著者
森田 裕之 中原 孝信
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.7, 2006

小売業では競争の激化に伴い,商品の効率的な値段設定が望まれている.しかし大量の商品の中からどのような商品を値引きして販売すると効率的であるかを決めることは,POS データが蓄積されていても,その組合せの多さからそれほど単純であるとはいえない.本稿では,実際のPOS データを利用して,各商品の値引きの意思決定が総売上に対する影響を持つ1つのモデルを定式化する. その上で,回帰モデルを利用して値引きによる効用を算出し,ナップザック問題を解くことによって全体として最適になるようなプライシング戦略を提案する.
著者
荒牧 英治 増川 佐知子 森田 瑞樹
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 = Journal of natural language processing (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.419-435, 2012-12-14
参考文献数
23
被引用文献数
1

近年,ウェブの情報を用いて,感染症などの疾病状態を監視するシステムに注目が集まっている.本研究では,ソーシャルメディアを用いたインフルエンザ・サーベイランスに注目する. これまでの多くのシステムは,単純な単語の頻度情報をもとに患者の状態を調査するというものであった.しかし,この方法では,実際に疾患にかかっていない場合の発言を収集してしまう恐れがある.また,そもそも,医療者でない個人の自発的な発言の集計が,必ずしもインフルエンザの流行と一致するとは限らない.本研究では,前者の問題に対応するため, 発言者が実際にインフルエンザにかかっているもののみを抽出し集計を行う.後者の問題に対して,発言と流行の時間的なずれを吸収するための感染症モデルを提案する.実験においては,Twitter の発言を材料にしたインフルエンザ流行の推定値は,感染症情報センターの患者数と相関係数 0.910 という高い相関を示し,その有効性を示した.本研究により,ソーシャルメディア上の情報をそのまま用いるのではなく,文章分類や疾患モデルと組み合わせて用いることで,さらに精度を向上できることが示された.
著者
森田 昭
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63-71, 1991

ビワがんしゅ病の春芽及び各季節葉での発生消長を1970年から1989年まで調査した。春葉の発病率の高低は春芽の発病率の高低と一致した。しかし,夏葉,秋葉,春芽の発病率は前季節葉(芽)の発病率の高低とは関係がなかった。<BR>初発病日を中心とした1か月間の降水量,降雨日数の多少が各季節葉(芽)の発病率の多少に影響していた。2月の平均温度や萌芽期の寒波襲来による寒害が春芽のがんしゅ病芽枯れ病斑発現の重要なる要因である。<BR>ビワ樹体の付傷後の経過時間とがんしゅ病の発病との関係は付傷後多湿状態では8日,乾燥状態では1日で発病率が低下した。多湿状態では枝葉ともに付傷後5日から6日までは感染可能であった。<BR>付傷後5日間の降水量は発病後と密接な関係があり降水量が多いと発病度も高かった。ビワがんしゅ病菌ファージの雨水中での濃度は11月から5月までは高く,6月から10月までは低かった。<BR>がんしゅ病病斑伸展時期はナシヒメシンクイ防除園では5月から6月と9月,ナシヒメシンクイ無防除園では5月から9月までであった。<BR>がんしゅ病の病斑拡大と病斑内のナシヒメシンクイとの関係は病斑内の食入虫数が多いほど発病度が高かった。また,ナシヒメシンクイの虫体表面に病原細菌の付着が認められ,ナシヒメシンクイが病原細菌の伝搬にも関与していると思われた。<BR>以上の結果より,ビワがんしゅ病は降雨,春芽の萌芽時の寒害,秋葉展葉期の台風等の気象要因やナシヒメシンクイの食入等が重要な発病要因であると考えられた。
著者
國田 祥子 山田 恭子 森田 愛子 中條 和光
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.8, pp.21-32, 2008

成人の文章理解では, 黙読が有利であることが知られている。これに対し, 高橋(2007)は, タッピングを行いながらガーデンパス文の意味理解を行う課題において, 黙読は二重課題が無い場合よりも成績が低下するのに対し, 音読では成績が維持されることを見いだし, 音読が個々の単語に強制的に注意を配分する読み方であることが成績を維持させた原因であると考察している。本研究では, この音読の注意配分機能を成人の文章理解において検討した。音読と黙読の2群でタッピングの有無の条件を設け, 理解と記憶のテストを行った。その結果, 理解テストでは正答率に読み方の差は無く, 読み時間は黙読群の方が短かった。記憶テストの正答率は黙読群の方が高く, 読み時間は黙読群の方が長かった。両テストでタッピングの主効果と交互作用は有意にならなかった。本研究では, 成人の文章理解における黙読優位という一般的な結果が再現された。読み時間から, 黙読群は, 理解と記憶という読みの目的に応じて柔軟に読み方を変えていたことが示唆された。しかし, 理解テストや二重課題としたタッピングの難度が低すぎたとも考えられ, 音読の注意配分機能については更に検討が必要である。
著者
淀川 顕司 森田 典成 小林 義典 小原 俊彦 村田 広茂 高山 英男 清野 精彦 加藤 貴雄 水野 杏一
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.1, pp.S1_19, 2012 (Released:2013-08-23)

[背景・目的] Brugada症候群と不整脈源性右室心筋症(ARVD)はともに加算平均心電図における心室遅延電位(LP)が高率に検出されるが,そのLPの形態に着目すると,ARVDでは高周波成分で形成されるのに対し,Brugada症候群では比較的低周波成分で形成されることが多い.そこで,われわれは,QRS波の周波数解析を行うことにより両者の周波数特性を検討した.[対象と方法] 特発性右室流出路起源心室頻拍(RVOT-VT)20例,Brugada症候群10例,ARVD 10例.全例で心電図Z誘導QRS波をガボール関数を用いてウェーブレット変換し,各周波数帯でのピークのパワー値,および総パワー値を比較.[結果] Brugada症候群では80Hzを中心に,ARVDでは150Hzを中心にQRS内部に高周波成分が発達していた.高周波帯の中で最大パワーを有する周波数はBrugada症候群に比し,ARVDで有意に高かった(81.7± 19.9Hz vs 145.4± 27.9 Hz,p[結論] 心電図QRS波の周波数解析において,周波数特性は,Brugada症候群とARVDで明らかに異なる.
著者
森田 尚人 福田 由紀
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.149, 2009

鉄道利用環境の迷惑行為の低減に向けて、事業者は様々な対策を実施している。しかし、その対策は迷惑行為と遭遇しない場合でも実施されており、この影響について検討する研究は少ない。そこで本研究では、まず予備的な検討として、各迷惑事例を詳細な特性から把握する。通学に鉄道を利用する大学生39名に対し、別の調査で収集した迷惑行為27事例について「迷惑評価」に加え、「わざとやっている(故意性)」、「我慢できる」、「利用環境が悪くなる」といった側面からクラスター分析による分類を行った。その結果、3分類の採用が妥当と考え、それぞれ、乗車時マナー違反、自己中心的マナー違反、社会規範的マナー違反と命名した。この分類について、「鉄道係員への抑止要望」の評価から1要因の分散分析により比較したところ、主効果が有意であった(F(2,76)=235.3 p<.00)。多重比較の結果、社会規範的マナー違反(M=4.31,SD=1.07)は乗車時マナー違反(M=3.06,SD=1.02)よりも有意に高く、 自己中心的マナー違反(M=5.62,SD=0.81)は他の群よりも有意に高かった。すべての群間に有意な差がみられた。本研究で示された結果をもとに、今後の鉄道利用環境における具体的なマナー向上対策について検討していきたい。
著者
光武翼 中田祐治 岡真一郎 平田大勝 森田義満 堀川悦夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
第49回日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
2014-04-29

【目的】後頭下筋群は筋紡錘密度が非常に高く,視覚や前庭覚と統合する固有受容器として中枢神経系との感覚運動制御に関与する。後頭下筋群の中でも深層の大小後頭直筋は頸部における運動制御機能の低下によって筋肉内に脂肪浸潤しやすいことが示されている(Elliott et al, 2006)。脳梗塞患者は,発症後の臥床や活動性の低下,日常生活活動,麻痺側上下肢の感覚運動機能障害など様々な要因によって後頭下筋群の形態的変化を引き起こす可能性がある。本研究の目的は,Magnetic Resonance Imaging(以下,MRI)を用いて後頭下筋群の1つである大後頭直筋の脂肪浸潤を計測し,脳梗塞発症時と発症後の脂肪浸潤の変化を明確にすることとした。また,多変量解析を用いて大後頭直筋の脂肪浸潤に影響を及ぼす因子を明らかにすることとした。【方法】対象は,脳梗塞発症時と発症後にMRI(PHILPS社製ACHIEVA1.5T NOVA DUAL)検査を行った患者38名(年齢73.6±10.0歳,右麻痺18名,左麻痺20名)とした。発症時から発症後のMRI計測期間は49.9±21.3日であった。方法は臨床検査技師によって計測されたMRIを用いてT1強調画像のC1/2水平面を使用した。取得した画像はPC画面上で画像解析ソフトウェア(横河医療ソリューションズ社製ShadeQuest/ViewC)により両側大後頭直筋を計測した。Elliottら(2005)による脂肪浸潤の計測方法を用いて筋肉内脂肪と筋肉間脂肪のpixel信号強度の平均値を除することで相対的な筋肉内の脂肪浸潤を計測した。大後頭直筋の計測は再現性を検討するため級内相関係数ICC(2,1)を用いた。発症時と発症後における大後頭直筋の脂肪浸潤の比較はpaired t検定を用いた。また,大後頭直筋の脂肪浸潤に影響を及ぼす因子を決定するために,発症時から発症後の脂肪浸潤の変化率を従属変数とし,年齢,Body Mass Index(以下,BMI),発症から離床までの期間(以下,臥床期間),Functional Independence Measure(以下,FIM),National Institute of Health Stroke Scale(以下,NIHSS),発症時から発症後までのMRI計測期間を独立変数としたステップワイズ重回帰分析を行った。回帰モデルに対する各独立変数はp≧0.05を示した変数を除外した。回帰モデルに含まれるすべての独立変数がp<0.05になるまで分析を行った。重回帰分析を行う際,各独立変数間のvariance inflation factor(以下,VIF)の値を求めて多重共線性を確認した。すべての検定の有意水準は5%とした。【倫理的配慮,説明と同意】すべての患者に対して文章,口頭による説明を行い,署名により同意が得られた者を対象とした。【結果】対象者のBMIは21.5±3.3,臥床期間は5.3±9.5日,FIMは84.6±34.5点,NIHSSは5.6±5.9点であった。大後頭直筋の脂肪浸潤におけるICC(2,1)は発症前r=0.716,発症後r=0.948となり,高い再現性が示された。脳梗塞発症時と発症後に対する大後頭直筋の脂肪浸潤の比較については発症時0.46±0.09,発症後0.51±0.09となり,有意な増加が認められた(p<0.001)。また重回帰分析の結果,大後頭直筋における脂肪浸潤の変化率に影響を及ぼす因子としてNIHSSが抽出された。得られた回帰式は,大後頭直筋の脂肪浸潤=1.008+0.018×NIHSSとなり,寄与率は77.5%(p<0.001)であった。多重共線性を確認するために各変数のVIF値を求めた結果,独立変数は1.008~4.892の範囲であり,多重共線性の問題は生じないことが確認された。【考察】脳梗塞患者の頸部体幹は,内側運動制御系として麻痺が出現しにくい部位である。しかし片側の運動機能障害は体軸-肩甲骨間筋群内の張力-長さ関係を変化させ,頸椎の安定性が損なわれる(Jull et al, 2009)。この頸部の不安定性は筋線維におけるType I線維からType II線維へ形質転換を引き起こし(Uhlig et al, 1995),細胞内脂肪が増加しやすいことが示されている(Schrauwen-Hinderling et al, 2006)。脳梗塞発症時のMRIは発症前の頸部筋機能を反映し,発症後のMRIは脳梗塞になってからの頸部筋機能が反映している。そのため,脳梗塞を発症することで大後頭直筋の脂肪浸潤は増加する可能性がある。また大後頭直筋の脂肪浸潤に影響を及ぼす因子としてNIHSSが抽出され,麻痺の重症度が関係している可能性が示唆された。今後の課題は,脳梗塞患者における大後頭直筋の脂肪浸潤によって姿勢や運動制御に及ぼす影響を検証していきたい。【理学療法学研究としての意義】脳梗塞片麻痺患者は一側上下肢の機能障害だけでなく頸部深層筋に関しても形態的変化をもたらす可能性があり,脳梗塞患者に対する理学療法の施行において治療選択の一助となることが考えられる。
著者
尾縣 貢 安井 年文 大山〓 圭悟 山崎 一彦 苅部 俊二 高本 恵美 伊藤 穣 森田 正利 関岡 康雄
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.422-432, 2000-05-10 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
1

A study was conducted to examine the relationship between the physical characteristics and race patterns of 400-m running in three elite 400-m runners.The experiments were composed of a physical fitness test and an analysis of 400-m race patterns.Maximal O_2 intake, maximal anaerobic power, isokinetic muscular endurance and isokinetic maximum muscular power were evaluated in a laboratory.Final 400-m races in the Japan Championship and the National Sports Festival were filmed using video cameras, and analyzed to calculate the changes in running speed during the 400-m distance.In accordance with the race analysis results, the three 400-m runners were divided into two types.One was the "even pace"type, which showed a tendency to maintain a higher running speed until the finish of the race.The other was the "first half"type, which showed the highest speed from the start until the 190-m point.The even pace type had a higher maximal O_2 intake and isokinetic muscular endurance of the lower limbs.The first half type was a good record holder over 100-m and 200-m distances.These results indicate that physical characteristics influence the race pattern of 400-m running.
著者
森田 進 大塚 武夫 前田 治
出版者
The Mining and Materials Processing Institute of Japan
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.123, no.12, pp.707-710, 2007-12-25 (Released:2010-12-17)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

Japan New Metals (JNM) was established in 1963, as a joint venture between Mitsubishi Materials and Awamura Mining, and has consistently produced tungsten, tungsten carbide and molybdenum powder from raw materials. Based on the nonferrous manufacturing technologies, we have produced high purity tungsten powder, heteropolyacids and several non-oxide ceramics powders. These are used for electronics devises, hard components and chemicals. In order to avoid the risk related to the supply of tungsten raw materials greatly dependent on China, JNM started a recycling business since 2002. Tungsten is recovered from cemented carbide scraps by the chemical process in the Akita plant.
著者
落合 直美 森田 知子 大槻 義昭 村田 純一
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.33-41, 2014-01-31

本研究の目的は,A病院の新生児の回復期治療室(Growing Care Unit:GCU)の現状を把握し,病床管理および病院経営の観点から改善策の要因抽出することである.このため以下の調査検討を行った.(1)新生児集中治療管理室(Neonatal Intensive Care Unit:NICU)・GCUに入院が予測される母体搬送入院患者の動態把握,(2)NICU・GCUの患者の現状および総合周産期特定集中治療室管理料・新生児治療回復室入院管理料の取得状況の現状把握,(3)GCUの稼働率・収入維持のための要因調査と対策の立案.A病院の新生児入退院データ,経営収支などからデータ収集し分析を行った.調査の結果,母体搬送の患者が急性期を超えた時点で転院し,産科の病床確保を行うことが必要である.NICUは加算算定できる患者が大半を占めている反面,GCUは加算期間を超えている患者が多くを占めていた.NICUからGCUへ転床時に加算算定期間を考慮した病床管理や入院早期から退院を視野に入れた支援が必要である.また新生児搬送や院内出生においてGCUで積極的に受け入れることが,GCUの収入や病床稼働率の維持につながることが明らかとなった.
著者
森田 敦郎 木村 周平 中川 理 大村 敬一 松村 圭一郎 石井 美保
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本プロジェクトは、地球環境の持続的な管理に向けての試みに焦点を当てて、インフラストラクチャーと自然環境の複雑な関係を解き明かすことを目的としている。本研究が取り上げる事例は、インド、カンボジア、日本(東北地方)などの多様な地域におよぶ。これらの事例を通して、本プロジェクトは、物理的なインフラストラクチャー(堤防、コンビナートなど)と情報インフラストラクチャー(データベース、シミュレーションモデルなど)が、いかに現地の自然環境および社会関係と相互作用するのかを明らかにした。その成果は英文論文集、国際ジャーナルの3つの特集号およびおよび多数の個別論文、学会発表として発表された。
著者
稲垣 幸司 内藤 徹 石原 裕一 金子 高士 中山 洋平 山本 龍生 吉成 伸夫 森田 学 栗原 英見
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.201-219, 2018-12-28 (Released:2018-12-28)
参考文献数
50
被引用文献数
1

日本歯周病学会では2006年に定めた歯周病分類システムの中で,「喫煙は歯周病の最大の環境リスクファクターである」という認識に基づき,リスクファクターによる歯周炎の分類の1つとして喫煙関連歯周炎を提示した。喫煙が関連する歯周炎に対する歯周治療において,患者の喫煙状況の確認,喫煙者への喫煙の健康障害についての情報提供による禁煙支援は,歯周治療の反応や予後を良好に維持するため,重要である。本論文では,喫煙に関連する国情,喫煙者の動向,禁煙支援教育の現状,歯科における禁煙支援の効果に関するエビデンスおよび歯周治療における禁煙支援の手順を概説する。

1 0 0 0 OA 養豚新説

著者
森田竜之助 述
出版者
十文字商会
巻号頁・発行日
1901
著者
森田 明夫 村井 保夫 木村 俊運
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.10, pp.812-819, 2014 (Released:2014-10-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

Occipital transtentorial approach (OTA) は, 中脳背側, 松果体, 小脳上面の腫瘍等の病変にアクセスする基本的アプローチの一種である. 本稿では本アプローチの基本についてまとめる. OTAは視野が広く, 特に下方へ伸展する病変への対応に優れている. 一方で術後短期間または永続的な視野障害をきたすことがある. これを回避するためには, まず静脈損傷を避けるアプローチ側を選択する. そのうえで髄液圧を減らし, 後頭葉を広く剝離し, 脳表を十分保護しつつ愛護的に後頭葉を圧排しテント面に至る. 手術中視覚誘発電位モニターなどが有用である. その他中脳背側への障害, 静脈損傷などは重度な障害をきたし得るので要注意である. 術前の画像評価を徹底して行い, 適切な解剖学的知識, 手技によって安全な手術を心がけることが重要である.
著者
森田 慎一 迫田 正和 吉原 勝利
出版者
鹿児島県森林技術総合センター
雑誌
鹿児島県森林技術総合センター研究報告 (ISSN:1883017X)
巻号頁・発行日
no.16, pp.11-14, 2013-03

奄美は,イエシロアリなど,家屋に甚大な被害を及ぼす恐れがあるシロアリの活動が盛んな地域である。筆者らは鹿児島県日置市吹上と奄美市笠利町との2か所において野外杭打ち試験を実施し,同じ処理でも奄美市の試験地での被害が大きいことを確認している(図師ほか 2010)。一方,奄美地域は世界自然遺産の登録候補地として,貴重な動植物や自然環境の保護・保全が重要な課題となっている地域でもあることから,木材の保存処理にあたっては環境への負荷ができるだけ少ない方法が望まれる。そこで,銅などの金属塩を含まず,急性,慢性の毒性も低いとされている(角田 1999a)ホウ素系薬剤を用いた処理を検討した。ホウ素系薬剤としては,ホウ酸,ホウ砂,八ホウ酸二ナトリウム四水塩(以下 DOT)があり,製材の日本農林規格(農林水産省 2007)等では「ほう素化合物系」として,「ほう砂・ほう酸混合物又は八ほう酸ナトリウム製剤」として掲載されている。「ほう素化合物系Iの薬剤は性能区分K1にのみ記載されており,室内での防虫効果のみを期待される位置づけに過ぎない。これらとは別に,木材の難燃化剤のひとつとしてホウ素系の薬剤が用いられており(日本木材保存協会 2012),シロアリの防除効果を同時に調っているものもある。リュウキュウマツの建材利用の一環としてシロアリ防除処理は不可欠と考えられることから,今回,県内企業で注入処理ができるDOTとホウ素系難燃化剤(以下FR)による注入処理を行った試験体を用いて,シロアリ食害に対する抵抗性を試験した。