著者
門平 靖子 森下 英理子
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.20-27, 2018 (Released:2018-02-15)
参考文献数
17
被引用文献数
4

要約:近年,静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism: VTE)に直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant: DOAC)を使用する機会が増えていると推測される.VTE 診療において,DOAC 内服下にアンチトロンビン(AT),プロテインC(PC),プロテインS(PS)などの先天性血栓性素因の検索が行われる場合,これらの凝固阻止因子活性はDOAC の種類や測定原理の違いにより影響を受けることがあり,先天性血栓性素因の診断が困難となる危険性がある.当研究室における,リバーロキサバン,エドキサバン,アピキサバンが各凝固阻止因子活性に与える影響についての検討では,Xa 法によるAT 活性は薬剤血中濃度に依存して偽高値を示し,PC 活性,PS 活性は,凝固時間法による測定においてDOAC の影響を受け偽高値となる可能性が示唆された.このような過大評価による疾患の見逃しを防ぐためにも,DOAC がAT,PC,PS 活性に与える影響およびこれらの検査項目の測定原理を十分に把握しておくことは極めて重要であり,DOAC 内服下に検査を行う場合は,DOAC 血中濃度が低下したタイミングでの検体採取が望まれる.
著者
尾形 一樹 森 千鶴
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.65-74, 2018 (Released:2020-01-26)
参考文献数
20

本研究の目的は,日本人大学生を対象として既習の文法知識を活用に導くためのディクトグロスの効果を,ディクテーションと比較して明らかにすることである。そのために,ディクテーション群とディクトグロス群を設け,事前テスト(文法と英作文),6回に渡るディクテーションまたはディクトグロス,事後テスト(文法と英作文)を実施した。その結果,ディクトグロス群における事後の文法テストに特に有意な伸びが見られ,ディクトグロス群における事後の英作文でより多くの文法項目を正しく活用できる傾向が示された。また,ディクトグロス群におけるペア・グループ活動における対話を分析した結果,本研究におけるディクトグロス群の再構築でLREs(language-related episodes)の重要性などについて教育的示唆が得られた。
著者
渡邊 紀文 大森 隆司
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第28回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.512-515, 2012 (Released:2013-07-25)

本研究では,イベント会場での非常に混雑した状況や災害時などのパニック状況において,意識下で注意を制御し,行動を誘導することを目指した歩行誘導実験を行った.具体的には周辺視にオプティカルフロー刺激を提示することで歩行者の視線方向を制御し,更に足元へ身体動揺を与え体性感覚のゲインを下げることで,視線方向へ有意に身体を誘導する実験を行った.実験から視線方向に身体が誘導されることを確認し,更に誘導効果が現れるタイミングから歩行における視覚と体性感覚のスイッチング機構について検討した.
著者
原田 幸雄 今泉 誠子 田中 博 根岸 秀明 藤森 嶺 山田 昌雄 本蔵 良三 三浦 喜夫
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.766-768, 1992-12-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
5
被引用文献数
3 2

1989年,宮城県名取市の休耕田において,茎が橙色の斑点を示すクログワイを発見した。橙色の病斑部から病原菌が分離され,胞子の形態,培地上のコロニーの形状から,Nimbya scirpicola (Fuckel) Simmonsと同定された。本菌は分離宿主のクログワイとタマガヤツリに対してのみ病原性を示し,イネを含むいくつかの主要栽培植物に対しては病原性を示さなかった。なお,クログワイから本菌が病原菌として分離されたのは日本で最初である。
著者
明石(長谷川) 愛子 高橋 義秋 森本 みずき 横田 恭子 森本 展年
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.15-20, 2023 (Released:2023-01-28)
参考文献数
23

症例は52歳男性.突然の異常行動と意識障害で救急搬送された.搬送直後から全身痙攣をきたし,ミダゾラムにて痙攣は停止するも健忘症状が遷延した.髄膜刺激徴候を認め,臨床経過と合わせ辺縁系脳炎と考えた.血清・髄液梅毒反応陽性の結果より脳炎の原因を神経梅毒と判断し,ペニシリンGで治療を開始した.頭部MRIでは両側側頭葉内側に左側優位のT2/FLAIR高信号病変を認め,ヘルペス脳炎の可能性も考慮し,髄液HSV-DNA陰性が判明するまでアシクロビルを併用し,ステロイドパルス療法も行った.経過とともに症状は改善し職場復帰した.辺縁系脳炎で発症する神経梅毒は稀だが治療方針を考える上で極めて重要な疾患である.
著者
藤森 眞理子 山田 和人 原沢 英夫 西岡 秀三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地球環境シンポジウム講演集 (ISSN:18848400)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.267-272, 1997-07-03 (Released:2010-06-15)
参考文献数
16

The summer of 1994 and 1995 in Japan were extremely hot and a lot of impact was observed in many fields of Japanese society. Such impact of extreme events will work as indicators to detect longer term changes and impact of global warming. In this paper, information and reports about the impact of hot summers were reviewed to find the characteristics of social impacts, especially in the fields of water resources, nature, agriculture, energy and health. More detailed quantitative research are required to assess future vulnerability and mitigation options for the impact of global warming.
著者
金子 尚樹 西澤 英雄 藤本 潤一 七尾 大観 木村 康宏 大和田 玄 森村 太一
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.271-274, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)
参考文献数
8

低カリウム血症では近位尿細管でのアンモニア産生が増加するため,肝性脳症患者では高アンモニア血症の増悪因子となり得る。ただし,肝不全や門脈体循環シャントがないにもかかわらず低カリウム血症により高アンモニア血症をきたした報告例は非常にまれである。本症例は77歳の脂肪肝患者で,常用薬であった芍薬甘草湯の偽性アルドステロン症による低カリウム血症と,意識障害を伴う高アンモニア血症を認めたが,血清カリウム値の上昇に伴い高アンモニア血症と意識障害も改善した。①低カリウム血症による近位尿細管でのアンモニア産生増加や,②アルカローシスによるアンモニアの血中への移行増加,③慢性低カリウム血症による尿素合成能低下や④脂肪肝による尿素合成能低下によって高アンモニア血症をきたしたと考えられた。したがって,肝機能障害の程度にかかわらず,低カリウム血症と意識障害を認めた際は高アンモニア血症を鑑別する必要がある。
著者
森 康裕 高辻 正基 安岡 高志
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物工場学会誌 (ISSN:09186638)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.136-140, 2002-09-01 (Released:2011-03-02)
参考文献数
15
被引用文献数
15 18

Lettuce was grown under pulsed white LED light at variation pulse cycles and DT ratios (illuminated period/cycle), and the relative growth rate per unit luminous energy and photosynthetic rate were examined. Both the growth rate and photosynthetic rate were generally increased (except at a pulse cycle of 10ms and a DT ratio of 50%) compared with continuous illumination. Particularly, both the growth rate and photosynthetic rate were increased by 20% or more at a pulse cycle of 400μs and a DT ratio of 50%. A further slight increase in the growth rate was observed when the DT ratio was 33%. These results may be explained by the presence of a period of 200μs duration in which light is unnecessary (period of electron transport) in the light reaction of photosynthesis. This study supports the feasibility of LED plant factories.
著者
寺田 裕 長澤 敏行 小西 ゆみ子 尾立 達治 森 真理 森谷 満 舞田 健夫 井出 肇 辻 昌宏 川上 智史 古市 保志
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.432-443, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
40

目的 : 歯周病を含む口腔の健康状態と脳梗塞や虚血性心疾患といった心血管疾患との関連については以前から研究されているが, 残存歯の咬合状態を含めて検討したものはほとんどない. 本研究では心臓血管疾患の既往と, 残存歯の健康状態ならびに咬合接触との関係を明らかにすることを目的として, 大学病院の内科と歯科の両方を受診している患者の歯科および内科の診療記録を分析した. 対象と方法 : 北海道医療大学病院の内科と歯科を受診しており, 血液検査・歯周組織検査ずみの93名を対象とした. 対象者は脳梗塞および虚血性心疾患既往の有無で分類後, 診査または検査項目の種類に応じてPearsonのカイ二乗検定, Fisherの正確確率検定, あるいはMann-Whitney検定を行った後, 二項ロジスティック回帰分析で関与している予測因子を解析した. 結果 : 93名中脳梗塞の既往者は8名, 虚血性心疾患の既往者は16名であった. 脳梗塞の既往者はEichner Cで有意に多く, Eichner Aで少なかった (p=0.015). 脳梗塞の既往者の総コレステロール (p=0.023) とHDLコレステロール (p=0.005) は低かった. 虚血性心疾患の既往者では, どの変数にも有意差はみられなかった. 脳梗塞の既往を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析では, Eichner C該当者 {p=0.013, オッズ比 (OR)=17.381, 95%信頼区間 (95%CI)=1.848~163.489} およびHDLコレステロール (p=0.020, OR=0.894, 95%CI=0.813~0.982) が有意な独立変数であることが明らかになった. 虚血性心疾患の既往者に対しては, 統計学的に有意に成立する回帰モデルは構築できなかった. 結論 : 脳梗塞の既往と, 上下顎の咬合接触の喪失を伴う歯の欠損との間で関連が示唆された.
著者
ファーマー ドナR. 脇森 裕夫
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.343-349, 2000-08-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
5
被引用文献数
1

グリホサートの安全性を評価するため各種の毒性試験を実施した. 原体, および各種製剤の急性毒性は低く, いわゆる普通物に相当した.また, 眼に対する刺激性は軽度から中等度であり, 皮膚に対する刺激性は軽度であった. 皮膚感作性は認められなかった.亜急性毒性, 慢性毒性および発がん性試験では, 雄ラットの高用量群において白内障様レンズ変性が, 雌ラットの高用量群において体重増加抑制が認められた. また雄マウスの高用量群において肝細胞肥大および小葉中心性肝細胞壊死が, 雌雄マウスの高用量群に軽微な体重増加抑制が認められたが, いずれの動物種でも催腫瘍性は認められなかった. また, 繁殖試験において繁殖能に対する影響は認められず, 催奇形性試験において催奇形性は認められなかった. 発達毒性が認められたのは母動物に対する毒性の認められた投与量においてのみであった.変異原性は復帰変異, DNA修復, 染色体異常のいずれの試験系においても陰性であった.薬理試験において心臓・循環器系に対する影響を示したが, 極めて高用量の投与の場合に限られており, 通常の使用により本剤による中毒は発現しないと考えられる.グリホサートは1980年9月に除草剤として農薬登録された. 食品衛生法に基づく残留農薬基準が120種以上の作物に設定されている. 一日摂取許容量 (ADI) は0.75mg/kg/day である.
著者
森川 友喜 井芹 健 稲葉 大朗 林 純一 柴田 孝則
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.627-635, 2019 (Released:2020-02-06)
参考文献数
20

維持血液透析(hemodialysis:HD)患者におけるエリスロポエチン治療に対する低反応性は生命予後不良との関連が報告されているが,HD導入期での検討は行われていない.今回,2011年4月から2016年3月の間に当院でHD導入となった322例を登録,除外基準に基づいて最終的に154例を対象とする後向きコホート研究を行った.1週間当たりの遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン量(rHuEPO)を体重(kg)とHb(g/dl)で割った値をエリスロポエチン抵抗性指数(erythropoietin resistance index:ERI)とし,ERIと各因子の相関,導入後の生命予後との関連について検討した.対象症例154例のうち,男性は112例,HD導入時年齢の中央値は68(61-76)歳,観察期間の中央値は1,204(846-1,839)日であった.ERIと各因子との相関を評価したところ,ERIはHD導入時年齢,性別(女性)と有意な正の相 関,血清鉄値,血清トランスフェリン飽和度(transferrin saturation:TSAT),body mass index(BMI),血清アルブミン値と有意な負の相関を認めた.ERIとの関連が報告されている因子についての重回帰分析では, 性別(女性)と有意な正の相関,TSAT,フェリチン,BMIが有意な負の相関を認めた.HD導入後の死亡は25例(感染症8例,心疾患2例,その他15例)であり,Cox比例ハザードモデルを用いて単変量解析を行ったところ,ERIは全死亡リスク(ハザード比1.07,95%CI 1.036-1.093,p <0.0001)と有意に関連した.多変量解析においても,ERI(ハザード比1.004,95%CI 1.006-1.072,p=0.019)は,HD導入時年齢,カテーテル導入,血清CRP値と共に全死亡リスクと有意に関連した.HD導入期のERI高値は生命予後不良と関連することが示唆された.
著者
西尾 駿斗 武藤 敦子 島 孔介 森山 甲一 松井 藤五郎 横越 梓 吉田 江依子 犬塚 信博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.3M5GS1003, 2023 (Released:2023-07-10)

流行語についての研究は、語の定着の過程の分析や、語のジャンルごとの流行の度合いの分析などがあるが、どれも流行の定義を定量的に行っておらず、流行の定着度の分析を行うには十分でない。そこで本論文では、Twitterにおける単語の流行と定着の定義を定量的に行い、定義に基づいた語の流行期間について、機械学習による予測を行った。まず、ある流行語の一定期間内の使用回数に対し閾値を設定し、流行状態とそうでない状態を定義した。次に、ある期間における語の使用回数の推移を用いて、一定期間後に流行状態であるかを複数の機械学習手法を用いて予測のためのモデルを作成した。作成したモデルを用いて予測を行った結果、高い精度で流行状態の予測が可能であることを確認した。最後に、モデルの各特徴量の重要度を数値化し、流行が長期化するための条件について考察を行った。
著者
吉住 文太 近藤 靖裕 諸井 隆宏 玉野 真司 森西 洋平
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.79, no.806, pp.2003-2018, 2013 (Released:2013-10-25)
参考文献数
3
被引用文献数
2 2

The opening delay of a discharge reed valve for compressors caused by the oil film in the clearance between the reed and the valve seat is investigated. The developed simulation method which couples the reed deformation, the gas flow and the oil film flow is applied to simulate delay times on two types of seats with different contact areas. Three models for cavitaion in the oil film are tested; no-cavitation model, the static cavitation model (Reynolds' condition), and the dynamic cavitaton model in which the bubble expansion is directly simulated. The calculaion through the dynamic cavitation model reproduces well experimental results with regard to the delay time and oil film behaviors of cavitation and blow-by (oil film rupture). The result also shows that the growth of cavitation bubbles occupies the change in the oil film volume and prevents the oil film pressure from falling. The rupture mechanism based on the calculation results is that the increase of the oil film thickness directly causes the oil film pressure recovery leading to the blow-by flow, and both cavitation and the smaller contact area promote the growth of the oil film thickness.
著者
笹木 義雄 森本 幸裕
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第51回日本生態学会大会 釧路大会
巻号頁・発行日
pp.414, 2004 (Released:2004-07-30)

鳥取砂丘では、防風林として植栽されたクロマツやニセアカシアが汀線に向かって砂丘内に侵入する現象が見られ、裸地面が減少し、安定化が進行している。本報告では、海浜植生を持続的に管理することを目的に、砂丘の安定化が、群落構造へ与えた影響について明らかにした。 鳥取砂丘の千代川河口付近の汀線から約500mに位置する砂丘列において、1986年に84箇所のコドラート(2.5m×2.5m)を設置した。各コドラートについて、ブラン_-_ブランケットの植物社会学的手法により、コドラート内に生育する植物種とその被度を測定するとともに、基点から各コドラートの標高を水準測量により1986年11月15日に測量した。これより16年が経過した2002年に、同地点について1986年に調査したのと同様な手法で、植生調査と測量を実施した。また、これらの調査結果をTWINSPAN法による分類、DCA法による序列化により比較した。 調査対象地域の植生は、1986年においては、コウボウムギ群落、ケカモノハシ群落、メマツヨイグサ群落の3タイプに分類されたが、2002年においては、これまでに見られた草本群落に加えて、アキグミ群落、クロマツ群落などの木本が優占する群落タイプも見られるようになった。また、種数は、1986年においては、15種であったのに対し、2002年においては、41種と増加がみられた。なかでもこれまで調査対象地域に見られなかった外来種のコバンソウ、マンテマ、ハナヌカススキなどの草本、ニセアカシアなどの木本の侵入が顕著であった。 このまま、砂丘の安定化が続くと海浜植生の優占する群落タイプが減少するとともに、樹林化が進行し、遷移が進行すると予想される。海浜植生を持続的に維持していくためには、調査対象地域周辺を攪乱することで裸地化を図り、砂丘を再流動化させることが必要と考えられる。
著者
森 正樹 川田 裕一 湖山 信篤 今村 洋 昆野 博臣 熊沢 健一 芳賀 陽子 矢川 裕一 芳賀 駿介 梶原 哲郎 榊原 宣 市岡 四象
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.265-270, 1985 (Released:2009-06-05)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

潰瘍性大腸炎に慢性関節リウマチ様の末梢型関節炎がみられることはよく知られているが,真の慢性関節リウマチと潰瘍性大腸炎の合併はまれである.われわれは慢性関節リウマチの治療中に発症した潰瘍性大腸炎の1例を経験した.症例は37歳の女性で,昭和51年7月頃より関節症状出現,53年7月典型的慢性関節リウマチと診断された.非ステロイド性抗炎症剤の内服,ステロイド剤の関節内注入により治療されていたが,58年2月頃より消化器症状が出現した.同年8月当科入院,潰瘍性大腸炎(左側大腸炎型,活動期,重症,初回発作型)と診断された.潰瘍性大腸炎は絶食とサラゾスルファピリジン,プレドニゾロンなどの全身投与により寛解した.慢性関節リウマチにみられる潰瘍性大腸炎以外の病変についても文献的に考察した.
著者
二宮 芳樹 坂 義秀 前野 俊希 根木 大輔 宮島 千代美 森 健策 北坂 孝幸 末永 康仁
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.435-441, 2008-03-01 (Released:2010-05-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

Voice activity detection is an important part of the development of speech functions for on-board car navigation and assistance systems. It is difficult to detect voice activity using only sound information in a vehicle environment that has a wide variety of sounds and noises. We propose an suitable image feature and integration method that can be used to develop a robust bimodal voice activity detection (VAD) systems using a driver's voice and facial images. We select the normal correlation value between sequential mouth images and the number of low-intensity pixels in mouth image, which we then used as the feature for VAD. We propose a system in which the discrimination function consist of the sum of weighted singles feature discrimination functions and combinations of logical addition and multiplication of singles feature discrimination functions. The experimental results show that the proposed sound and image features can be useful and that the proposed integration method has a 97% hit rate, which is 9 points better than the previous integration method at the point that false alarm rate is about 12%.