著者
渡邊 美智留 三田 恭平 中村 春世 田中 恒明 三原 潔 小野 秀樹
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.726-733, 2014-12-10 (Released:2015-12-10)
参考文献数
9

Pregabalin, a useful drug for neuropathic pain, has a high incidence of dizziness and somnolence as side effects. In the present study, the incidence of both side effects and the risk factors were retrospectively investigated in hospitalized patients who were administered pregabalin after their admission. In 65 patients (median 68 years old), 34 cancer patients and 18 opioid users were included. Items studied were cancer/non-cancer, opioid user/non-user, fall/nonfall, age, sex, weight, daily dose of opioids, the number of the drugs that may cause dizziness and somnolence, daily dose of pregabalin, and the ratio of creatinine clearance to daily dose of pregabalin. Fourteen (21.5%) and 21 (23.3%) patients developed dizziness and somnolence, respectively, and 4 (6.1%) patients developed fall. In the case of opioid combination, 7 (38.9%) and 10 (55.6%) patients developed dizziness and somnolence, respectively. A logistic-regression analysis showed that opioid use is a significant augmenting risk factor for dizziness (P = 0.026) and somnolence (P = 0.016) of pregabalin. The ratios of daily dose of pregabalin to creatinine clearance did not show any relation to the incidence of dizziness and somnolence; both side effects were observed in some patients whose renal functions were normal. It is suggested that attention is necessary to the incidence of dizziness and somnolence regardless of renal function, and that particular attention is required when opioids, which have similar side effects, are combined with pregabalin.
著者
松井 康 今井 智子 永井 智 小林 直行 渡邊 昌宏 近藤 宏 宮川 俊平
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.389-393, 2016 (Released:2016-07-06)
参考文献数
28
被引用文献数
1

〔目的〕運動前のタウリン摂取が,運動によって生じる筋疲労に与える影響を明らかにすることとした.〔対象〕大学男子サッカー選手10名とした.〔方法〕無作為化二重盲検クロスオーバー試験にて,タウリン水,プラセボ水の2種類を摂取し,75%VO2maxでのエルゴメータによる運動と,最大努力での等速性膝伸展運動を100回行った.測定項目は,血液成分,膝伸展運動中のピークトルク,および大腿直筋の平均周波数(MPF)とした.〔結果〕タウリン水摂取群は血中MB濃度の上昇と,MPFの低下が抑制される傾向を示した.〔結語〕タウリン水摂取が運動によって生じる筋損傷を抑制する可能性があることが示唆される.
著者
奥 恒行 田辺 賢一 渡邊 有希 尾野 春子 成瀬 真理 中村 禎子
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.233-240, 2007-10-10 (Released:2009-01-30)
参考文献数
22
被引用文献数
4 6

本研究ではフラクトオリゴ糖 (FOS), ラクチュロース (LAT), ガラクトシルスクロース (GS) およびイソマルトオリゴ糖 (IMO) を用いて難消化性オリゴ糖の性状の違いがCaならびにMg代謝に及ぼす影響を比較・検討した。飼料組成は各オリゴ糖10%添加飼料とし, 対照にはスクロースを用いた。Wistar系雄ラット (3週齢) を1群6匹で44日間個別飼育し, 6週間後に出納実験を行った。なお, 給餌量は同一になるように軽い制限給餌とした。CaおよびMgは原子吸光法により測定した。尿中デオキシピリジノリン (DPD) はEIA法を用いて測定した。消化されないFOSおよびLATは腸管からのCaならびにMg吸収を促進し, 大腿骨中のCaおよびMg含有量を増加させた。しかし, 部分消化性のGSの効果はやや弱く, 消化性のIMOの効果はさらに弱かった。消化されにくいオリゴ糖は尿中DPD排泄量も低下させた。以上の結果, 難消化性オリゴ糖のCaおよびMg代謝への影響は, オリゴ糖の種類, 特に消化性の低いものほどCaおよびMgの腸管からの吸収を促進することが明らかになった。
著者
下村 久美子 金井 千絵 渡邊 博子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 59回大会(2007年)
巻号頁・発行日
pp.33, 2007 (Released:2008-02-26)

目的 古来から染色に用いられている藍は、現代でも工芸品やジーンズの染色に用いられ、染色には欠かせない染料として用いられている。そのほとんどは合成藍であるが、天然藍を用いた付加価値のある製品も市販されている。本研究では天然藍と合成藍の色相の相違を明らかにすることを目的として、天然藍と合成藍を用いて染色を行ない、これらの布の色相と染色堅ろう性を調べた。 方法 藍の染色は、琉球藍、すくも藍、合成藍、市販のインド藍の4種類を使用した。染色に用いた繊維は綿ブロード、麻、絹の3種類である。これらを藍の染色液に30秒浸した後、空気発色3分を1回の染色操作として、1回~15回の重ね染めを行なった。また、これらの染色布について洗濯、耐光、摩擦堅ろう度試験を行なった。 結果 4種類の藍染めを行ない、これらの染色布の反射率曲線からK/S値を求め、さらにL*a*b*値を求めた、その結果、色相は重ね染め回数が多いほど濃色に染色され、色調では濃度差はあるがほぼ同様であった。繊維の種類別では、今回の実験で用いた繊維の中では麻が最も染色斑がなく均一に染色できた。これは色素が付着するための間隙が広いことが影響すると考えられる。4種類共に洗濯堅ろう度の結果は4-5級、摩擦堅ろう度試験の結果は1-3級、耐光堅ろう度試験の結果は3-5級であった。これらのことから天然藍と合成藍の顕著な差は確認出来なかった。しかし、琉球藍と合成藍では添布白布に赤色の色素が付着したことから、赤色色素が染料中に含有されていることが示唆された。また、耐光堅ろう度試験は72時間の照射時間であったが、染色回数が多いと変退色は認められないが、特にインド藍の染色回数1回の絹の場合は、明らかに白黄色に変色することが確認できた。
著者
塩谷 隆信 佐藤 一洋 佐野 正明 渡邊 博之
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.131, no.6, pp.417-422, 2008 (Released:2008-06-13)
参考文献数
34
被引用文献数
2

●カプサイシン受容体はTRPV1と呼ばれる陽イオンチャネルから構成されている.●TRPV1はカプサイシンのほか,酸,熱刺激,アナンダマイド,ブラジキニンやlipoxygenase (LOX) productsなどの炎症性物質でも活性化される.●TRPV1は気道C線維末端に多く発現し,神経原性炎症により活性化され咳嗽反射を亢進させる.●TRPV4も神経原性炎症の病態生理に重要な役割を演じている.●TRPV1拮抗薬は将来的に咳嗽治療薬として大いに期待される.
著者
木島 竜吾 渡邊 純哉 近藤 大祐
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.77, pp.7-12, 2008-06-02
被引用文献数
2

A novel notion "retro-transmissive" material as an optical element for head mounted display is introduced and discussed. Using this, so called "false image projector" is proposed. This projector does not need any screen such as the retro-reflective screen that was generally used for head mounted projection system. The fundamental operating principle of the optics is discussed both in macro-view and micro-view. The simple early prototype is developped and the result of experiments indicated the optical system works as proposed operating principle.

6 0 0 0 OA 稿本石田三成

著者
渡邊世祐 著
出版者
雄山閣
巻号頁・発行日
1929
著者
藤井 基博 菊池 知美 岡田 まさ子 渡邊 美絵 長南 謙一
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.67-72, 2014-12-10 (Released:2015-09-04)
参考文献数
14

Relationships between physicians and pharmaceutical companies have received considerable attention regarding the professionalism of health care professionals in recent years. Pharmacists may also have a conflict of interest if they are provided some benefits from pharmaceutical companies. We conducted a survey of pharmacists in hospitals, clinics, and pharmacies in mid 2011. The response rate was 58.8%(235/400). Most pharmacists(94%) reported some type of relationship with pharmaceutical companies, which included receiving ballpoint pens and notebooks(88.5%), or receiving food in a meeting(56.6%). Managerial level pharmacists received more “textbooks and guidelines”, “gifts” than other pharmacists. The results of this survey indicate that relationships between pharmacists and companies is common. The formulation of guidelines and more responsible behaviors are needed.
著者
黒川 茂莉 石塚 宏紀 渡邊 孝文 村松 茂樹 小野 智弘 金杉 洋 関本 義秀 柴崎 亮介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-6, 2014-05-08

携帯電話通信時の位置情報履歴は,全国を網羅的に人々の移動が把握可能であるため,都市交通施策などへの応用が期待されている.都市交通施策のあり方を検討するために国士交通省を始め各自治体で実施されているパーソントリップ調査では,人々の滞在地,滞在時間だけでなく滞在目的も重要な調査項目となるが,滞在目的推定の研究はいまだ不十分である.そこで本稿では,携帯電話通信時の位置情報履歴から,個人の滞在地及び滞在時間を検出し,自宅,職場,お出かけ先などの各滞在地に対する滞在目的を推定する手法を評価する.評価では,利用同意を得た 1250 名の 4 週間の位置情報履歴と行動に関する Web アンケート結果を用いた.Location information associated with communication records of mobile phones has paid attention as a probe for person trips. In this paper, we evaluate a methodology to estimate semantics of significant places extracted from locations associated with communication records. The accuracy of the methodology is demonstrated by experiments using actual communication records of 1250 subjects.
著者
渡邊 健 小谷 允志 伊藤 真理子 小根山 美鈴 白川 栄美 山田 敏史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.315-322, 2014-08-01 (Released:2014-08-01)
参考文献数
3

ISO 30300は記録のマネジメントシステム(MSR)の国際標準である。われわれは小規模な勉強会を通じてISO 30300の理解と分析を試みた。すでに記録管理の国際標準として浸透しているISO 15489を参照しながら,両者の違い―実務レベルから戦略レベルへ―が具体的にどのように盛り込まれているのかを検証した。ISO 30300ではMSRの原理原則とともに,ますます複雑化する記録管理を効果的・効率的に実践するために,トップマネジメントが率先してMSRを実行することの重要性が述べられている。日本のビジネス界では,いまだに体系的な記録管理に対する理解が深まらない状況にあり,ISO 30300の公式な邦訳版も存在しない。われわれの勉強会では結果的にISO 30300の全文邦訳も完了することができた。今後JIS化を含め,ISO 30300シリーズの普及にかかわりをもっていきたい。
著者
家田 修 佐々木 隆生 仙石 学 池本 修一 渡邊 昭子 中島 崇文 中澤 達哉 石田 信一
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究では環境問題をも含めて公共財としてとらえ、総合地球環境学研究所との連携により、文理協働型の議論を行った。この結果、従来の政治共同体を基にした地域設定による圏域の設定を超えて、環境に基づく圏域(環境広域公共圏)が現在問題になりつつあることが本研究の成果として明らかになった。また住民へのアンケート調査の結果として、想定していたよりも人々の社会的な流動性は高くなく、地域コミュニティの役割が以前よりも重要になっていることが新たな知見として判明した。
著者
瀬崎 颯斗 渡邊 智也 小野塚 若菜
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.3, pp.152-159, 2023-10-16 (Released:2023-10-16)

近年,海外の高等教育分野を中心に,学習者中心の考えに基づくフィードバック研究が進んでおり,フィードバック・リテラシーの概念が注目されている.本稿では,本概念の研究動向に関するレビューを通じて,学習者のフィードバック・リテラシーの定義と構成概念,それを高める介入方法としての学習活動に関する検討を行った.これまでの動向としては,理論研究による概念枠組み提案,学生調査によるカテゴリー生成,尺度開発研究への発展,という流れで研究が進展しており,介入方法としては学習者による評価活動やフィードバックに関するワークショップ等が存在することが示された.
著者
川島 拓也 渡邊 恵太
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.178-183, 2022-08-25

タスクをしながら頭に思い浮かんだことを語るシンクアラウド法では,ユーザの心理プロセスを知ることができる.一方でタスク中の言語化は負担が大きく,ユーザによって語句の差が出ることがあり,データの収集とその評価が難しい.そこで「あ」だけで心理プロセスを表現し,声の大きさやイントネーションで心理プロセスを評価する「あアラウド法」を提案する.本研究ではゲームをタスクとした実験を行い,実験手法としての有用性や得られる心理プロセスを示す.
著者
渡邊 洋之
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.53, no.270, pp.169, 2014 (Released:2020-12-09)

This paper discusses some facts that were pivotal in the process of the introduction of Bluegill Sunfish, Lepomis macrochirus, into various places in Japan, however have not been considered in the existing literature. This paper points out that L.macrochirus escaped, and also was stocked, to the open water in Osaka as a result of experiments by a fisheries experimental station in the 1960s and early 1970s. In Shiga Prefecture too, the fish escaped into Lake Biwa as a result of experiments by a fisheries experimental station in about 1969. Neither Osaka nor Shiga are mentioned, by previous studies based on questionnaire research, as the prefectures in which L.macrochirus inhabited in the years between 1960, when the fish was first introduced into Japan, and 1979. In addition, anglers, who considered L.macrochirus an ideal game fish, stocked ponds and lakes in some prefectures with L.macrochirus in around 1970 on purpose to multiply the species. During this process, a network among not only local governments, fisheries experimental stations, and fish farmers, but also industries targeting anglers, such as fishing tackle makers and a magazine for anglers, was being formed, which however did not get established after all. These findings will contribute to enrich the basis of today's genetic research on the distribution of L.macrochirus in Japan.