著者
石原 和幸 上田 真由美 平野 靖 梶田 将司 間瀬 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.454, pp.51-56, 2008-01-17
被引用文献数
4

献立を考えることは,料理をする人の約半数が面倒だと感じている.料理レシピを提供するWebサイトなどが多数存在するが,その多くでは利用者個人の嗜好を反映した献立決定の支援は行われていない.そこで,TF-IDF(Term Frequency-Inverted Document Frequency)における単語の特徴を尺度化する考えを食材の特徴の尺度化に用い,食材利用頻度と食材の特異度から各個人における食材の特徴を尺度化するFF-IRF(Foodstuff Frequency-Inverted Recipe Frequency)を提案する.これにより,食材に対する個人の嗜好を反映することを可能にする.提案手法の有効性を検証するため,評価実験用システムを実装し,個人の調理履歴と料理レシピ提供サイトのクックパッドのデータを用い評価実験を行った.実験結果より本手法の有効性について述べる.
著者
梶原 修
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.588-602, 2008 (Released:2008-11-01)
参考文献数
27

大阪府立中央図書館では資料展示と参加型情報サービスを連動させることにより,社会的課題についての情報提供を始めている。図書館の所蔵資料だけでは解決できなかったより専門的な課題について裁判員制度ミニフォーラムで解決できた事例と,資料展示で紹介したテーマについてサイエンスカフェで会話することによって理解や興味が深化した2つの事例を紹介する。加えて,図書館にない情報を提供することの意味と,図書館で地域住民と専門家が一緒に未来を考える価値について考察する。
著者
梶川 嘉延
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.55, pp.39-44, 2003-05-09
被引用文献数
1

近年,非線形システムの同定,非線形ひずみの除去などにVolterra級数展開に基づいたディジタルフィルタ(Volterraフィルタ)を利用する方法が提案されている.Volterraフィルタは従来の線形ディジタルフィルタを非線形に拡張したものであり,その構造や性質は線形ディジタルフィルタを包含している.よって,線形ディジタルフィルタで培われてきた技術を容易に導入することが可能である.本稿ではVolterraフィルタのうち,特にそのフィルタ係数を自動修正する適応Volterraフィルタに焦点を当て,その更新アルゴリズムを紹介するとともに,その一応例として非線形音響エコーキャンセラについても論じる.
著者
梶原 瑠衣 山根 泰志
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.2166, 2024-03-31 (Released:2024-03-05)

九州大学附属図書館は,貴重書等の画像を活用した図書館グッズを,九州大学生活協同組合と共同制作した。当該商品は,九州大学のオリジナルグッズのひとつとして,2021年に販売が開始され,恒常的に誰でも購入できる状態となっている。また,寄附事業「九州大学デジタル資料整備事業」の返礼品としても活用している。従来,九州大学附属図書館では無償の図書館グッズを制作したことはあったが,販売用グッズ制作は初めての試みとなった。1年以上かけて制作した図書館グッズについて,完成までの道のりを紹介する。
著者
牧野 晃典 梶川 裕矢
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.74-79, 2009-05-16 (Released:2009-06-27)

本研究は,利用者の書いた任意の文脈に対して適切な引用文を,web上に蓄積された膨大な文書の中から推薦するシステムを開発することを目的としている.今回はこの引用文推薦システム開発の第一段階として,代表的な引用文のひとつである格言に注目した.文脈と格言の間のマッチングを取ることで,文脈に即した格言を推薦するアルゴリズムを複数提案し,性能の比較評価を行った.
著者
田中 伸彦 梶田 佳孝 平沢 隆之 髙橋 美里 霜田 孝太郎 中村 麟太郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.245-249, 2023-09-07 (Released:2023-09-07)
参考文献数
12

日本の地方におけるMaaSシステムの高度化を念頭において、高知県室戸地域の9市町村を対象に、「ある地域の来訪目的地(destination)と宿泊地(accommodation)の集積状況は地理的に異なる部分がある」という操作仮説を置いて、5×5フィルタリング法を用いた分析を行った。その結果、操作仮説は支持され、両者のメッシュ得点の相関係数は0.041と低い値になることを示すことができた。ただし、この相関関係の低さは、宿泊地(accommodation)の集積地は来訪目的地(destination)の集積地と対応するが、逆は真ならずという関係性にあることに起因することが示唆された。つまり、地方におけるMaaSを高度化するためには、導線としての二次交通(transportation)について、この様な地理的分散に配慮した計画が必要であるということが提言できた。
著者
梶本 修身 吉田 勝 藤代 光明 廣畑 亮輔 杉野 友啓 西谷 真人 梶本 佳孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.143-150, 2009 (Released:2009-11-11)
参考文献数
17
被引用文献数
2

本研究では,エアーマッサージチェアの疲労に対する有用性を検証するため,健常成人を対象としたランダム化 2 試験区クロスオーバー試験を実施した.8 時間のデスクワーク負荷の条件下で,VAS, ATMT による作業効率評価,生化学的検査により検証した結果,エアーマッサージチェア群は対照群と比較して,VAS で疲労感の軽減,ATMT の作業効率評価でパフォーマンスの低下抑制がみられた.このことからエアーマッサージチェアがデスクワークによる疲労に対し効果を有することが明らかとなった.また,生化学的検査で唾液アミラーゼの上昇抑制がみられたことから,その作用機序は疲労時に起こる自律神経機能の乱れを調節することであると考えられた.エアーマッサージチェアは,デスクワークによる疲労をはじめとした日常生活において生じる疲労に対して有用であると考えられた.
著者
金子 健二 金広 文男 森澤 光晴 三浦 郁奈子 中岡 慎一郎 原田 研介 梶田 秀司
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.853-864, 2010 (Released:2012-01-25)
参考文献数
42
被引用文献数
7 6

The development of cybernetic human HRP-4C is presented in this paper. The word “Cybernetic Human” is a coinage for us to explain a humanoid robot with a realistic head and a realistic figure of a human being. HRP-4C stands for Humanoid Robotics Platform-4 (Cybernetic human). Standing 158[cm] tall and weighing 43[kg] (including batteries), with the joints and dimensions set to average values for young Japanese females, HRP-4C looks very human-like. This paper introduces the project overview, the design process, mechanical features, and electrical features with specifications of HRP-4C.
著者
有賀 義之 梶田 雅義
出版者
日本眼光学学会
雑誌
視覚の科学 (ISSN:09168273)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.66-71, 2017 (Released:2017-11-03)
参考文献数
5

【目的】累進屈折力レンズ(PAL)のフィッティング不適切例に対し, どのような調整を必要としたかを調査した。また, フィッティングの調整による不具合の改善を他覚的に評価できるか検討した。【方法】対象はPALを処方し2015年5月から1年の間に再来があった患者のうち, 不適切なフィッティングが認められた137名である。そのうちの3名については, PAL装用下のフィッティング調整前後でSpotTM Vision Screener(スポットビジョン)による測定を行い, 等価球面度数(SE)を比較した。【結果】頂点間距離の調整を要したのは84名, 遠用フィッティングポイント(FP)の調整を要したのも84名であった。そのうちの3名6眼の平均SEは調整前-0.56±0.44D, 調整後-0.33±0.47Dで有意差があった(t検定, p=0.0001)。【結論】PALの不具合を訴える場合, 頂点間距離と遠用FPを点検することが重要である。また, スポットビジョンは不適切なフィッティング症例の他覚的評価に有用であることが示唆された。
著者
花木 麻衣 宮園 弥生 永藤 元道 竹内 秀輔 梶川 大悟 日高 大介 金井 雄 小畠 真奈 高田 英俊
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.43-48, 2021 (Released:2021-05-10)
参考文献数
18

分娩施設外での非計画的分娩により出生した新生児(以下,病院前出生児)の初期対応は主に救急隊が行うが,その教育体制は未だ確立していない.救急隊への周産期救急教育の課題を見出すことを目的に本研究を行った.2008年1月〜2018年12月の11年間で,救急隊による初期対応を受け当院に搬送された病院前出生児は40例であった.救急隊の分娩立ち会いは23例(57.0%)で,出生時の処置は32例(80.0%)がルーチンケアのみであったが,5例で人工呼吸を要し,そのうち1例では胸骨圧迫も要した.アプガースコアの採点は16例(40.0%)にとどまり,児の状態把握が不十分である可能性が示唆された.児の異常所見では体温36.0℃未満の低体温が最も多く24例(60.0%)に認め,保温方法にも課題が残ると考えられた.救急隊が周産期救急に関連した講習会を受ける機会は増えており,これらの課題に重点を置き,より実践的なシミュレーション教育を行うことが望まれる.
著者
梶原 健嗣
出版者
水資源・環境学会
雑誌
水資源・環境研究 (ISSN:09138277)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.57-64, 2019 (Released:2020-01-24)
被引用文献数
1 1

2018年の改正水道法では、集権的広域化の推進が目指されている。しかし、そこには3つの疑問がある。「収入減少下における大量更新」という時代を迎えるなかで、広域化は有効な解決策になりうると言われる。しかし、少なからぬ水道事業者が広域化に消極的であり、中央と現場に乖離があることは重要な問題である。 そもそも、改正水道法は給水収益の減少を水道事業の重要課題に位置付けていた。しかし、その理由を人口減少のみに求めている点は誤りである。議論の出発点に疑問がある。 最後に責任水量制の問題がある。責任水量制の下で進められる統廃合は、ダム水源への依存度を過度に高める形になりやすい。しかし、それは安定給水の確保に必ずしも繋がらない。工業用水で検討されているように、水道用水供給事業でも責任水量制の見直しが必要である。そうしてこそ、財政およびリスク管理という点から、合理的な統廃合が可能になってくるはずである。
著者
梶川 翔平 荒木 聖人 渡辺 雅人 崩岡 久敏 土屋 昭則 久保木 孝
出版者
一般社団法人 日本塑性加工学会
雑誌
塑性と加工 (ISSN:00381586)
巻号頁・発行日
vol.64, no.750, pp.123-128, 2023 (Released:2023-07-25)
参考文献数
15

The small diameter bending of thin-walled copper tubes which are used for heat exchanger is desired to reduce the size and weight of products. In this study, a series of experiments were conducted to investigate appropriate tool shapes, such as that of a mandrel, for preventing wrinkling, cracking and flattening in rotary draw bending. A C1220 tube with a diameter of 7 mm and a thickness of 0.21 mm was used in the experiments. The bending radius was twice the tube diameter. Plug and ball mandrels were used. The effects of the mandrel position, the mandrel shape, and the clearance between the tube and the mandrel were investigated. As a result, moving the mandrel position forward prevented wrinkling and flattening, but moving the mandrel position excessively caused cracking. The mandrel position at which the wrinkle and crack occurred varied depending on the mandrel shape and clearance. By optimizing the tool shape, wrinkling and cracking were prevented, and flatness was reduced to less than 15% for the plug mandrel and 5% for the ball mandrel.
著者
梶 茂樹
出版者
日本アフリカ学会
雑誌
アフリカ研究 (ISSN:00654140)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.99, pp.13-20, 2021-05-31 (Released:2022-05-31)
参考文献数
8

現代スワヒリ語では,ndiyo「はい」とhapana「いいえ」は比較的よく使われる単語である。hapanaの由来は,ha-pa-na(動詞の否定標識-クラス16の主語接頭辞-「共に」を意味する小辞)であることは容易に分る。つまり,「(その)場所にはない」>「いいえ」というような変化である。それに対し,ndiyoは現代スワヒリ語の知識では分析することができない。筆者は,このndiyoは,例えばニョロ語のndíyôに相当する表現がかつてのスワヒリ語にもあり,そこから来ていると推測する。n-ri-yo(私-be動詞-「そこ」を意味する接語)「私はそこにいる」である。ニョロ語ではこの表現は人を訪問して,Olíyô?「(あなたは)いますか。」と訪われた時の返事「私はいます。」としてよく用いられる。本来,自分自身のその場での存在を示すndiyoが,スワヒリ語では,1) -li~-diの交替の不透明さ(形態音韻的交替),2) 欠如動詞-liの使用の極端な制限,さらに3) 接語-yoの不使用と相まって分析不能となり,たんに「はい」という肯定だけを表すようになったと考えられるのである。