著者
坂本 研一 菅野 徹 山川 睦 吉田 和生 山添 麗子 村上 洋介
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.91-94, 2002-01-25
被引用文献数
3

2000年に92年ぶりに日本で口蹄疫の発生があった.宮崎県の第3発生農家の黒和牛のプロバング材料を牛腎臓細胞等に接種して2日後に円形細胞が浮遊する細胞変性効果が認められた.RT-PCR法で口蹄疫ウイルスに特異的な遺伝子の増幅が認められた.抗原検出ELISA法で分離された口蹄疫ウイルスがOタイプであることを同定した.この分離ウイルスのVPl遺伝子の塩基配列を決定した.
著者
上田 洋 村上 晴美 辰巳 昭治
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.144-156, 2010 (Released:2010-01-06)
参考文献数
17
被引用文献数
1

When users find information about people from the results of Web people searches, they often need to browse many obtained Web pages and check much unnecessary information. This task is time-consuming and complicates the understanding of the designated people. We investigate a method that integrates the useful information obtained from Web pages and displays them to understand people. We focus on curriculum vitae, which are widely used for understanding people. We propose a method that extracts event sentences from Web pages and displays them like a curriculum vita. The event sentence includes both time and events related to a person. Our method is based on the following: (1) extracting event sentences using heuristics and filtering them, (2) judging whether event sentences are related to a designated person by mainly using the patterns of HTML tags, (3) classifying these sentences to categories by SVM, and (4) clustering event sentences including both identical times and events. Experimental results revealed the usefulness of our proposed method.
著者
掛江 美和子 今井 悦子 村上 知子 香西 みどり 畑江 敬子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.2-14, 2004-02-20
被引用文献数
3

A questionnaire survey was conducted on the compatibility between four alcoholic beverages (beer, wine, sake, and chuhi sour) and various foods. Beer showed a relatively high score regardless of the food variety when the average value of each result was used ; therefore, the validity of the results was confirmed by applying a multivariate analysis by Quantification Method III and a sensory evaluation. The sensory perception by the evaluation panel for certain foods that go well with beer was confirmed. When the compatibility with beer was scaled from the results by Quantification Method III, eight foods (green soybean, Japanese fried chicken with soy sauce seasoning, Japanese barbecued chicken, grilled beef, sausage, fried chicken, dumpling, and grilled pork on a skewer) were considered to be clearly more favored than the other foods tested. The validity was also confirmed by the results of the sensory evaluation, which showed that the correlation was high between each ranking from the questionnaire and sensory evaluation. Furthermore, when the relationship with the degree of substitution of each food was investigated, there was a significant positive correlation with the lipid content and the "oiliness" score, and a significant negative correlation with the starch content. The salt content of each food had no significant correlation with its compatibility with beer.
著者
村上 美代子 佐野 洋子 永江 春江
出版者
園田学園女子大学
雑誌
園田学園女子大学論文集 (ISSN:02862816)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.9-15, 1975-12-20

1.ジューサー処理によるジュース中の主な栄養構成をしらべてみた所, 殆んどの成分は混合した原料成分の約2/3程度がジュース中に移行し粗繊維でさえもとの1/3程度はジュース中に含まれていた。しかしビタミンCのみは完全に破壊されていた。2.ビタミンC結晶の水溶液中に, ジュースに用いられている代表的な種々材料のジューサー処理汁液を混合した場合のビ ミンC量の動静を観察した所, アスコルビナーゼを含まない大根ジュースを混しても何ら変化を認めなかったが, アスコルビナーゼを含むきゅうりのジュースを加えるとビタミンCは速かに破壊された。ポリフェノールオキシダーゼを含むりんごのジュースを加えても, きゅうりの場合と同様にビタミンCは破壊された。この場合, 味にさしつかえの無い0.5%食塩を加えてみたが, その効果をあまり認め得なかった。つぎに, アスコルビナーゼ作用の強い生人参のジュースを混じた場合, きゅうりやりんごのジュースの場合と同様の結果をみた。しかし この人参をあらかじめ電子レンジ処理(2分間加熱)した後, ジュースとし添加した場合には大根の場合と同様ビタミンCは破壊されなか3.以上の結果, ジューサーを用いてジュースをつくる場合, 原料の栄養構成の損失は案外少い。しかし素材によってはジュースからビタミンCを期待することは無理のように思われる。ビタミンCを期待するならば, まず素材中のビタミンCを破壊する酵素の存否を確認し場合によってはその前処理を適切に行った後ジュースをつくるべきである。
著者
村上 知子 蛭田 眞一 下村 道子 畑江 敬子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.117-125, 2008-04-20
被引用文献数
1

加熱に長時間を要する煮豆が日常的に家庭調理へと受け入れられるための方策として,多量に煮豆を調製した後冷凍保存を行い,必要に応じて解凍することで利用しやすくなる可能性があると考えた。本研究では黒大豆を蒸留水および調味液に浸漬後煮熟調製した黒豆を用い,冷凍保存が煮熟大豆の軟化に及ぼす影響を物性測定,官能評価および子葉組織の観察から検討した。その結果,黒豆の破断強度は未冷凍の場合,調味液煮豆が水煮豆よりも大きかった。水煮豆・調味液煮豆のいずれにおいても冷凍保存により,破断強度が低下し,破断曲線から数値化したz値もわずかに高くなる傾向がみられた。光学顕微鏡およびSEM観察において2週間冷凍保存すると,水煮豆・調味液煮豆共に細胞間に間隙がみられ,細胞壁の分離が認められた。冷凍保存に伴う軟化現象は,細胞組織の状態の変化により生じることが推察された。官能評価の結果,水煮豆・調味液煮豆共に冷凍2週間後には有意に軟らかく,ねっとり感が強くなった。黒豆の冷凍保存は,家庭における調理の簡便化につながると考えられる。
著者
氏平 祐輔 大藪 又茂 村上 徹朗 堀江 強
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.27, no.10, pp.631-636, 1978-10-05
被引用文献数
6

尿素の分解を利用した均質沈殿法によって鉄化合物を生成し,その化学状態をpH変化の追跡,メスバウアースペクトル及びX線回折パターンの解析から分析した.均質沈殿を行っている溶液のpH変化の様子,あるいは沈殿した鉄(III)化合物がpH 1.7〜1.8の鉄(III)塩溶液を加熱し,鉄(III)イオンを加水分解したときに生成する化合物と酷似していたことから,均質沈殿の過程は水酸化物イオンの均質的な供給下における鉄(III)イオンの加水分解の過程と同じであることが分かった.0.1M硝酸鉄(III)溶液からの均質沈殿ではゲータイト(α-FeOOH)及びヘマタイト(α-Fe_O_3)が生成し,0.1M塩化鉄(III)溶液からの均質沈殿ではアカガネイト(β-FeOOH)が生成し,0.1M硫酸鉄溶液の均質沈殿からは塩基性硫酸鉄〔NH_4Fe_3(OH)_6(SO_4)_2〕及びゲータイト(α-FeOOH)が生成した.沈殿時に共存する陰イオンの種類及び尿素の分解速度によって異なった化学状態の鉄(III)化合物が沈殿することも分かった.
著者
村上 怜子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1041, 2023 (Released:2023-11-01)
参考文献数
4

現代社会において,砂糖の摂りすぎによる肥満および,それに伴う様々な疾患は大きな問題となっている.そのため,ゼロもしくは低カロリーの人工甘味料は,砂糖の摂取量を減らし,減量や血糖値をコントロールするために,広く使われている.様々な人工甘味料の短期の安全性は評価されているが,長期的に大量に摂取した場合の影響の評価は不十分であり,近年,長期の大量摂取が循環器系の病態に影響する可能性が指摘されている.人工甘味料の1つであるエリスリトール(C4H10O4)は,果物など自然界にも含まれる物質で,砂糖の60~70%の甘みを持ち,生体内でほとんど代謝されない「ゼロカロリー」の糖アルコールである.エリスリトールは,食べ物や飲み物において広く使用されてきた.本論文4)では,食生活の聞き取り調査等ではなく,血液中に含まれるエリスリトールの濃度を質量分析計(mass spectrometry: MS)によって実際に測定し,心疾患リスクとの相関関係を検証している.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Janzi S. et al., Front. Nutr., 7, 603653(2020).2) Debras C. et al., BMI, 378, e071204(2022).3) Vyas A. et al., J. Gen. Intern. Med., 30, 462–468(2015).4) Witkowski M. et al., Nat. Med., 29, 710–718(2023).
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 G. S. Wagner 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984-06-25 (Released:2011-08-11)
著者
村上 和男
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.73, no.733, pp.2456-2463, 2007-09-25 (Released:2011-03-04)
参考文献数
12

It is specially analyzed about the problem of the pitch of stationary sound in the acoustic analytic subjects of brass instruments. It is modeled as a combination of the conical horn elements for the trumpet. First, the end of mouthpiece is set as the closed end, the resonance frequency is calculated as a characteristic value of the modeled trumpet by the technique of Cavity Resonance. Next, when it is played, the effective input impedance at the end of mouthpiece and those relative angles are calculated. Based on these characteristics, quantitative examined considerations are added to the playing methods, and a blowing pattern is set up. Furthermore, it is calculated the virtual additional length for the end of mouthpiece. It is examined correspondence with the playing methods of brass players. This playing method is taken into consideration, the CAD system for the pitch design of trumpet is built, and a suitable example to the pitch design is shown, with the utility of the system. The validity of a blowing pattern is shown.
著者
礒田 健太郎 辻 成佳 原田 芳徳 吉田 祐志 吉村 麻衣子 松岡 秀俊 沖田 康孝 村上 輝明 橋本 淳 大島 至郎 佐伯 行彦
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.121-131, 2021 (Released:2021-07-16)
参考文献数
26
被引用文献数
1

目的:関節リウマチ(RA)患者において,栄養状態が感染症の発生に与える影響を調査した.対象・方法:入院を要する重症感染症を合併したRA患者(入院患者群)と,感染症入院のない患者(非入院患者群)との患者背景,臨床所見,治療内容,栄養状態を比較した.栄養状態の指標には予後栄養指標prognostic nutritional index(PNI)とcontrolling nutritional status(CONUT)を用いた.結果:PNIとCONUTによる栄養状態は,入院患者群では非入院患者群より有意に不良であり(共にP < 0.001),特にPNI低値は重症感染症発生の予測因子であった(オッズ比:1.749, 95%信頼区間:1.110-2.755, P < 0.001).結論:RAにおいて感染症は重大な合併症である.感染症を合併しないように安全に治療を行うためには栄養状態の評価と管理が不可欠である.
著者
大西 正男 尾崎 文子 吉野 富佐子 村上 淑子
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.158-162, 1981 (Released:2010-03-02)
参考文献数
17
被引用文献数
1 14

100匹のWister純系鼠を5群に分け, 全群に同一う蝕誘発食餌6PMVを与えたが, 飲物としてコントロール群には脱イオン水を, 残りの4群には同一フッ素濃度 (10ppm) のNaF溶液, 茶の浸出液とその稀釈液を与えた。30日のう蝕期間で, 茶投与群はNaF溶液群よりも効果的なう蝕抑制をもたらした。抑制率は茶の稀釈度に反比例した。茶は多くの生物学的活性物質を含みまたう蝕予防に好ましい物理化学的性質をもつていると考察された。
著者
田澤 悠 村上 健 堀口 利之
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.121-129, 2020-08-31 (Released:2020-12-31)
参考文献数
27

【目的】 近年,COPD の増悪に誤嚥が関与していることが明らかになってきている.今後の課題はCOPD 増悪の予防であり,呼吸機能や嚥下機能が具体的にどのようにCOPD の増悪に関わっているのかについて知ることが重要であると考えられる.今回,外来通院中のCOPD 患者を対象に,呼吸機能に加え嚥下機能に関する評価を行い,それらが過去の増悪歴の有無を有意に反映するかどうかを検討した.【方法】 対象は,外来通院中のCOPD 24 名(男性22 名,女性2 名)とした.増悪と診断されて入院の適応となった既往を増悪歴有りとすると,増悪歴が有ったのは11 名,無かったのは13名であった.MASAから抜粋した項目を評価した.嚥下造影検査により10 mL の液体嚥下での喉頭侵入/ 誤嚥の有無を調べ,スパイロメトリーでは特に努力肺活量(FVC),1 秒量(FEV1),対標準1 秒量(%FEV1),最大呼気流量(PEF)などを検討項目とした.次いで各々の項目に対し増悪歴の有無を最も効率的に分類できる最適cutoff値(co)を求め,各評価項目および測定値と増悪歴との関係を検討した.解析にはFisher の正確確率検定あるいはχ2 検定を用い,各々の項目の2 群と増悪歴に有意な関係を認めるかどうかを検討した.【結果】 増悪歴と有意な関係を認めたのは%FEV1(co: 42.0%, p=0.033)であった.一方,MASA, FVC,PEF は,増悪歴と有意な関係を認めなかった.【考察】 MASA は,嚥下機能低下が顕在化するに至っていない本研究の対象者において増悪歴を反映しないものと考えられた.PEF が有意ではなかったにもかかわらず%FEV1 が有意であったことは,PEF が瞬間的な呼気流速を反映するのに対し,%FEV1 は呼気流速に加え呼気流量も反映するためで,すなわち誤嚥に対する下気道防御においては,呼気流速に加え呼気流量も重要であることを示したと考えられた.
著者
春山 哲也 村上 直也
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

100余年にわたって工業的なアンモニア合成を担ってきたHaber Bosch processであるが、近年の地球温暖化の進行や、潜在的エネルギー危機などの社会課題が顕在化する中で、その時代の要請に適合するために変革が求められる課題が浮かび上がってきている。それは、1.小規模化・軽便化、2.再生可能原料および再生可能エネルギーでの生産化、3.発停自在なオンディマンド生産適合化、この3課題である。以上の課題を解決すべく、Green Ammonia challenge研究という分野が出来、世界の研究者が鎬を削っている。低エネルギーかつ小中規模で発停容易のアンモニア製造技術の確立は、需要地生産可能な中小規模でのアンモニア生産を可能にする。その実現は、低製造エネルギー消費・低二酸化炭素排出に繋がり、また需要地生産は、ノンロジテックによる無運搬エネルギー消費・無運搬二酸化炭素排出をも実現し得る。しかし、それが実現されるためには、製造原料から異なる大きなゲームチェンジが必要である。我々は、水素ガスを必要とせず、空気と水だけを直接原料とし、窒素と水から成る異相界面を反応場として、常温・常圧の一段階反応で窒素固定を行う「相界面反応」を独自に見出した。相界面反応は、水による気体の無触媒還元反応であるということができる。これは、水相表面に存在する特異な水分子の状態に着目したことによって想を得た反応である。水相表面には、水素結合を形成していない水分子が存在する。この水相最表面の水分子の水素原子を、放電により活性化(励起と解離がある)された活性化窒素が引き抜き還元され、アンモニアが生成され水中に溶存する。前年度までに、我々が新たに構築した窒素プラズマを誘電体バリア放電が、効率よく窒素を活性化できていることを実証することに成功した。
著者
櫻井 彩乃 菅原 ますみ 後藤 景子 渡辺 基子 岡村 仁 北村 裕梨 中井 克也 飯島 耕太郎 岡崎 みさと 魚森 俊喬 崔 賢美 村上 郁 櫻井 晃洋 齊藤 光江 新井 正美
出版者
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
雑誌
遺伝性腫瘍 (ISSN:24356808)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.74-83, 2023-12-15 (Released:2023-12-15)
参考文献数
20

BRCA1/2遺伝子検査が保険収載後に,本検査受検を考慮した乳癌患者の実態調査を行った.順天堂大学医学部附属順天堂医院乳腺センターにて,保険適用でのBRCA1/2遺伝子検査を提案された外来通院中の乳癌患者31名(受検者29名,非受検者2名)を対象に,検査時と結果開示後に調査を実施した.BRCA1/2遺伝子検査の保険収載は受検を明らかに促進していた.同胞や子どもを心配し受検をした対象者がもっとも多く,受検者の90%以上が血縁者への情報伝達を予定していた.血縁者への情報提供やキャリア診断の遺伝カウンセリング体制も整備する必要性が示された.また病的バリアントが検出されなかった約半数の対象者でネガティブな情緒の変化である「総合的気分状態」の上昇がみられた.乳癌診療や遺伝カウンセリングにおいては,病的バリアント非保持者でも心理支援を考慮すべき対象者がいることが示された.