著者
小林 一敏 高山 伸也 島野 敬四郎
出版者
中京大学
雑誌
中京大学体育学論叢 (ISSN:02887339)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.11-17, 1999-12-27

The purpose of this study was to clarify the influence of dual motion in the performance of various sports. Motions that feature mutual dynamic operations are known as dual motion. Such motions may be divided into two types of movement which, although they may appear to share the same motions, may actually arise from quite different levels of mental concentration. For the purpose of this study, the body was taken as divided into two sections, M1 and M2. Each of these sections was the subject of mental concentration in producing the power of a movement (M(A)) and maintaining the "shape" of the movement (M(O)). Thus, [M1(A), M2(O)]and[M1(O), M2(A)]served to indicate these two types of movement (dual motion). Two experiments on dual motion were conducted. 1) The motion of twisting the upper half of the body to the left was performed on a turntable. 2) A kick with the instep was performed without a football. EMGs were recorded and movements were filmed during these experiments. The result obtained in this study may be summarized as follow : The divided motions[M1(A), M2(O)]and[M1(O), M2(A)]were demonstrated not only by the differing level of mental concentration but also by differing muscular activity in dual motion.
著者
藤井 吉隆 南石 晃明 小林 一 小嶋 俊彦
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.142-158, 2013 (Released:2013-10-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1 7

本研究は,大規模水田作経営の作業計画に関わる熟練ノウハウの内容と特徴を解明するとともに,雇用型法人経営における従業員の能力養成方策確立の指針を提示することを目的とする.調査は滋賀県の雇用型法人経営を対象に実施した.その結果,作業計画に関わる知識・技能数はかなり多く,知識では,(1)農作業と同様に経営固有知識の占める割合が高く,多様な状況に応じて使い分ける内容が多いこと,(2)経営固有知識は知識の固有性の程度に応じて応用型,固有型に大別できることなどを明らかにした.また,技能では知的管理系技能が中心的であり,(1)判断の性質に応じて確定判断型,予測判断型に大別できること,(2)関連する知識・技能や情報を考慮して総合的に判断する技能であることを明らかにした.そして,非熟練者は経営固有知識や知的管理系技能の習得状況が低く,雇用型法人経営における従業員の能力養成に際しては,(1)経営固有知識などの准暗黙知を形式知化して体系的に整理する取り組み,(2)知的管理系技能の判断に必要な要因の全体像の把握を支援する取り組み,(3)予測判断型の知的管理系技能の判断に必要な状況変化の予測を支援する取り組み,(4)実践的なOJT(On the Job Training:職場内教育訓練)や計画的な労務管理の実施が重要になることを明らかにし,これらの具体的な取り組み方策を提案した.
著者
坂 紀邦 寺島 竹彦 工藤 悟 加藤 恭宏 大竹 敏也 杉浦 和彦 遠藤 征馬 城田 雅毅 林 元樹 中嶋 泰則 伊藤 幸司 井上 正勝 加藤 博美
出版者
愛知県農業総合試験場
雑誌
愛知県農業総合試験場研究報告 = Research bulletin of the Aichi-ken Agricultural Research Center (ISSN:03887995)
巻号頁・発行日
no.41, pp.165-175, 2009-12

「中部糯110号」は、2008年に愛知県農業総合試験場山間農業研究所(農林水産省水稲育種指定試験事業)において育成した水稲糯品種である。その来歴、特性は次のとおりである。1.1990年、愛知県農業総合試験場山間農業研究所において「愛知糯91号」を母本とし、「イ糯64」を父本として人工交配した後代から育成した。交配の翌年、圃場でF1を養成し、1995年F5世代で個体選抜し、その後、系統育種法により選抜・固定した。2.本種は、早生の糯種で、草型は偏穂重型の強稈種である。収量は「ココノエモチ」よりも優れる。千粒重はやや重く、玄米の外観品質は良好で、餅の食味は粘りが強く、味、外観に優れ良い。3.縞葉枯病に抵抗性で穂いもち抵抗性も優れる。
著者
小林 繁子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

筆者は昨年度8月より継続して文書館史料や二次文献などを渉猟する調査を行った。具体的には、博士論文のテーマとして設定した「トリーア・ケルン・マインツ三聖界選帝侯領における魔女迫害の構造比較」のための史料としてとくに民衆からの「請願状」に着目し、これが魔女迫害においてどのような機能を果たしたのか分析し、そこから見られる君主一臣民間の複雑な関係を明らかにすることを目的としている。今年度は特に文書館の手稿史料の解読と分析に注力した。8月~9月には一時帰国し、それら史料調査の成果をまとめつつ、マインツ選帝侯領における魔女迫害について論文を作成し、2010年8月末に国内の学術雑誌に投稿した。さらにその後の史料調査によって得られた知見を加えた改稿を経て、現在審査中である。またトリーア大学のフォルトマー氏と同テーマに関する共同論文を現在準備中である。ここではフォルトマー氏がトリーア選帝侯領、ルクセンブルク大公領、聖マクシミン修道院領において行われた魔女迫害とそこでの請願状の役割について、また筆者はマインツ選帝侯領およびケルン選帝侯領レンス市における魔女迫害について執筆を担当することになっている。これは2011年中に発表される予定である。また、2010年9月にマルティン・ルター・ハレ・ヴィッテンベルク大学において行われた日独共同大学院秋季セミナーにおいて「近世における請願状の諸機能-マインツ選帝侯領における魔女迫害の事例から-」と題してこれまでの史料調査に基づきドイツ語での口頭研究発表を行った。
著者
若林 芳樹 神谷 浩夫 由井 義通 木下 禮子 影山 穂波
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.65-87, 2001-04-28
参考文献数
64
被引用文献数
4

本研究は,量的研究法と質的研究法とを組み合わせたマルチメソッドのアプローチを用いて,東京大都市圏における30歳代シングル女性世帯の居住地選択の傾向とそれを取り巻く状況を分析したものである。既存の統計類とアンケート調査結果を用いた量的分析の結果,シングル女性世帯の居住地選択の特徴として,利便性を重視して都心周辺部を指向すること,所得階層によって就業・居住状態に違いがみられること,住宅の探索・契約をめぐって種々の制約を受けていること,などが明らかになった。こうした量的分析による知見を裏付け,より詳細な居住地選択の実態を探るために,グループ・インタビューを行い,質的分析を加えた。その結果,彼女らが都心周辺部を指向する理由は,単なる利便性だけでなく,帰宅時の安全性への配慮や住み慣れた地域への選好が影響していること,住宅の契約をめぐる制約の強さは勤務先や所得によって異なること,などが明らかになった。
著者
林 勝義 丹羽 修
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-12, 2002-01-05
参考文献数
61
被引用文献数
5

脳内,神経細胞計測用の電気化学センサーシステムについて概説した.リアルタイムモニタリングを目的とした微小電極型,オンライン型,そして,チップ上に検出器や電気泳動を集積したマイクロ化学分析システム(μ-TAS)について,生体・細胞測定に適用されたデバイスを中心に,電気化学検出器と組み合わされた電気泳動チップの現在の動向についても紹介した.微小電極型センサーでは,電極材料や測定手法の開発により,オンライン型センサーでは,酵素カラムや電気化学反応器と検出器との組み合わせにより,高感度,高選択測定が実現されている.μ-TASでは,センサーシステムの微小化によってよりリアルタイムな生体・細胞測定実現の可能性が示された.シナプスレベルようなの速い応答を高い位置分解能での測定が可能なセンサーが必要とされており,今後その実現が期待される.
著者
松村 秀幸 小林 卓也 河野 吉久
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.16-35, 1998-01-10
参考文献数
92
被引用文献数
10

針葉樹のスギとウラジロモミおよび落葉広葉樹のシラカンバとケヤキの苗木に, 4段階の濃度のオゾンと2段階のpHの人工酸性雨を複合で20週間にわたって暴露した。オゾンの暴露は, 自然光型環境制御ガラス室内において, 1991および1992年に観測した野外オゾン濃度の平均日パターンを基準(1.0倍)とした0.4,1.0,2.0および3.0倍の4段階の濃度で毎日行った。オゾン濃度の日中12時間値(日最高1時間値)の暴露期間中平均値は, それぞれ18(29), 37(56), 67(101)および98(149)ppbであった。人工酸性雨の暴露は, 開放型ガラス室内において, 夕方から, pH3.0の人工酸性雨(SO_4^<2-> : NO_3^<3-> : Cr=5 : 2 : 3,当量比)および純水(pH5.6)を, 1週間に3回の割合で, 1時間あたり2.0〜2.5mmの降雨強度で1回8〜10時間行った。シラカンバとケヤキでは, 2.0倍および3.0倍オゾン区において白色斑点や黄色化などの可視障害が発現し, 早期落葉も観察された。ケヤキでは, pH3.0の人工酸性雨区においても可視障害が発現したが, シラカンバでは人工酸性雨による可視障害は全く認められなかった。スギとウラジロモミでは, オゾンあるいは人工酸性雨の暴露による葉の可視障害は全く認められなかった。最終サンプリングにおけるスギ, シラカンバおよびケヤキでは, 葉, 幹, 根の各器官および個体の乾重量はオゾンレベルの上昇に伴って減少した。ウラジロモミでは, 根乾重量がオゾンレベルの上昇に伴って減少した。一方, pH3.0区におけるウラジロモミおよびケヤキの葉および個体の乾重量はpH5.6区に比べて減少した。また, スギ, シラカンバおよびケヤキの純光合成速度はオゾンレベルの上昇に伴って減少した。シラカンバおよびケヤキでは, 葉内CO_2濃度-光合成曲線の初期勾配である炭酸固定効率もオゾンレベルの上昇に伴って低下した。ウラジロモミではオゾン暴露によって暗呼吸速度が増加した。さらに, pH3.0区におけるウラジロモミおよびケヤキの暗呼吸速度もpH5.6区に比べて減少した。オゾンと人工酸性雨の交互作用は, 供試したいずれの4樹種の地上部と根の乾重量比(T/R)において認められ, オゾンレベルの上昇に伴うT/Rの上昇の程度がpH5.6区に比べてpH3.0区において高かった。
著者
宮代 彰一 林 周吾 安村 健 石川 剛 平尾 敏博
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.866-879, 1997
被引用文献数
1 1

文献が何年くらい引用されるかで,その実効寿命を定義する。この値により,その分野の研究開発の動向が推察でき,かつ遡及調査での指針がえられる。本論文では,まず電子デバイス分野につき,IEEEの論文誌,Trans. on Electron Devicesでこれを調べた。最近(1995)では5.3年さかのぼれば,結果的にみて必要な論文の50%を調べたことになる。過去30余年にわたってみると,この値は年を追って長くなる。寿命の短いことは研究開発の始まりやその速さを示し,長いことはその積み重ねや成熟を示すであろう。次に他の分野,すなわち理工学,医学での多数の学会誌(1995)について調べた。いろいろな長さの寿命値をえたが,各分野の性格を表すものと推測した。
著者
小林 茂樹 矢田谷 健 高山 昭蔵
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理研究会誌 (ISSN:09166505)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.82-88, 1991-02-25

小型ピロプラズマ症 Japanese Theileriosis (JT症)は、蓄牛放牧時に多発し、放牧牛の発育を著しく遅滞させると同時に、その検査と治療に多大の労力と費用を要する。著者らは、本症発生率の高い公共乳用育成牛放牧場におけるその感染・発症検査、発症牛治療、ならびに放牧牛発育調査を行い、今後の同症の予防・治療対策の一助とした。対象牧場は湿潤冷涼地にあり、放牧密度は0.60〜0.62ha/頭であった。貧血牛(JT症発症牛)は、1987年に比べ夏季降水日数および降水量の多かった1988年に、入牧後早期に増加した。1988年におけるJT症の高い発生は、環境要因として降水日数および降水量の多かった気象条件に起因する草地管理不良(放牧残草の枯死・腐敗など)からダニなど媒介昆虫の繁殖が旺盛となったことが、主な原因と推察された。1988年放牧牛については、入牧後1ヶ月でTheileria sergenti感染率が61%に達した。本原虫感染に基づく発症は、パラインフルエンザ3型およびアデノウイルス7型ウイルス等の感染が間接的に関与したと考えられた。1988年入牧牛の入牧時月齢とJT症発症・治療牛割合との関係は、不明確であった。同じく入牧時体重と同症発症・治療牛割合との関係も認められなかった。発症牛の治療に殺原虫剤としてアミノキン・ナフトエートとジアゾアミノベンザミッドを、補液剤として栄養加リンゲルを用いた。治療開始時ヘマトクリット値(Ht値)は17.9±1.7%で、治療日数は8.1±5.2日であった。1988年春入牧牛の5ヶ月間の1日平均増体重は、発症・治療牛で306±199g、非発症・治療牛で530±234gであった。発症・治療牛では、放牧開始時月齢と無関係に増大量が小さかった。 日本家畜管理研究会誌、26(3) : 82-88.1991. 1990年9月3日受理
著者
竹林 征三
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土と基礎 (ISSN:00413798)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1-3, 2001-10-01
参考文献数
3
被引用文献数
1

The natural ecology se recovery power which the natural slope has exists in the surface soil which is in site. It is the one which proposes the concept of the replant-ing method which evaluated high the environment value which the surface soil has.
著者
小林 孝一郎 村上 真由美 富山 徹 加藤 真理子 中屋 泉美 武田 美和子 横山 雄子 平井 紀子 河上 浩康
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.371-375, 2013 (Released:2013-08-29)
参考文献数
5
被引用文献数
2

【目的・方法】在宅緩和ケアにおける多職種間の速やかな情報共有と緩和ケアチームによる苦痛緩和支援を目指して, ITクラウドを活用した地域医療支援システムEIRを導入した. 試用期間半年間に, 緩和ケアチームが関わって在宅緩和ケアに移行した5事例を対象として, 関わった医療者11名にアンケート調査を実施して, 有用性について検討した. 【結果】入力装置として全員がパソコンを使用, iPhone併用は4名, 現場で入力した経験があるのは2名であった. 入力時間は9名が5分以下で, 閲覧はさまざまな装置と場所で行われていた. 有用性は, 至急・重要メールは役立ちましたか: 3点6名, 2点3名, 1点1名, 0点1名, 情報量は適切でしたか: 3点9名, 2点2名, 連携はスムーズにできましたか: 3点9名, 2点2名, そして総合評価として在宅緩和ケアに活用できましたか: 3点9名, 2点2名であった. 【結論】在宅緩和ケアにおいて有用である可能性が示唆された.
著者
小林 美香子
出版者
日赤図書室協議会
雑誌
日赤図書館雑誌 = The Journal of the Japanese Red Cross Hospital Libraries (ISSN:1346762X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.9-14, 2010-10-01

当院では、2006年度より日本赤十字社事業局看護部の方針を受け、看護職キャリア開発ラダーを運用している。当図書室では、看護研究小委員会と協力し、看護職キャリア開発ラダーに連動した研究支援を実施している。看護職個人のキャリア開発を支援する際、病院図書室はアクセスが容易な知の拠点であることから、存在意義は大きい。2010年4月から開始となった新人看護職員卒後臨床研修の努力義務を受け、今後さらなる図書室環境の充実が求められている。
著者
白石 浩章 山田 竜平 石原 吉明 小林 直樹 鈴木 宏二郎 田中 智
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.283-288, 2012-09-25
参考文献数
15

多点ネットワークを構成して火星表層環境および内部構造を観測するペネトレータミッションを提案する.現在の火星内部で生じているダイナミクスを反映する地震活動度と熱的状態を調査するとともに,地球型惑星の分化過程を反映する地殻-上部マントル構造と固体内部から表層および大気層への物質輸送過程に関する知見を得ることを目的とする.ペネトレータモジュールは突入速度300m/secで火星表層下2〜3mに潜り込むプローブ本体に,耐熱シールドと空力減速機構の役割をする膜面展開型柔構造エアロシェルを統合することで小型軽量なシステムを構成する.周回衛星から分離された4機のペネトレータは,火成活動の可能性が指摘されるElysium地域に最大300km間隔のネットワークを構成して地震観測や熱流量観測を行う.一方,柔構造エアロシェルには圧力計,温度計,磁力計,カメラを搭載して大気突入時のモニタリングを行う.