著者
高橋 量衛 大石康智 武田 一哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.102, pp.43-48, 2007-10-12
被引用文献数
1

本研究では、ユーザが閲覧している Web ページにふさわしい BGM を、自動的に選曲するという新しい楽曲検索(推薦)システムを提案する。閲覧ページのテキストに含まれる語彙の共起から、それらの語彙に関連する楽曲の検索、推薦を行う。そのためには、語彙の共起に基づく特徴空間と楽曲の音響的特徴空間とを関連付ける必要がある。我々は、線形変換を用いてこの関連付けを実装した。さらに、Web から収集した楽曲のレビューのようなテキストデータと、その楽曲の音響特徴量を用いて、関連付けの性能評価実験を行った。その結果、各楽曲に対し 1 つのレビューを利用するより、曲名とアーティスト名を含む Web ページを複数利用した場合に関連付け性能が高いことを確認した。A new music information retrieval application, WEB-BGM that automatically selects and plays the background music for the web page under browsing is proposed. In order to find for the song that is 'near' to the browsing page, the song is needed to be located in the document space. However, in general, the documents relevant to the song, e.g. reviews of the song, are not available for each songs. Therefore, we train a matrix that transforms a document vector onto acoustic space so that to find 'nearest' song to the web page in the acoustic space. The feasibility of the idea is confirmed through preliminary experiments using song reviews and Web pages including the song title and artist name.
著者
武田 好央 中込 恵一 新村 恵一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.62, no.599, pp.2887-2894, 1996-07-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
6
被引用文献数
5 8 8

There is a gradient of fuel concentration in the spray of conventional direct-injection diesel engines. Therefore, a region of stoichiometric mixture ratio exists in the injected spray and a high concentration of NOχ is produced. In this study, fuel injection timing was widely advanced to promote the mixing of fuel and air. Using this injection method, the engine could be driven with premixed lean diesel combustion (PREDIC), and NOχ emissions were greatly reduced. To avoid the fuel spray contacting the cylinder liner, the fuel was injected by two side injectors simultaneously. The two sprays from the side injectors collided with each other and remained in the center region of the cylinder. Thus mixing of fuel and air was promoted by a long ignition delay period. In the case of conventional injection methods, NOχ could not be reduced to under 400ppm (λ=2.7). In contrast, in the case of PREDIC, NOχ emissions were reduced to as low as 20ppm (λ=2.7).
著者
平勢 隆郎 武田 時昌 岩井 茂樹 宇佐見 文理 高見澤 磨 大木 康 橋本 秀美
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

本学東洋文化研究所(上記の他橋本秀美・金児茂・山本和也)・同総合研究博物館(上記の他鵜坂智則)と京都大学人文科学研究所(上記の他守岡知彦)・同大学院文学研究科の教官が、複数の作業領域を作り、継続して検討を進めてきた。すでに二種のサーバーを作り上げた。いずれもトロン超漢字とリナックスを組み合わせたもので、一方は室内ランを構成し他方は所内ランを構成する。立ち上げたホームページなどを活用しつつ、今後も研究を発展させたい。東アジアの日本・朝鮮・中国は、それぞれ江戸時代・李朝・清朝の強い影響をうけている。その影響を歴史的にどのように把握し、効果的に発信するかをわれわれは検討した。そのためシンポジウム等を開催し、討論を進め、論文を発表した。主題は「江戸・明・古代を考える」である。「江戸」は江戸時代・李朝・清朝の時代を代表させ、かつ我が国を主軸に検討することを示す。「明」は、江戸時代・李朝・清朝に大きな影響を与えた時代であり、これなくしては、よきもあしきも議論することがかなわない。これで東アジア全体を視野にいれることを示す。「古代」は、東アジアにおいて共通して理想化された時代を考える。その理想と究明される実相とのへだたりが検討の要になった。研究の成果は雑誌『東洋文化』85号(特集「江戸・明・古代を考える」)および冊子『山中人饒舌注・上巻』などとして刊行。ホームページは、江戸時代の『左伝』・『史記』研究を紹介するページ、18紀前半に隆盛した明律研究と幕末の『海国図志』による西洋理解を紹介するページ、『警世通言』などの小説を読解するための基礎的工具書としての『三才図会』を紹介するページ、科学思想として『五行大義』『医心方』等の引用書データベースを公開するページなど。
著者
河口 信夫 松原 茂樹 若松 佳広 梶田 将司 武田 一哉 板倉 文忠 稲垣 康善
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.523, pp.61-66, 2000-12-15
被引用文献数
2

本稿では、名古屋大学音響情報研究拠点(CIAIR)で構築中の実走行車内音声対話コーパスの設計と特徴について述べる。道案内や店情報検索をタスクとする162対話を対象とした特徴分析の結果、(1)ドライバーの発話速度は通常の対話音声に比べて遅く、5〜7(mora/sec)である、(2)ドライバーの発話におけるフィラーの出現頻度は、1発話単位あたしり0.33個、1秒あたり0.174個であり、通常の人間対人間の自由対話に比べて少ない、(3)車両の走行中と停止中とでは、発話速度や話し言葉に特有な現象の出現に関して差がない、(4)停止中に比べ走行中の発話には、感動詞、及び、文発声途中でのポーズの出現頻度が高い、ことなどが明らかになった。
著者
武田 和義
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.75-88, 1989-03-01
被引用文献数
1

くびれ米を発生し易いL-45×アキミノリのF_2集団を青森から沖縄に至る14の地域で栽培したところ,くびれ米歩合の集団平均値は1.5〜58.3%の変異を示し,各地域における豊熟初期の温度と密接な負の相関々係にあった.このF_2集団と後代のF_9系統群を平均20℃の制御環境下で登熟させたところ,穎(Cl)と子房(Tl)の長さのアンバランス(Tl/Cl)とくびれ米歩合の相関は密接であり,子房の本来の長さが穎に比べて長すぎることによって,くびれ米が発生するとみられた.その後代の固定系統を様々な環境で栽培したところ,Tlが豊熟初期の温度と密接な負の関係にある反面,Clは出穂後の温度の影響を受けないために,Tl/Clが豊熟初期の温度によって変動し,それに伴ってくびれ米歩合が変化するという環境的な因果関係が明らかにされた.
著者
武田 江里子 小林 康江 加藤 千晶
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.86-92, 2013-04

産後1ヵ月健診を受診した母親177名を対象に,「現在のストレス内容」について自由記述によるアンケート調査を実施した。有効回答の得られた166名(有効回収率93.8%)を分析対象とした。SPSS Analytics for Surveys 4.0を用いてテキストマイニング分析を行った。全体では【今後の心配】【夫の協力がない】【子どもが寝ない】【子どもの泣き・ぐずり】【家事が大変】【寝不足】【思いどおりにいかない】【情報の混乱】【母乳の不足感】【育児が大変】【自分に対するやるせなさ】【自分の時間がない】【自分へのねぎらい】【複数の子育て】の14カテゴリーが抽出され,そこに【初産】【経産】というカテゴリーを加え16カテゴリーとし,カテゴリー間の結びつきをみた。初産婦・経産婦で同じストレスは多く,そのなかでも【思いどおりにいかない】ストレスは両方に多くみられた。それぞれに特徴的なストレスもあるが,いずれのストレスにおいてもそのストレスのみでなく,他のストレスとの結びつきをみることで,ストレスの本質的なものが察知できると考えられた。
著者
川嶋 かほる 小西 史子 石井 克枝 河村 美穂 武田 紀久子 武藤 八恵子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会誌 (ISSN:03862666)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.216-225, 2003-10-01
被引用文献数
4

小中高の家庭科担当教師に調理実習の学習目標について質問紙調査をした結果,以下の点が明らかになった。1.実習の学習目標を「基本的な調理法や調理器具の扱いができる」や「安全衛生に気をつけて調理する」などにおく教師が多く,技能技術の習得を中心において調理実習観が根強いと考えられる。しかし,授業時間や子どもの生活体験の低下等の制約の中で,技能技術の習得達成を期待していない教師も多く、また技能技術の習得を確実にするための工夫は積極的におこなわれているとは言いがたかった。2.調理実習の学習目標には,社会的認識の目標設定が少なく,食生活教育の総合の場ととらえる視点は弱かった。3.調理実習を「楽しければよい」とする考えが一部に強くみられた。調理実習の楽しさを友達との共同的な学びとすることや技能技術の上達ととらえる回答は少なかった。4.食生活状況や子どもの問題状況の把握が学習目標にいかされているとはいえない結果だった。
著者
西野 隆典 梶田 将司 武田 一哉 板倉 文忠
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.91-99, 1999-02-01
被引用文献数
47

ヘッドホン受聴では, 頭部伝達関数(Head Related Transfer Function ; HRTF)を用いることにより, 立体音場を忠実に再生することができる。しかし, HRTFは方向に依存した関数であるため, HRTFを用いた聴覚バーチャルリアリティシステムでは, 測定した音源方向については忠実な立体音場が再生できるが, その他の音源方向については, 再生に必要なHRTFを新たに測定するか, すでに測定されたHRTFから推定して求める必要がある。しかし, HRTFの補間が可能であれば, 少数の測定HRTFから全方位のHRTFが作れるため, データ削減の有効な手段となるだけでなく, 滑らかな移動感を得ることができる。本論文では, (1)線形2点補間, (2)主成分分析を用いた補間の2手法を用いて, 水平面上のHRTFのインパルス応答と周波数振幅応答の補間可能性を, 客観基準と主観基準(移動感並びに方向定位感)により評価した。その結果, (1)水平面上のHRTFは45゜もしくはそれ以下の角度間隔で測定を行い, 未知のHRTFはそれらから補間可能であること, (2)線形2点補間は主成分分析による補間手法と比べて, より良い補間が可能なこと, (3)補間対象のインパルス応答と周波数振幅応答の間では, 補間精度の有意な差はなく, 位相は最小位相であっても良いことが明らかになった。
著者
武田 甲 白木 与志也 舩橋 秀登 北 宜裕 山田 良雄
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.49-52, 2013-02-05

日本における茶栽培の主要産地は関東以南であり,作什面積は平成22年度に全国で46,800ha,神奈川県では274haである(社団法人日本茶業中央会,2011)。茶栽培は鳥獣被害を受けないことなどから中山間地域における重要な作目のひとつとなっている。2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所の事故により,3月15日および3月21日に放射性物質が拡散した(青山ら,2011)。当該原子力発電所から239~310kmの距離にある神奈川県内では,葉根菜および果樹類への影響は軽徴であり,2011年3月17日に設定された食品衛生法に基づく放射性セシウムの暫定規制値である500Bqkg-1を超えた作物はなかった。しかし茶生産においては,関東地域内のほとんどの茶産地で生産された一番茶の荒茶から放射性セシウムが検出され,暫定規制値を超えた産地では出荷制限に至った(原子力災害対策本部長神奈川県知事宛通知,2011など)。これまで茶の放射能汚染に関する研究としては,1954年のビキニ環礁での水爆実験が日本の茶葉および浸出液に及ぼした影響に関する報告(河合ら,1956),チェルノブイリ原子力発電所の事故がトルコの黒海沿岸部で生産された茶に及ぼした影響に関する報告(Gedikoglu and Sipahi,1989),同地域で生産された茶葉の生物学的半減期の報告(UEnlue et. al.,1995),および 1961年~1979年に生産されたインドのアッサム茶で行われた核種別濃度推移に関する報告等がある(Lalitet. al.,1983)。また,放射性セシウムの移行係数を算出した報告(近澤・宅間,2005),汚染茶葉から抽出した放射性セシウムの挙動を砂質土で試験した報告(Yuecel and OEzmen,1995),茶樹体内での部位別の放射性セシウム濃度を調査した報告(Topcuoglu et. al.,1997)等がある。しかし,国内の茶園土壌あるいは茶樹根圏における放射性セシウム動態については詳細な検討がなされていないことから,著者らは降下後6ヶ月後(1地点)および8ヶ月以後(5地点)の神奈川県内の茶園土壌における放射性セシウムの垂直分布調査を行ったので報告する。