著者
星 奈美子 迎 慎二 新澤 穣太郎 渡邊 茂 粕川 禮司 折笠 博史 小林 圭子 佐伯 武頼
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.492-497, 2002-11-25
被引用文献数
6 6

1996年4月, 29歳時に発症した成人発症II型シトルリン血症の男性. 特殊ミルク (高アンモニア血症・シトルリン血症フォーミュラ<sup>®</sup>) の内服で3年間症状の改善が認められたが, 1999年に, 血清アンモニア値の上昇とともに脳症のコントロールが困難となった. そこで経口アルギニン製剤 (アルギU顆粒<sup>®</sup>) を投与したところ, アンモニア値の正常化と脳症の改善が認められた. しかし8カ月後の2001年3月に再びアンモニア値の上昇と脳症が出現し, 約5年の経過で死亡した.
著者
永田 龍世 稲森 由恵 髙田 良治 池田 賢一 渡邊 修 髙嶋 博
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.146-150, 2014-02-01 (Released:2014-02-28)
参考文献数
16

症例は80歳男性である.両側性末梢性顔面神経麻痺,四肢筋力低下,四肢末梢・会陰部の感覚障害,尿閉,便秘,四肢腱反射消失をみとめた.バゾプレシン分泌過剰症(syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion; SIADH),脳脊髄液細胞増多・蛋白上昇をみとめ,セフトリアキソンおよびステロイドパルス治療にて神経症状はすみやかに改善した.脳脊髄液CXCL-13上昇,血清抗ボレリアIgM抗体陽性より神経ボレリア症と診断した.経過中,SIADHの再燃と全身状態の悪化をみとめ,骨髄検査でT細胞型悪性リンパ腫が判明した.近年,ボレリア感染とリンパ腫の関連が報告されており,本例においてもボレリア感染がリンパ腫の発症機序に関連した可能性が考えられた.
著者
跡見 順子 清水 美穂 秋光 信佳 廣瀬 昇 跡見 友章 長谷川 克也 藤田 恵理 菊池 吉晃 渡邊 敏行 竹森 重 中村 仁彦 井尻 憲一 吉村 浩太郎 高野 渉 神永 拓 江頭 正人
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

1Gという重力への適応を通して地球上で進化してきた人間は、動くことで重力を活用して身体を賦活化し、健康な状態を維持することができる。新しい健康科学イノベーション"重力健康科学"研究では、生命科学、脳科学、理学療法学、機器開発者が連携し、これまで皆無だった"ホメオスタシス範囲の評価系構築"に向けた研究に取り組んだ。いかに自重支持を行いながら運動し転倒しないようにするか?細胞と身体をつなぐ緊張性収縮のダイナミック制御システムを研究することが鍵でありかつ可能であることを、この萌芽的研究が明らかにした。
著者
鈴木 優司 横山 晴子 添田 真司 徳岡 健太郎 渡邊 昌之 北川 泰久 山田 安彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
pp.13-00193, (Released:2014-01-18)
参考文献数
11

Low-dose aspirin-induced gastrointestinal lesions are becoming an important problem in clinical practice. In our investigation of such adverse effects, we obtained 4 important findings considered useful for physicians, as follows; 1) even when aspirin was given at a dose, the incidence rate of gastrointestinal lesions was higher than with other NSAIDs, 2) the odds ratios for gastrointestinal lesions induced by aspirin with a histamine H2 receptor antagonist and proton pump inhibitor were 0.6 and 0.4, respectively, as compared with aspirin alone, 3) it is difficult to administer aspirin, which exerts an antiplatelet effect, without inducing gastrointestinal lesions, and 4) these gastrointestinal lesions appears early, especially within 2 years after administration. We distributed a questionnaire to 41 physicians to confirm our findings, and compared high (n=20) and low (n=21) frequency aspirin prescription groups. The recognition rate of points 1 and 3 noted above in the high group was significantly elevated as compared to the low group, whereas there no significant difference in regard to the information in point 4 between the groups and the rate of recognition was low. Moreover, only 27% of the surveyed physicians were familiar with all 4 points. Prior to receiving this information, 17% of the physicians gave no related instructions their patients, which was reduced to 0% after receiving this information. Furthermore, 98% of those surveyed found the information to be useful. Our results suggest that these 4 points of information regarding potential adverse gastrointestinal effects of low-dose aspirin are useful for physicians.
著者
鶴田 伸一 押川 修士 鹿嶋 雅之 佐藤 公則 渡邊 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.31-36, 2010-03-08
参考文献数
18

動画コンテンツのハイライトシーン抽出に関する研究は数多く見られるが,その多くはスポーツ映像やニュース映像など,構図やシナリオ等が既知のものを対象としている.本研究において,我々は映画やテレビドラマなどの動画コンテンツに対し,見せ場シーンに着目したハイライトシーン抽出手法を提案する.提案手法では動画コンテンツを音声と映像の2つの視点から捉え,それぞれから個別に特徴抽出を行う.これらの特徴抽出は,ハイライトシーン抽出の対象となる映像コンテンツに関する事前知識を全く必要とすることなく行われる.また,各々の特徴に対し重み付けを行い評価することにより,会話・動き・効果音それぞれに着目した映像メディアの検索が容易に行える.パブリックドメインのカラー実写映画およびアニメーションに対し,提案手法を適用し,特徴シーンの抽出およびそれに基づいたシーンの分割図の作成を行った.
著者
岡田 俊之 渡邊 曜子 中島 義和 佐藤 嘉伸 小山 毅 菅野 伸彦 米延 策雄 吉川 秀樹 越智 隆弘 田村 進一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.597, pp.13-18, 2004-01-16
参考文献数
5
被引用文献数
4

高齢化社会の進展に伴い,大腿骨骨折の症例は年々増加している.骨折の整復手術における医師の労力やX線被曝を低減することを目的として,我々は骨折整復支援ロボットの開発を行ってきた.このような支援システムでは,どのようにして正確な骨折の整復を行うかが重要な課題のひとつとなっている.そこで我々は,人体の形状の左右対称性に着目し,反対側のCT画像を用いたボリュームレジストレーションによる骨折整復計画を行い,その精度を検証した.骨折整復計画は近位,遠位骨片と反対側の鏡像との剛体レジストレーションを行い,それらの相対位置を求めることで行う.実験の結果,整復計画の推定誤差は偏り誤差が2.25mm,4.41度,ばらつき誤差が0.11mm,0.51度であった.
著者
大石 憲一 北川 恵美子 森田 学 渡邊 達夫 松浦 孝正 伊藤 基一郎
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.57-62, 2001-01-30
参考文献数
23
被引用文献数
13

岡山県歯科医師会会員および準会員1,046名を対象に,平成10年7月6日から19日までの2週間,郵便調査法による抜歯の理由調査を行った。回収率は38.1%(399名)で,以下の結果を得た。1. 抜歯総数は4,594本であった。回答者1人あたりの週平均抜歯本数は5.76本であった。2. 理由別にみた割合は,歯周病によるものが46.1%,う蝕によるものが42.1%であった。3. 抜歯された患者の平均喪失年齢は,う蝕によるものが53.3歳,歯周病によるものが58.8歳であった。また歯種別では,第三大臼歯を除くと,上顎第一小臼歯,上顎第二大臼歯,下顎第二大臼歯の順で平均喪失年齢が低かった。4. 年齢層別の抜歯理由は,45歳までの年齢層では,う蝕による抜歯の割合が男女とも第1位であった。しかし,46歳以上の中・高年齢層では,歯周病による抜歯の割合がう蝕による抜歯の割合とほぼ同じか,それを上回った。5. 昭和61年度の調査と比較して,う蝕から歯周病への抜歯の主な理由の変遷,抜歯された患者の平均年齢の上昇,および歯科医師1人あたりの抜歯本数の減少がみられた。
著者
渡邊 恵太 加藤 昇平
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

近年,Twitterが即時性の高い大規模な情報源として注目されている.そこからユーザが興味ある情報を即時的に獲得するには従来のキーワード検索では十分に対応できない.そのためTwitterではユーザの興味に合わせた情報推薦機能が求められる.このような情報推薦機能では,ユーザの興味を分析し明らかにすることが重要である.そこで,本稿では語の関連性を考慮したユーザの興味語抽出手法を提案する.
著者
西本 一志 渡邊 洋 馬田 一郎 間瀬 健二 中津 良平
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1556-1567, 1998-05-15

音楽との能動的な接し方の特徴は, 自分なりの音楽表現という創造性の発揮にある.しかし現実には音楽理論や楽器操作技術の困難により, 多くの人は能動的な音楽との接触を諦めている.筆者らは, これらの困難を計算機で支援することにより, だれでも容易に創造的音楽表現に取り組める楽器の実現を目指している.本論文では, そのための手段として, 音機能固定マッピング手法を提案する.従来の楽器は音高を演奏インタフェース上の固定ポジションにマッピングする音高固定マッピング型の楽器であった.しかし, 音には音高以外の属性があり, その1つとして, 音楽的環境に応じて個々の音が人に様々な情動的作用を与える, 機能という属性がある.音機能固定マッピングとは, 常時一定の演奏ポジションに一定の機能を持つ音をマッピングする手法である.ある音の機能の判定には音楽理論に基づく解析が必要であるが, この手法によれば, 演奏者は必要な機能を持つ音を理論的解析を行うことなく直接取り出せ, さらにそれらを自由に組み合わせるとこにより, 容易に自分なりの創造的音楽表現を実現できるようになる.本論文では, 特に音の機能の考え方が重要となるジャズの即興演奏を対象として作成した試作器と, それを用いた被験者実験について説明し, 本手法の可能性について検討する. : Many people cannot help but give up to play music because of difficulty of a musical theory or a manipulation of a musical instrument. The authors aim to develop a musical instrument with which anyone can enjoy creating of music with the support of a computer. In this paper, we propose a concept called the"fixed mapping of note-functions". With an ordinary musical instrument, a specific pitch is always mapped on a specific position of the instrument; this is a"fixed mapping of pitch"instrument. However, a note has other attributes. A note-function, i.e., the emotional effect of a note depending on the temporal musical situation, is one of them. The mapping of a specific note-function on a specific position is the basis of the"fixed mapping of note-functions"concept. In order to determine the note-function, a theoretical analysis is usually necessary. Using the proposed method, however, it becomes possible to directly extract notes with the required functions without any theoretical considerations and to exhibit creativity by combining the notes. In this paper, we show a prototype of an instrument for improvisational jazz, provide several subjective experimental results and dsicuss the possibilities of the method.
著者
高宮 正之 渡邊 充 小野 莞爾
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.89-121, 1998-02-28

日本産ミズニラ属(Isoetes)植物のサイトタイプ6種について, 各々の形態学的・解剖学的形質と地理的分布について比較検討し, 分類学的取り扱いを整理した。その結果, 日本産ミズニラ属植物には, 以下の4種1雑種1変種が認められた:I. asiaticaヒメミズニラ(二倍体), I. japonicaミズニラ(六倍体), I. pseudojaponicaミズニラモドキ(新種;八倍体), I.× michinokuanaミチノクミズニラ(新雑種;ミズニラとミズニラモドキの種間雑種で七倍体), I. sinensis var. sinensisシナミズニラ(狭義;四倍体), I. sinensis var. coreanaオオバシナミズニラ(新称新組み合わせ;六倍体)。ミズニラモドキとミチノクミズニラは, 大胞子が網目状模様を, 小胞子が針状突起を持つことで特徴付けられる。ミズニラモドキは, 稔性のある胞子を作り有性生殖するのに対し, ミチノクミズニラは, 不稔性のF_1雑種である。シナミズニラとオオバシナミズニラとは, 葉の断面の形や, 小胞子の大きさ・孔辺細砲長などによって区別される。
著者
渡邊 智子 鈴木 亜夕帆 山下 光雄
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.121-128, 2011-09-30 (Released:2011-10-27)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

The materials to take in iodine properly from diets were created with the use of the Tables 2010. The study proved that a large amount of Iodine is taken in from soup stock made from tangle: iodine of 12,300μg in 150g of one intake of tangle as a guide. Algae as standard food in Japan contains iodine most specifically and animal food does it next to algae except for meat while vegetable food does little except for algae and processed food. Food experts can grasp and analyze the actual condition regarding amount of intake of iodine from food and diets with the tables 1 to 5 made in this study, as a result of which guidance and plan about diets can be carried out easily. These tables are expected to be utilized properly depending on the intended use.
著者
永原 陽子 粟屋 利江 鈴木 茂 舩田 さやか 阿部 小涼 今泉 裕美子 小山田 紀子 尾立 要子 小林 元裕 清水 正義 前川 一郎 眞城 百華 濱 忠雄 吉澤 文寿 吉田 信 渡邊 司 津田 みわ 平野 千果子 浅田 進史 飯島 みどり 板垣 竜太 大峰 真理 後藤 春美 高林 敏之 旦 祐介 津田 みわ 中野 聡 半澤 朝彦 平野 千果子 溝辺 泰雄 網中 昭世 大井 知範 柴田 暖子
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、「植民地責任」概念を用いて、脱植民地化過程を第二次世界大戦後の植民地独立期に限定せず、20世紀の世界史全体の展開の中で検討した。その結果、第一次世界大戦期の萌芽的に出現した「植民地責任」論に対し、それを封じ込める形で国際的な植民地体制の再編が行われ、その体制が1960年代の植民地独立期を経て「冷戦」期にまで継続したことが明らかになった。