著者
松井 豊 髙本 真寛 MATSUI Yutaka TAKAMOTO Masahiro
出版者
Division of Physhology, Faculty of Human Sciences, University of Tsukuba
雑誌
筑波大学心理学研究 = Tsukuba Psychological Research (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.59-66, 2018-08-31

Within psychology, it is often necessary to analyze qualitative data, such as interview data, in terms of the multivariate analysis framework. Many analytical methods have been developed for qualitative data; representative among them is the quantification theory that has been theoretically systematized by Chikio Hayashi. Within quantification theory, type III is a method of simultaneous multipurpose classification, but it is rarely utilized and is often misunderstood. This paper first outlines the mathematical distinctions of type III quantification theory and then summarizes the points to keep in mind, illustrating with some applications for psychological research.
著者
下羅 弘樹 横田 裕思 松井 宏樹 野田 五十樹 柴山 明寛 羽田 靖史 目黒 淳一 Hiroki Shimora Hiroshi Yokota Hiroki Matsui Itsuki Noda Akihiro Shibayama Yashusi Hada Jun-ichi Meguro
雑誌
SIG-SAI = SIG-SAI
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.1-7, 2007-11-26

災害時情報共有のためのプロトコル、およびそのプロトコルを扱うサーバシステムを提案する。災害時において情報共有をいかに行うかは迅速な災害対応を行う上で重要であるが、実際の災害現場では紙ベースあるいは閉鎖的なシステムによる情報管理が行われており、十分な情報共有が行なわれていない。提案するシステムは、プロトコルとしてオープンな標準規格を用い、既存システムを柔軟に接続する事ができる。
著者
佐竹 哉太 山田 誠 松井 孝太 松井 茂之 鹿島 久嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

生存時間分析はイベントが発生するまでの時間を分析するための手法であり、多くの分野で使用されている。 この生存時間分析の中で最も良く用いられるモデルとして、Cox比例ハザードモデルがある。Cox比例ハザードモデルはイベントの詳細な分布が分からない場合でも利用でき、また線形式の係数により特徴の重要性を解釈することができる。しかし一方で特徴の線形な関係性しか利用できないという問題がある。非線形なCoxモデルも研究されているが、それらのモデルでは解釈ができない欠点がある。本研究では、CoxハザードモデルにFactorization Machines (FM)を導入したモデルを提案する。このモデルでは共変量間の相互作用を利用でき、また解釈も可能である。提案手法の性能を評価するため、実際の遺伝子データから特徴選択を行い、それによって選択された特徴を用いて実験を行った。その結果、提案手法が既存手法に比べ良い性能を示すことを確認した。
著者
谷野 祐子 小野 恵美 朝比奈 七緒 大塚 志乃ぶ 森谷 美智子 藤井 美穂子 松井 典子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Japanese Lournal of Maternal Health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.90-96, 2007-04-01
参考文献数
17
被引用文献数
1

父親対象の産前産後の育児指導受講の有無が,1ヵ月後の育児参加に与える影響を明らかにするために,児の1ヵ月健康診査で来院した父親99名を対象に無記名式質問紙調査を行った。その結果64名から有効回答が得られ,産前・産後の育児指導の受講状況別に比較検討したところ,次の結果が得られた。1.産前に育児指導を受講した父親35名のうち,産後指導を受講した父親21名(60.0%)であった。また,産後指導の受講の有無にかかわらず,父親の育児態度は高かった。しかし,産後指導を受講した父親のほうが育児技術を実施していた。2.産前の育児指導を受講しなかった父親29名のうち,産後指導を受講した父親は8名(27.6%)であった。また,産後指導の受講の有無と,父親の育児態度や育児技術実施状況に関連はみられなかった。以上より,父親の育児参加を高めるためには,産後の育児指導を受講するだけでは効果が不十分であり,産前からの継続的な受講が有効であることが示唆された。
著者
今井 久美子 大橋 洋平 柘植 知彦 吉積 毅 松井 南 岡 穆宏 青山 卓史
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.S050, 2006 (Released:2006-12-27)

Endoreduplicationは有糸分裂をせずにDNAの複製を繰り返して細胞のploidy(倍数性)が上昇する細胞周期で、特に植物では様々な組織の発生・分化に関わっており、例えばシロイヌナズナでは成熟ロゼット葉を構成する細胞のほぼ8割で起きている。植物体ではこの現象によって上昇するploidyは組織に応じてほぼ一定の範囲内に制御されているが、動物では癌化に関連して無秩序に起こる場合が多く、主に細胞周期の異常としてそれが起こる原因についての研究が進められてきた。植物においても、通常の細胞周期からendoreduplicationへの切り替わりに関する因子を中心として解明が進んでいるが、一方でその終了に関わる因子については存在の有無についても良く分かっていなかった。我々は植物サイクリンA2がendoreduplicationの終了に関わる主要因子であり、DNA複製の繰り返しを阻害していることを確認した。植物細胞はそのタイプに応じてendoreduplicationの促進・抑制因子のバランスを調整して巧妙にploidyを制御していると考えられる。
著者
渋谷 岳造 上野 雄一郎 小宮 剛 西澤 学 北島 宏輝 山本 伸次 齋藤 拓也 松井 洋平 川口 慎介 高井 研 吉田 尚弘 丸山 茂徳 ラッセル マイケル
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.49, 2015 (Released:2015-09-03)

原生代前期には赤道域まで海洋が凍結したという全球凍結イベントがあったとされている。全球凍結の原因については、様々な仮説が提唱されているが、地質記録に基づく大気CO2分圧の推定からはCO2がそれ自体で地球を温暖に保つために不十分だったのかどうかが明らかになっていない。そこで、本研究では南アフリカ、トランスバール超層群のオンゲレック累層 (全球凍結時に海水中に噴出した玄武岩質安山岩) の地質調査・試料採取を行い、海洋底玄武岩の空隙を埋める熱水性石英に含まれている流体包有物の分析を行った。その結果、初生的流体包有物のCO2濃度は5.5 mmol/kg以下であることが明らかになった。また、計算の結果、大気CO2分圧は現在の約21倍以下であり、海水温を氷点温度以上に維持するのに必要なCO2分圧よりも低いと推定された。したがって、原生代前期全球凍結時の大気CO2分圧はCO2の温室効果だけで地球を温暖に保つには不十分であったことが地質記録から初めて明らかになった。
著者
八島 不二彦 今井 優子 斎藤 清二 宮脇 利男 西川 友之 立浪 勝 松井 祥子 瀬尾 友徳 竹澤 みどり 酒井 渉 彦坂 伸一 野原 美幸 二上 千恵子 原澤 さゆみ
出版者
富山大学保健管理センター
雑誌
学園の臨床研究 (ISSN:13464213)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.13-18, 2013-03

富山大学では平成20年度に4人,平成21年度に3人の自殺が発生し,その対策として平成21年12月に富山大学自殺防止対策室が設置された。\富山大学自殺防止対策室は自殺者ゼロを目標に掲げ,約3年間さまざまな活動を行って来た。その結果,自殺防止対策室が本格的に活動を始めた平成22年度から平成24年12月現在までの自殺者は2人に止まっている。自殺者の減少という結果は出ているが,富山大学の自殺防止対策システムは本当に機能しているのか疑問が残る。\そこで本研究ではこれまでの富山大学自殺防止対策室の活動実績を分析し富山大学における自殺防止対策システムが有効に機能しているかについて検討する。
著者
竹内 徹 堀内 健太郎 松井 良太 小河 利行 今村 晃
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.79, no.703, pp.1309-1319, 2014-09-30 (Released:2014-09-30)
参考文献数
16
被引用文献数
5 5

Although truss towers used for telecommunication, electric power transportation, supporting structures for smokestacks in power plants have been designed against wind loads, a higher level of safety is recently required because of the increase of anticipated large seismic inputs. The ultimate strength of these structures is governed by tubular member buckling which is easily led to member fracture. This paper proposes the post-fracture analysis methods for truss structures composed with tubular members of large diameter-to-thickness ratios, and study on the collapse mechanism of such truss towers after the buckling and fracture of main columns and diagonals are investigated, using IDA analyses taking these member fractures into account.
著者
松井 龍吉 小林 祥泰 山口 拓也 長井 篤 山口 修平
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.565-569, 2011 (Released:2011-10-21)
参考文献数
7

多系統萎縮症とは以前よりオリーブ橋小脳萎縮症(OPCA),線状体黒質変性症(SND),Shy-Drager(SDS)と呼ばれてきた3疾患を包括した病理学的疾患概念の総称である。今回我々は本疾患患者に対し,八味地黄丸を投与したところ,起立時の血圧変動に著明な改善を認めた症例を経験したので報告する。症例は79歳男性。緩徐進行性に動作緩慢,すくみ足,手指振戦を認め,その後立ちくらみ症状が出現。起立性低血圧が見られ各種薬剤の投与を行うが効果は不十分であった。このため八味地黄丸を追加投与したところ,体位変換時の血圧変動が小さくなり,さらに諸症状の改善も認めた。八味地黄丸は自律神経機能の改善に効果を示す方剤とされており,本症例においても多系統萎縮症に伴う起立性低血圧の改善に寄与したと考えられた。
著者
田中 浩介 浦辺 幸夫 是近 学 勝 真理 大窪 伸太郎 松井 洋樹 大林 弘宗 菅田 由香里 越田 専太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0397, 2006 (Released:2006-04-29)

【目的】非接触型の膝前十字靭帯(ACL)損傷は、ジャンプ着地動作、ストップ動作、カッティング動作などのスポーツ動作時に多く発生している。近年のビデオ解析により、動作時の脛骨の過剰な回旋や脛骨の前方移動がACL損傷を助長する可能性があると考えられている。我々は動的に脛骨の移動量および大腿骨、脛骨の回旋角度を測定可能な膝関節動作解析装置(以下、装置)を製作し、3次元での運動解析を行っている(2005)。本研究は、装置を用いてACL損傷好発肢位を抑制するために開発された膝サポーターの効果を運動学的に解析することを目的とした。【方法】対象は下肢に特別な既往のない女性10名とした。対象は課題動作として、30cm台から両脚での着地動作を行った。装置を用いて着地動作中の大腿骨および脛骨の回旋角度を測定した。角度表記は外旋をプラス、内旋をマイナスとした。本研究で用いた膝サポーターは、ACL損傷の受傷好発肢位を抑制するために開発されたものであり、テーピング効果をより得られるように工夫された構造を有している。測定は、膝サポーター非装着時、比較のための既存膝サポーター装着時、開発された膝サポーター装着時にそれぞれ行い、膝サポーター装着により大腿骨および脛骨の回旋角度に差がみられるか検討した。【結果】足尖接地時における大腿骨および脛骨回旋角度(平均値±標準偏差)は、それぞれ膝サポーター非装着時に33.6±14.9度、-27.0±15.8度、既存膝サポーター装着時に21.7±11.7度、-21.3±12.1度、開発された膝サポーター装着時に5.8±2.3度、-4.3±0.4度であった。大腿骨に対する脛骨の回旋角度は膝サポーター非装着時に-62.4±37.3度、既存膝サポーター装着時に-43.1±23.4度、開発された膝サポーター装着時に-10.1±2.7度であった。いずれも膝サポーター非装着時、既存膝サポーター、開発された膝サポーターの順に絶対値は小さな値となった。【考察】本研究では、膝サポーター装着によりジャンプ着地時の大腿骨および脛骨の回旋角度が変化するかを確かめた。膝サポーター装着により大腿骨および脛骨の回旋角度の絶対値は減少する傾向がみられ、開発された膝サポーターのほうが、既存のサポーターよりも回旋角度の抑制が強かった。また、足尖接地時には、いずれも脛骨は大腿骨に対して相対的に内旋していたが、開発されたサポーター装着時に最も小さな値であった。ACLは走行上、下腿が内旋した際に伸張される。開発された膝サポーターの装着により、着地初期の内旋角度は非装着時と比較して、およそ1/6まで減少していた。以上のことより、開発された膝サポーターは着地時のACLに加わるストレスを減少させ、ACL損傷を予防することができる可能性が示唆された。
著者
小渕 浩平 竹林 崇 松井 克明 堀内 博志 中村 裕一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.222-229, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
18

中等度の上肢麻痺を呈した脳卒中患者に対し,急性期よりCI療法(量的練習,課題指向型練習,介入で獲得した機能を生活に転移するための戦略)と,電気刺激療法を併用した複合的な上肢集中練習を実施した.さらに,退院後,長期的効果を調査するため1年後の経過を追った.その結果,介入直後および介入から1年後に,麻痺側上肢機能と,実生活における麻痺手の使用の頻度および質の改善を認めた.したがって,我々はCI療法を急性期より実践することで,長期的にも好影響を及ぼす可能性を示唆した.ただし,今回の結果は一症例の経過に過ぎない.今後,多数の症例で同様の疑問を明らかにする必要がある.
著者
石崎 和彦 橋本 憲明 松井 崇晃 名畑 越夫 神戸 崇 奈良 悦子 星 豊一 阿部 聖一 小林 和幸 重山 博信 平尾 賢一 金田 智
出版者
新潟県農業総合研究所
巻号頁・発行日
no.13, pp.47-66, 2015 (Released:2015-06-24)

「コシBL13号」は,新潟県農業総合研究所作物研究センターにおいて開発されたいもち病真性抵抗性同質遺伝子系統である。1996年より,戻し交配法を適用し,「K59」を1回親,「コシヒカリ」を反復親として育成された。いもち病真性抵抗性遺伝子型はPitと推定される。2011年から奨励品種決定調査に供試され,いもち病抵抗性以外の特性において「コシヒカリ」と類似性が高いことから,2013年に新潟県の奨励品種に採用された。なお,「コシBL13号」は,2014年に種苗法に基づき品種登録された。
著者
松井 卓
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.225-240, 2001-07-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
35
著者
松井 愈 松澤 逸巳
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.233-244, 1985-01-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
17
被引用文献数
8 7

The purpose of this paper is to report the stratigraphy, age and tectonic movement of the Pliocene-Late Pleistocene deposits on the Makubetsu Plateau in the central region of the Tokachi plain on the basis of the geological relations of these deposits and K-Ar age data of the pyroclastic materials and obsidian pebbles collected from 8 horizons in these deposits.1. The Tokachi Super Group, Pliocene-Early Pleistocene, distributed in this Plateau, is divided into the Ikeda and the Osarushinai Formations in ascending order. According to the molluscan and foraminiferal fauna, paleomagnetic stratigraphy and K-Ar age data, the age of the Ikeda Formation is correlative to the latest Pliocene, and the Osarushinai Formation to Early Pleistocene. The Osarushinai Formation, composed of clastic and pyroclastic materials, was accumulated in shallow sea and terrestrial basin formed subsequently by the westerly shifting of the center of the Ikeda depositional basin.2. The Makubetsu Plateau was transformed into an upheaving area after the deposition of Osarushinai Formation, while the Obihiro Basin remained as a relatively subsiding area. Along the western margin of the Makubetsu Plateau runs an active tectonic line called Oribe Fault.3. It is noticeable that the thick fanglomeratic deposits, the Kochien Gravel Bed, prevail throughout this Plateau. The lithofacies of this Gravel Bed suggest that the western hinterland, Hidaka Belt, was eroded away vigorousely in Middle Pleistocene. Some younger gravels and pyroclastic deposits cover the dissected Kochien Gravel Bed. Those younger gravel deposits are fan-surface deposits formed by erosion and resedimentation of the older thick gravel bed.4. The areal changes in the altitudes of both the upper surface and the basal level of the Kochien Gravel Bed in and around this area have been critically analyzed to detect the Late Pliocene to Holocene tectonic movements which displaced and deformed this gravel bed. It has been disclosed as a result of this study that the activity of the Oribe Fault has a right-lateral strike-slip component and shows a vertical component decreasing gradually since Early Pleistocene. Moreover, it is worth notice that the Oribe active fault appears to have originated along the boundary between the Hidaka and Tokoro belts.
著者
松井 めぐみ 小玉 正博
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.38-46, 2004-06-25 (Released:2015-01-07)
参考文献数
22

This study examined how fantasy affects mental health. College students (N=438) completed (1) the Multiphasic Fantasy Inventory that measures: the content of fantasies, the recognition of own fantasies, the roles and the influence of fantasies, the conditions for fantasizing and fantasizing tendency; and (2) the Subjective Well-being Inventory. A series of t-tests revealed that participants scoring high on mental health scored low on “fantasies of encountering misfortunes, ” “doing fantasy at the unpleasant conditions” and “fantasy can't be controlled.” There were significant differences between high and low scorers on mental health with regard to “vividness” and “absorption” items in the seven-item fantasizing tendency scale. These results suggest that characteristics of fantasy are related to mental health.
著者
林 海鷹 松井 徹 堀江 崇文 菱山 信也 藤瀬 浩 矢野 秀雄
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.53-56, 2003-04-10 (Released:2012-09-24)
参考文献数
17

一般臨床上健康な48頭の柴犬から採血を行い,高圧液体クロマトグラフィーにより血漿中ビタミンC濃度を測定した。供試犬の年齢構成は1歳未満4頭,1-2歳12頭,2-5歳7頭,5-10歳12頭,10歳以上13頭であり,性の構成は,雄13頭,雌28頭,避妊雌7頭であった。血漿中ビタミンC濃度は年齢の影響を受けたが(P<0.001),性の影響および年齢と性の交互作用は認められなかった。1歳未満の柴犬は,1歳齢以上のイヌと比較し血漿中ビタミンC濃度が高かった(P<0.01)。一方,1歳齢以降では加齢に伴う血漿中ビタミンC濃度の変化は認められなかった。1歳齢以上の柴犬における血漿中ビタミンC濃度は7.00±1.10mg/L(平均±標準偏差)であり,1歳齢以上の柴犬における血漿中ビタミンC濃度の標準的な値は4.8-9.2mg/L(平均±2×標準偏差)程度であることが推察された。