著者
酒井 秀夫 大橋 文人 佐々木 重人 伊藤 福美 森田 明 小林 晋作 高井 信治 佐々木 伸雄 竹内 啓
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.1239-1242, 1984-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
9

活性炭などの吸着剤による直接血液灌流(DHP)は肝不全・腎不全などに対する治療として有効である。本治療法実施に際しての抗凝固剤としては主にヘパリンが使用されているが, 血球の減少・DHP後の出血傾向などの問題がある。我々はこれらの問題点を考慮し, ヘパリンにかわる抗凝固剤としてカルバサイクリン誘導体CS-570を使用して実験的尿毒症犬の活性炭によるDHPを行ない, 血球成分・血液凝固能・血圧・回路内圧などを指標としてCS-570のDHPにおける抗凝固剤としての有用性を検討した。その結果, DHP実施中の赤血球数・血小板数は変動せず, 血液回路内での血小板凝集は強く抑制されており回路内凝血の徴候は認められなかった。一方, 生体内での凝集抑制率は低くDHP終了後の凝集能回復も速やかであった。また, 血圧の低下はわずかであった。以上のことからCS-570はDHPにおける抗凝固剤として非常に有用であると考えられた。
著者
西川 亮 中島 直人 中林 浩 西村 幸夫
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.365-372, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
28

本研究は西山夘三の観光計画論を明らかにするものである。具体的には、1) 西山の観光論を西山の意識の変化と共に詳細に捉えること、2) 計画者としての立場から見た西山の計画論を明らかにすること、3) 西山の関わった計画を通じて理論と計画の関係性を見ることである。戦前から西山夘三はレクリエーションの延長として観光に関心を寄せていたが、戦災復興期は、観光施設の建設による観光地整備を考えており、それは建築家としての一面を示すものであった。しかし、戦災復興期から高度経済成長期に移行し国民の消費を促す観光開発による自然破壊が目立つようになると、生活リズムを高めるための観光を主張し、国土スケールで観光資源の保存と開発を両立する計画論を提示するようになっていく。その理論を計画に適用させたのが京都計画や奈良計画等の構想計画であった。西山の、生活リズムを高めるものとして観光を捉える視点は、現代において1)地域が観光客から得る利益だけでなく、観光客が地域から得る利益を考える視点、2) レクリエーションと観光の総合的な空間計画の必要性、3) 適正な観光地創出に行政関与の必要性を提起する。
著者
林 良育
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.527-546, 2015

『斉民要術』に見える北土高原以外での水稲作については,「歳易」という用語の解釈から,一年休閑農法と田畑輪換の両説が提出されているが,漢〜魏晋南北朝期の技術水準論・生産力論という観点に引きつけた解釈がなされてきた感があり,水田の立地,「歳易」を要する理由などを含めて,なお多分に議論の余地を残しているように思われる。そこで本稿では,水稲作に関する農学系の研究なども参照しつつ,あらためて史料の精密な解釈を行い,「歳易」という用語を中心とする水稲作の実像に迫ることを試みた。そして考察の結果として,(1)『斉民要術』に見える「歳易」をともなう水稲作の主たる対象地域は,山東省の泗水水系流域周辺であり,(2)水源を含めた河川上流域周辺の高燥地乃至高田で行われており,(3)「歳易」には田畑輪換の可能性があり,(4)「歳易」が行われた理由としては,農業用水の使用量調整(節水)・旱害対策,周辺農地への湿害の防止及び農地の利用効率の向上などが考えられ,(5)この水稲作が山東省の気候条件に対応して行われた局地的な性格のものであったことなどが明らかになった。
著者
小林,泰
出版者
土質工学会
雑誌
土と基礎
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, 1961-12-15
著者
岡林 隆敏 阿部 大輔 糸永 洋次郎 足立 圭太郎
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学工学部研究報告 (ISSN:02860902)
巻号頁・発行日
vol.34, no.63, pp.65-69, 2004-07

The atomic bomb disaster can be classified to urban disaster from the viewpoint of civil engineering. "The US strategic-bombing investigating commission film", an existing aerial image data of post atomic bomb disaster in Nagasaki recorded by the commission, remains as the materials for representing the result of the attack. However, there is few material, which indicates the right places of the object structures in detail. The objective of this study is to structure the database linked with the map of Nagasaki city by Visual Basic in order to utilize the historical data. Furthermore, we utilized the data by archiving in DVD-ROM.
著者
小川 哲史 新井 英夫 渡部 登志雄 小林 靖子 森川 昭廣 丸山 健一 服部 浩明 江頭 徹
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.171-175, 1998

我々は,血漿アポEの高値および特徴的な腎組織像からリポ蛋白糸球体症と診断した4歳発症の女児例を経験した。本例は検索した範囲では世界最年少例と思われた。<br> 本症の病因の一つとしてリポ蛋白代謝異常が示唆されているため,患児のアポEの検索を行った。表現型と遺伝子型に不一致がみられたことより,さらに検索を進めたところ,アポE遺伝子exon 4において9塩基の欠失 (480-488nt) が認められた。これによって合成される患児のアポEは,3個のアミノ酸 (Arginine,Lysine,Leucine) が欠け,296個のアミノ酸から成る変異体であると推測された。また,現在無症状である母親および弟にも同遺伝子変異が確認された。この変異はアポEにおいてレセプターとの結合領域と考えられている部分に存在しており,これによって生じる変異体はリポ蛋白代謝異常さらには本症の発症に何らかの形で関与している可能性が示唆された。
著者
阿部 真理子 小林 雄一郎 藤原 康弘
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、高校生の英語スピーキング力を 3 年間にわたり縦断的に追跡し、その発達過程を明らかにすることである。具体的には、(1)個人レベルでの経年変化のモデル化、(2)内的・外的な学習者要因が発達に及ぼす影響の解明を行う。そのためには研究の共同基盤となるコーパスの整備が不可欠である。「Longitudinal Corpus of L2 Spoken English (LOCSE)プロジェクト」において収集している縦断的英語スピーキング力データ(約120名×8回)をもとに、今年度は学習者コーパスの構築を推進させた。またコーパスの概要を示す特徴量算出(前半3回分)と、個々人の発話に関する数値的な情報(前半3回分)を算出した。個々人の情報に関しては、学習者ごとにフィードバックも行った。さらには、書き起こしの精度と速度を向上させるために、自動書き起こしツールを用いた作業の検討を繰り返し行った。そして、自動書き起こしツールの効果を検証するためのデータ収集を開始した。高校生の英語運用能力および学習意欲の変動に影響する要因を探るためのアンケートも実施し、内的・外的な学習者要因がスピーキング力の発達にどのような影響を及ぼしているかについて論文をまとめた。国内・国外において一件ずつの研究発表を行った。そのことで、次年度(2018年夏)に共同シンポジウムを二件行うことが決定した。また国外における人的ネットワークの構築を行うのみならず、海外の大学との共同研究の開始が決定した。
著者
吉野 純 村上 智一 小林 孝輔 安田 孝志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.316-320, 2007
被引用文献数
1

A new application of modifying initial three-dimensional typhoon meteorologica flields for a mesoscale atmospheric model is developed in this study to evaluate potential storm surge heights that are likely to occur under expected global warming. The initialization technique based on the potential vorticity invertibility principal can arbitrarily control the position and intensity of typhoon in the initial atmospheric conditions, consistent with the balance wind and hydrostatic equilibrium. Preliminary numerical experiments of storm surge scenarios in Ise Bay, using a coupled atmosphere-ocean-wave model, show that the subtle difference of typhoon track causes a large impact on the spatial distribution of storm surge level.
著者
小林 康宏 松井 正宏
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
JWE : 日本風工学研究会誌 : Journal of Wind Engineering (ISSN:09121935)
巻号頁・発行日
no.135, pp.105-106, 2013-04-30
参考文献数
3

本研究は日本に来襲する台風気圧場パラメータの統計的性質について調べる。&nbsp; 耐風設計の設計風速を決定するために台風モデルを用いたモンテカルロ・シミュレーションが行われることがある。この時に重要なことは、台風気圧場の再現性と、風速場モデルの精度であると言われている。台風気圧場の再現性を向上させるために、過去の台風の気圧場の性質を調べることは重要である。このような研究は、日本の台風に対して、藤井、光田らの一連の研究<sup>1)</sup><sup>~</sup><sup>3)</sup>があるが、その研究以降20年以上経過しており本研究では最新のデータもふまえ1951年~2010年のベストトラックおよび1961年~2010年の日本全国の気象台における大気圧の地上観測記録を用いて気圧場を表すパラメータを求め北西太平洋全域にわたる分布について調べた。<sup></sup>
著者
林 要次
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.80, no.709, pp.709-715, 2015-03-30 (Released:2015-03-30)

This paper is a part of the study on the acceptance of the French Architecture theories and the educational methods in Modern Japan. It focuses on Abel Jean-Louis Guérineau (1841-1929), French architect who received architectural education at the Ecole des Beaux-Arts in Paris and was employed by the Imperial Japanese Army academy (Riku-gun-shikan- gakkou) as professor of architecture design and drawing between April 11, 1874 and June 30, 1880. Firstly, the role of Guérineau is examined in the context of "military architecture" in Japan. Secondly, the role of Guérineau is examined as leading person of Japanese architectural culture in France.
著者
船越 顕博 山内 孝 井 林博
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.1766-1769, 1980

膵癌の酵素学的診断法を確立する目的で,DIPN 500mg/kgをgolden syrian hamsterの皮下に毎週注射することにより実験膵癌を作成した.実験膵癌の組織型は全て人膵癌類似のDuctal cell腺癌を示した.DIPN注射後,12,16,20,22,25週と経時的に採血し,血清中並びに膵組織中のRNase(Poly U, Poly C, Poly A, Poly G)を測定すると,全例膵癌の観察された25週にはPoly Uaseの上昇を認め,経時的なRNase測定により膵癌診断の指標となることが示唆された.
著者
下野 洋 市川 智史 梅埜 国夫 小椋 郁夫 恩藤 知典 河原 富夫 小島 繁男 小林 道正 五島 政一 佐藤 俊一 猿田 祐嗣 下畑 五夫 浜中 正男 藤田 郁男 松田 義章 三宅 征夫 山下 浩之 山田 正昭 渡辺 享
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.315-316, 1995

理科の野外学習指導法の体系化を図るために、野外学習の有効性、必要性、児童・生徒の環境認識の実態、野外学習の目標、カリキュラム上の位置付け、野外学習の指導の型、観察対象の類型化、野外学習の指導法などについての検討を行った中間報告である。
著者
小林 麻里子 奥脇 義行 川井 英雄
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.211-216, 2006 (Released:2007-01-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

Staphylococcus属菌及びStreptococcus属菌はPETボトル入り清涼飲料水中でも長時間の生存が可能な場合がある。そこで,これらの中で口腔内に常在していることの多いS.aureusとS.pyogenesの一定濃度の菌液を調製し, 菌数の変動を検討した。(1) S.aureusとS.pyogenesを接種した実験において, スポーツ飲料と乳酸菌飲料ではS.aureusでは菌数の変化が見られなかったが, S.pyogenesは5時間後までに死滅した。(2) むぎ茶飲料ではS.aureusは増加し, S.pyogenesはわずかな減少を示した。(3) 紅茶飲料 (ミルクティ) は両菌種ともに増加した。(4) スポーツ飲料と乳酸菌飲料はpH3, むぎ茶飲料と紅茶飲料 (ミルクティ) はpH6程度であるため, 細菌の生存には成分も影響するが, pHの方がより強く影響することが示唆された。(5) むぎ茶飲料と紅茶飲料 (ミルクティ) との比較では, むぎ茶飲料はタンパク質, 脂質, 炭水化物を全く含まず, 原材料が麦の浸出液のみである。これに対し, 紅茶飲料 (ミルクティ) は乳成分 (牛乳, 脱脂粉乳など) や砂糖を含むため, 細菌の増殖に適した条件であると言える。(6) 黄色ブドウ球菌食中毒が発症するエンテロトキシン量は平均100~200ngとされる。これは, 食品中におけるS.aureusが106cfu/g以上と同レベルの増殖である。本研究の紅茶飲料 (ミルクティ) では, 接種24時間後でもっとも増殖した試料でも104cfu/mL程度である。このためエンテロトキシンが産生される条件に満たなかったと考えられた。
著者
木内 豪 神田 学 栗城 稔 小林 裕明
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.381-386, 1994-02-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4
被引用文献数
2 7

Growing cities have been deteriorating heat environment due to artificial coverage of the ground and artificial heat effluence. The authors focused on the watering on paved roads as one of elective and immediate measures against the situation and observed the elect on the micro climate in a city area in the last summer. The results showed that the difference in temperature and humidity at two points with and without watering were maximum 1.5 degree and 8%, respectively. In addition, the estimated heat balance at the points showed that the considerable latent heat and the lateral heat transport contributed to lower the surface temperature of the road due to watering.
著者
松田 健 加藤 雅彦 唐沢 勇輔 丹京 真一 中村 智史 林 憲明 加藤 孝浩
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.447-448, 2018-03-13

フィッシングの手口の巧妙化が進む中,フィッシングサイトを早期に発見することは被害を最小限に抑えるだけでなく,攻撃者側の準備にかかるかコストを増大させることにも繋がる可能性があるため,フィッシングサイトの早期発見は非常に重要な問題である.本研究では,実際のフィッシングサイトに使用されたドメイン名に含まれる特徴から,新たにフィッシングに使用される可能性のあるドメイン候補を生成・監視することで,フィッシングサイトの早期発見に繋げるための情報収集方法について検討する.
著者
小林 英司
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.107-108, 2012-07-10 (Released:2014-11-26)
参考文献数
3