著者
上窪 勇貴 渡邊 実 川人 祥二
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.15, pp.1-5, 2011-10-17

近年,ロボットや自動車などに自律制御機能が要求されており,リアルタイムに画像認識が可能な組み込みシステムの開発が急務になっている.しかし,既存の組み込みシステムはイメージセンサ,プロセッサチップ,メモリチップから構成されることが多く,1000 フレーム/秒以上のリアルタイムな画像認識処理を実現する場合,プロセッサメモリ間の情報転送スピードとプロセッサの処理スピードに問題があった.近年では分散処理を目指しビジョンチップも開発されてきたが,多機能なプロセッサや大容量のメモリをコンパクトに実装することが難しく,画像認識まで行えるビジョンチップは未だ開発されていない.そこで我々は細粒度のプログラマブルゲートアレイをベースに高速動的光再構成型ビジョンチップの開発を進めている.本稿ではレンズアレイを使用した高速動的再構成型ビジョンチップアーキテクチャの試験結果について報告する.In recent years, development of a high-speed image processing system is required for autonomous robots, cars, and so on. Since such embedded system must execute image processing operations at 1000 frames/s, there are issues in transferring image information between a processor chip and a memory chip and in processing it. Up to now, some vision chips including processing elements have been developed. However, such vision chip can execute only simple image operations and its performance is insufficient. Therefore, we have been developing a dynamically reconfigurable vision-chip architecture. This paper presents the experimental results of a dynamically reconfigurable vision-chip architecture using a lens array.
著者
橘 雅明 伊藤 一幸 渡邊 寛明 中山 壮一 山口 裕文
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.175-184, 2008 (Released:2009-01-24)
参考文献数
29
被引用文献数
3 2

東北地域の転作コムギ畑で問題となっているハルザキヤマガラシ(Barbarea vulgaris R.Br.),カミツレモドキ(Anthemis cotula L.)および侵入が危惧されるイヌカミツレ(Matricaria inodora L.)の防除法を策定するために,出芽を中心にこれらの生活史を調査し,除草剤と中耕による管理について検討した。カミツレモドキは,青森県の秋播きコムギ畑では,主に秋季に出芽する越冬個体が雑草害の原因となっていた。カミツレモドキは春季と秋季の年2回種子より出芽していた。コムギ畑に発生したハルザキヤマガラシ,カミツレモドキおよびイヌカミツレの帰化雑草3草種に対しては,播種直後のリニュロン水和剤土壌処理,秋季の出芽終期にあたる11月上旬のアイオキシニル乳剤処理,5月上旬の条間中耕またはアイオキシニル乳剤処理に高い除草効果がみられた。上記の3つの除草管理時期のうち,いずれか2つの時期に適切な除草管理を実施すれば各草種の収穫期乾物重は無除草区の4%以下となり,帰化雑草3草種のいずれでも防除できる。カミツレモドキとイヌカミツレについてはチフェンスルフロンメチル水和剤による茎葉処理でも高い除草効果がみられた。
著者
渡邊 康子 薗田 徹太郎 菊地 香織 一ノ瀬 充行
出版者
財団法人さんりく基金
雑誌
三陸総合研究
巻号頁・発行日
no.24, pp.1-11, 2004-01-30

琥珀入り御香が生体にどのような生理的効果を及ぼすかを、脳波をその指標として検討した。被験者には、一定の安静状態の後に琥珀入り御香の香りを嗅いでもらい、その際に認められる脳波の変化を記録・解析した。その結果、頭頂・後頭領域において脳波が覚醒を示す高周波帯域へシフトしていることから、御香の香り刺激により覚醒状態へ移行したと考えられる。さらに、御香を燻らせている間よりも煙が止んだ後からα波レベルが上昇していた。したがって、御香の香りが薄らいでからの神経活動レベルの安定状態(リラックス)は、御香の成分を吸引することによる事後効果(after effect)と考えられた。以上のことから、琥珀入り御香には、香中のリフレッシュ効果ならびにその後のリラックス効果があることが示唆された。琥珀の持つこのような生体への効能を、新たな製品開発に活かしていくことは、三陸地域の振興に大きく貢献すると考えられる。
著者
渡邊 嘉二郎 吉永 洋一 正嶋 博
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

1.目的本研究は介護の現場で実用に供しえる無拘束健康モニタシステムの構築を基本目的とし、エアマットレス型センサセンサシステムを提案し、(1)フィールドテスト(試作回路の評価、モニタシステムのフィールドテスト、総合評価)、(2)任意のマットレスへの適用可能性の調査、(3)新たな可能性への展開について実施検討する。2.方法(1)フィールドテストの方法センサ信号処理のための回路をディスクリート部品で構築し、回路の最適運用条件を明らかにする。この回路のもとで、30夜(一晩の平均テスト時間は8時間)のフィールドテストを実施しモニタシステムを総合評価する。(2)任意のマットレスへの適用可能性の調査市販の汎用クッション、床ずれ防止用マットレス、病院用エアマットレス、試作の薄型マットレスなど8種類を越えるマットレスでの本方式の適応可能性を試験する。(3)新たな可能性への展開本在宅介護のための無拘束健康モニタシステムを用いて、睡眠段階の推定のための基本的なデータを収集する。具体的にはR-K法で得られるデータと本モニタシステムで得られるデータの関連をしらべる。3.結果(1)フィールドテスト結果30夜を越えるフィールド試験で本システム(センサ、信号処理回路、エアマットレス、コンピュータ)の物理的な耐久性、信頼性は十分に実用に耐えうる。残される問題はこれらの量産化の検討である。また、このシステムが心理的に受け入れられる条件を明らかにすることである。(2)任意のマットレスヘの適用可能性の調査結果本エアマットレス方式はマットレスの種類によらず安定に動作することが判明した。このことは被験者に違和感を与えず優れた無拘束性を可能にする。またマットレスを安価に実現できる。(3)新たな可能性への展開本システムで得られる生体情報から睡眠段階を推定できる可能性が明らかになった。
著者
渡邊 隆弘
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.108-113, 2006-03-01

目録の集中機能を担う典拠コントロールは,レファレンスの品質を確実にするためにも欠かせないものである。本稿では,典拠コントロールの2つのトピック,FRARとLCSHを概説する。FRAE(『典拠レコードの機能要件』)は,IFLAがFRBRに続いて作成している,名前典拠を主対象としたE-R分析による概念モデルである。公開草案に述べられた典拠ファイルの機能と利用者タスク,さらに「実体」「属性」「関連」の分析について述べる。世界的に広く用いられている件名標目表であるLCSH(米国議会図書館件名標目表)については,その基本的特徴や標目・細目・参照構造の概略,さらに近年の動向について述べる。
著者
渡邊 由紀子 冨浦 洋一 吉田 素文 岡崎 敦
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.53-62, 2011 (Released:2011-05-01)
参考文献数
7

九州大学は,2011年4月に大学院統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻(修士課程)を新設した。本稿では,現在,社会でどのような人材が求められているのか,そしてその認識から,どのようにカリキュラムを設計したのか等,新専攻の構想と意義を紹介する。まず,専攻設置の背景を概観し,次に,教育研究上の理念と目的を示す。続いて,養成する人材像と予想される進路について述べ,企業や図書館等を対象としたアンケート調査の結果などから,それらの人材像に対する社会的ニーズを明らかにする。最後に,人材養成のための教育課程および教員組織の編成の考え方と特色について説明する。
著者
矢野 雅之 勝間 大輔 清水 大輔 渡邊 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.674, pp.149-154, 2006-03-10

画像認識を行う際、まず領域分割を行って認識対象の侯補となる領域を設定することが行われる。しかし、領域数は一般に未知であり、又、明度/色相値の類似性のみで領域を生成した場合には影や模様の影響により適切に設定できないという問題がある。そこで本稿では、明度による自動領域分割に対してDFT処理した領域をクラスタリングした分割結果を統合することにより、領域分割結果の精度向上を行う方式について提案する。屋内シーン、屋外シーンにおいて本手法の有効性を確認した。
著者
勝間 大輔 清水 大輔 渡邊 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.230, pp.107-114, 2006-09-02

室内に存在する物体の種別・位置姿勢を2次元画像認識により求める際,複数物体の重なり・遮蔽や影などの影響によるコントラスト低下が生じた部分の特徴抽出が失敗し,正しく認識が行われないという問題がある.本論文では,認識対象個々の形状・属性情報を記述した物体モデルに加え,物体相互の位置関係,および人間動作との干渉関係を記述した『関係モデル』を適用することにより,上記の問題に対処する手法を提案する.撮影したシーンからまずエッジを抽出・ラスタベクトル変換・補完した後,連結性解析により閉面領域抽出を行う.次に物体モデルと照合することによりまず閉面単位のスコアを計算した後,隣接する閉面単位スコアを統合した統合スコアを求め,認識対象物体の候補を抽出する.ここで関係モデルを適用することにより,認識対象候補完の位置関係の整合性を検証し,矛盾の無い閉面領域の組み合わせを認識対象物体領域として得る.最後に物体同士の位置関係や人間動作との干渉関係を用いることにより,未認識領域に対する解釈当て嵌めを行う.現在実装しているのは認識対象物体の候補抽出部分までであり,室内環境シーンを対象とした実験結果について述べる.
著者
西原 利夫 櫻井 忠一 渡邊 輝雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
機械學會誌
巻号頁・発行日
vol.36, no.198, pp.682-687, 1933-10

Haigh式繰返應力試驗機の作動方法を理論的に取扱ひその結果が實驗と定性的に一致する事を示しこの試驗機を理想に近く動かすには電動子と電磁石との距離を可及的大きくしなければならぬことを示す。次にこの試驗機に用ひる試驗片の屈曲強さを求め片振圧縮耐久試驗に於ける試驗片の屈曲は通常の屈曲と異る事を推論した。
著者
花光 宣尚 駒﨑 掲 村田 藍子 渡邊 淳司 水口 哲也
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.335-338, 2023 (Released:2023-12-27)
参考文献数
9

Synesthesia Lab are developing a device to provide an experience that combines sound, whole-body haptic stimulation, and lighting. Many people have reported impressions such as “awe” and “sublimity”, which are related to the transcendent factor of wellbeing. Also, NTT created “Cards for Collective Wellbeing” to induce users to express and exchange the values of each in words. In this paper, we categorized types of the Synesthesia experiences using the cards, and performed a workshop that can exchange impressions and discuss the essence of the Synesthesia experience.
著者
坪見 博之 渡邊 克巳
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第9回大会
巻号頁・発行日
pp.23, 2011 (Released:2011-10-02)

日常生活において高次認知活動を遂行するためには、目標行動に必要な情報をアクティブに短時間記憶することが必要である。この記憶機能はワーキングメモリと言われるが、保持できる容量は物体3個程度であり、保持機能に厳しい制約がある。外界には目標行動に不必要な情報も存在するので、効率的な行動達成のためには、妨害情報を排除しながら現在必要な情報のみを保持するようコントロールすることが必要となる。本研究では、これらのワーキングメモリ機能の発達過程を横断的に検討した。その結果、保持に関するワーキングメモリ容量は10才で、コントロール機能は12才で、成人と同様にまで発達することが明らかになった。また、単純な保持ではなく、コントロール機能が高い児童ほど学業成績も高いという正の相関を持つことも示された。
著者
内堀 大輔 渡邊 一旭 櫻田 洋介 荒武 淳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.23-00129, 2023 (Released:2023-12-20)
参考文献数
22

地下構造物の長期的な保全のために,通信用マンホールの点検作業を効率的かつ安全に行うことができる自律飛行 UAV(Unmanned Aerial Vehicle)を開発した.地下空間でUAVを自律飛行させるために,レーザと超音波による距離計測センサおよびカメラを用いたUAVの自己位置の推定方法と,推定した自己位置情報を用いた飛行方法を構築した.また,マンホールのような狭小空間の飛行に適したUAVのガード構造を検討した.実寸大マンホールにおけるUAVの飛行検証の結果,地上からマンホールの内部への入孔,マンホール躯体部での移動と画像撮影,マンホールからの出孔,着陸までの一連の飛行動作を完全自動で実現し,点検用の画像が撮影できることを確認した.これにより,点検員はマンホールに入ることなくUAVの撮影画像を用いて点検を行うことができる.
著者
田崎 美弥子 渡邊 光理 高野 隆司 良峯 徳和 加藤 康広 山口 哲生
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第84回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.SS-043, 2020-09-08 (Released:2021-12-08)

ニューロフィードバック(NF)は,欧米ではすでに40年以上,てんかん,うつ,自閉症や,発達障害,脳梗塞などの,幅広い疾患に適用されている。NFは,対象者の望ましい脳波を視覚と聴覚刺激をフィードバックにより,望ましい周波帯域に対するオペラント条件付けを図る脳波のバイオフィードバックである。副作用が殆ど報告されず,欧米では保険適用の心理療法となっている。昨今,精神疾患は脳のニューロン回路の不調によるというコネクトーム説に対する最適な療法と再認識されている。日本においても少しずつ認知されるようになってはきたが,いまだに症例報告や研究報告が限定されている。本シンポジウムでは,日本において,ADHDや双極性障害,うつ,外傷性てんかん,睡眠障害といった様々な疾患をもつ対象者に適用し,かつ改善が見られた臨症例や研究を紹介し,NFの方法論や適用,効果や限界について論じ,NFに対する正しい理解を促進することを目的とする。
著者
渡邊 新六
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石礦物礦床學 (ISSN:18830757)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.145-150, 1937-03-01 (Released:2008-03-18)
参考文献数
3