著者
小沼 元輝 朱碧 蘭 山田 奨治 柴山 守 中川 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.606, pp.91-96, 2007-03-09
被引用文献数
2

本稿では,電子くずし字辞典に用いるロバストな文字認識の開発について述べる.古文書の翻刻作業を特定の専門家以外でも可能にし,その効率を高めるために,古文書で標準的に用いられるくずし字の辞典を電子化し,翻刻の利便性を向上させることが有効である.我々は,67,739種のくずし字に対する認識システムを開発した.くずし字までいかない通常の字体に対しても現有の認識システムを利用できるようにした.採用手法は,現在の文字パターンに対して一定の認識率を保証しているので,実用に耐えることを期待しているが,現実課題のサンプルパターンが少ないために,定量的な評価は今後の課題とする.
著者
長田 貴之 柴山 良彦 熊井 正貴 山田 武宏 笠師 久美子 倉本 倫之介 洲崎 真吾 赤澤 茂 真栄田 浩行 坂下 智博 折舘 伸彦 本間 明宏 福田 諭 菅原 満 井関 健
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.51-55, 2012-01-10 (Released:2013-01-10)
参考文献数
14

Intractable nausea and vertigo induced by opioid treatment are occasionally difficult to treat. It has been reported that antiemetic drugs and opioid rotation may be effective in treating nausea in such cases; however, this approach has been occasionally ineffective. Symptomatic treatment has not been developed for vertigo induced by opioid treatment. Here, we report a case study where combined treatment with perospirone and a histamine H1 receptor antagonist was used in 2 patients who developed intractable nausea and vertigo induced by opioid treatment. Treatment with a histamine H1 receptor antagonist drug (tablet form, containing 40 mg diphenhydramine salicylate and 26 mg diprophylline) suppressed the nausea and vertigo. However, increasing the opioid dosage exacerbated the symptoms, and treatment involving the histamine H1 receptor antagonist and opioid rotation was ineffective. Subsequently, combination treatment with the histamine H1 receptor antagonist (3 tablets per day) and perospirone (maximum daily dose, 16 mg) improved the symptoms. The results of the present study suggest that combination treatment with a histamine H1 receptor antagonist and perospirone might improve intractable nausea and vertigo induced by opioid treatment.
著者
薮田 行哲 宮脇 ひろみ 柴山 絢子 一柳 剛 會見 忠則 渡辺 文雄
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.89-92, 2012-07-31 (Released:2018-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
1

市販されている9種の食用きのこの抗酸化活性をクロシン退色法,フォーリンチオカルト法,そして1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル消去法の3種類の方法により測定した.9種類の内,ツクリタケが最も高い抗酸化活性(0.22mmol Trolox当量/g新鮮重量)を示した.さらにツクリタケの抗酸化活性は熱に安定であった.抗酸化活性は抽出溶媒および抗酸化活性の測定法の違いにより変化した.このことはきのこには様々な抗酸化物質が含まれていることを示唆するものであった.
著者
柴山 恭一 児玉 峯一
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.20, no.222, pp.591-595, 1963-10-25 (Released:2010-10-14)
参考文献数
6

橋かけ度の異なるエポキシ樹脂硬化物の粘弾性と膨潤の効果を調べた。弾性率-温度曲線の傾斜は橋がけ密度とともにゆるやかになる。膨潤の主な効果は転移温度の低下であって, 膨潤剤のもつ自由体積量によってなかば定量的に説明される。
著者
施 光恒 柴山 桂太 佐藤 慶治
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究では、ポスト・グローバル化時代の日本の国づくりの指針となる「新しい日本型」の社会構想を、政治学や経済学、文化研究の観点から描き出すことを目指す。その際、各国で1990年代以降に本格化し現在まで続く新自由主義に基づくグローバル化の推進の結果として構築されてきた国際政治経済秩序の変革を行う必要がある。そうしなければ各国の政策的自律性が発揮できないからである。それゆえ、本研究では、各国型の国づくりを許容するポスト・グローバル化の多元的国際秩序のあり方を検討し、そこにおける新しい日本型システムをどう描き出すか考察していく。
著者
大平 幸一郎 高畠 知行 三上 貴仁 柴山 知也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.56-66, 2017 (Released:2017-09-20)
参考文献数
21

東北地方太平洋沖地震の直後,震源から遠く離れた山梨県の湖やノルウェーの湾など複数の場所で津波の様な異常な水位変動が目撃された.同様の水面変動はこれまでに稀に報告されてきた.しかしながら,具体的な波の発生機構や評価手法は確立されておらず,本現象そのものに対する認識や防災意識は低い.本研究では,定量的な影響評価手法の選定と本現象による水害リスクの把握を目的に,現地調査や目撃情報等の収集・整理により発生要因を実地形でのスロッシング現象と推定し,三次元解析での再現を試みた.実験結果との比較により解析手法の妥当性の検証を行った上で過去の事例の再現と将来予測を行った.その結果,本解析手法により異常な水面変動を再現できること,津波とは別の地震直後の内陸部の湖や湾奥部の運河における水害リスクを明らかにした.
著者
小塩 海平 山仲 藍子 嶋田 昌彦 椎野 太二朗 鶴岡 邦昭 柴山 俊朗
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.43-47, 2011 (Released:2011-06-22)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

オレイン酸およびオレイン酸誘導体非イオン系界面活性剤 (対照区 (水), ジグリセロールトリオレート5%, グリセロールジオレート5%, グリセロールモノオレート5%, ペンタエリスリトールジオレート5%, ソルビタン脂肪酸トリエステル (16, 18, 18: 1, 18: 2, 18: 3) 5%, オレイン酸5%, ソルビタントリオレート5%) をスギに散布処理し, 雄花に対する選択的褐変効果を評価した。供試した界面活性剤はいずれもスギ雄花に対する選択的褐変効果を有しており, ソルビタントリオレートはその高い褐変効果を示した。供試した界面活性剤のHLB値 (親水–親油バランス) が低いほど, スギ雄花の褐変に及ぼす影響が大きく, いずれの界面活性剤処理でも,スギ雄花からのエチレン生成が抑制された。これらのオレイン酸誘導体非イオン系界面活性剤処理は, 今後, スギ花粉飛散防止技術として実用化が期待される。
著者
米澤明憲 柴山悦哉 [著]
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1992
著者
ビアルケ (當山) 千咲 柴山 真琴 高橋 登 池上 摩希子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.172, pp.102-117, 2019 (Released:2021-04-26)
参考文献数
19

本研究は,ドイツの補習校に通い,ドイツ語を優勢言語,日本語を継承語とする独日国際児の事例において,二つの異なるジャンルの二言語の作文力が,小4から中3まででどのように形成されるのかを分析した。対象児は,日本居住の日本語母語児に比べ産出量や語彙,構文の多様性等の伸びが遅れながらも,談話レベルでは母語児に近い評価の作文を書いていた。その背景を二言語作文の縦断的分析により探ったところ,優勢なドイツ語に牽引されるように日本語も伸び,まず接続表現や構文の複雑化によって論理的つながりが改善され,次に全体構成や内容の高度化が生じることがわかった。またドイツ語作文のレベルに近い日本語作文を,限られた日本語の表現手段を工夫して書いているが,複雑な内容の説明における文法的誤用や漢字熟語の不足等に表現上の困難が見られた。以上の発達過程の特徴から,補習校での指導への示唆を抽出した。
著者
浜垣 誠司 柴山 雅俊 石原 次郎 鈴木 健司 大島 丈志
出版者
文教大学
雑誌
言語と文化 = Language and Culture (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.126-89, 2022-03-16

This report is a record of a symposium aimed at analyzing the imagination of Kenji Miyazawa’s work from a psychiatric perspective. Some of Miyazawa’s works are highly recordable and are interpreted as reflecting his realistic situation. This report takes the poem “Shukan”, and analyzes it from the perspective of “dissociation”, showing that it can be interpreted as “imaginary companion”.
著者
柴山 弓季 植田 好人 角野 康郎
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第51回日本生態学会大会 釧路大会
巻号頁・発行日
pp.176, 2004 (Released:2004-07-30)

自殖性絶滅危惧水生植物ヒメシロアサザの地理的変異柴山弓季(東京大・農学生命科学研究科)・植田好人(神戸市立西高校)・角野康郎(神戸大・理) 日本産アサザ属には他殖性を示す異型花柱植物アサザとガガブタのほかに、ヒメシロアサザNymphoides coreana (Lev.)Haraが存在し、3種とも絶滅危惧植物に指定されている。最近の繁殖生態学的研究の結果、ヒメシロアサザは他の2種と異なり、自動自家受粉による高い自殖性を維持していることが明らかになった(植田・角野,未発表)。ヒメシロアサザは、栃木県から西表島にわたって約10数個体群程度が局所的に残存しているに過ぎない。そこで本研究では、自殖性を示す本種の各個体群にみられる遺伝的分化を調査した。 各個体群から採集した種子を材料に発芽特性、種子形態(表面突起の有無)、種子サイズ、重量、花冠サイズおよび生活史(多年生か一年生か)を比較観察した。 その結果、上記の形質において顕著な地理的およびハビタット間(ため池か水田)分化が認められることが明らかになった。さらに、酵素多型分析により多型が認められたPGM, MDH, TPI, ADK, SkDHを組み合わせたmultilocus genotype(MLG)を決定したところ、各個体群に特有なMLGが存在していることが分かりそれぞれの個体群の遺伝的分化も裏付けられた。共有対立遺伝子距離に基づいた樹形図から、岡山県の個体群でさらなる遺伝的分化が確認された。このような分化は、自殖という繁殖様式によってお互いの個体群が遺伝的に隔離される中で生じてきたものと推測される。 今回の結果は、遺伝的多様性保全の観点から残存するすべての個体群の保全に努めることの必要性を示している。今後は、ヒメシロアサザ個体群の存続可能性を検討するためにF1, F2を作出して、近交弱勢や他殖弱勢の存在などを確認する予定である。
著者
菱田 慶文 柴山 信二朗
出版者
四日市看護医療大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

アブダビ首長国において、最も振興されていたのがブラジリアン柔術である。学校体育で導入され、男子はグレード6から12まで(小学6年生から高校3年生まで)が必修であり、女子には選択授業として開講され、約8割の女子生徒が学んでいた。アブダビ首長国は、柔術の導入において、青少年の心の成長や健康問題の改善、さらに世界に通用する柔術選手を育成し、首長国の愛国心の高揚を期待していると考えられる。学校体育に導入されたことで、女子の格闘技に対する教育観や娯楽観に変容があったとみられる。それまでアブダビの女性は、格闘技を行う人が少なかったが、現在では、多くの女子が柔術の試合に参加することから分かる。