な三つのエージェントからなっている. ユーザは被告側弁護士に音声で指示を出して, 検察官と法廷論争を行い, 論争が終了すると裁判官が判決を下す. 論争の状況に応じて, エージェントの表情が変化するので, ユーザはそれを見ながら論争の戦略をたてることができる.
著者
新田 和宏
出版者
近畿大学
雑誌
Memoirs of the School of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University = 近畿大学生物理工学部紀要 (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.67-80, 2007-03-31

本稿は、日本のNGO・NPOの弱点と指摘され続けられてきたアカウンタビリティ(説明行為)とアドボカシー(政策提言)について取り上げる。アカウンタビリティとアドボカシーは、ともに外部マネジメントの範疇に入る表出行為(extension act)にあたる。また、アカウンタビリティにおける説明様式(explanation style)とアドボカシーにおける提言様式(proposal style)は、意外にも、極めて近似しており、その思考方法は通底し合っているといえる。そうすると、アカウンタビリティとアドボカシーの両者がNGO・NPOにおいて弱いのは、これは単なる偶然ではなく、必然の所産ともいえる。思うに、NGO・NPOのアカウンタビリティおよびアドボカシーの強化は、「市民社会の強化」の要諦といえるだろう。それ故に、NGO・NPOにとって、弱いと認識されているアカウンタビリティやアドボカシーを強化することは、「市民社会の強化」という点において、極めて重要な課題なのである。しかもまた、アカウンタビリティやアドボカシーは、NGO・NPOから外部へ向けて、戦略的に表出されなければ、所期の成果を期待することはできない。決して、アカウンタビリティはその説明責任を受動的に果たすものでもないし、アドボカシーは「言いたいことを言う」というような類のレベルのものではない。本稿は、NGO・NPOがアカウンタビリティおよびアドボカシーを行うにあたり、必要とされるべき戦略的な表出方法を、アカウンタビリティにおける説明様式およびアドボカシーにおける提言様式として確定するとともに、改めて、何故にNGO・NPOのアカウンタビリティやアドボカシーの強化が「市民社会の強化」に連動するのか、この重要な論点についても併せて考察することを目的とする。
著者
久光 徹 新田 義彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.45-46, 1994-03-07

データ構造の工夫や主記憶の大規模化により辞書引きが大幅に高速化された現在, 最尤解抽出部の効率化は形態素解析の効率改善において重要な位置を占めるに至った. 我々はこの問題を, 従来あまり深刻に考察されたことのない動詞の活用処理に焦点を当て, 非サ変動詞活用処理に用いる辞書見出しの側面から考察する. 以下では, 従来方式(音韻論的扱い, 及び学校文法に準ずる扱い2種類)を簡単に示した後, 動詞の音韻的語幹の末尾子音を屈折接辞先頭側に付加した見出しを用いる新手法を提案し, 計算効率を含む種々の観点から従来方式に対する優位性を示す. 提案法は, 最も一般的な活用語尾分割方式の辞書にわずかな変更を加えるだけで実現できる.
著者
新田 章
出版者
立正大学
巻号頁・発行日
2016-02-10
著者
徳永 淳次 新田 友茂 片山 俊
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.775-779,a1, 1969-08-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
22
被引用文献数
16 12

メチルアルコール, エチルアルコールと水の2成分系溶液に対する炭酸ガスの溶解度を分圧1atm, 10, 20, 33, 40℃ において測定した.実験によって得られた溶解度の平滑値をヘンリー定数で表わし, 又その対数値を溶媒中のアルコール分率に対して図示した.
著者
新田 隆司
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.57-70, 2022-12-20 (Released:2023-03-01)
参考文献数
38

本稿の目的は,離職者から以前の所属組織(移動元組織)にもたらされる知の「探索」の機会を通じて,移動元組織が新たな知識を社内に取りこみ商業化に結実させるオープン・イノベーションの実現過程を解明することである.燃料電池用の電解質膜の事例分析を通じて,研究者間の関係的社会関係資本を基に,移動元組織が離職者の移動先の組織と共同研究開発を実施し,組織間で知の「探索」と「活用」の両利きを実現する論理を示した.
著者
新田 哲夫
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.63-79, 2012-04-30 (Released:2017-08-31)
被引用文献数
3

The Oki Islands, Shimane Prefecture, are considered the only area which has three-pattern accentuation in Mainland Japan, although it has been reported that several dialects of the Ryukyuan language have three-pattern accentuation. However, I have discovered three-pattern accentuation also exists in the Kokonogi dialect, Fukui Prefecture, which is located east of the Oki Islands. This paper will first describe the accent system of this dialect and verify that the dialect has some of the characteristics peculiar to N-pattern accent systems. However, the dialect does not have consistency of accent pattern in forms of the verb conjugation, something observed in some dialects with an N-pattern accent system. Finally, I will try to give a historical reason for this inconsistency by showing the correspondences between the verbal accentuation of the Kokonogi dialect and those of the Kochi dialect, which retains older accent forms than the Kyoto dialect.
著者
新田見 教子 金澤 富美子 菊川 あずさ 小野沢 昭彦 宮本 吉教
出版者
航空医学実験隊
雑誌
航空医学実験隊報告 (ISSN:00232858)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.141, 2007 (Released:2020-04-11)
参考文献数
432

Since 1957, aeromedical studies have been performed in the Japan Air Self-Defense Force Aeromedical Laboratory at Tachikawa base. The objective of this report is to document the published Aeromedical Laboratory articles named “The Reports of Aeromedical Laboratory” from 1958 through the year 2006. During the 49 years, various research programs of the laboratory researchers with 754 articles in “The Reports of Aeromedical Laboratory” have had great and positive influence on aeromedical field.
著者
平塚 祐一 新田 高洋
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.137-139, 2022 (Released:2022-05-25)
参考文献数
6

筋肉は分子レベルから階層的に組み上げられた精巧な分子システムである.我々は工学的なアプローチで筋肉の人工合成(人工筋肉)とメカニズムの解明を目指している.本稿では,遺伝子工学的に改変したモータータンパク質を用いて,光照射した特定の部位に人工筋肉を自発的に形成させる手法と,その応用例について解説する.
著者
新田 貴之
出版者
東北社会学会
雑誌
社会学年報 (ISSN:02873133)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.171-187, 2007-07-20 (Released:2013-10-23)
参考文献数
14

本稿は,ノーマン・K・デンジンの「エピファニー」概念の検討を通して,彼の「解釈的相互行為論」がイデオロギー批判の方法であることを明らかにする. 本稿は,デンジンの立場を明確にしたうえで,彼の「解釈的相互行為論」における「エピファニー」概念に焦点をあてる.特に,研究者が,「個人的トラブル」として語られる「エピファニー」をいかなるものとして捉え,解釈しているのかという点を検討する. 「解釈的相互行為論」においては,「エピファニー」を書くことが二重に捉えられている.このことによって,エスノグラフィーにおける物語の「神話化」が批判的に捉えられる.さらに,デンジンは,研究者が「エピファニー」の再叙述において自らの自明性,すなわちイデオロギーに無批判であることに対して批判する.デンジンの「解釈的相互行為論」とは,再叙述における物語の「神話化」を自覚的に捉え,研究者自身のもつ自明性,すなわちイデオロギーを批判的に捉えることによって再叙述することなのである.
著者
村上 忠弘 南村 弘佳 馬場 俊雄 新田目 淳孝
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.208-212, 2022-07-15 (Released:2022-07-30)
参考文献数
12

心臓原発未分化多形成肉腫はきわめて稀な心臓悪性腫瘍であり,その予後はきわめて不良である.症例は当院初診時47歳の女性,45歳時に労作時呼吸困難で前医を受診し,心臓エコー検査で左心房に巨大腫瘍を認め切除術を行った.初回手術後の病理検査で未分化多形成肉腫と診断された.その後再発を繰り返し当院で4回の再手術を施行し,Pazopanib投与による化学療法を併施した.初回手術より5年の長期生存が可能となったのでこれを報告する.
著者
新田 孝作 政金 生人 花房 規男 星野 純一 谷口 正智 常喜 信彦 後藤 俊介 阿部 雅紀 中井 滋 長谷川 毅 濱野 高行 三浦 健一郎 和田 篤志 山本 景一 中元 秀友
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.579-632, 2020 (Released:2020-12-28)
参考文献数
23
被引用文献数
22

日本透析医学会統計調査 (JSDT Renal Data Registry: JRDR) の2019年末時点における年次調査は, 4,487施設を対象に実施され, 施設調査票は4,411施設 (98.3%), 患者調査票は4,238施設 (94.5%) からほぼ例年通りの回答を得た. わが国の慢性透析患者数は年々増加し, 2019年末の施設調査結果による透析患者数は344,640人に達し, 人口百万人あたりの患者数は2,732人であった. 患者調査結果による平均年齢は69.09歳で, 最も多い原疾患は糖尿病性腎症 (39.1%), 次いで慢性糸球体腎炎 (25.7%), 第3位は腎硬化症であった (11.4%). 2019年の施設調査結果による透析導入患者数は40,885人であり, 2018年から417人増加した. 患者調査結果による透析導入患者の平均年齢は70.42歳であり, 原疾患では糖尿病性腎症が最も多く41.6%で, 昨年より0.7ポイント少なかった. 第2位は腎硬化症 (16.4%) で, 初めて慢性糸球体腎炎 (14.9%) を上回った. 2019年の施設調査結果による年間死亡患者数は34,642人であり, 年間粗死亡率は10.1%であった. 主要死因は心不全 (22.7%), 感染症 (21.5%), 悪性腫瘍 (8.7%) の順で, 昨年とほぼ同じ比率であった. 2012年以降, 血液透析濾過 (HDF) 患者数は急増しており2019年末の施設調査票による患者数は144,686人で, 維持透析患者全体の42.0%を占めた. 腹膜透析 (PD) 患者数は9,920人であり2017年から増加傾向にある. 腹膜透析患者のうち19.2%は血液透析 (HD) やHDFとの併用療法であり, この比率はほぼ一定していた. 2019年末の在宅HD患者数は760人であり, 2018年末から40人増加した. 2019年調査では, 2009年から10年ぶりにCKD-MBDに関する総合的な調査が行われた. 今後は新しく開発された薬剤の治療効果や問題点, 2012年に改訂されたガイドラインの影響等を詳細に解析する予定である. これらのデータは, CKD-MBDガイドラインの改定の基礎資料となり, より治療効果の高い日常臨床の治療パターンの提案が期待される.