著者
小林 [テツ]郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.684-688, 2011-09-05

旧制東京文理科大学において8名という少数の学部学生の一人として,戸田盛和先生から受け熱学・統計力学の名講義と物理学研究の魅力に眼を開かれたことへの感謝を述べる.他の先生には休講にして頂いて,戸田先生と御一緒に大島や下田へ週余の旅をしたことが忘れられない.ユーモアに富む温かなお人柄を併せて回想する.
著者
小林 健彦 KOBAYASHI Takehiko
出版者
新潟産業大学附属東アジア経済文化研究所
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.42, pp.33-68, 2013-06

日本列島の中では、文献史資料に依って確認を取ることが可能な古代以降の時期に限定してみても、幾多の自然災害―気象災害、地震災害や津波、火山噴火、そして伝染病の蔓延等に見舞われ、その度に住民等は苦しめられて来た。しかし、人々はそれらを乗り越えながら、現在に至る日本社会を構築して来たのである。そこで、本稿では、日本古代に編纂された記録(正史)である「日本書紀」や「続日本紀」を中心素材として、これらが編纂された8世紀当時の人々の認識として、人為的な災害である疫病がどの様な日本語のスタイルで示されていたのかを検証し、それを以って当時の人々に依る伝染病に拘わる災害観や災害対処の文化論を探って行く作業を試みた。
著者
鷲頭 祐樹 末松 伸朗 林 朗 岩田 一貴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.461, pp.279-284, 2010-03-02

混合ディリクレ過程(DPM)モデルは,要素モデル数を指定する必要のないノンパラメトリック混合モデリングを可能にする.要素モデル数の指定が必要ないことは,クラスタリングにとって非常に有益であり,DPMモデルは多くのクラスタリング問題へ適用され成功を収めている.共役事前分布が使用される場合には,DPMモデルに対するギブスサンプリング法が確立されているが,ARMAモデルのように共役事前分布を持たない要素モデルの場合には困難に直面する.本論文では,ギブスサンプリ ングに内在するメトロポリス・へイスティングスのマルコフ連鎖を導入することでこの問題に対応し,ARMAモデルべースの時系列クラスタリング法を実現する.
著者
金谷 裕幸 小林 智也 千葉 慶人 伊藤 直樹 西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.32, pp.85-90, 2007-03-22

本稿では、コミュニティメンバーの登下校時の様子と、登校したメンバーが考えた思いやりのある「おはようメッセージ」を、起床時に携帯電話を通じて伝えることにより、起床時の意欲の向上と、定期的な外部との繋がりを維持して、不登校や引きこもりを予防することを目的とした、相互扶助型目覚まし時計「モーニング・コミュニティ」について述べる。実験の結果、以前と比較して、外に出掛けたくなったり、気持ちが前向きになったり、メンバーに対し親しみが増す効果が確認された。また、メッセージが会話のきっかけや話題になるという、対面コミュニケーション活性化の効果が見られた。This paper describes a mutual-assistance based wake-up call system named "Morning Community," which shows users their colleagues' presence and caring "morning messages" from them on the mobile phones at the time to wake up. Purposes of this system are to strengthen motivation for wake-up and to prevent the users from "refusal to go to school" and "social withdrawal" by keeping up emotional connection routinely. As a result of the pilot study using this system, some subjects said that the system enabled them to go out more frequently than before, made them positive, and let them feel more friendship for the members. Additionally, the "morning messages" could become triggers of face-to-face conversations, and could revitalize the face-to-face communications.
著者
小林 海
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2011-01

制度:新 ; 報告番号:甲3211号 ; 学位の種類:博士(スポーツ科学) ; 授与年月日:2011/1/18 ; 早大学位記番号:新5507
著者
小林 巌生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.458-463, 2014-04-15

文化機関の社会的な役割として,歴史文化遺産の収集,研究,保存,公開があるが,こうした役割を果たすためにディジタルアーカイブが発展してきた.近年,ウェブ技術の発展や社会的価値観の変化などから,ディジタルアーカイブのあり方にも変化が起きている.ディジタルアーカイブのオープンデータ化が進められ,芸術文化データの国際交流が進んでいる.FlickrやWikipediaなど既存ウェブサービスを活用したアウトリーチの拡大を狙った仕掛けや,市民とのコラボレーションによってアーカイブを充実させる取り組みなど,文化機関によって実践されている文化機関自身が広く社会に向けて開いて行っている現状を解説する.
著者
上田 実 入江 一浩 渡邉 秀典 品田 哲郎 小林 資正 叶 直樹 岡本 隆一 松永 茂樹 井本 正哉 半田 宏 渡辺 肇 佐々木 誠 木越 英夫 西川 俊夫 石橋 正己
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

共同研究による本学術領域の推進により、多くの天然物の標的決定が行われた。これは、天然物化学者と生物学者の共同研究によって、ビーズテクノロジーの天然物への応用が拡大したこと、ならびに数多くの標的同定法が試行されたためである。これらの成果によって、多くの天然物が種標的と同時に複数のオフターゲットと結合することが明らかになった。天然物リガンドは、従前の理解のように、生体内において「鍵と鍵穴」の様に極めて特異性の高い作用機構を持つのではなく、生体内で「鍵束」のように機能し、複数の錠前と相互作用することを示している。本領域の研究成果によって、天然物リガンドの作用に関する理解は大きく変化したと言える。
著者
木林 和彦 中尾 賢一朗
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

穿通性頭部外傷では脳内に異物が残留することがあり、残留した異物は脳障害の原因となることが考えられる。鉛球を脳内に一定期間留置したモデル動物を作製し、脳の経時的な変化を組織学的・生化学的に解析した。ラットに全身麻酔を施し、大脳内に鉛球または硝子球1個を挿入した。12時間~4週間後に脳を摘出し、パラフィン切片を作製し、免疫染色とアポトーシス細胞の検出を行った。また、大脳皮質のグルタミン酸受容体遺伝子発現を解析した。その結果、脳組織にはNeuN陽性神経細胞の減少、炎症細胞の出現、アポトーシス細胞の出現、メタロチオネイン陽性星状膠細胞の増加等が観察された。また、鉛球留置で遺伝子の発現量が抑えられた。従って、脳内の鉛球は脳を障害することが判明した。
著者
小林 克己
出版者
帝京短期大学
雑誌
帝京短期大学紀要 (ISSN:02871076)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.89-100, 1996-05-10

発生論的に宗教は常に戦士としての男性中心に構築せられるものという宿命にある。その附随的存在としての女性は差別と蔑視によって独特の女性観の対象となった。特にイスラム教は戦いと布教が一体化されて拡張され砂漠という自然環境から来る生活苦と危険性から極端な女性の人格否定を生じそれを強制するために神の啓示という手段をとることによって女性の自由を奪った。又、熱帯種族の属性として、トロピカルの男達は極めて情熱的であり、嫉妬深いことも、特異な女性観を生ぜしめたと考えられる。この厳しい女性への戒律が、コーランの各章句に唄われている。その絶対性によってイスラムの女性観は固定化された。コーランの独特の言い回しの中から抽出し文要全題として、結婚、離婚、再婚、相続 (遺産) 及び一般日常の規範の五章を樹て解説を試みた。緒言で女性観を述べ、その裏をとる形式で書いた。国際文化論の研究の上で所謂、価値観の違い文化の独自性の背後にあるこの稀有の女性観が存在していることを知って貰えば幸甚である。紙数の都合で次第に近代化しつつある。イスラム社会の女性からの女性観ひいてはイスラムそのものにどう対応し、何を求めているかを論述することができなかったことは筆者の甚だ心残りである。
著者
内藤 喜之 関 一 小林 暁 伊藤 公一 亀井 宏行
出版者
東京工業大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

FM-CW(周波数変調-連続波)レーダーは、周波数検出方式なので、微弱な反射もとらえ易いと考えられるので、土層の判別能力もパルスレーダより優れていると考えられる。また、アンテナの周波数帯域内に、発信周波数を収めることもできるので、リンギングも抑えられ明瞭な画像が得られると期待される。本研究では、まずFM-CWレーダの試作からはじめた。スロットアンテナを用いた500MHz〜1GHz帯域のレーダ,300MHz〜500MHz帯域のレーダなどを試作し実験を重ね、最終的には中心周波数300MHzのボウタイアンテナを用いたFM-CWレーダシステムを完成させた。このFM-CWレーダは、送受別体の2台のアンテナを持ち、発信周波数は、100MHzから500MHzの400MHzの帯域で、三角波状に周波数変調をかける。この三角波の周期は、5msec,10msec,50msec,100msecの4種類を選択できる。走査する時は、車輪のついた台車の上に乗せて引くか、そりに固定して牽引する。変調三角波の周期は50msecを用いた場合、周波数変調速度は16Hz/nsec(=400MHz/25msec)となり、パルスレーダで30nsecの深さ(土の比誘電率25とした時90cmの深さに対応)はFM-CWレーダでは、480Hzに対応する。このレーダを用い、長崎県壱岐郡原の辻遺跡、茨城県ひたちなか市殿塚1号墳、宮崎県西都市都原古墳群横穴墓、岐阜県大垣市昼飯大塚古墳、大阪府岸和田市久米田貝吹山古墳、岐阜県養老町象鼻山1号墳などで探査実験を行った。とくに原の辻遺跡では、従来のパルスレーダでは捕らえられなかった水田下の環濠がFM-CWレーダでは捕らえることができ、このレーダの土層判別能力の優位性が証明された。また、土の誘電率を現場で直接測定する方法として、同軸ダイポールアンテナやモノポールアンテナを直接大地に刺入して反射係数から推定する方法を開発した。
著者
市川 伸一 南風原 朝和 杉澤 武俊 瀬尾 美紀子 清河 幸子 犬塚 美輪 村山 航 植阪 友理 小林 寛子 篠ヶ谷 圭太
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.333-347, 2009 (Released:2010-09-10)
参考文献数
15
被引用文献数
8

COMPASS is an assessment test based on the cognitive model of mathematical problem solving. This test diagnoses components of mathematical ability which are required in the process of understanding and solving mathematical problems. The tasks were selected through the case studies of cognitive counseling, in which researchers individually interview and teach learners who feel difficulty in particular learning behavior. The purpose of COMPASS is to provide diagnostic information for improving learning process and methods of class lessons. Features of COMPASS include: The time limitations are set for each task to measure the target component accurately; questionnaires are incorporated to diagnose orientation toward learning behavior. The present paper aims to introduce the concept and the tasks of COMPASS to show how cognitive science contributes to school education through the development of assessment tests.
著者
松浦 祐太 吉見 哲哉 小林 隆 辻 秀一 水野 加央里
雑誌
研究報告 情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-6, 2011-05-30

近年、情報通信技術の進展によりパソコンや携帯電話が普及し、多くの人がインターネット等から容易に情報を得ることができる時代となった.またブログやソーシャルネットワークサービス (SNS) により、他者とのコミュニケーションを容易に行うことが可能となった.また、地域社会においては高齢化や過疎化などにより地域活力の低下が著しく、地域活性化は大きな課題となっている.本研究では、ポイント利用サービスなどにより、地域内の人々の繋がりを強めることだけでなく、地域外からの参加者も呼び込むことが可能となる地域活性化支援システムを提案する.Recently, many people is possible to take much information easily with PC and cellular phone through the Internet. Furthermore, blog and SNS can be used for the communication with other persons. In the local community, there is the problem that a force of the community become to be smaller by the influence of aging and depopulation. In this research, we propose the support system for activating the community by strengthening the connection in it and drawing outside persons with the use of point service.
著者
小林 昌二
出版者
新潟大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

5月期に口頭発表をした原稿について7月期に補足・補強して「日本古代の集落形態を村落(共同体)」として発表した(『歴史学研究』、626号、1991年11月)。この要旨について簡単にふれ、以後の研究について記す。一.弥生後期の環濠集落の解体により、古墳時代の豪族居館跡と集落跡とに分化・分裂していく様子を跡づけようとした。豪族居館も6世紀半ばを境に度質し、環濠土塁などの防御施設をもたないものとなっていく実態を,これまでの発堀調査例から指摘した。二.古代史の文献からも7世紀初頭の小墾田宮に環濠土塁は知られず,最近の調査例からも確認されない。その点からも豪族居館跡の変質も類推された。その背景に,志紀県主が屋根に堅魚木を掲げて雄略大王に処断された古事記記事のように,大王様による規制・王法の存在を想定した。三.大王権・主法の関連するこの時期の問題としてミヤケの,とくに後期ミヤケの事例として播磨風土記の扱う揖保郡の開発問題と,上毛野の緑野・佐野屯倉の検討を行った。(そのためのフィ-ルドワ-クと更なる資料蒐集の必要から調査を以後において行った。)四.古代集落をいくつか集めた「村」(共同体)の史的前提の基本をミヤケにおいて理解することは,豪族居館の環濠形態の規制をした大王権・王法を媒介にして可態であると思われ,従って,日本古代の「村」ムラには同称に環濠や村門などがないという特質に結びつく。ミヤケと集落,豪族居館と集落など具体的に実証しなければならない課題を残しつつ,一応巨視的な見通しを確立できたように考えている。以後,こうした実証的課題のために資料蒐集とその分析・検討・フィ-ルドワ-クを重ねているので、成果がまとまり次第発表する予定である。
著者
林 泰弘 松木 純也 鈴木 良治 武藤 英司
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.125, no.9, pp.846-854, 2005
被引用文献数
34 17

Sending voltage profile of distribution feeder is controlled by changing a tap of distribution transformer. In a distribution network with distributed generators, for reasons of effect of reversed flows from them and existence of a great number of sending voltage profile candidates, it is not easy to control sending voltage profile within the acceptable voltage limit. In this paper, in order to determine the optimal sending voltage profile of distribution transformer in a distribution network with distributed generators, the authors propose a new method to determine the optimal sending voltage profile so as to minimize total number of tap position's change per day under constraints of acceptable voltage limit. In the proposed method, after calculating acceptable range of three phase voltage of distribution feeder, the optimal profile of tap position within the calculated acceptable voltage range is determined among these candidates by using reduced ordered binary decision diagram (ROBDD) which is an efficient enumeration algorithm. In order to check the validity of the proposed method, numerical simulations are carried out for a distribution network model with a distributed generator.